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SS・蛹が蝶に孵るまで。18
こんばんは。火曜日中に上げるつもりが、修正加筆修正加筆。と、もだもだやってたら水曜日になってました。あれ。
そんなわけで、長く続きました「蛹が蝶に孵るまで。」連載終了でございます。
2/10から開始して、5/25ということは三ヶ月やってたって事ですねー。長かったような短かったような。

正直、山場(告白)あたりで終わったほうが良いのか?どこまで書こう。とか色々考えたんですが、劇中劇もあるしでキリが悪いかも(汗)なんて思いながらもつらつらと書き進めてきました。
ラストの締めセリフは1の時点から決めてたので、ある種、予定通り、けれどある種、全く違う展開をしました。
これまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました!!
よければこれまでの感想やらポチリやらをお願いしますー。お待ちしてます←催促すんな。


兎にも角にも、そんな訳で、追記よりどぞー。






 蛹が蝶に孵るまで。18







「カットー!OK!!」

新開の声がかかり、クランクアップの瞬間、収録スタジオは拍手で包まれた。

「お、お疲れ様でしたぁぁ!!」

「お疲れ様でした。」

メインを務めたキョーコと蓮にスタッフそれぞれ花束が贈呈され、その場は和やかな雰囲気になり、皆が笑顔だった。

「さて、このめでたい瞬間に、報告があります。」

「はい?」
「え?」

突然の言葉に、その場にいるスタッフ、もちろん、蓮とキョーコも何事かと首を傾げ、スタジオの中心にいる新開に一同の注目が集まる。

「今回、シリアスに終わるはずだった台本がこうまで変わった理由、分かる?」

にんまりと笑顔の新開にハテナマークを浮かべるキョーコに、なんとなく当たりをつけた蓮は、もしや…という表情を浮かべた。

「ドラマの視聴率、深夜枠にもかかわらず、かーなり良かったからね、実は…続編の映画化が決定しました。」

一瞬の沈黙の後、その言葉を理解したスタッフ達がワッと歓声が巻き起こり、スタジオ内は歓喜の声に満ちた。

「…ほえ…!?」

「やったね、最上さん。」

「え…っと…敦賀さん、これって夢でしょうか…。」

新開の言葉に思わずポカンとするキョーコに苦笑して、蓮がキョーコの頭をポンポンと撫でた。

「夢じゃないよ…ほら、今、ここに一緒にいるだろう?」


「そうだとも!夢では無いぞ!最上君!!!」

微笑みを交わす二人の空気をバーンと轟音を立てて割って入る、突然の大音量の音楽とラテンダンサー。それの真ん中にいる影。

「ひゃっ!!!!!しゃ…社長。」

キョーコと蓮にとっては、はっきり姿を確かめずとも誰なのかが分かる人物の登場に、ローリィを知らないスタジオ内の人間の目もギョっとしながら吸い寄せられ、LME所属の者は「…はぁ…」と重い溜め息を吐いた。

「君のこれからのスケジュールは詰まっているし、忙しくなるぞ!」

「…は、はぁ。ありがとうございます。」

ジャカジャカとスピーカーから流れる音にあわせ踊るダンサーの中心で、情熱の赤いマントを羽織ったマタドールの格好をしたローリィ宝田は、キョーコと蓮に向かって宣言する。

「さ、二人とも、会見に行くぞ!!!!」

「「 ……はい?… 」」

会見などと、そんな予定は初耳で二人はキョトンとした。
寝耳に水すぎて、その言葉の意味がすぐさま飲み込めない。

「馬鹿者が!二人は付き合っているのだろう!?だったらやる事は一つ、マスコミに大々的に交際宣言に決まっているだろう!!!
今回は出来る限り穏便にと主任たちとマリアに懇願されたおかげで、俺的にはとても地味で非常に納得がいかないが、ホテルの金屏風の前にセッティング程度にしてある。会見の開始時刻まであと二時間しかないからな、早く動かんか!!」

「えぇぇ??!」

いきなりの展開に驚く蓮とキョーコに、周囲のスタッフ達も「え?二人ってそういう関係だったの?」とざわめく中、新開一人は二人の関係の変化に気づいていたようで、ニヤニヤと笑っていた。

「いや、社長…、それは…契約中の仕事に影響があるんじゃ。」

戸惑いながらも、キョーコより多少ローリィに耐性のある蓮がなんとか言葉をひねり出す。

「んなもん、俺と社ですでに手を回してあるに決まってる。」

その言葉にバッと社を見れば、疲れた顔ながらも笑顔の社がひらひらと手を振っていた。どうやらかなりの無茶な調整をしたようだ。

「あの、敦賀さんの相手が私なのは問題があるんじゃ…」

おずおずと申し出るキョーコをローリィがきっぱり切り捨てる。

「問題?愛の前にそんな物、無に等しいに決まっているではないか!!君のラブミー部卒業式典は穏便にすませるつもりは無いからな!派手にやるぞ、最上君!!!」

「え、あの…あの…」

「……そうですか…」

キョーコは困惑を深め、隣の蓮は半ば諦めたように溜め息を吐いた。

「その…公表しても大丈夫なんでしょうか…ご迷惑をおかけするんじゃ…。」

今までスキャンダル知らずの敦賀蓮がいきなり交際宣言なんてしようものなら世間は阿鼻叫喚の大パニックになるのではないだろうか、としごく真っ当な危惧を浮かべ、戸惑いを隠せないキョーコにローリィは笑いながら語る。

「今回のドラマの影響で最上君にはオファーが右肩上がりに増えているし、世間には新人女優から実力派女優として認知されている。視聴率も今期のドラマ枠の一番手を疾走中。放送も残り四回。なにより、俺の勘が公表は問題無いと告げている。心配はいらん!!」

「あの…社長、でも俺達にも心の準備というものが…。」

蓮がローリィを止められないかと言葉をかけるが、スイッチの入っているこの男を止められる訳もなく。

「蓮、お前もそろそろ腹をくくれ、公表した方がお前らをセットで売り出せて良いって方向で纏めてあるんだ。俺の読みを裏切るなよ?」

「…はぁ…。」

「それと…お前の本名も近く公表する事も視野に入っている、まさかここまで来てうだうだ言わんだろうな?大事な人間が出来たのにそれを守る気概が無いとは言わせんぞ?」

ローリィの言葉に蓮は沈黙し、少し考え込んだ。

「分かりました、でも最上さんにまだ全部を話せてないんです、もう少し、時間を…。」

「ふん、あと15分時間をやる、控え室で話し合って来い。」

「あの、社長…15分って…短くないですか?」

「お前らは俺が急かすぐらいしないと、気が付いたら5年でも10年でもそのままの関係でいそうだからな、このぐらいで丁度良いだろうよ。」

そして二人は急かされるまま、事態にざわめくスタジオを後にした。


――――――――――――――


「なんだかごめんね、最上さん。社長に交際した事を伝えるのは早かったかな。
まさか昨日の今日でこんな手段に出るなんて完全に予想外だった…。」

パタンと控え室の扉を閉じた所で蓮が口を開いた。

「いえ、でもお世話になっている社長にきちんと伝えておく事はやっぱり大切な事ですし、むしろ敦賀さんの方が大丈夫ですか?」

花束を控え室の隅に設置されていたLME行きの宅配便の箱に二つ並べて置いた。

「大丈夫ってどういう意味?」

「私と交際発表なんて、本当にご迷惑になりませんか?」

キョーコは蓮の瞳をじっと見て言葉を紡ぐ。

「私、敦賀さんの不利益にはなりたくないんです。」

「君の存在は俺のプラスになりこそすれ、マイナスになる要因は無いね。むしろ君に俺の存在がマイナスにならないかという方が俺は心配。」

「そんな事は…」

無いと言いかけたキョーコの唇にそっと人差し指を当てて蓮が言う。

「俺は成人している男で、君はまだ未成年、流石に一緒に暮らしてる事は会見でバラさないだろうけど、君のイメージへの問題の方が俺は心配だよ、そのあたりは社長に考えがあっての事だろうけどね。」

キョーコは蓮の言葉を聞いて、唇に当てられている人差し指をぎゅっと握り、蓮を見つめて言う。

「私は敦賀さんを好きになれて良かったと思ってます。」

「うん、勿論俺も君を好きになれて幸せだよ。」

「だから、私は大丈夫です。それに敦賀さんの存在は私に大切な気持ちをくれるんです。それこそ無敵になれそうな気持ちを…。」

それにファンからのバッシングは未緒とかナツで結構慣れてますしね、とキョーコは強く笑った。

「うん、君と一緒なら俺も何でも出来そうだ。」

フフフと笑い合い、蓮は自然にキョーコを抱き寄せて唇にチュっとキスをした。

「ずっと俺と一緒にいてくれる?」

唇を離し、告げられた言葉にキョーコは笑顔で頷く。

「勿論です!」

「これから結構騒動になると思うけど、俺は全力で君を守るから…。」

キョーコを抱きしめた蓮は誓うように囁く。

「いつか俺と家族になる事を前提にお付き合いしてくれる?」

「へっ!!??」

好きだと言われたのが数時間前、まさか結婚前提の言葉を告げられるなんて思ってもなかったキョーコが心底驚いて素っ頓狂な声を発した。

「へっ?て酷いな…」

くすくすと笑う蓮にキョーコはいや、その、あのう、と意味ある言葉を紡ぐ事が出来ず、わたわたと蓮の腕の中で表情を白黒させ、そんな姿に蓮は笑みを深くしてキョーコを見つめる。

「ずっと一緒にいよう。」

「っ…はい、ずっと…一緒にいます。」

抱きしめた腕を解き、キョーコの体を解放した蓮はキョーコの手を握り、瞳を見つめたままで話す。

「君に話したい事がまだ沢山あるんだ…、俺の昔の話とか…両親の話とか…コーンの話…。」

「コーンの話…?」

首を傾げるキョーコに「うん」と頷く蓮、とそこへ扉がコンコンコンとノックされる音が響く。

「蓮、キョーコちゃん、申し訳ないけど時間だよ。社長が待ってるからそろそろ移動してーっ。」

ドア越しの社の言葉にキョーコも蓮ももう時間が経ってしまったのかと、時計を確認する。

「じゃあ、敦賀さん、今夜お家に帰ったら沢山お話しましょう。」

蓮の顔を見て満面の笑顔のキョーコに蓮も頷く。

「うん、そうだね。俺たちの家に帰ったら…ね。」

「今夜も美味しいご飯、作りますからね!」

「それは、楽しみだな。君の作るご飯じゃないと俺はもう生きていけないね。」

「それは、とても光栄です。」

ふふふ、と笑うキョーコは控え室のドアを開けた。

「さ、行きましょうか。」

「そうだね、行こうか。」


二人は並んで一歩を踏み出した。


この後、人気ナンバーワン俳優と人気急上昇の女優による突然の交際宣言に、新聞は号外を刷り、テレビはどの局も二人の話題で持ちきりとなり、かなり世間を賑わせる事となるものの、
その潔い会見の模様がかえって好意的に受け取られる事となり、二人の関係は次第に温かく見守られる事となった。




――――――――――――――



「ねぇ…キョーコちゃん、怒ってる?」

「怒ってません。」

「嘘…ちょっと怒ってるよね?」

もはやキョーコの部屋となっている元ゲストルームのベッドのシーツを頭からかぶって一向に顔を見せようとしないキョーコに蓮はポンポンとシーツの上からその肩を叩いた。

「ねぇ、君の顔を見せて?」

「うー、ずるいです、敦賀さん。」

「うーん、ごめんね。」

「敦賀さんがコーンだったなんて…。」

リビングで向かい合って全部を話し終わったところでキョーコは無言で立ち上がり部屋へと走っていってしまい、現在、蓮はシーツに立てこもるお姫様を宥めている真っ最中。


「せんせ…お父さんの息子のクオンさんが実は敦賀さんだったなんて…」

そういえば過去にクーからの電話でキョーコが蓮のことを好きだと言った時、彼はなんだかとても嬉しそうにしていたが…最愛の息子への愛の言葉を告白されたのだからあの反応、今ならば納得できるというものだ。

「私が好きにならない訳が無い人だったんじゃないですか…もうっ、知ってて黙ってるなんでズルイ。」

「……ねぇ、それって君からの告白?」

「うううーっ」

くすくすと笑みを含んだ蓮の嬉しそうな声が聞こえてきてキョーコはバサリとシーツから顔を出した。

「大好きですよ!!!いけませんか!!!?」

「いけなくないよ。」

顔を出した瞬間、キョーコの頬は蓮の大きな手に捕らえられ、唇を奪われた。

「愛してるよ。」





   蛹が蝶に孵るまで。

        END




あとがき。

まとめが苦手なそーやです。こんばんは、最後までお付き合いいただきありがとうございました><
構想自体はブログ開設前から本当長いことやってた設定だったのですが、膨らみすぎて脱線した派生話を展開させてみたり、劇中劇はPAという設定が大きなものすぎて、私、生かしきれてないな・・・orz
と、反省点はもろもろですが、無事に終着地点に着地できた模様です。
蛹を書く上で、キョコたんに蓮との恋愛、クーからの親からの愛、周囲の人からの愛、そんな色々なものを感じて大きくなって欲しいなぁ、との思いから、自らハードルを上げ続けたような気がして仕方ありませんが、沢山の方からコメント頂き、拍手を頂き、ここまでたどり着くことが出来ました。
ひとえにご来訪いただいて私の背中をドンと押して下さった皆様のおかげでございます。
まだまだ至らない文章ですが、楽しんでいただければ本当に嬉しいです。

で、映画化なんてフラグを残しましたけれども(笑)
この後の二人ならきっとラブラブしながらやってくれると思います。
ふー。お疲れ様でしたーvvv

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ありがとうございました
蛹が蝶に孵るまで完結おめでとうございます&ありがとうございます。
とても素敵なお話で、とても楽しませていただきましたv
毎日こちらに通うのが本当に楽しみで楽しみで♪
PA設定も生かしきれてないなんてとんでもない!
明石先生のPAを懐かしく思い出して
思わず大人買いしてしまったくらいです。(笑)

また素敵なお話読ませてくださいね。
他の続きも楽しみにしてます。
amethyst rose | URL | 2010/05/26/Wed 17:01 [編集]
Re: ありがとうございました
amethyst roseさま
ありがとうございますーvvvこうしてコメントを頂けると、本当感無量ですvvv
楽しんで頂けたなんていう嬉しいお言葉で本当幸せですv
こちらこそ、嬉しいお言葉をありがとうございましたv
って、まさかの大人買いされてしまったのですか!!!
え、なんかすみませんwwいえ、でも私もコミックス所持の人なので、
なんだか嬉しいですvv
これからも頑張りますので、お付き合い頂けると嬉しいですvv
惣也(そーや) | URL | 2010/05/27/Thu 02:04 [編集]
No title
お目汚し失礼します><
このシリーズ大好きです!!
耀子と黎も大好きです!
こんなに素敵なお話が作れるなんて
本当に尊敬です!!
mm | URL | 2011/07/05/Tue 16:16 [編集]
一気に読んじゃいました。
最高です。
ものすご~く納得いく終わり方だったし。
松がそれなりにかっこよく去っていったこともうれしかった。

こんな風に素敵にまとめられるなんて、ほんとにすごい!
尊敬します。

読んでるときは、ドキドキキュンキュン、読み終わったあとはしあわせ~になれるお話、ほんとにありがとうございました!
| URL | 2012/04/25/Wed 17:50 [編集]
No title
>名無しさま
4月のコメントを9月に返してるとか何事かと言う感じですが、コメント本当にありがとうございました^^
勿体なさ過ぎるお褒めのお言葉の嵐をありがとうございます!
こちらこそコメントに幸せにさせて頂きましたvv
これからもがんばってドキドキキュンキュンして頂けるようなものを書けるようにがんばります!^^
惣也 | URL | 2012/10/01/Mon 00:19 [編集]
一気に読みました!!
いつも楽しく読ませていただいています!!
今回はPAの方でキュンキュン、蓮キョでニマニマと萌えとトキメキが止まりませんでした!!
PAは漫画もドラマも見たので懐かしかったです!
ホントにどうしてこんなに素敵なお話が書けるのか…いつも尊敬します。
惣也様に出会えてなかったら…どれだけ人生損してたか…!!
これからも応援させていただきます!!
お体に気をつけて、頑張ってください♪
黒にゃんこ | URL | 2013/11/05/Tue 01:38 [編集]
Re: 一気に読みました!!
>黒にゃんこ様
コメントありがとうございます^^
処女作なので、本当今では何書いたか恐ろしい所もあるんですが、
思い入れもたくさんあるシリーズなので、お楽しみ頂けてうれしいです^^
というか、本当もったいない褒め言葉をありがとうございます!がんばります!

>2011年7月5日さま
コメント返せてない事をやっと気付きました。本当本当すみません。
頂いた時点でコメントは間違いなく読ませて頂いてホクホクしてる事は間違いないんですが、
はい。今更ですが、コメントありがとうございました。
惣也(そーや) | URL | 2013/11/11/Mon 23:47 [編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
| | 2014/12/21/Sun 13:08 [編集]
素敵なお話、ありがとうございました
惣也様、はじめまして。初コメントさせていただきます。一気に拝読させて頂きました。私の願望をそのまま成就させて下さったような素敵なお話ありがとうございました。是非裏のお部屋にも伺いたいと思います。改めて正式に申請させていただきたいと存じます。
先ずは、この感動にコメントさせていただきました。
acco | URL | 2015/10/25/Sun 21:07 [編集]
Re: 素敵なお話、ありがとうございました
>>acco様
初めまして、こんばんはー!
お返事遅くてすみません。というかほぼほぼ返せてない状況ですみません。
とてもうれしいコメントをありがとうございます^^これからもぼちぼち更新がんばりますので、よろしくお願い致します。
惣也(そーや) | URL | 2016/02/03/Wed 21:50 [編集]
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