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SS・蛹が蝶に孵るまで。17
今回がラストかなーと思ってたらもう一回かかりそうです。あれれ?すみませ。

蛹のPA設定を大きくやりすぎて設定に書いてる本人が振り回されて、どこまで劇中劇を書くべきか、とか、色々と煮詰まって久しぶりに、へこんでました。orz
一回書き上げたラストを初めてボツにしたんですよねー。なんでこう、文章能力がないんだろうーっうがー!となりながら書いてます。うがーってなってる間に楼閣を上げた自分って一体(笑)
いや、書くのは楽しんでやってるんですけどね。ただ、まとめが苦手なんだなぁってひしひしと。
いかんせんスタートダッシュだけは良いんです。orz


追記よりどぞー。


――――――――――――――







「……お疲れ様です。」

「琴南さん。」

奏江が階段を下りた先には社が立っていて、彼は誰かがここへ登ってこないかを見張っている所だった。

「今、不破尚が降りてきたよ。」

「はい、問題になりそうな人間が片付いたので、あとはあの二人が纏まるだけ、ですよ。」

奏江は苦笑して、ここからでは見る事の適わない踊り場を見上げ、社も奏江と同じ方向に視線をやる。

「折角の告白なんだから、こんな局の廊下じゃなくてもいいのにねぇ…」

とは言え、スタジオに着いて早々、キョーコが不破と歩いていったなんて話を聞いて、焦って二人を探しに行った蓮の気持ちも分かっているので、あとはもう成るように成れ、というのが社の正直な心境であるのだが。

「まあ、私達の予想なんて軽く越える方があの二人らしい、そんな気もしますけどね、全く…。」

「これでくっついてなかったらどうしようか。」

「流石にあの子もちゃんと自覚してますからね、大丈夫だと思います。」

笑って社と会話した奏江は、それでは失礼しますと次の仕事へ迎う為に控え室へと帰っていった。

「二人が幸せになってくれたら俺は嬉しいんだけどね…。蓮…頑張れ。」

二人のいる方を見上げ、ずっと彼らの成り行きを見守っていた社は、優しく笑んでいて、そしてまた誰かに邪魔をされないように通路を封鎖するべく視線を正面へと戻した。


――――――――――――――


 蛹が蝶に孵るまで。17


――――――――――――――

mission 11



ドンドンドンドンと乱暴にノックされ、勢い良くその扉は開かれた。

「黎!!お前、一体どういうつもりだ!!!」

婚約破棄の一報を受けて激高した黎の父は、自分の秘書に息子の居場所を探させた。

意外にも実家に帰省しているという知らせを受け、彼は怒りも露わに黎の部屋へと殴り込む勢いでやって来たのだが…

「ああ…、結構早かったですね。」

にっこり笑いながら出迎える黎はその腕の中に小柄な少女を抱きしめていた。
少女は茶色い髪を二つに結び、かわいらしいベージュのワンピースを纏い、その腕は黎の背中に回っていて、所謂、彼らは抱擁の真っ最中だったわけだが、彼女は突然の乱入者に驚き、目を見開いている。

「あ、あの…」

そんな彼女の様子に一向に構う事無く、黎の父は怒りのままに捲くし立てた。

「お、お前というやつは…一体どういうつもりだ!私に恥をかかせおって!誰だその女は!」

予想通りな父親の剣幕に苦笑しながら黎が腕の中の女の子を解放すれば、薄い涙を浮かべた少女は怯えたように部屋を飛び出て行った。

「なんですか、フラれてしまったじゃないですか、折角部屋まで連れ込んだのに。」

「お、お前!?」

息子の醸し出す鋭い雰囲気に飲まれた彼は、思わず息をのみ、けれど気を取り直し、黎に負けじと声を大きく張り上げた。

「貴方に言われた通り、教師を辞めて、子作りに励んでるんじゃないですか、何の文句があるんですか?」

「なっ!!!」

黎の言い草に言葉を失いながらも彼は胸元から写真を数枚取り出した。

「先方から破談の理由として突きつけられた!一体どういうつもりだ、こんな…!」

「複数の女性に手を出して…ですか?」

写真に写っているのは黎が沢山の女性とデートしている姿。実際の所、相手は耀子一人であるので、沢山の女性とデートしているように見えるだけではあるのだが。

「心外ですね、俺はたった一人にしか手を出してませんよ?」

そう言ってフフフと笑った黎がクイっと扉を顎で示し、視線を誘導すれば、そこには少女の扮装を解いた耀子が立っていた。その手に握っているのは大きな茶色い封筒。

「初めまして、ではありませんよね?四方堂さん。」

笑顔を浮かべた耀子に、影で身辺調査をしていた当の本人の登場に、黎の父の顔は思わず引きつっていた。

「先日は、ありがとうございました。」

「先日?私と君は初めて会うはずだが…?」

困惑する相手に耀子は封筒の中身を取り出した。

「これ、覚えていませんか?」

出てきたのは複数の写真。見えるのはつい先日、声をかけてきた女と飲み交わし、珍しくバーで酔いつぶれた時の写真ではないか?
まるで浮気の証拠写真のように撮られている写真に、とても嫌な汗が噴きだした。

「この時、ご一緒させて頂いたの、私なんですよね。」

「さて、父さん、これ、母さんに見せたらとてもまずい事になると思いますが、どうしますか?」

ニッコリと笑った息子の姿に父は敗北宣言を出すより道は無かった。


――――――――――――――




「なんですか、その顔は…社さん」

控え室の鏡越しに見える自分のマネージャーの顔はキラキラと花を飛ばさんばかりの満面の笑みで、蓮は遊ばれる事を覚悟した上でややげんなりした顔をして問いかけた。

「いや、蓮にとうとう春が来たんだと思うと嬉しくてさ~っ、付き合って三日目の心境はどうなんだよ?」

「どう…と言われましても。」

社の言葉に苦笑して返していたその時、ノックの後にキョーコがおはようございますと部屋に入ってきた。

「おっ、もう一人の到着か~っ?」

「へ?どうされたんですか?社さん。」

会話の流れが読めなかったキョーコは困惑も露わ。

「いや…こっちの話だから君は気にしなくていいよ。おはよう、最上さん。」

苦笑のまま蓮がキョーコに返す。

「今日でいよいよクランクアップですので、よろしくお願いします!」

「こちらこそ。」

笑顔で見つめ合う二人の様子を微笑ましく見守る社は、気を使い二人きりにするために退室しようとしたのだが、ハタと言っておかねばならない事を思い返して扉の前で足を止めた。

「あ、二人とも、今日の打ち上げ、社長が来るから覚悟しといてね…」

「「…えっ…?」」

固まる二人を置いて、社は改めて退室した。



――――――――――――――

  Mission Final


「はあ………終わった…。」

「お疲れさん。」

事務所でぐったりのびている耀子に社長がパックのココアを差し出した。

「ほい、疲れたときは甘いもん。」

「ありがと、社長」

受け取ってストローを刺して口に含み、それを勢い良く飲んだ。

「しっかし、なんだぁ、俺達は結局…ただの親子喧嘩に巻き込まれただけか?あほらしい。」

「黎のお父さん、終わってみれば、私があれだけの人数を演じて、騙くらかしてた事を苦笑いして許してもらえたから良かったけど、私の事を反対してた理由が、まさか父親がいない私生児だって事の一点だとは思わなかったわ。」

「そうだなぁ、お前の父親の名前が出た瞬間、『なに!そういう事は早く言わないか!昔からファンなんだ…サイン貰えるかな?』だったんだろう?そりゃ脱力もするだろうさ。」

「結局、黎が勢いで先生辞めちゃったっていうのが一番大きな事件だったのかしら。次の職はやりたいことを見つけたって話だけど…。そういえば、なんで私にまで秘密、なんて言ってたのかしら。」

「あー、それなんだけどな。」

ポリポリと頭をかく社長の姿に首を傾げる耀子。
一体、何?と口にしようとした瞬間、事務所の扉のベルが鳴った。

「こんにちは。」

「黎?」

事務所のドアが開き、入ってきたのは、噂をしていた四方堂黎、その人だった。

「本日からお世話になります。」

ニッコリ悪戯顔で微笑む男を前に、耀子は盛大に固まった。

「は?」

「今日からウチの俳優部門に所属する事になった四方堂くんだ。」

「はぁ!!?」

「耀子ちゃんとやってたアレが人生で一番楽しかったんだよねー、教師より向いてるんじゃないかと思うんだけど。」

ニッコリ極上の微笑みを浮かべる恋人の姿に耀子はズルっとソファーから滑り落ちた。

「えぇぇ!?」

「そんな訳で、これからよろしく、先輩。」

「えええええー!!!!!?」

事務所中に耀子の声が響き渡っていた。



――――――――――――――




劇中劇はこれで終わり。

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