スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・ラブミークエスト4
予約投稿でこんばんは。
さてさて、もうすぐザ花とゆめの発売日ですよ!仮面舞踏会まであと三日!!!
楽しみでない訳がないですね^^敦賀さんの軍服とか本当なんのご褒美。じゅるじゅる。
ご飯三杯は軽いです★

さてさて、毎日更新とはいえ、再録なので、どうでもいいよーとか言われるんじゃなかろうかと
ちょっとドキドキしてたんですが、お楽しみ頂ければうれしいです><

ところで。パス請求なのですが、ちょっと今手が回らないので、お返し出来てない状態です。
裏更新に差しかかるあたりにはお返事するようにがんばるんで、まだ返事きてないよーって方は今しばらくお待ち下さいませ。






ラブミークエスト4







「じゃあ呪いで魔力が落ちた、呪文が使えなくなった。その他には大きな症状は無いんだね?」

「そう……ですね、あとは髪の色がオレンジになった……とかはありますけど」

「なるほど、外見が変わった……か。でも龍の呪いの中ではまだ酷くはない方だね」

酷い人は言葉を失ったり、顔が崩れ落ちるという話も聞くからねと述べる社に蓮が尋ねる。

「どうですか? 社さん。解呪はできそうですか?」

宿の室内でキョーコは蓮の勧めもあり、社と奏江にも事の次第を打ち明けていた。

「うーん。出来なくは無いはずだよ。ただ、こういう呪いを解除するのはやっぱり呪術師タイプで専門的な知識を
持ってる人間がいいのは確かだろうね。呪術師って暗いイメージのせいで不人気職だから、今では存在自体がすごく少ないんだけど……うーん。タカラダ国内でも呪術師ってマリア姫ぐらいしかいなかったはず……」

妖精の悪戯程度の呪いなら俺でも解呪出来るけど、龍の呪いは最高峰だからねと苦く口にする社は、力になれなくてごめんねと詫び、社に気を遣わせてしまった事にキョーコがいえいえ、気にしないで下さい! と慌てて言った。

「あら、社ちゃん? 龍の呪いの解呪って実は単純なのよ?」

「へっ? ミス・ジェリー!?」

重い空気に支配された一同の中に一石を投じたのは宿の女主人のジェリー・ウッズであった。

「もー。ノックしたのに気付いてくれないから勝手に入っちゃったわよ。はい、さっき奏江ちゃんに頼まれたお夜食」

「あ、すみません」

奏江がジェリーから夜食を受け取りテーブルに置く。
温かい湯気を放つそれは鍛錬明けの蓮とキョーコ用に注文した栄養スープだ。

「いただきます」

「ありがとうございます。それで? ミス・ウッズ。解呪が簡単とは?」

蓮もそれをキョーコから受け取りながらジェリーに問い、ジェリーも、ああと答える。

「なんでか近頃の若い子ってみんな知らないみたいなんだけど。そもそも、龍玉の取り出し方を間違えてるから呪いなんかにかかるのよ。龍は気高い生き物なのに」

「気高い……ですか」

 相槌を打つ蓮がふむと考えるそぶりを見せた。

「いくら戦いに敗れたからってプライドの高い生き物である龍の魂とも言える龍玉は、自分に手をかけた人間に簡単に服従してくれないわ。つまり、力を貰う為には息絶えた龍をきちんと讃える事が必要となってくるわけ」

「なるほど。それで、呪いにかかってしまった場合はどうすればいいんですか?」

「龍玉を聖水で清めて教会で祝福を受けるか、呪術師に解除呪文唱えてもらえば呪いは解けるはずよ」

「へー。そうなんですか、知らなかったなぁ……そんな事、文献には書いてなかった……」

社が驚きの声を上げる。

「キョーコ。アンタ、その龍玉は今どこにあるのよ」

奏江も驚きながらキョーコに問う。

「…………アカトキの不破尚が持ってるはずよ。……あの馬鹿が勇者だって名乗ってるなら……」

「あら、あの王子の龍玉はキョーコちゃんのなの? じゃあ本来勇者になれるのってキョーコちゃんじゃないの。他力本願で勇者を名乗るだなんて、かなりいただけないわねー」

憤慨するジェリーに蓮も大きく頷いた。

「全くですね。アカトキに着いたらどうにかして不破の手から取り返して、最上さんの呪いを解きましょう」

「え? いいんですか?」

蓮と社の目的はあくまでアカトキの先にあるとされる大魔王城であり、アカトキではない。アカトキの街を避けた上で隣町を経由し、大魔王城へ向かう事もできるというのに、アカトキでの滞在を決めてしまった二人にキョーコは驚く。
本当はアカトキに着いたらパーティーを抜けて一人で行動するつもりだったのだ。

「勿論。最上さんは大切な仲間だからね」

「そうだよ、キョーコちゃん。水臭すぎるよ」

「全くね。私にも話さないなんて……本当にアンタって子は……もーっ」

「ひゃっ!!」

微笑む蓮、頷いている社。そして奏江には小さなデコピンをくらい、キョーコはほんのり赤くなった額を手でさする。

「ごめんなさい」

「ま、いいけどね」

「うんうん。チームワークが良くなってきたわねぇ」

四人を見渡すジェリーはとても満足げに笑うのだが、

「って、いっけなーい。忘れるとこだったわ」

「ミス・ウッズ? どうかしましたか?」

何事か思い出したジェリーに蓮が首を傾げ、ジェリーは蓮に向かい羊皮紙を一枚渡す。

「宿屋に回される手配書の束の中にあったアカトキからの手配なんだけど、それ、キョーコちゃんじゃない?」

暇だから見てたのよねというソレは、街々に配られる、要注意人物リストだ。

「私……?」

ジェリーに言われ、羊皮紙を紐といた蓮は、そこに書いてあった文字を瞳で追うと、それを難しい顔で見つめた。

「……確かにアカトキへの入国禁止者名に魔法剣士、最上キョーコとありますね」

「えぇぇ!!!!!」

大きく驚いてキョーコは蓮の手元を覗き込む。
そしてどう見ても自分の名前としか思えない記述を見つけ、表情を曇らせた。

「……あれから相当時間が経ってるから入れると思ってたのに……どうしよう……」

「確かに困ったね。……うーん」

「ねぇ、蓮ちゃん、キョーコちゃん。いい案があるんだけど、おねぇさんの案に乗らない?」

「え!!? 解決策があるんですか!!!」

「ミス・ウッズ…………」

「乗ってくれるなら教えてあ、げ、る」

ジェリーの満面の笑顔に嫌な予感を覚えた蓮は思わず身構えるのだが、それと知らないキョーコは全力で食いついてしまう。

「乗ります! 乗ります!」

「蓮ちゃんは? キョーコちゃんの為にもちろん一肌脱ぐわよね?」

試すような視線を向けられた蓮は、希望に瞳を輝かせるキョーコの横顔を横目に捉え、腹を括らざるを得ないかと溜息を一つ吐き、頷いた。

「分かりました。乗ります」

「そうこなくっちゃ」

ジェリーの瞳は新しい玩具を見つけた時のようにキラキラと輝いている。

「この手配書を見るに、要は魔法剣士で最上キョーコなのが問題なのよ」

「はい!」

「そうですね。それで、案というのは?」

「もー、蓮ちゃんたら、せっかちさんね」

「すみません」

「そ、それで! ミス・ジェリー、私はどうしたら良いのでしょうか?」

「んふふふー。聞きたい?」

「聞きたいです!」

一体どんな名案が! と瞳を輝かせるキョーコに対し、ジェリーは不敵な頬笑みを浮かべている。

「キョーコちゃん。アナタ転職なさい」

「…………へ?」

「インパクト的には踊り子タイプがいいわねー。あ、転職ならうちのダーリンを今すぐLME神殿から呼んであげるから大丈夫よ! 手続きの事なら心配はいらないわ、ノープロブレム」

「お……どりこ……ですか?」

降って湧いたいきなりの展開があまりにも予想外で、キョーコの思考回路は硬直する。

「で、転職したら次は名前を変える為に社ちゃんの承認の元で蓮ちゃんと結婚なさい」

「……け……っこん……? 結婚…………」

蓮はなんとなく感じた嫌な予感の的中に小さく溜め息を吐く。

「けっ、結婚んんんん!!!!!!!」

その声は見事なまでに宿中に響き渡った。



***



魔女の言葉には人の意識にほんの少しだけ介入できる不思議な力、言霊があり、うっかり乗せられて『是』を返してしまえばその時点で口頭の契約は成立し、後から「あれ?」と迷う事があっても撤回は出来ない。高位の魔女であるジェリーの提案に「乗ります」と宣誓してしまった以上、キョーコにはジェリーの言う偽装結婚からの逃げ道が無かった。

そしてジェリーはといえば、有言実行。早々にローリィを呼び出し、宣言通りにキョーコを魔法剣士から踊り子へと転職させてしまったのである。



「――あの……本当にコレ着るんですか?」

「あら、踊り子タイプの装飾品の中では今一番の人気ブランドの衣装よ? 嫌?」

魔法剣士の装備は踊り子に転職した以上は着用する事ができず、代わりにコレよ! と用意された着替えはとても露出の高い代物で、胸とお尻は辛うじて隠れているものの、アラビアンを思わせる華やかな装飾は、歩くとシャンシャンと腕や足の輪が鳴り、前垂れのスリットはとても大きい。腹部は丸出し。なのに、目から下を覆い隠す布は存在するというなんとも理解に苦しむ衣装だった。

「要は関所の役人への目眩ましなのよ。マスクは関所の前後だけつけてればいいわ」

「……はぁ……」

「さ、着替えたら次は婚姻の儀式よ」

「えーっと……本当にやるんですか?」

一度は頷いたものの、いざとなれば踏ん切りがつかず戸惑うキョーコへ、もうじれったいわねと奏江が口を挟む。

「キョーコ。覚悟決めてさっさと着替えなさい。転職しちゃったんだから、ミス・ジェリーが好意で用意して下さった装備品を着ないならアンタは素っ裸で外界を出歩かないといけなくなるわよ」

「ふ……ふえぇぇ……モー子さん……」

もう後になんて引けないんだから、取り戻したいんでしょう? と奏江にピシャリと言い放たれてキョーコは逡巡の末にしぶしぶではあるが着替えを始めた。

「は……破廉恥だわ……世の中の娘さんは、よくこんな頼りない装備で出歩けるわね。なんか……スースーする……」

「多分。その世の中の娘さんからすればあんな重い甲冑をガッチリ着込んでたアンタの方が謎だったでしょうけどね。まあ大丈夫よ。呪いが解けたらアンタ、今度は勇者に転職だから。またあの重たい甲冑が着れるようになるわ」

「モー子さぁぁん」

にべもない奏江の言いようにキョーコはガックリとしていた。



***



一方。その頃の別室で待機する男達はといえば。

「な、なあ、蓮……本当にいいのか?」

「いいのかって、何がですか?」

「何がって……」

社は事態に全く動揺していない蓮の様子に動揺していた。
普通、もっと慌てないか? いや、慌ててる俺がおかしいのか!? いやいや違うだろうと一人室内をうろうろとしながら自問自答の声を上げる。

「だからさ、婚姻だよ、婚姻!」

「あぁ、だってこのパーティーの中で俺と社さんしか男はいない訳で、婚姻の宣誓を上げられるのが僧侶の社さんしかいない以上、相手は俺。でしょう?」

「そういう意味じゃなくてだなぁ!!!」

「はい?」

どこまでも余裕な顔で答える蓮に社が焦れた。

「お前、キョーコちゃんの事、ちゃんと好きで頷いたんだろうな?」

中途半端な答えは許さないぞと言わんばかりの社の真剣な視線を蓮は笑って頷く。

「それは勿論ですよ。じゃなきゃ、流石に一度乗りますって言っていたとしても、俺は断固拒否します」

きっぱりと言い切った蓮に社は「だったらいいんだ」と納得の面持ちになるのだが、

「ですってよ。良かったわね、キョーコ」

「え? あっ、キョーコちゃんっー!!!」

蓮と社のいわゆる楽屋裏のボーイズトークだった筈が、奏江とキョーコにもばっちり聞かれてしまい、社はしまったとばかりに大慌て。けれど、そんな社を置いておいて、柱の陰からしゃなりと現れたキョーコの仕上がりに、蓮は言葉も無く見惚れて立ち尽くす。

「…………へ、変……ですよね……」

頬をほんのり染めて、恥ずかしそうに服の裾を引っ張るキョーコの姿に蓮はハッと自分を取り戻した。

「……あぁ、お帰り、最上さん。とても可愛いよ」

「あ……えっと…………」

真っ赤になって固まっているキョーコを残し三人はさっさと対面型のソファーに腰を落としてしまい、キョーコに残されたのは蓮の隣。

蓮はと言えば、図らずも、今本当に愛の告白をしてしまった人ですか? と思わず問いたくなるほどひょうひょうとしていた。

本当の所は、キョーコの変わりように必死に無表情を取り繕っていたのだが、普段からポーカーフェイスに長けた彼の動揺は三人には全く伝わらない。

「お、お邪魔します」

蓮の反応に、意識をしてガチガチな自分がおかしいのだろうかとキョーコがおずおずとそこに腰かければ、対面の社がうーんと……と口を開いた。

「じゃあとりあえず……婚姻の宣誓……本当にやっちゃう?」

「はい。お願いします、社さん」

「よ……よろしくお願いします……」

社の言葉に二人は深々と頭を下げた。









このシリーズで一番コメントを貰ったのは偽装婚成立のこの辺りのお話だったと思います^^
パス請求の方の中にもここが好きだとおっしゃって下さる方がいて嬉しい限りでありますv
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.