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SS・甘い罠、優しい嘘。後編
おこんばんはーでございますー><惣也です。
なんだかんだで、「あなただけがすき」無事、入稿してきました^^なんか、アンソロ入稿の頃には、完成品が到着しそうな気がしますw
色々がんばってるので、綺麗に出来たらいいなぁ・・・。
所詮お家のインクジェットプリンタでは完成原稿がどうなるのか分からんとです。
けれど、文字の誤字を探すためにプリントアウトしまくってるのでw・・・きっと誤字減ってると・・・思う・・・んだな。←こんな事言っといてあったら悲しい・・・。

ということで、ぽちぽち書いてたんですが、「甘い罠、優しい嘘。」後編です。
あれ?パスワード制じゃなかったのか?と思われそうですが・・・
なんでだろう。書き進めていったらこうなった・・・おかしいな・・・。

なにはともあれ追記よりどぞー。

あ、誤字直しました・・・
冷凍庫にビール・・・orz




甘い罠、優しい嘘。




「っ!!!」

声のした方へと振り向けば、そこにはいつの間にか風呂を終えた蓮が立っていた。

(っ……るが……)

「……に、兄さん……」

今のキョーコは、雪花としてのアイテムを何ひとつ身につけてはいない。
けれど、この場を乗り切る為に、とっさにキョーコの口から出たのは雪花としての言葉だった。

「…………気分は悪くないか?」

一拍置いて、蓮はカインの顔をして布団に埋まる雪花……キョーコの元へと歩みよる。

「熱はないな?」

蓮がその長身を屈め、キョーコの顔色を窺うように額にピタリと手をあてれば、その手の温もりに、キョーコの心臓はドキリと跳ねた。

(っ……し、心臓に悪すぎるわ……つ、敦賀さんはカインとして、ただ心配してくれてるだけじゃないのっ!!お、落ちつくのよ!キョーコ!!)

跳ねる心臓を抱え、キョーコは自分を叱咤する。雪花はこの程度で動揺するはずがない。だから落ち着かなくてはと、ベッドの中に隠れてしまいたい思いをグッと堪えた。

「だ……いじょうぶよ……ありがとう、兄さん」

「いや……だが、逆上せるまで入ってたりするからこんな目にあうんだぞ?気をつけろ」

心配そうに額に添えられた蓮の手が、そのままクシャリとキョーコの前髪をかきあげ、頭のてっぺんを撫で、そして離れた。

親しみの籠もった仕草のそれは、誰かに頭を撫でられるという事にあまりなれていないキョーコの心を動揺させ、心臓をギュッと締め付けるような……甘い痛みを覚えさせた。

その温もりが離れてしまった事が寂しい……。

「ごめんなさい……」

キョーコの心の内がザワザワとする。
この気持ちがなんなのか確かな事は分からない……けれど……その温もりを感じる事が心地良い……。
そう、自分は嬉しかったのだという事だけはキョーコにも分かった。

(どうしよう……私の顔……今……絶対赤い……)

「分かればいい……」

優しい表情に、跳ね上がった心拍数が戻らない。

「……に……二度寝ならぬ二度風呂してたの?」

キョーコは動揺をなんとか押し殺すべく、必死だった。
そして、それは全く平静にしているように見える蓮も同じなのである……。


「…………………ああ……」

かたや蓮の方は、浴室内で致してしまった事に対する罪悪感で、後ろめたい気持ちを持っていたが、謝れる話でもないので、自分の心を持て余し、結果、その思考回路は鈍る。
故に緩慢な動作が常であるカインより更にワンテンポ遅い反応……。
けれど自分の心にいっぱいいっぱいであるキョーコは、蓮のそれには気づかなかった。

「あ、のね、兄さん」

「ん?」

「そこの紙袋に、今日買ったナイトウェアが入ってるから取って欲しいんだけど……」

「……これか?」

蓮はキョーコの言葉に従いそれを取り上げる。

「ほら」

「ありがと」

紙袋を手渡した所までは良かったのだが、この後の両者は互いに思考の渦に飲み込まれていった。

(取ってもらったはいいけど……ど……どうしよう、敦賀さんの前で着替えないといけないのかしら……破廉恥すぎるっ!!後ろを向いてもらう……?いやでも……セッちゃんは『着替えるから向こうむいて!』なんていうタイプじゃないだろうし、兄さん相手に『えっちー!』なんて言うタイプでも無いわよね……ど……どうすれば……っ)

(……取ったはいいが、この後、俺はどうするべきだ……三回バスルームに逃げるのは無理があるだろう……しかしこのままだと最上さんは着替えるに着替えられない……か……考えろ……俺!!)

不自然な沈黙の後に、蓮が口を開いた。

「…………セツ……冷蔵庫にビールは?」

「あ、あるわよ!けど、兄さん、飲みすぎは駄目だからね!」

「……ああ……」

蓮はなんとか自然を装い、冷蔵庫を振り返りベッドから視線を外す。

(っ!!今だわ!!)

これ幸いとキョーコはベッドから起きり、紙袋から今日買ってきたばかりのナイトウェアを取り出した。


「………………はぁ……」

(……とりあえず、これでなんとかなった……か……耐えろよ……俺)

冷蔵庫の扉の中へこっそり重い溜め息をつく蓮の耳には、着替えているのだろう衣擦れ音が届く。
今夜の心臓に良くなさすぎる展開に、蓮は心底疲れきっていた。

(さて……そろそろ大丈夫か……?)

着替え終わっただろうタイミングで、冷蔵庫から缶ビールを取り出して、立ち上がり、振り返る。

(っ!!!!!)

すると蓮は振り返った事を、すぐさま後悔する羽目に陥った。

「セツ……ソレ……自分で買ったのか?」

「え?勿論よ?可愛いでしょ?」

黒の薄いキャミタイプのワンピースを一枚纏っただけのキョーコの姿は扇情的に映り、蓮にとっては目の毒でしかない。

「……俺が買ってやるのに」

(もっと露出の少ないものは無かったのか……なんでソレなんだ!!!俺の理性を試したいのか!!!!)

薄い布越しに、キョーコの身体のラインははっきりと映り、その胸の尖りの形まで分かってしまう無防備さに、蓮は頭を抱えたい気分だ。
けれど、カインがこれしきで溜め息を吐くというのも、カインらしくないと蓮の中で許せないものがある。

「このぐらい、自分で買えるわよ。そんなに高くないし」

ぷうと頬を膨らますキョーコに蓮はカインとして苦笑する。

「……まあいい……そろそろ寝るぞ?」

蓮としては、とにかくこの状態をさっさと終わらせてしまいたかったのだ。

「って駄目よ!」

「ほら。あたまを乾かすんだから、座って!」

「え……?」

「アタシの兄さんに寝癖なんて許さないんだから!」

そう言った雪花に促され、ドレッサーの椅子にかければ、ウィーンと音を立てて温風があてられる。
手際よく乾かしていくキョーコがチラチラと視界に入り、目の毒のソレは、もはや視界の暴力だ。

そんな中、蓮が考えていた事といえば、

(無心だ……無心になれ……反応したらこの距離では誤魔化しようがない)

蓮の葛藤など知る由もなく、雪花モードであるキョーコは当然ながら、甲斐甲斐しくカインの世話を焼く。
鼻歌混じりで楽しそうなキョーコとは正反対に、蓮にとっては苦行に等しい時間が続く。

「セツ……もういい……」

「え?」

蓮の言葉を拒絶と受け取ったキョーコの瞳が動揺に揺れる。

「あとは自分で……」

キョーコの手からドライヤーを奪い取ろうとしたが、それを奪われまいとするキョーコは、さっと自分の背中に隠してしまった。

「やあよ……兄さんの髪弄るの好きだもん。アタシがやるの!」

(っ…………好きって……いやいや……)

上目遣いの表情に蓮の心臓はドクリと大きく高鳴った。

「…………そうか……」

「そうよ」

(俺は……どうすれば……)

思い悩む蓮を残し、時間は等しく進んでいく。

「はい……できた。ふふふー」

「ありがとう」

離れようとしたキョーコの腕を引き、頬に軽くキスをする。

(頼むから、これで多少は警戒してくれ……)

「ふふ、どういたしまして」

蓮の思いも虚しく、キョーコは雪花の鮮やかな微笑みを浮かべ、蓮の頬に音を立ててキスを返してきた。

「っ…………」

(違う!!俺が望むのはこれじゃない!!)

理性と本能の狭間でゆさゆさと揺さぶられて、もはやキョーコに試されている、遊ばれているとしか思えない。

「兄さん?」

目を軽く見開いた蓮をキョーコは訝しげに見つめている。

「いや。……もう寝る」

「あ、うん」

ムクリと立ち上がり、ベッドに入ろうとして、蓮は更に難問を思い出した。
視界に入るのは、自分のベッドと水に濡れ、使い物にならないキョーコのベッド。

(しまった……俺が床で寝る理由を考えてなかった……)

寝ると宣言した手前、仕方ないとベッドの限りなく隅に横たわる。
すると、ドライヤーを片付けたキョーコは当然のように蓮の……カインのベッドに入って来た。
「兄さん?そんな隅っこじゃ転がり落ちるわよ?」

(……これ以上は本当にマズいんだけど……)

「ああ……」

触れるか触れないかの距離にキョーコの体温を感じる。

「兄さん。腕枕」

「ああ……」

(って……本当に……これは何の拷問だ……っ)

「兄さん?どうしたの?大丈夫?」

反応の鈍い蓮を訝しむのだが、腕が差し出された事でキョーコはそこに頭を預ける。

「ふふふ」

「……何だ?」

楽しそうなキョーコの様子に蓮は眠そうな顔を装って尋ねた。

「兄さん温かい……」

「そうか……?」

「うん……」

その腕の重みに蓮はどう反応したらいいのか分からなくなった。そして、無言の蓮に対し、キョーコは幸せそうに微笑んでいる。

「おやすみ、兄さん……大好きよ?」

大好きの言葉と共に額に降ってきたキスに蓮の思考は完全に硬直した。

(っつ~!!!)

そしてキョーコを見れば、蓮を翻弄するだけ翻弄したにもかかわらず、その腕を枕に、すやすやと安らかな眠りに落ちていてる。

(も、もう寝ちゃったのか?!……早い……)

「はぁ…………全く、とんだ兄妹ゴッコだ……」

あっさり眠りの世界へ旅立ったキョーコに対し、眠れない事を覚悟した蓮は、キョーコを一晩中眺める、そんな夜もいいかと重い溜め息を吐いた。

「大好き……か…………俺も……愛してるよ……」

カインのフリをしてキョーコの額にキスを落とす。

万が一、キョーコが目覚めてもこれは役だと言うつもりだった……
けれどキョーコは蓮の言葉を夢うつつで聞いたのか、ほにゃりと笑み、無意識の状態でその頭を蓮の腕から肩へとすりよって来た。

吐息を肌で感じる距離に、蓮は眩暈を覚える。

「全く……恨みますよ……社長……」

蓮はそっと瞳を閉じて、腕の中のキョーコに負担をかけないように、その痩躯を優しく抱き締めて瞼を閉じた。









・・・ただの翻弄された蓮のかわいそうな話に・・・・・・orz
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