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SS・蛹が蝶に孵るまで。4
沢山の拍手ありがとうございます。
コメントを頂くたびに、うれしすぎて本当挙動不審です。
更新がんばろうと思います、はい!

劇中に出てくるモブ要員に一般的な女子の名前を考えたんですけど、
はなこ、ゆき、れいこ、かおり ぐらいな候補だったんですけど、
もし同名な方で気分悪かったらスイマセン。いや、たいしたモブじゃないので、スルーしてくださいね。

とりあえず一本上げてから、拍手のお返事も返させて頂きますねー。

追記よりどうぞー。



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蛹が蝶に孵るまで4

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mission2


「それで?四方堂先生の家でお前がご飯を作ってやったのか?」

「そーなのよ、あの日家に帰って窓開けたら、にっこり笑って
『やあ、お隣だったんだね☆キラリ』って言ったのよ!」

キラリは言ってないだろう、と堀田は
内心思いながらも、あえて突っ込むことはせずに会話を進める。

「確かに依頼書の住所は近所だったけど、まさかお前の家の
隣のマンションだとまでは気づかなかったな…」

でも、打ち合わせしやすくていいじゃないかと社長は笑い飛ばした。

「良くないわよ~!!それから3日連続、お宅に呼び出しされて、
晩御飯作らされて、なんでか一緒に食べてるのよ!?
俺は一人暮らしだから気にせずに晩御飯一緒に食べていきなさい、
作るのは君だけどね。って何よ!!私はシークレット女優であって飯炊き係じゃないっての!!!!」


相手は学校で毎日会ってるのに、なんで放課後の自分のプライベート時間まで費やさねばならないのか。
燿子はその手に握った豆乳を一気にぐびっと煽り、憤慨も露わに愚痴を零す。

「お母さんは夜間担当の介護士やってる、なんてうっかり言わなきゃこんな事にはなんなかったのに~っ、きー!」

「まあまあ、それで?例の四方堂桜ちゃんは固まってきたのか?」

唸る燿子を社長がなだめすかし、これからの仕事の話を確認するために話題を変換する。

「そりゃもバッチシよー、依頼書についてるリクエスト用紙で会話傾向、癖、
性格、雰囲気、割と問題ないぐらいしっかり固まってたのに、連日先生んちに呼び出しくらって、
ご飯つつきながら、これでもかってぐらい"黎お兄ちゃん"を理解させられたもの。」

「それはそれは…」

「結局のとこ、桜ちゃんはお兄ちゃんだけが大好きで、それ以外の両親とおばあちゃんの躾が
厳しすぎた事が原因で他の家族はみーんな苦手で、お兄ちゃんがいれば砕けるけど、
いなくなったら極度に人見知り。バリア貼りまくりの針鼠みたいなもんよ」

「針鼠…ねぇ」


だから黎と一緒でなければ見舞いにいかないのだ。

「じゃなかったら臆病なヤマアラシ。」

なんだか、どこかで聞いたような聞かなかったような例え台詞だが、
きっぱり言いきる所を見るに、心配いらないまでに燿子の中で"桜"が固まっているのだろう、
こうなった彼女ならどんなアクシデントがあろうと大丈夫な事を知っている堀田は、ニヤリと笑みを浮かべ

「そこまで固まってるなら心配はいらないな、
今日が公演初日だ、頑張ってこいよ」

そう言って、四方堂桜になるために控え室へ向かう彼女を見送った。





「カット、OK~」

カットの声が入り、スタジオの中にはそれまで張り詰めていた本番独特の空気が一変する。

「んじゃ、京子ちゃんはこれで上がり、明日からは桜をしっかり頼むよ、お疲れ~」

新開監督の号令の元、キョーコの本日の撮影は無事終了となった。

「ふーー、お疲れさまでした。」

キョーコは"燿子"のスイッチを切り替え、周りに挨拶をしながら、彼女に用意されている控え室へと向かう。

すれ違うスタッフみなにこまめに挨拶をしながら控え室までたどり着いた彼女は、
予定通り次のBOX-Rの撮影スタジオに向かうべく、ナツのスイッチたるクインローザのネックレスをその手に取った。

「さて、もうひと頑張り、いきますか!」

そうして、"ナツ"へとスイッチを入れるべく、メイクポーチをその手に取った。





そして、その頃、同局の別スタジオでは・・・・・・。

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「…い…いや……やめてっ…や、殺さないでっ」

"パーン"

それまで逃げ惑っていた女がゴトリと鈍い音を立てて血だまりに沈んだ。

硝煙をくすぶらせ、黒光りする銃身と、その右手に返り血を浴びた男は、
ニヤリと歪んだ笑みを浮かべ、その右手についた返り血をペロリと舐めあげ、
動かなくなった"人間"だったモノには興味を失ったように踵を返した………。

「カーット!!!」

しんと静まり返ったセットの中で、監督の声が響きわたった。

「OK、このままカメラチェックだ!
カインくん、流石だったよ。
あとゆきちゃんも良い死にっぷりだった。」

監督がそう言うと、死体になっていた女優がムクリと起き上がった、
血まみれなのだが笑顔を浮かべる現在の彼女の姿は、かなりホラーだと言える。


「は~、本気で殺されるかと思いましたよ、カインさんって本当にすごいですね。」

「………この程度、普通だろ…。」

カインと呼ばれた男は、共演者の彼女に素っ気ない返事を返した。

「でも悔しいわ~、最後まで彼が誰なのか、分からなかったもの。」

監督とカインに正体を教えて下さいよと口を尖らせる女優に監督が笑いながら返す。

「だからね、分からなかった人は、素直にクランクアップ後の打ち上げまでお預けなんだよ、我慢しててよ。」

「そーんな事言ったって、共演者の誰も分かってないじゃないですか~っ、
各メディアで候補に上がってる人、バラバラですよ~?」

なおも不平を漏らす女優に監督が笑いながら諭す。

「俺が世界中探してやっと見つけて来た役者なんだから、そうそう尻尾なんて出ないんだから、諦めてよ」

「もう、は~い。分かりました。」

了承の返事をしながらもまだ不満を抱える女優は、その血まみれな姿を片付けるべく、
スタッフに連れられてスタジオを後にした。




「しかし、君は本当に流石だね、カインくん」

監督が世界中探して見つけてきた役者だ、と発言した甲斐もあってか、
メディアはBJはハリウッドからの役者ではないか?いや、実はアジアで発掘してきたのだ!
などと、もっぱら海外へとその視線を向けて役者を予想しており、敦賀蓮の名前は未だにその候補に入ってはいない。

監督はしたり顔でカインへと話かけた。

「正直、ちょっとぐらいはバレる可能性も考えてたんだけど、全く心配がいらないなんて、
君はすごいよ、本当に。」


「…………このぐらい、普通です。」

先ほどと似た回答を返した彼を、満足げな顔で見上げた監督はさらに話を続けた。


「撮影も折り返しだし、これからもよろしく頼むよ。BJ」


「…了解。」

「キーパーソンの一人を殺してしまい、徐々に主人公たちに追い詰められていくが、
それすらも愉悦し、殺し続けるBJ…
期待、しているよ。君に。」

そう言い残し、監督はカメラチェックへと足を向けた…。




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