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SS・100万回好きだと言って。1
「最上ノ華ヲ我ハ愛ス」という作品があるわけなのですが、最上(さいじょう・もがみ)と両方を引っ掛けたタイトルだったのです。で。これで皆様(さいじょう)と難なく読んで頂いていると思うのですが、そんな中、

「もがみの花」って感じだと社長令嬢とホストの物語っぽいですよねー。とharuka.氏から投下される爆弾(笑)

そんな萌えシチュを投下されたら書くしかないじゃないか!!!!!

というわけで、ネタ提供のharuka.さんに先行公開して頂いていた「もがみの花」改め「100万回好きだと言って」の我が家での一話目公開でございます。タイトルを変更したのは、自宅で似たタイトルが並ぶのは紛らわしいと思ったので、そこまで深い意味はありません(笑)
二話目以降は、蛹が蝶に孵るまで。が終了したら本格始動しようかなと、ほら、ウチ連載中のマーク多すぎないか?ということです。アハハ。

No.1ホスト×社長令嬢 のパラレルです。
よっしゃこい!なお嬢様のみ、追記よりどぞー!!!












100万回好きだと言って ACT.1








太陽が沈み、夜が訪れてから、一際の賑わいを見せる場所がある。

キラキラと眩く輝くネオン街、煌びやかに着飾った男女、濃密な夜を過ごす者、己の仕事に明け暮れる者、新たな出会いを求める者、実に様々な人間が入り交うその街に、一際の輝きを放つ店がある。

ホストクラブLME――。

完全会員制であるこの店のポリシーは『愛』。
それはオーナーの主義によるもので『貴方に愛と至福の時間を、そして最上級の持て成しを…』をモットーにした、高級クラブであり、この店の顧客に名を連ねるのはハイクラスの淑女、セレブな女性達ばかり。
であれば、持て成す側のホスト達に求められる条件も自然と厳しい物となり、顔、体、性格、様々な知識を必要とされ、教養が深くなければ彼女達に求められないし、そもそもホストとしてまず採用されない。

LMEの歴代トップ3を飾った者達は、その引退の後も成功の道を収めており、LMEのホスト経験者という事はある種、知る人ぞ知る最高のステイタスであったので、厳しい世界であるけれど、己を磨き上げてLMEの門戸を叩く者は後をたたなかった。


そしてそんな選りすぐりのホスト達の中、現在NO.1に燦然と君臨する男。
彼はギリシャ彫刻もあわやなまでに整った芸術的な容姿、他の追随を許さない抜きん出たスタイル、穏やかで紳士的な性格、脳髄まで痺れさせるような甘い声、その存在の全てが神に愛された奇跡のような男……。

彼の名は敦賀蓮という。


その彼は今、今宵の珍客を相手にしていた。



テーブルに着く前には女性達へ、うやうやしくかしづき、求められれば、その手の甲へと軽く口づけを落とす。
それは過去の時代、ヨーロッパ辺りの貴族達の間では主流であった貴婦人への挨拶。


「LMEへようこそ、最上さま。お待たせ致しました、敦賀です。」

茶髪の少女から差し出された手の甲に軽く口づけ、蓮は極上の笑みを浮かべて挨拶をする。

彼の常連なら大半は、この一連の挨拶で真っ赤にのぼせ上がるものなのだが、自ら求めた蓮の挨拶の口づけも軽く流した彼女は、己の希望を告げる。

「最上さまはやめてくれますか?」
「では最上さん、お一人で来られるのは初めてでいらっしゃいますね、今日はどうされますか?」
「敬語もやめて下さい。とりあえず一番高いボトルを入れて貰えますか?。」

柔らかい笑みの蓮にも眉を動かさず、この少女はそっけない。
「けれど、君はドンペリやヘネシーなんかは苦手だろう…?」

過去数回友人に連れられ、先頃成人の誕生日を迎えたキョーコは度数も強く、苦味のある酒の類は苦手とし、甘いカクテル系のアルコールを好んだ筈だ。
そして、さらに言うなら、指名を受けた蓮がテーブルへ到着するまでの間にキョーコは店内の客へとシャンパンタワーを振る舞っているから、今日はすでに結構な量を飲んでいる筈であるし、使った金額も普段の桁を軽く越えて10倍以上になっていることだろう。

「じゃあ盛り合わせ!BOX"R"下さい!」

それは店内で最上位のフルーツの盛り合わせで時価の物が季節に合わせてふんだんに入る為にかなりの金額となる。

「こらこら、君はそんなに食べられないだろう?」

酒の勢いも手伝ってか、未だかつて無い様子のキョーコを止めるべく蓮が思案する。

「ねぇ、最上さん、俺のオススメのLMEオリジナルカクテルを飲まない?メニューには載ってないんだ。」
「…じゃあそれでいいです。」

自分の要望は却下されたが、代替え案が裏メニューであった事で了承したキョーコの様子に笑みを浮かべ、蓮はバーテンダーへと指示をだす。

「社さん、俺と彼女に"DARKMOON"を……」



…それは、"これ以上酔わせるのは危険"と判断した女性へ出す、とても軽いカクテル、つまり店内のスタッフにおいての注意を呼ぶ暗号である。

「今日は一体どうしたの?髪も随分と思いきったみたいだね、雰囲気が随分変わった…そんな感じの君もとても似合っていて可愛いらしいけど。何かあったのかな?いつもこんな飲み方はしないだろう?」

キョーコの性格は、今までの来店で分かっているつもりであったが、現在のキョーコの変貌は、驚く物があった。


蓮には辛うじてキョーコである事は分かったが、入店を出迎えたスタッフは最初、最上キョーコだと気づけなかった事からもどれほどの変貌であるか伝わるだろうか……

「この前の誕生日で二十歳になったから婚約してたアイツと正式に結婚が決まったんだけど…アイツ……愛人がいたの……小さい時からずっとあんなのを好きだったなんて、自分の馬鹿さ加減が…本当に憎いわ…」

キョーコの言葉に蓮は彼女の身に起きた事態を推察する。
これは一介のホストが踏み込んで良い事例なのだろうかと迷いが生まれるが、語る客を止めることなどできるはずがなく、キョーコの語り口に静かに耳を傾ける事にした。…。

「ずっとアイツの良いお嫁さんになる為に…なんて…送ってきてた人生が…心底阿呆らしくなったのよ。」
「それで、うちで気晴らしをしようって?」

そうやって会話する二人にバーテンダーがそっとカクテルを差し出し、バーカウンターへと戻っていった。
いつもならキョーコと軽く会話を交わす社が一言も口を開かなかったのは、今の二人の微妙な空気を察したのだろう。

「結婚式まであと…一年あるもの…地味で色気も何もないけど何でも言う事を聞くし、うちとの姻戚関係になれば便利だから貰ってやるなんて、…私を馬鹿にしたアイツがびっくりするぐらいに派手に遊びつくしてやるの!」

男の台詞がよほど彼女を傷つけ逆鱗に触れたのだろう、キョーコがそれを語る顔はまるで般若のよう。

半年前、初めて来店した時にはキョーコがこんな顔を浮かべるようになるなどとは露ほどにも思わなかったのに…と、キョーコの言葉に相槌を打ちながら、蓮はそう遠くない過去へと思いを馳せた。

夜の街には似合わない、花のように笑う少女だったのだ――。



――――――――――――――


「いらっしゃいませ、百瀬さま、琴南さま。本日は可愛らしいお友達をお連れでいらっしゃいますね。」

そう言って百瀬逸美と琴南奏江の手の甲に口づけをした蓮は艶めいた微笑みを浮かべて二人を歓迎した。

「今日は彼女に大人の階段を一つ登らせてあげようと思いまして。ね、奏江。」
「そうそう、キョーコは温室育ちというか、世間知らずなんで、ちょっとした社会勉強をさせてあげて下さい。」
「ちょ、ちょっと!私が世間知らずって酷くないかしら?モー子さん、逸美ちゃん!」

二人の言いぐさに抗議するキョーコだが、キョーコの言葉に引っかかった蓮が素直な疑問を述べる。

「モー子さん?琴南さんの事なのかな…?」
「あっ!!」

蓮が逸美とキョーコの間にするりとすべるように着席し、キョーコを見れば、蓮の口から飛び出した質問に、キョーコが明らかにしまったという顔を浮かべ、その横に座る奏江が噛みついた。

「もーっ!!あんたって子は!!人前ではその呼び方やめなさいってあれほど言っておいたのに!」
「まあまあ奏江、そう怒らないで、ね?」
「逸美!あんたはこの子を甘やかせすぎよ!」
「ごめんなさい…奏江…ちゃん…」
「はああ……もういいわよ。いつも通りで。」
脱力した奏江に普段の凛として近づき難いオーラは無く、初めて見た意外な一面に蓮は笑んだ。

「くすくす、仲良しなんだね。でもどうしてモー子さん、なの?」
「…そ…それは…」

言いよどむキョーコの横から今度は逸美が話を続けた。

「ふふふ、キョーコちゃんは最上財閥のお嬢様なんですけど、高校で初めて会った時にキョーコちゃんを人生で初めて叱り飛ばしたのが奏江…なんですよ。」
「ああ…あの『最上』のお嬢様なんだ。」
「あ、いえ、私が偉い訳じゃありませんから…。気にしないでください。」

最上財閥といえば、日本で現在三本の指に入る程の大財閥…
つまりキョーコは並みいるお嬢様の中でもかなりハイクラスな位置にいると言っていい。

「謙虚なんだね。」
こういったお嬢様には内心辟易する事の多い蓮にしてはめずらしく好印象だった。

「実際キョーコちゃんは良い子なんですよ、男を見る目以外は。」
逸美の言葉に奏江も頷いていて、二人にキョーコが、「もー、ひどいじゃない」と抗議していた。

「松ちゃんは私の王子様なんだからー。二人共どうして松ちゃんにそんなに冷たいのよーっ。」
「私はあの男はやめた方がいいと思うわよ。」
「そうそう、いくら幼なじみで許嫁だからって、キョーコちゃんは不破くんに勿体ないもの。」

三人のやりとりを聞いているうちに蓮にも事態が飲み込めてきた。
キョーコの好きな男にどうやら二人は厳しい評価をしているようだ。

「大体ねぇ、普通、王子様って言うのは敦賀さんみたいなタイプを言うのよ。」

急に奏江から回ってきたお鉢に柔らかい笑顔を浮かべた。

「それは光栄だね、ありがとう。」

にっこり笑った蓮の顔に奏江も逸美もほのかに頬を赤くして「い、いえ、本当の事ですから。」と肯定的な言葉を返す。

「えーと、でも…敦賀さんは王子様って言うより王様って感じじゃ無いかなぁ…」

蓮の極上紳士スマイルがただ一人通じていない様子のキョーコはのんびりとしていた。

「王様っていうのも十分に誉め言葉だと思うけどね、俺は。」

笑みを深くしてキョーコに礼を述べれば、キョーコの向こう側にいる客が蓮のその表情に射抜かれパタリと倒れてしまったのだが、そんな眩しい笑顔もキョーコには全く効いておらず、むしろこのテーブルを和やかな空気に包んでしまう温かさ持っていて、なおかつ、目と目をきちんと合わせて会話する最上キョーコという女の子に蓮はさらに興味と好感を持ったのだった。



――――――――――――――


「それで、今日は敦賀さんにお願いがあるんですけど。」

「ん?何かな?」

過去と比べれば天と地ほどに雰囲気をガラリと変え、ピリピリとした空気を発しているキョーコに、出来うる限り優しさを込めた声で返す。

今のキョーコの姿は傷ついたハリネズミのようで、その傷を治してあげたいと思う反面、これ以上深入りするのは危険だと蓮の脳内では警鐘が鳴っている。

この思いを一体どうしたものかと蓮が一瞬の思考の縁に沈んでいる間にキョーコが何事か呟いた。


「え??ごめん、もう一度言ってもらえるかな?」

ホストとして常なら絶対起こさない失態に舌打ちしたい気分を隠しながら、柔らかく聞き返す。

「………だから…その…」

「その?」



「敦賀さん、私の処女を貰ってくれませんか?」


キョーコのあまりにも衝撃的な言葉に蓮は言葉を失った。






つづきます。一応。(笑)
ここから表ルートに正統派で行くのか、裏ルートで貰ってしまうのかは悩みどころですが(笑)
とりあえず、表ルートで連載しつつ、パラレルワールド的に裏も書いてやろうとか企んでる私がいます。
だって・・・ホスト設定話、大好きだもの。←自重することはあきらめました。
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