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キリリク・愛の歌【後編】
どうにかこうにか纏まったー!

イベント行って、コップレして、アフターでダベリまくって、帰宅して片付けて写真編集して、速報日記上げて、メール返して、裏パス返事して、SS書いた。

あ、ちょっと限界(笑)粘土捏ねたかったけれど、そろそろ寝ます。

そんなわけで、ありえない人魚姫は追記よりどうぞ。そーやさん頑張ったんだもんね。
明日は拍手お返事とかリンク作業とか頂き物アップとか裏庭更新とか、どれか出来たらいいなぁ・・・。


・愛の歌 3・




キョーコが陸に向かい約束の昼が過ぎた頃、無人島には社の乗った船が迎えに到着し、蓮はそのまま城へと帰還した。
社の話ではキョーコは城に留まっているはずだという話だったので、急いで身支度を整え、父王の待つ謁見の広間へと向かい、頭を垂れた。

「只今帰りました。」

「顔を上げてよく見せてくれ、蓮。無事で良かった。」

王の言葉に顔を上げ、その姿を見れば、そこには心の底から安堵を浮かべた父と母の顔があり、どれほどに心配をかけていたかを悟り、素直に謝罪した。

「心配をかけてごめんなさい、父さん、母さん。」

蓮が久しく使わなかった呼び方で王と王妃を呼べば、憑き物が落ちたような表情を浮かべる蓮の変化に二人は目を見開いて、けれど何も言わず、とても嬉しそうにその微笑みを深くした。親子の目がまっすぐに合う事はとても久しぶりだった、そして、何も言わずとも分かり合うことが出来たのは、やはり血のつながり故なのだろう。
三人の介する広間はとても穏やかな空気に包まれた。

「ところで、俺の居場所を教えに来た女の子はどこに・・・」

「ん?その子なら、お前を迎えに行ったはずだが・・・お前と一緒では無いのか?」
「・・・え・・・?」

蓮の言葉に首を傾げる父のその言葉に、蓮は事態が飲み込めなった。


  ※※※※※※


「ちょっと!!!!!離しなさいよ!!この人攫い!!!!!」

「ちょ、てめぇ!暴れるな!!俺様の顔に傷が付くだろうが!!!!」

蓮を迎えに行くために、単身海へ向かっていたキョーコは突然現れた茶色い髪に黒い服を着た男に背後を取られ、連れ去られているところだった。
じたばたと暴れるのだが、下半身は袋詰め、上半身はロープにより雁字搦めで、残す手段は口で噛み付こうかと思うものの、肩に担がれている為に、ゆさゆさと揺られ、うまく攻撃ができず、叫び散らす事しか出来なかった。

「だれかー!!!!!」
「おい!ちょっと黙れよ!!!」

そう言って誘拐犯はキョーコの口にハンカチで猿轡をかませ、キョーコは声を上げることを封じられた。

「むぐーむーー!!!!」

たどり着いた小屋の中でどさりと荷物のように落とされて、抗議の声を発しているが、くぐもった声しか出ない。

「ったく、手間かけさせやがって。」

「ちょ、ちょっと尚!?一体何をしているの!!!」

小屋の中にいた女性が慌ててキョーコに駆け寄って来た。

「祥子さん、そいつ、人魚だぜ。」
「しょ、尚?・・・一体何を・・・」

突然の事に事態を飲み込めない祥子という女性は困惑をあらわに尚という男に事態の説明を求めている。

「さっき入り江で見つけたんだ。変な薬飲んで人間のフリをしてるけど、ソイツ人魚だった。」
「人魚って・・・。」
尚の話に絶句する祥子はいぶかしげな目でキョーコを見下ろした。

「むーむーむーむーー!!」

「駄目だ、放してやらねぇよ!」

もごもごと言うキョーコをあざけ笑うように、尚は見下しながら己の思惑を口にする。

「人魚なんて誰も見たことないだろうからな、お前を見世物にして俺がアカツキの国へ帰国する資金にしてやるよ。光栄に思え。」

「ちょっと、尚、貴方、自分の歌で稼ぐっていう話をしてたんじゃ・・・」

「おいおい、祥子さん、仮にもアカツキの王子の俺よ?わざわざ自分の喉を使わなくても労せず稼げる手段が見つかるなら、それを利用するに決まってんじゃん。全く、なーにが『一文無しの状態で国外へ放り出した王子達の中からいち早く1万ゴールド溜めて帰城した者に王位を譲る』・・・だ。さっさと俺に譲位して隠居してりゃあいいのに。あの爺め。」

ぶちぶちと文句を口にする尚の言葉でキョーコにも状況は理解する事ができた。
つまり、自分は資金稼ぎの道具として誘拐されたということになる。

「むんーーー!!!!!」

蓮、と助けを呼んでいるのだが、猿轡のせいでくぐもった声しか出ず、キョーコは必死で暴れるもロープが体に食い込むばかりで外れる兆しも無い。けれど諦める事も出来るわけもなく、ジタジタともがき続けた。

「おら、いい加減諦めてじっとしろよ、傷が付いたらどうすんだ。」

そう言って、キョーコのロープを掴んで動きを止めようとするのだが、キョーコは勝手な言い分の尚を睨み付け、動く頭で力いっぱい腹を狙い突撃する。

「ぐっ!!!」

予想外のキョーコの抵抗に掴んでいたロープを放した結果、キョーコは床に転がり、その頬に薄い擦過傷が出来、軽く血がにじむ。

「ちっ、傷が付いたじゃねぇか、この馬鹿人魚。」

痛みに顔をゆがめ、腹を撫でつつ尚はキョーコへ再び歩み寄ろうとする。

「むんーーーー!!!!!!!」

口の布で声なんて出ない、けれどキョーコはそれでも力いっぱい叫んだ。




「お待たせ、キョーコちゃん。」

尚、キョーコ、祥子しかいないはずの小屋に突如として乱入してきた声に三人はバッと戸口を振り返る。

「な、なんだよ、テメー!!」

戸口には長身で見るからに高貴な身分の人間と分かる豪奢な装飾のついた白が基調の衣服に真紅のマント、腰には銀色に光る洋刀を納めた鞘をつけた姿の男が腕を組み立っており、予想外の展開に尚は焦りを浮かべながらもキッと蓮を睨みつけた。

「それはこちらのセリフだな、誘拐犯。」

「な、なんの話だ!」

「この状況でシラを切れると思っているのかな?アカツキの松太郎王子?」

口元には笑顔を貼り付けているが、瞳は全く笑っておらず、冷えた目で見据える蓮に、自分の身元がばれていることに絶句する尚、そして、この状況に尚の横にいた祥子が焦ったように口を開く。

「あ、あの、よく言って聞かせますので、この場は・・・」

「アカツキとの外交問題に発展させるのは、やめて下さい、ですか?」

くっと皮肉な笑みを浮かべて、蓮は後ろへ控えていた社を手の合図で促し、社はその猿轡と上半身を絡めるロープを解き、祥子へと言葉を投げる。

「あなた方は王太子の婚約者を誘拐したのですから、捕縛は当然かと思いますが?」

「「 !!!? 」」

社の言葉に二人は固まる。

「こちらにおられるのはヒズリ国、王太子、蓮=ヒズリ王子であらせられます。あなた方は王子の婚約者の誘拐犯としておとなしく同行して頂きます。アカツキの王子殿下というご身分を考慮して縄をかける事は控えさせて頂く用意はありますが、この申し出を拒否をするようでしたら、外に控える近衛兵により強制連行させて頂きます。」

「こいつが王太子の婚約者だと!?・・・ば・・・馬鹿じゃねえのか!?こいつは人魚・・・人間じゃないぞ!?どこの国に人魚なんぞを伴侶にすることを許すヤツがいるんだ!!?」

尚の言葉に猿轡を外されたキョーコの目が大きく見開き、絶句し。
蓮の表情が極寒のものとなり、尚と祥子はその迫力に硬直する。

「社さん、さっさと連れてって下さい。」

蓮の言葉に、社は「了解しました。」と事務的な返事を返し、固まる二人の背を押して小屋の外へと促す。

「・・・どうしてここが分かったの・・・。」

「うちの国民達はみんな俺のことを好きでいてくれるんだ、だから俺がキョーコを探してるって言ったら、国中で協力して大捜索をしてくれてね。」

下を向いたままポツリと言ったキョーコの言葉に、蓮は返事を返す。
それきりシンと静まり返った小屋の中で、猿轡は外されたというのに言葉を引っ込めてしまったキョーコに歩み寄り、そばにしゃがみこんだ。
そして一向に取ろうとしない下半身の袋の紐を解こうと手を伸ばした。

「・・・取らないで。」

「キョーコちゃん?」

拒絶の言葉に怪訝な顔をして蓮はキョーコの顔を覗き込んだ。

「・・・もう、薬の効果が切れて・・・元に戻ってるの。」

「だからどうしたの?一緒に家に行こう?」

キョーコの言葉を把握しても、真意が汲み取れなかった。

「私は人魚・・・人じゃないわ・・・。」

「・・・そうだね。」

蓮は人でキョーコは人魚、それはまごう事の無い事実。

「やっぱり、私は貴方のそばにはいられない。・・・海に帰るわ。」

キョーコの口から出た言葉に蓮は目を見開き固まる。そのセリフは天地がひっくり返ったような衝撃をもたらす一言だった。

「それは駄目、聞けない。君がいないと俺は生きていけない。」

「でも・・・さっきの男が言った通り、きっと私が貴方のそばにいること・・・誰も許してくれないわ。」

「だったら王位なんていらない、君を連れてどこかに逃げる。」

そう言って蓮はキョーコの下半身を縛る袋の紐をスルリと解いた。



「れーん、無事か?」

二人の痛いほど張り詰めた空気をぶち壊すように小屋へと入ってきた人物がいた。

「と・・・父さん・・・。」

戸口を振り返って突然の闖入者の正体を確認した蓮は目を見開いた。

「彼女は無事だったようだな。」

「お、王様・・・。」

袋が解かれた為に、王の目にはキョーコの下半身が晒されている。
その姿でキョーコが人魚であることは一目瞭然。

「おや、薬が切れているのか・・・。」

キョーコの姿を視界に捉えた王は自分の袂をごそごそと探り、透明のビンを取り出す。

「ほら、コレをお飲み、そうすれば歩いて帰れるだろう?」

王の手から渡されたビンの中にはとても見覚えのある液体が入っており、それを見た蓮とキョーコは二人そろって沈黙してソレを凝視した。

「・・・父さん・・・なんで・・・」

「どうして・・・これ・・・持ってるんですか・・・。」

息もピッタリに二人は王へ質問をした。調合法は人魚しか知らないし、人魚にしか意味のない薬だ。何故王がそれを持っているのか、二人には全く意味が分からない。

「何でって・・・妻の薬が切れた時、他の誰でもない夫の私が薬を持っていないと困るだろう?」

あっさりと王の口から飛び出した言葉に二人は度肝を抜かれる。

「あの・・・妻って・・・母さんですよね・・・」

「・・・蓮、私の妻はお前の母さん一人だろう?他に誰がいる?」

呆れたような王の言葉にキョーコが事態を理解しようと頭をフル回転させる。
王の言葉を理解するならば・・・

「薬が切れたら困るって事は・・・蓮のお母さんは・・・・・・人魚って事ですか・・・?」

「ん?そうだが??」

あっさりと返された言葉に蓮はこめかみを押さえて父王を見やる。

「お、俺・・・今日までそんな話、全然知らなかったんですけど・・・。」

「そうなのか?別に隠してはいないのだが?」

首を傾げる王の言葉に二人はそろって絶句。
先程までの『人魚だからそばにいる事は誰にも認められない』なんて悩みはなんだったのか。
「ぷっ・・・・・ふふふふふ」

「くっ・・・ふふ・・・」

耐えかねたように二人は顔を見合わせて笑い転げた。




  ※※※※※※





舞台は小さな島の王国、海辺にたたずむ白い王宮で、後に王国一の賢王と名を知らしめる事になる若き王の結婚式が厳かに行われた。

彼の王の伴侶は、亜麻色のゆるやかなカールをした髪を腰まで伸ばし、白磁の肌、ほっそりとした身体、桜色の唇、愛らしい瞳、そして、国の誰よりも美しい声を持ち、

その声は、耳にした誰をも虜にする愛の歌を奏で、彼女は国中の誰からも愛され、そして歌を聞いた全ての人を幸せにしたという・・・。


 FIN





例によって、勢いだけで書き上げましたが、お楽しみ頂ければ幸いですvv
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