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SS・ラブミークエスト1
改めまして、こんばんは。

2012年12月12日に初稿をアップしたことから始まりました、ラブミークエスト。略してラブクエ。
RPGもののパラレルをちょっと書いてみたーいというちょっとした出来心が、気がつけばすごく長い話になり、
第二部を書くにあたり、一回読み直しを兼ねて再録本を発行させて頂きましたシリーズです。

けっこうご都合設定、ご都合ストーリーですが←いつも通り。
好きだとおっしゃって頂ける方も多くて、本当ありがとうございまーす!

再録本化するにあたって、ちょこちょこ加筆修正と足したいエピソードを書き足しました。
なので、初稿をがっつりさげて、改稿版をこれから毎日アップでお届けしようかなと思います。
今スパコミの原稿中で、FC2さんの調子不良もあって、ログイン出来なかったりする日もあったので、
毎日じゃなかったらすいません←先に謝っておく。

そんな訳で、久しぶりに読むーって方はきっと色々忘れてると思うので、というか、忘れてて下さいw
お楽しみ頂ければうれしいでっす!

あ。再録本はまだ在庫がありますヨ←えー。

ということで、追記より、どぞー。






ラブミークエスト 1











世界の異変を食い止める力を持つ者。

類稀なる能力を宿した人間を、人々は『勇者』と呼ぶ。

勇者と認められる為に必要な物はただ一つ。

不思議な力を宿した龍の玉。

それに宿る力を手にする事が出来さえすれば、富も名声も思うがまま。


けれど、過ぎたる力は身を滅ぼすともされている。

龍の玉に認められない人間は、おそるべき呪いを受けるのだ。





***




世界は闇に包まれようとしていた。

遙か昔、勇者によって封印されていたはずの大魔王の復活。
これにより外界に生息するモンスターの動きの活性化、凶暴化が進み、人々は毎日を大魔王の脅威に晒されて生きていかねばならなくなった……。
街は要塞となり、外界は容易く歩けない。

彼らはみな、伝説の勇者の再来を望み、ある者は我こそが勇者であると声を上げ魔王討伐へと向かい。また別の者は勇者と共に戦う日を夢見て研鑽を積んだ。

そして、この物語はある一国の姫が大魔王の手の者に攫われた事により始まる。









「我が国にはマリアを助けられる者はいないのか……ああ。……マリア……」

憂いの声をあげているのはタカラダ国のコウキ王。彼は自身のただ一人の愛娘であるマリア姫を大魔王に攫われてしまい悲嘆に暮れていた。

「コウキ王、そう悲しんでいても解決はしないよ」

「デュリス王……」

コウキ王を訪ねてきていた隣国の王であるデュリスは一つの提案をした。

「マリア姫を助けられた者に報奨金を出せば少しは腕自慢が集まるかもしれないよ?」

「ああ……そう…ですね……」

藁にも縋る思いでコウキ王はこの提案を採用し、国中に伝達したのである――。



***



「いらっしゃいませーっ!!」

ここは始まりと出会いの酒場、だるまや。
この店には外界を歩くパーティーを結成する為の同志を募る猛者が集まってくる。

「社さん。ここでいいんですか?」

店の暖簾をくぐる二人組のうち、社と呼ばれた男は視力を補う為のモノクルを掛け、分厚い聖書と真っ白なロッドを持つ、見るからに聖職者の雰囲気を醸し出す理知的な若者で社倖一と言う僧侶だ。
そんな社に声をかけたもう一方の男。彼の名は敦賀蓮と言い、こちらは周囲の人間から頭一つ飛び出す長身にがっちりとした黒い鎧を纏い、身長に合わせた長く太めの洋刀を腰に下げている戦士である。
白を基調に纏められている社の装備と対であるかのような黒い鎧に大刀という一見すると好戦的な剣士とも受け取れる装備を携えた蓮であるが、整いすぎていると言っても過言ではない甘いマスクからは戦士という職種特有の粗野な印象は感じさせない。

「ああ……そうそう、この店だよ。聞いた話によると、仲間探しにぴったりなんだとさ」

「でも、戦力的には俺と社さんの二人でも問題ないと思うんですけど」

そんな美形男子二人の来店に、店中の女性の視線が自然と集まる中、それが店内の男共からの嫉妬も買うという二人にとっては喜ばしくない事態も起こっている訳だが、ある意味いつも通りの出来事に、周囲の視線を全て無視した二人は席を探して店内をぐるりと見渡した。

「そう言うな。一刻も早くマリア姫を大魔王の手から救い出して欲しいという王の依頼を果たすには、基本に立ち返ってさ。四人パーティーで行動した方がバランスがいいんだよ」

急がば回れって言うだろう? と口にしながら社と蓮はテーブル席に腰掛けると、突き出しと飲み物が女将によって差し出された。

「あんた達、戦士タイプと僧侶タイプだね? 城仕えには見えないし、フリーランスかい? 仲間を探してるようだけど?」

「あ。分かりますか?」

言い当てられた事に少し驚きながら蓮が女将に向き直る。

「そりゃあ、ここに来る連中の大半がそうだからねぇ……」

「最近来た中じゃ、あんた達が一番レベルが高いねぇ、20超えってところかい」

あんた達みたいなのを年中見ていれば自然と分かるようになるのさと人好きする笑顔の女将に、社が飲み物の礼を述べながら笑み返した。

「そうそう、さすが女将さん。よく分かるね~。俺は25、こっちのやつが21なんだよ。それで、さっそくだけど、女将さんから見て誰か良さそうな人はいない?」

出来るだけ即戦力な人材を求めている社としては自分たちとレベルの近い人間である方が望ましい。

「うーん。ここいらはレベル10ぐらいの連中が多いからねぇ」

「そうですか……」

困ったように相槌を返す女将に、目的がとん挫してしまった社が思わず参ったなぁとため息交じりに飲み物を呷る。

「やっぱり俺と社さんの二人で行った方が……」

蓮は自分たちだけで行動する事を視野に入れて相談を持ちかけるのだが、ここにきてずっと無言を貫いていた大将が、トンとまな板の上に包丁を置き、口を開いた。

「おい。あの二人を連れて来い」

「ア…アンタ? まさかあの二人って『あの二人』かい?」

「他にいるか? アイツらならレベル17だ、釣り合いは取れるだろう?」

「でもあの子達が街の外に出るのは反対じゃなかったのかい?」

「そこいらへんの低レベルのヤツらと組んで行くよりも遥かにマシだ。呼んで来い」

大将と女将のやり取りに社と蓮は思わず目を合わせて首を傾げる。
自分たちのレベルに近い人間はいないのではなかったのか?

「あの、大将? どなたか心あたりがおありなんですか?」

社が口を開けば、大将はむっつりとした表情のまま頷いた。

「うちの娘……みたいなもんだ」

「女の子……なんですか?」

蓮の脳裏によぎるのは、果たして女の子にこれから自分たちが行う過酷な旅路についてくる事が出来るのだろうかという懸念だ。

「なんだ。女は不服か? そこらの男より根性も実力もあるぞ」

「実力って……戦えるんですか? いくらレベルが17あっても補助系の女の子二人じゃ、少しバランスが……」

蓮の声音に戸惑いを感じとった大将は厳つい表情を崩さずに、けれど珍しく雄弁に語る。

「魔法剣士タイプと武道家タイプだ」

「え……? 女の子ですよね?」

勇ましい職種に社がぎょっと反応する。
きょうびの女子といえば、みな僧侶や魔法使いタイプ、盗賊、商人を選びたがり、他にはなんと言っても踊り子タイプが一番の人気があるのだが、総じて戦闘の補助的な役割を果たす職種である傾向が強い。
そんな中、わざわざ武道家や魔法剣士になる女の子……それは一体どんな女の子。いや、むしろ厳つい熊のような大女かもしれないという嫌な予感が胸をよぎるのだが、目の前に大将がいる手前、声に出す事も出来ない二人は互いに視線を交わす。

「……社さん、……どうしましょうか?」

逃げますか? と言外に含んだ蓮の言葉に社がああと口を開きかけた瞬間、彼女たちはやって来た。

「大将ーっ!! 外界に行ってもいいって本当ですかぁぁーっ!!!」

社と蓮の背後からドタドタと足音が響き、完全に逃げるタイミングを逸した二人は恐る恐る振り返った。

「こんにちは!」

二人の嫌な予想に反して、そこにいたのは、明るい栗毛に桃色の甲冑を身にまとい、大将の言った魔法剣士なのであろう、細身の刀と短い刀の二本を左右に下げた可愛らしい少女。

「こ……んにちは」

蓮は目の前にやって来た想像より遥かに華奢な少女が、本当に自分たちに近いレベルの持ち主なのかと逡巡した。
その隙に少女は蓮と社の前を通りすぎて大将の向かいのカウンターに座る。

「ちょっと、キョーコ待ちなさいってば!!」

「あ、モー子さん、早く早く!」

後を追ってきたのは、スラリとした黒髪に、凛として大人びた雰囲気の美女。
薄い青を基調とした装束を着ているが、その右腕に取り付けられている手甲が彼女は件の武道家であると語っていた。

「もー。いきなりなんなのよ」

「だから、大将からの許可が出たんだってば!! それで大将! どなたですか? 高レベルの僧侶の方って言うのは!? 僧侶さまが一緒なら外界に行っても良いっていう約束でしたもんね!」

まくしたてる少女に仏頂面の大将はついっと顎で社を示した。

「あ、こんにちは! 私、魔法剣士の最上キョーコです。僧侶さま」

満面の笑みのキョーコに、社がやや押されながら返事を返す。

「あ、あの……こんにちは、キョーコちゃん……でいいのかな?」

「はい! あ、こっちはモー子……じゃなかった、奏江です!」

「あ、ああ、よろしく。俺は社で、こっちは……」

社が蓮を仰ぎ見ればようやく蓮も反応を返した。

「戦士タイプの敦賀蓮……です。よろしく」

「あ、戦士の方……なんですね、よろしくお願いします」

蓮が戦士だと名乗った瞬間、キョーコは微妙な表情を浮かべたかと思えば、誤魔化すようにぺこりと頭を下げた。

「それで、社さんは回復呪文、レベルいくつまで習得されてるんですか?」

一瞬見せた表情を振り払うように明るい顔で、再び社に向き直ったキョーコに、蓮はなんともいえない気分に陥る。

(今のって、目を逸らされたのか?)

「え? ああ、回復呪文はレベル4まで習得してるよ。蘇生呪文はまだまだだけど……」

「4!! じゃあ残りはあとおひとつなんですね! すごいです!」

「え、あ、うん。ありがとう」

「いずれは賢者さまにクラスアップする予定なんですか?」

「ああ、そうだね。そのつもりだよ」

同じく初対面だと言うのに蓮には見向きもせず、社にばかり夢中のキョーコに蓮は思わずムッとする。生まれてこの方、蓮はこうも見事に存在を軽く扱われた経験がなかったのだ。

「それで、君たちはどうして外界に出ようとしていたの? 俺たちは王様からの依頼でマリア姫を助けに行くんだけど」

なにやら盛り上がっているようにしか見えない社とキョーコの会話に割り込むように蓮が口をひらくと、それに答えたのは奏江の方だった。

「私は懸賞金目的です」

「あ、私は……私…………そう! 私も姫を助けに行きたいんです!!」

あからさまに何かを隠していますという雰囲気ありありのキョーコの様子に社と蓮はチラリと目配せをする。

(一体なんだ?)

不思議に思ったものの、先を急ぐ旅であり、他にめぼしい人間がいないという事実が二人に一歩踏み出させる事をためらわせた。

「じゃあまずはとりあえず、隣のアカトキまで一緒に行こうか。ひと月ぐらいはかかる道のりだろうけど、大丈夫かな?」

「「 大丈夫です 」」

社が提案し、四人は翌朝早々、共に旅立つ事になった。



***



「でやああああ!!!」

ザンと音が響き、キョーコが一匹の魔物に止めを刺して振り返れば、奏江も手にした鞭で一匹しとめた後であり、社はモンスターの動きを遅くするために補助呪文でパーティー以外に効果を発する冷気を張り巡らしていた。

「はっ!!」

奏江から視線を逸らせば、丁度蓮が二体目の魔物を倒し終えた所で、キョーコは悔しい気分に駆られる。
街を後にしてから何度となく見ているが蓮の剣筋は流れるような美しさであり、そしてなにより常に余力を残している事が伺え、彼が自分よりはるかに強い事が分かってしまうからだ。

(また敦賀さんが一番沢山倒してる。悔しいわ……もっと、もっと強くならなきゃ……)

「流石……ですね」

息をつきながら奏江が蓮を賛辞すれば、蓮は微笑んでありがとうと返す。

「敦賀さんって20代には見えませんけど……本当に21ですか?」

「ああ……蓮は教会でのレベル認定をしてないからねぇ」

誘っても全然受けたがらないんだよねと後ろから答える社はくすりと笑う。どうやら彼は奏江の言う『20代』が外見とレベル、両方を指している事に気付いたらしい。

「いいじゃないですか、教会はあまり好きじゃないんですよ。20あればフリーランスになるにも問題ないですしね」

そう、この世界ではレベルが最低20なければ外界に出る通行証がまず発行されない。レベルの見定めやパーティー編成の受付。通行証を発行するのは教会の役割であるのだが、それは近年におけるモンスターの凶暴化により外界の一人歩きは危険と判断した王達により取り決められた世界共通の法令である。
だからこそ17という微妙なレベルであるキョーコと奏江は四人一組でのパーティー登録をしなければ外に出る事は許されなかったし、蓮と社はマリア奪還を確かなものとする為の戦力増強としてパーティーを組みたいという思惑があった。
そして低レベルの人間と組んでいては、これほど早く外界の道のりを進む事もかなわなかっただろうから、やはり一同はこのパーティーを組めた事を幸運だと思い始めていた。特に実感していたのはレベルが若いキョーコと奏江である。

こうして戦っていれば高レベルである蓮や社に釣られ、キョーコ達のレベルは街で一人の鍛錬を重ねるよりずっと早く上がっていく。
キョーコが早く強くなりたいと望むのは、奏江にも伝えていない目的があるからだ。

「ところで、社さん。そろそろ日がおちます。近くにジェリー・ウッズの宿があったはずですから、そこまで急ぎましょう」

「そうだな、やっぱり野営よりちゃんと宿で寝たいしな」

「宿? 外界に宿なんてあるんですか?」

蓮と社の会話にキョーコと奏江が首を傾げた。
キャンプごと移動する商隊というならあり得るだろうが、この荒れた外界に宿屋が存在するなどという話を二人は聞いた事もない。

「ああ、ジェリー・ウッズは、かなり凄腕の魔女でね。いたる所に宿への移動スポットを点在させているんだ」

「へぇ……」

「まあ、その存在を知ってる人間は少ないから、野営する人間がほとんどだろうけどね」

この時、奏江とキョーコの心によぎったのは、この二人と組んだ事が間違いではなかったという安堵だ。

「もう少しだけど、頑張れるかな?」

「「 はい! 」」

蓮を先頭に、奏江、社、キョーコの順で一同は再び歩き出す。
キョーコはその胸にそっと決意を忍ばせて、握る手のひらにぐっと力を込めた。
キョーコが倒したい相手は蓮や社が目指す大魔王ではない。

それはアカトキにいる勇者と噂される男である――。









そんなこんなで開幕です。
レベル21っていうのは年齢と引っかけたアレコレですw

改行はWEB再掲載なので、手作業でやってますので、どっか読みにくくなってたらこっそり教えてくださーい。
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