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SS・ラブミークエスト7
こんにちは。そやえもんです。
SCC詳細もお知らせしましたし、パス返信は25日までの方完了しました。
朝からバタバタ色々やっててちょとっと疲れたのですが、衣装まっさらまだ布だ状態なので、ちょっとガコガコやらかして、今夜~明日の夜くらいまでにはお返事完了したいなぁ・・・って感じです。うぃ。

気がつけばもう四月も終わりますですね。
・・・おまけにしおりくらい作ろうとしたんだけれども、プリンターのインクがご臨終されました。ちーん。
インク通販なので・・・はて。間に合うだろうか。間に合うといいな☆

とにもかくにも、皆様にお会いできるのを楽しみにしております^^
先日SCC情報にコメント下さった某さまー、ありがとうございます!たった一日のお休みだというのにまさか空港券取ったとのことで、まじでか!!!!とビックリですよ!よければ本当そやえもんとお話してやって下さいね^^
いつもみなさん奥ゆかしくていらっしゃるので、よく来て下さる方のお顔は少しずつ覚えてたりもするんですけど、そそくさと去って行かれる方とか、コメント下さる方も名乗って頂いた方以外は全然分かってないので残念なのです。
まあ、でも。名乗るのって恥ずかしいよねぇ・・・。←そやえもんはいつもコスプレというインパクト頼りに生きています。






ラブミークエスト 7








「アンタ……酷い顔ね……」

「知ってる。……泣くつもりなんてなかったのに……」

蓮の腕の中で泣きじゃくっていたので、翌朝のキョーコは瞼が腫れぼったく、その目は赤い。酷い顔をしている自覚は十分にあったので、奏江の言葉は当然の物と言えた。

「少しは眠れた?」

「うん。ありがとう、モー子さん」

「別にいいわよ。私よりアンタをこっちに連れて帰ってきた敦賀さんにお礼、言いなさいよ?」

「うん……」

悔しさ、悲しみ、苦しさ、様々な想いがゴチャゴチャになり、溢れてきた涙は、一度堰を切れば止まる事を知らず、泣き疲れたキョーコは蓮の腕の中の心地良さを感じるうちにそのまま意識を失い、気がつけば連れて帰られた宿のベッドの中にいた。

「で。敦賀さんは明日出立して、外界であの男を待ち構えようって言ってたけど、アンタはそれでいいのね?」

「うん。敦賀さんの判断は正しいと思うし」

「そ……なら、辛気くさい顔してないで、買い物に行くわよ!」

「え……?」

「旅の用意、いるでしょう? それに私たち、まだレベル17のままなんだから、教会に行って、さっさと認定受けるわよ! レベルアップしないとね」

「あ……うん……そうだよね」

浮かない顔のキョーコを励ます意味も含まれている奏江の言葉に、キョーコにようやくいつも通りの表情が戻ってくる。

「じゃ……行きましょう」

「うん!」

善は急げと二人が部屋から出た所で、ちょうど外から帰って来た所の社と蓮にバッタリと出くわした。

「あれ? 二人共、どこかに行くの?」

「あ、はい。キョーコと一緒に買い物と教会にレベルアップに行こうかと。お二人は……」

「ああ。俺と蓮はその教会に荷物取りに行ってきたんだ」

言われてみれば、蓮と社の手の中には、キョーコと蓮が教会へ滞在する為にまとめた荷物の鞄をそれぞれにさげている。

「あ! すみません、忘れてました」

「いやいや、キョーコちゃんのせいじゃないんだから構わないよ。なあ蓮」

「ええ、勿論です」

「すみません」

キョーコが悪い訳ではないのだからと言う社と蓮に対し、心底恐縮するキョーコに、社は笑い飛ばしながら、空いている手をひらひらとさせて、何も問題ないのだと強く示し、そして閃いた事を口にする事で話題を変えた。

「いいって、いいって。ところで、買い物に行くのなら荷物持ちがいるよね。蓮、この鞄は俺が持って行っとくから一緒に行ってこい!」

「あ、はい。分かりました」

「す……すみません、つる……蓮さん」

「いや。俺なら大丈夫だから気にしないで?」

誰の目があるとも知れず、蓮と呼ばなければならないはずが、キョーコは未だに慣れずに時折言い直す。そんなキョーコの姿を前に穏やかに笑う蓮を横目に、社は思わず苦笑する。
二人の様子は微笑ましいが、まどろっこしい。

「それに、蓮がいればボディーガードにもなるだろうしね。こき使ってやって?」

「分かりました。助かります」

「えぇ! モー子さんっ悪いわよ!?」

奏江がコクリと頷いた事にキョーコが驚きの声を上げる。

「本人が良いって言ってんだから、遠慮せずに持って貰えばいいじゃない」

「う……うん……」

「じゃ。決まりだね。行ってらっしゃーい」

戸惑うキョーコをよそに、奏江はあっさり蓮の同行を承諾し、三人は明るい社の声に見送られて宿を出る事になった。



***



とりあえずレベルの認定を受けてから買い物に行こうと、三人はまず教会へ向かう事にした。
蓮とキョーコが前日まで滞在していたお陰で、司祭への手続きもすんなりと通り、待ち時間もなく三人は目的を達成出来る事となる。

蓮は最後まで「俺はいいよ」と認定に関しては乗り気ではなかったのだが、キョーコが「いい機会ですから行きましょう」と手を引っ張って行った。
その為、手続きが最後になったのは奏江だったのだが、レベルアップを済ませた奏江が二人の元へ戻ってみれば、行きの道中は明るかったはずのキョーコと蓮の間にはなんとも言えない雰囲気が漂っていて首を傾げる事になった……。


「どうしたのよ、なにかあった?」

奏江が二人と合流すれば、キョーコは浮かない顔をしており、蓮は困ったように奏江に視線で助けを求めている。

「……ねぇ。モー子さんはレベルいくつだった?」

「私? レベル25になってたけど?」

ようやく口を開いたかと思えば、普通だと思える問いかけの内容に、それがどうかしたのだろうか、と奏江の表情は自然と怪訝なものとなった。

「だよね……そうよね……モー子さん、頑張ってたもんね……」

「もーっ! 一体どうしたのよ!! ハッキリ言いなさい!」

今にも地面に『の』の字を書いて、いじけだしてしまいそうなキョーコの様子に、そう気が長い方ではない奏江は若干の苛立ちと、この重苦しい雰囲気に耐えかねて、常のように声を荒げて問い詰める。

「えっと……琴南さん、落ち着いて……」

そんな様子に、どうにかこの場をとりなそうと蓮が口を挟むのだが、奏江とて原因が何なのか分からない以上、どうすればいいのか分からずに困惑しているというのが正直な所だ。
そしてそんな二人を前にキョーコは通夜に参列しているかのような暗い顔をしている。

「私……ね……」

ポツリと漏らす。

「なに?」

「……レベル1になってたのよ」

「…………はぁぁぁ!!!!?」

「っ、キョーコちゃん!?」

顔を覆い、その場に崩れ落ちかけたキョーコは、あわやの所で蓮の腕に抱き留められ、地べたに尻餅こそついていないが、その小さな身体は気力を失っている。

「……蓮さんにあんなに修行してもらってたのに……転職したらレベルは1からになるなんて……ありえないわ!!」

「キョーコちゃん。レベルが初期値になっても、過去に覚えた技が消えて無くなって使えなくなったっていう訳じゃないから。ね? すぐにレベルも追いつくよ……しっかりして」

蓮が腕の中のキョーコをフォローするも、キョーコはそんな蓮の顔を見上げるなり半泣きの表情になる。

「簡単に言わないで下さい!! 追いつける訳ないじゃないですか!! 敦賀さんなんて……敦賀さんなんて……っ!!嫌いです!!!」

唇を噛み締め、涙混じりの表情に、うっとなった蓮の腕からスルリと抜け出したキョーコは、逃げるようにバタバタと走り去ってしまった。

「キョーコちゃん!!!」

その勢いに口を挟む間もなく路地に取り残されてしまった奏江は、同じく固まってしまい、追いかける事のできなかった蓮を見上げる。

「敦賀さん……何したんですか?」

「……俺のレベルアップも彼女を傷つけたみたいだ……」

自分の手のひらを握り締め、地面を見つめて重い溜め息を吐いた蓮に奏江は意味が把握仕切れずに困惑した。
確かにレベルダウンした事はショックだろうが、だからと言ってキョーコも物の分別は付いているのだから、それだけでああも当たり倒して逃げる訳はない。

「どうしてですか?」

「俺がレベル50だったのが相当気に障ったみたいで……」

「ごじゅ!!!?」

はあ……と重苦しい溜め息を吐く蓮に、奏江はとりあえず自分がどう動くべきか考える。自分が追うべきか、それとも目の前の男に追わせるべきか……。自分が追えばキョーコの機嫌が直るだろう事は容易く想像がつくが、やはりそれだと今後の行動に支障が出るかもしれない……そうなると奏江が追う事は得策ではないと二の足を踏む。

「……それで、あの子の事、諦めるんですか?」

「え……?」

「諦めるつもりがないならさっさと追いかけて下さい」

「……っ……」

奏江の言葉に弾かれたように顔を上げた蓮は、ぐっと表情を引き締めた。

「ごめん」

キョーコの消えた方へ駆けだす。

「全く、手間のかかる……」

蓮を見送った奏江は、一つ溜め息を吐いて、一人で買い物を済ませてしまうべく、二人が駆けだした方とは反対へと歩き出した。




***



「八つ当たり……しちゃった……」

キョーコが一人トボトボと歩く道は、アカトキの街の中でも中心地であり、商店が立ち並ぶ。行き交う人々は活気に溢れており、そんな中を自己嫌悪に浸りながら歩くキョーコには孤独感が押し寄せ、その表情は暗い。

「……敦賀さんが悪いわけじゃないのに……」

蓮の強さを知るうちに、追いつきたい、役に立ちたいという思いはキョーコの中で強くなり、その為に蓮本人に稽古までつけてもらった。
アカトキに入国する為に必要だった処置により起こったレベルダウンは、むしろ自分の過去のせいで起きた事態であり、皆を巻き込んだだけなので、ソレに対して文句を言える立場ではないのだけれど、大きく引き離されてしまったその事実は努力していた分、キョーコを余計に打ちのめしていて、結果としてやり場のない衝動に突き動かされてしまい八つ当たりをしてしまったのだ。

「……帰ったら……あやまらなきゃ……」

けれど『嫌い』だと言ってしまった手前……はたして許してもらえるだろうか、とキョーコの心にはどんどんと不安の雲がもたげ、トボトボと歩く足が重くなり、宿に向かうその足取りはやがて大地に根を下ろしたように固まってしまう。

『君に愛想が尽きた、役にも立たないし、ここでパーティーを解散しよう』

思わず蓮の声で考えてしまった想像に、心が砕け散ってしまいそうだ。

『俺も君が嫌いだったんだよね』

「……嫌われたく……ないです……敦賀さん……」

思わず唇をぐっと噛み締めた。

蓮の腕の中はとても安心出来て、蓮の声に優しさに自分は癒された。失う事を考えただけでこんなにも辛い。
なぜ嫌いだなんて言葉を言えたのだろうか。

「……敦賀さん……」

身を切るような心地に目には涙が浮かんでくる。

「かーのじょー、どうしたの?」

ポンと肩を叩かれてキョーコが慌てて顔を上げれば、そこにいたのは見ず知らずの男で、人好きのする笑みを浮かべていた。

「えっと……」

誰だろう。
相手が誰だか記憶にない以上、こんなに親しくされるような人物だとは思えない。

「あれ? 君、泣いてるじゃん? 慰めてあげるよ」

「い、いえ。結構です」

「でも泣いてたじゃない。悪い事は言わないからさ、俺んとこおいでよ」

肩に置かれた手にグッと力が込められ、手首を取られた瞬間、まずい、と慌てるも、男の力は強く、キョーコはその場から引きずられて動く羽目に陥った。

「やっ!! 離して下さい!!!」

「うっせーな。いいから来いってんだよ!」

人の良さげな微笑みから一転した態度にキョーコは総毛立つ。
触られた場所が気持ち悪い。
この手は『違う』のだと心が悲鳴を上げた。
振り解きたいのに抑えられた力は強くビクともしない。

「い……いやっ!!!!! 敦賀さっ!!」

「君。その手を離してくれないか」

路地裏に連れ込まれる寸前、かけられた声にキョーコは目を見開いた。
ひどい事を言った。追ってきてくれるはずは無い。
けれど聞き間違えるはずがない。

「なんだテメェ……今いいとこなんだよ。邪魔すっ!!!!」

男の声は蓮が突き出した刀の切っ先が喉元をピタリと捉えた事で遮られた。

「俺の最愛の妻に……何か?」

冷えた声音に薄ら寒いものを感じた男は、乾いた笑いで蓮の機嫌を取るべく再び態度を一転させた。

「ハ……ハハ。なんだ……アンタの嫁さんかよ。わ、悪い事……したよ……す……すまん。刀を引いてくれ」

刀を当てたまま男の手からキョーコを引っ張ると、蓮は自分の腕の中へ招き入れる。

「さっさと消えろ」

蓮の言葉通り、男は慌てて踵を返し、声もなく逃げて行った。
この場を切り抜ける為に出た言葉に期待をしてはいけない。蓮から離れなければ、そう思ったキョーコの身体は他の誰でもない蓮により引き寄せられてキツく抱きしめられた。

「心配した」

「……っ……」

先ほどとは違い、触れられた箇所が熱く、鼓動が跳ねる。
この腕なのだと理解すると同時にキョーコは蓮の背に腕を回した。

「君の敵は俺が討つ。絶対に不破から君の龍玉を取り返す。……だから……許してくれないかな……」

蓮からすれば不可抗力だというのにどこまでもキョーコを気遣う蓮に涙が溢れそうだった。

「……敦賀さんは悪くないんです……八つ当たりして、ごめんなさい。私を許して下さいますか?」

「俺は最初から怒ってないよ」

クスリと笑う蓮の柔らかい声にキョーコは心底ホッとする。
この優しい人が好きなのだと自覚した瞬間であった。














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