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アンソロ本サンプルその1
絵原稿が床に散乱しているカオスな部屋の中、紙に滑ってもんどり打ちました。惣也です。こんにちは^^

ハイチュウ好きだと行ったら某マスターさま方が差し入れて下さったパイナップルハイチュウやら梅飴やらお蜜柑やら。人の好意に生かされながら本日も元気ですw
結構切羽詰ってきたので、11月末は本気で音信普通になりそうですが、パスワード返信やら、ちょっとずつやってますし、ちょくちょく進行報告がてらのアップはしますので、お時間くださいー!w

でもって、放置するのもあららwなので、アンソロサンプルをとりあえず一つアップでございます。

健全本w「Givemethefary'slove」収録の惣也原稿。でっす。
大真面目にリテイクを片手では数え切れない。ヘタしたら両手もオーバーできるぐらいかけて完成させたので、勢いで書き殴ってるものよりはかなり良い作品になったのではないかと思ってるんですが。どうだろうーw
挿絵は某絵師さまにお願いしていたり、むふむふv

ということで、買おうかどうしようか迷ってる方が・・・しゃあねぇ買ってやるかwって思っていただければ幸いですw







 譲れないもの 
                       惣也





 封印した『言葉』が有る――。

俺にはこの想いは『言えない』
ここで『特別』な人を作る資格が無いから気持ちを口に出す事は許されない。
けれど、彼女を『好き』になる自分の気持ちはどうしても止められなくて……彼女を誰かに奪われたく無くて……思考は堂々巡りを続けている。

――結局、俺は彼女に愛して欲しいと願っているんだ。

* *    *

「あの、敦賀さん、ちょっとご相談があるんですけれど……」

「どうしたの?」

「できましたら近いうちに敦賀さんの時間と身体……お借りしたいんですけど」

 いつだったかの蓮の言葉を引用し誘うキョーコに蓮は内心で苦笑する。
キョーコ自身に他意なんて無いだろうという事は度重なる学習能力で分かっているが、それがどれだけ危険な台詞であるのかということに、そろそろ気づいて欲しいと思わなくもない。

「かまわないよ。場所は俺の家でいいのかな? 今日のDARKMOONの撮影が終わってからでいいのなら、順調にいけば二十一時には終了する予定だけど」

「はい! でしたら未緒の撮影は二時間前には終わる予定ですから待たせて頂きます」

 蓮の返事にキョーコは喜びも露わにその瞳を輝かせ、そんなキョーコを前に蓮の表情もつられて綻んでしまう。

「あの、敦賀さんのお時間を頂くお礼に、ご迷惑でなければお夕飯の支度をさせて頂きたいのですが、よろしければお夕食をご一緒しませんか?」

「それは……助かるな、うれしいよ。最上さんのご飯は美味しいから」

「ふふ、ではお買い物をすませてお待ちしてますね。敦賀さんは美味しいっておっしゃって下さるので作り甲斐があります」

「え? 美味しい物を食べたら『美味しい』って言うのは普通じゃないかな?」

「んー、でも言わない人も中にはいますからね」

 その言葉にキョーコの食事を当たり前の物として『言わない人』として蓮が思い当たるのは一人だけだった。
 キョーコの『特別』な『幼馴染』であるその男の顔を思い出すだけで蓮の纏うオーラは不機嫌な色を孕んでしまう。

「へぇ……そう……」

「えっ!!? つ、敦賀さん? ど、どうかされましたか!?」

 蓮の感情の動きに過敏なキョーコの表情がビクリと反応して、蓮は自分の失態を悟る。

(全く……我ながら、心にゆとりが無いにも程がある)

蓮とて自分が『特別』な『先輩』である自覚はある……けれど、キョーコにとっての『特別』は残念ながら沢山ある事も知っていて、『特別』である事は蓮にとっては『安心』できる事では無い。

「あー、ごめん、なんでもないよ。ところで今夜は何を作ってくれるのかな?」

 理不尽な嫉妬を押し殺していつも通りの穏やかな表情を心掛ければ、キョーコが明らかにホッとしたのが見て取れた。
「折角なので
お鍋にしましょうか。一人ではなかなか食べられないですし」

「いいね、よろしくお願いするよ。じゃあ終わったら待っていてくれる?」

「はい、お待ちしております!」


こうして蓮は共有出来る時間を一分でも、一秒でも長くする為に、いつも以上に全身全霊の力を発揮する事となった。

* *    *

「カット、OKです」

 監督である緒方の声が響き、本日の収録は無事に終わる。

「今日の敦賀さんの演技も流石でした! 鬼気迫る嘉月の雰囲気がすごく出てて、やっぱり敦賀さんは凄いですね!!」

 買い物袋を二つ手にしてスタジオの隅でこっそりと待っていたキョーコは、今日の撮影風景での感想を興奮も露わに力説していた。

「そう? ありがとう」

鬼気迫っていたのは今日の台本の内容のせいもあっただろうが、半分以上はキョーコと交わした約束のせいだ。
『そんなに早く終わりたいのかー? ふーん、へ~、今夜が楽しみだなー、蓮』と、社が意味深に笑い、収録が終わった途端に普段ならば途中まで蓮の車で一緒に帰るのだが、早々に一人で帰宅してしまった事からも、社には全てがバレていた自覚がある。

「やっぱり敦賀さんは私の目標です!!」

「ありがとう。でも、最上さんの今日の演技も良かったよ? 罪悪感に苦しむ未緒の心の葛藤がしっかりと表現されてた」

「っ……見てらしたんですか?」

 恥ずかしそうに、けれど蓮の賛辞に対し、はにかみ綻んだ笑みを浮かべるキョーコの姿が思わずどうしてくれようかと思う程に凶悪的に愛らしく映る。

「それは勿論、君の事はいつも見ているからね」

「も、も――っ! 敦賀さん、私だからいいですけど、他の人に言ったら誤解されちゃいますよ!」

 誤解されたいのはキョーコ一人であっても、その肝心の本人には例によって一向に伝わらない。
 いや、伝わらないと心のどこかで分かっているからこそ、蓮はこうやって封じなければならない想いを口に乗せられるのだろう。

「そうかな?」

「そうです」

 そんな普段通りな会話をしながら二人で駐車場へと向かう。すると、蓮は背中にまるで突き刺さるような強い視線を感じた。

「あ、最上さん、荷物持つから貸して?」

「え? でも」

「俺の為の晩御飯、でしょ? 君は俺の部屋で作ってくれるんだから、荷物持ちぐらいはさせてくれないかな?」

「え、でも……私のご飯でもありますし……」

「ほら、俺、男なんだから、貸して?」

 蓮が笑顔で促せばキョーコは渋々と言った様子で袋の一つを持ち上げる。

「は、はい、じゃあ……ひとつ」

「だったら重い方だよ?」

「う……お願いします」

 蓮がキョーコの行動をあっさり看破した事でキョーコは手に持つ袋を取り替えて差し出し直す。そして蓮は少々強引にではあったが二つともを手中に収めてしまった。

「あっ! つ、敦賀さん、ずるい!」

「ほら、駐車場はこっちだよ?」

「ま、待って下さい!!」

 構わずにスタスタと歩を進めれば、キョーコは慌てて蓮の後を追いかける。蓮の長いコンパスで歩まれればキョーコは自然と早足にならねば追いつけないのだ。
そんなキョーコの様子を振り返りながら、蓮は視線の出所を探り、そしてそれはキョーコの後方に存在する男に行き当たる。
 そこには別番組の収録からの帰りなのであろう不破尚が鋭い眼光を向けて佇んでいて、蓮はそのまなざしを真っ向から受け止め返す。

(……不破……お前に彼女は渡さない。
いや……違うな……
誰にも彼女は渡さない……)

 例え口にする事が出来ない想いだとしても、それでもキョーコの隣は誰にも譲るつもりは無いのだ……。
この独占欲が不破尚の物と同じく歪んだ物かもしれないという事に気づいてはいたのだが、蓮は自分のそれに気づかないふりをして、現状を貫く事を選んだ……。



ということで、アンソロへつづく。^^
またその2その3のサンプルをアップしにそのうち戻ってきますーー^^
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