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SS・100万回好きだと言って。2
こんばんはー。ただいま帰りましたー。
色々とごそごそしてたらパソコンの電源入れたのが深夜の一時半ってどういうことだろう・・・w
今から拍手お返事にもぐりますー><
というわけで、パラレルを一本どーんと投下。六話ぐらいで収拾つける予定だったんですが・・・
所詮プロット書かずに書き進めるので・・・どうなるだろうねぇ・・・。
というわけで、

追記よりどぞー。




100万回好きだと言って ACT.2








「私の処女を貰ってくれませんか?」

そう言ったキョーコの言葉に思考が一瞬の停止をみせた。


「…俺は…客とは寝ないんだ。ごめんね。」

どうにか笑顔を取り繕い、柔らかく拒絶をすれば、キョーコは、
「ふふ、ですよね。冗談です。」

と、すぐに自分の発言を引っ込めた。
蓮にはキョーコの言葉がどこまで本気だったのか掴めなかった、まるで貼り付けた笑顔で覆い隠したような…これまでのキョーコなら絶対浮かべなかった表情…。
自分を安く投げ打つような、捨て鉢になっている…とでも言うのだろうか…。

「そういう質の悪い冗談はやめた方がいい…下手な相手に言えば傷つくのは君だ…。」

どこか投げやりな空気を醸し出すキョーコに、蓮は気遣いの言葉をかける。
少なからず気にいっていた少女のこの変貌は歓迎できる類の物では無い。

「やっぱり敦賀さんは優しいですね、ふふ………さ…飲みましょっか。」

結局、あとは当たり障りない会話に留まり、蓮が席を離れた後、変わりにヘルプに入ったホストの石橋光と楽しげに会話をして酒を飲んでいる姿が見えた。
そしてその姿になぜだかチリチリと焼けるような思いを感じた蓮は、気の迷いだと己の心の内を直視する事を避け、目の前にいる常連客へと意識を集中させた…。

「お待たせ致しました、マダム。ご指名に預かりました、敦賀です。」

常に浮かべる微笑を浮かべ、優美に頭を下げ、差し出される手の甲に軽く口付けた。



――――――――――――――



閉店まぎわにキョーコは今までの彼女が来店した中では桁違いの最高額の請求も、キャッシュでポンと支払い帰って行った。

「なあ…蓮……キョーコちゃん…どうしたんだ?」

キョーコがいた時には気を遣って話しかけに来なかった社が、店の片付けを終えて更衣室で帰り支度をする蓮の元にやってきた。
社の表情には困惑が見て取れる。


「どうも……悪い男に騙された…ようですね…。」

一目で一流の物と分かる上質の黒いロングコートに腕を通しながら答えるが、
蓮とて詳細に聞いた訳ではないから細部の事情は分からないし、相手のある話なので軽々しく口にする事は躊躇われたが、それでも今夜の話の内容を差し障り無い範囲で掻い摘んでしまえば『キョーコが男に騙された事に気づいてグレた。』そういう話だ。

「うっ…あの子…お嬢様の割に人が良いっていうか…疑う事を知らないような可愛らしい子だったからな…外見も中身も。」

「……そうですね…」

社の言葉に、彼も自分と同じような印象だったのだなと思い、蓮も同意をする。

けれど彼らにはどうする事も出来ない。
所詮は店員と客、互いのアドレスすら知らない関係なのだから……



……………………………………



(…人は変わる………良くも悪くも……)

蓮は帰宅する為に、うっすら朝日の昇る昨夜の喧騒が嘘のように静まりかえった繁華街の一角を一人、タクシーを拾うべく大通りへと向かい歩いていた。

(実際、俺だって幼い頃から相当変わっただろう…)

グルグルと脳内を巡るのは今夜のキョーコの事。
店では気にしないように勤めていたが、なまじ気にいっていた少女のあの変貌にやはり動揺していた。
キョーコの諦めと絶望と怒りを宿した瞳が鮮明に焼き付いて離れない。

(…俺は…どうしたいんだ…)

思案に暮れながらも具体的なアイディアなどついぞ浮かばず、ただ灰色の道を歩く。
と、そこへ・・・


「っ、や…だ…っ!!!!」

蓮の耳に路地の隅から小さな悲鳴が聞こえた。

その切羽詰まった声に異常な雰囲気を感じた蓮は思わずそちらへと駆け、細い路地の中を伺い見れば、アスファルトに抑えつけられた少女の姿がチラリと見える。

「そこで何をしている!」

蓮が声をかけた事で少女を拘束していた男は焦ったように蓮のいる場所とは反対方向へと逃げ出していき、暗がりの路上に残されていたのは、シャツのボタンを無残に引きちぎられて、白い肌が露わな状態の…………

「……最上…さん?」

「っ……」

ビクリとしたキョーコを視界に捉えたに蓮は、あまりの事態に真っ白になる己を叱咤し、とりあえず自分の着ていたコートを脱ぎ、その体にバサリとかけた。

「大丈夫…じゃない…よね…」

「…だ…い…丈夫です…服を…破られた…だけ…ですから…」

蒼白な面持ちのキョーコがコートの前を合わせてギュッと握りしめて、なんとか立ち上がるのを見届けて、ホッと息を吐いた。

(一応は…無事……か………。)

蓮はズボンのポケットから携帯電話を取り出した。

「今の…知り合い…じゃないよね?
とりあえず警察か…それとも琴南さんか百瀬さんに連絡しようか?」

「知らない人…ですけど……あの…警察は…困ります。それに二人は暫く海外なので……連絡しても…迷惑になりますから…だから、大丈夫ですから。」

蓮は、かけられたコートの上から自分の肩を抱きしめて、俯き地面を見つめているキョーコをどうするべきか思案し、怯えさせないように、出来る限り優しく声をかけた。

「なら、君の家に連絡して迎えに来てもらおうか?」

「いえ………帰れません。」

「…え?」

蓮の目の前にある白い手は、小刻みに震えていた。

「…家を出て……きたんです…。全部…無かった事にしたくて…。」

キョーコの言葉に蓮は目を見開く。

(家出中…なのか…?)

「…………そう…とりあえずこのままでいるのも人目について良くないから…家においで…。」

とにもかくにも、現状をどうにかする為に移動する事を提案した。



……………………………………



「あの日……、お母さんから正式に結婚式の日取りが決まったって言われて嬉しくて…驚かせようと思って、いつもは連絡をしてから遊びに行く松ちゃんのお家に行ったら……女の人と二人で…ベッドの中にいたんです。」

「…それは…」

どこかへ行くにも早朝で開いている店も無く、キョーコの如何にも襲われましたという姿を何とかするべく、蓮はキョーコを部屋に連れ帰った。
とりあえずキョーコをシャワー室へと向かわせ、蓮のトレーナーを着せ、洗濯機を回し、現在は珈琲の入ったマグカップを手に二人は向かい合っていた。

「酷い…でしょう?…裏切って女の人を連れ込んでた松ちゃんも酷ければ、そんな事に全く気づかなかった私も……。」

「でも…彼が気付かないように振る舞ってたんじゃないの?」

キョーコを僅かにでもフォローしようと口を挟む。

「でも…ちゃんと逸美ちゃんもモー子さんも見抜いてたんです。松ちゃんの事…。
多分…お母さんも気づいてたから私達が18歳になった時にすぐに結婚させずに二年間様子を見ていたはずなんです。
私だけ…盲目的に松ちゃんを信じてた…。松ちゃんも私を好きでいてくれてるんだって…疑いもしてなかった。」

「…それで?」

「なんか…もうこんな自分…嫌になっちゃって…」

珈琲を一口嚥下し、キョーコは続けた。

「…一年家を出る許可をもぎ取って、学校も一年休学したんです、…私の世界を広げられないかな…って。」

「…世界を広げる…ね。」

「でも結局、仲良しな二人は今はホームステイ中でこっちにいないし、それ以外で私を家と関係なく話を聞いてくれる人…誰もいなくて…気がついたらLMEに行ってたんです。敦賀さんならお話し…できるかな…って思ってしまって…」

どうやら厄介な事態に巻き込まれている、そう悟った蓮はこの後の行動を聞くべきなのか躊躇した。

「でも、そんなの敦賀さんにしたらご迷惑…ですよね?すみません…」

悲しげに伏せられた瞳に蓮は考えるより先に一歩を踏み出す言葉が零れた。

「いや…俺は別に構わないよ……。…って、そう言えば、最上さん。…被害届けはどうする?本当にもういいの?」

「あ、はい、お財布も無事でしたし…、大丈夫です。被害届けを出して家に連れ戻される事になっても困りますし…。」

「ならいいけど…でも一年家を出るって具体的にどうする気だったの?あてはあるの?」

「お家を借りて、アルバイトをしてみようかと…思ってます。」

「アルバイト…ね…」

「はい、何か問題ありますか?」

そう言ってキョーコは首をかしげる。


「確かに君は成人してるけど、家を借りるっていうなら保証人なんかは必要じゃないかな?どうするの?」

「保証人…?そう…なんですか…それは困りましたね…。」

(世間知らずにも程があるな…お嬢様だから何も知らないのか?)

キョーコの言葉に蓮は頭が痛くなるのを感じた。

(拾ってしまったからには放り出す訳にもいかないし…というより、彼女を外に放り出したりしたら、俺が心配で駄目になりそうだ、精神衛生上よろしくない。…けど…)


「ところで…君は俺が何かよからぬ事をする…とか警戒しないの?」

「え…っと…でも敦賀さんはお客に手を出さない主義なんですよね?」

先ほど見ず知らずの男に襲われたばかりながら、蓮に対してキョトンとした表情を浮かべ、危機感を持ち合わせていない少女に蓮は本格的にズキズキと痛むこめかみに手をやった。

(………どうしてくれようか…この娘…。)

「まあ…確かにそうだけどね…。……あぁ……行くところが無いならしょうがないから暫く家のゲストルームに泊まってもいいよ…。」

「え…?」

「行くあての無い女の子を放り出す…なんて寝覚めが悪すぎるからね。」

「あの…でも」

驚いて目を見張るキョーコに苦笑を浮かべた蓮は

「うちのお客さまじゃなければ大人の階段、一歩ぐらい登らせてあげてもいいけどね、君はお客さまだから手は出さないよ。」

「おとっ…階段!!!」

真っ赤になり動揺するキョーコを前に、蓮はさてどうしたものかと柔らかい笑いを浮かべながら考えていた。

(さて……どうしたものかな。)



二人の会話に割り込むように、乾燥機が動作終了のブザーが流れた。





ホスト×社長令嬢の二話目。
さてはて、結局同居の流れですね。
続きも早めにがんばりますー><
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