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ACT.171続き妄想その2
おこんにちはー^^ちょっと淡路島にプチ旅行←食い倒れ旅行wやら、大阪へマイカーでコススタジオに行ったりと、久しぶりにアグレッシブに外へ出てたらボタっと落ちましたw…若さがねぇwww
属性回遊魚←止まったら死んじゃうwなので、元気だと思ってたら、身体は労らないといけないんだな…という。うーんw

さてはて、もう2月後半。本誌もうすぐじゃないか!!と、頑張って書いてるんですが、いかんせん…携帯が重いorz
次回辺りがラストになればいいなぁと思いつつ、ならないんだろうなぁ。私だし。と、そろそろ自分の不甲斐なさを思い知っておりまする。

本誌展開のお陰か裏庭パス請求様がいつもより沢山おられるので、ちょっとずつお返ししてますが、今しばらくお待ち下さいませー!
あと、拍手コメ、到着コメ、通販お申し込みありがとうございますー!!原稿と合わせてがんばりまーす!




本誌続き妄想 act.171






不自然にならないようにあの人の側にいるという事がこんなにも難しいのかと頭が痛んだ。


――――――――――――――


カバンから取り出した二人分の航空券を手渡す女は、気位の高い性格を表すように凛とした立ち姿のままにそれを差し出した。

『これがチケットよ。さっさと行くといいわ』

『未緒……』

『何?』

受けとった女の方はそれを確認した後、申し訳なさげに口を開いた。

『あなたに任せる事になってごめんなさい……』

『……べつに……あなたの為じゃないわ。本郷の家の後始末。これは私のやらなければならない事だもの……』

気遣わしげな表情の美月に未緒は不敵に笑ってみせた。
当初は底知れずに恐ろしい印象を与えた微笑みも、味方になった今では頼もしい以外の何者でもない。
けれど、最後まで彼女は自分を懐に入れた、心からの微笑みなど見せてはくれなかった事だけが美月にとっての心残りだった。

『本郷……』

『何かしら?』

それまで無言だった嘉月が口を開き、未緒に向かい右手を差し出した。
未緒は少しだけ驚いた顔をした後、差し出された手を握り返す。
パンっと跳ねのける事をしない分、距離は縮まったと言えるのだが……。

『ありがとう……本郷』

『ふふ、せいぜい美月に幸せにしてもらう事ね』

『そう……だね。俺も彼女を幸せにするよ』

未緒の憎まれ口にクスリと笑い、それじゃ、と手を離し、嘉月と美月は未緒に背を向けた。
明るい未来を想像させるBGMとともに、歩く二人と未緒、交互に表情がカメラに抜かれ、未緒はこれまでの中で一番柔らかい笑みを浮かべ、フェイドアウトした場面はCMへと入っていった。




「やぁー!!いいなあ、この未緒の表情」

「き……貴島さん、誉めすぎですよ」

「そう?普通だと思うけどなぁ」

「いや……ですけど……」

(どうしてこうなったんだろう……)

蓮から逃げる為、不自然にならないように早々に逸美と大原のいるテーブルに腰掛けたというのに、気がつけば、対面に貴島、その隣には蓮がやって来ていて、キョーコは蓮の存在を意識しないように必死だった。

「最上さんが良い演技をしてるのは間違いないよ、自信を持つといい」

「あ……ありがとうございます」

必死に普通に振る舞おうとしているのに、こんな一言で簡単に乱されてしまう心を持て余し、キョーコは蓮が向けてくれる笑顔すら恨めしく思う。
勝手に動揺しているのは自分だという事は分かってはいるが、これほどに自制していると言うのに自分の心が思い通りにならない事が悔しい。好きだなんて思いたくないのに……。

「しかし、良い最終回になって良かったですね」

キョーコの苦悩など全く気付いていない様子の蓮が穏やかに笑い、琥珀色の酒を煽る。

(大人だなぁ……)

蓮が酒を飲んでいる、それだけで上質な絵画のように絵になっていて、思わず見惚れてしまう。

(……いけないいけない、無心よ……)

最終回を肴に二次会をする。その話し通り、二次会会場には巨大モニターがあって、そこで今夜、日本中が最も注目しているだろうDARKMOONの最終回が放映されている。皆、シナリオは知っているが、完成品は初めて目にする事となっていた。
各テーブルで感慨深く見入るスタッフが大半。そんな中、主要キャストが一つのテーブルに集まり撮影の思い出話しに耽る。ある種、自然な流れではあったが、蓮への気持ちをうっすらと自覚してしまった今、蓮がそばにいる状況はキョーコにとってありがたくないものである事は確かだった。
いくら蓮の方を見ないように、意識しないようにしていても、目以外の全ての神経が蓮に向かっているのだから。

「だよな~、お陰で打ち上げが近年稀に見る豪華さだし」

「良いドラマに恵まれて幸せですね」

ニコニコと笑顔の逸美に全員がそうだねと肯定して笑う。
DARKMOONはここにいる全員の代表作になる事は間違いない。

「でも、京子ちゃんって、雰囲気変わるわね。一次会のドレスも素敵だったけど、その服も似合ってるわ」

「あ、ありがとうございます」

一次会から貴島が何かとキョーコを気にして、エスコートからマスコミへのフォローにと、何から何まで手を回していて、一次会が終わったら貸しドレスをどうすればいいのだろうと困惑していたキョーコに二次会用にと衣装を調達したのも貴島だった。
どうやったのか、DARKMOONのスタイリストとマネージャーを使って自分が使うショップに連絡をして用意したらしい。

「センス良いわねぇ」

淡い色のワンピースは派手になりすぎず、かと言って地味でもなく、流行に乗っていて貴島の趣味の良さが伺い知れる。
それに合わせて髪型も今時のゆるふわカールのウィッグに整えられているが子供っぽくならず、キョーコは自覚していないがどうみても洗練された美女の仕上がりになっている。
今日だけで貴島にいくら使わせたのか考えただけでキョーコの胃がキリキリと痛んでいたが、貴島は満足そうに笑っていた。

「えっと……これ、私が選んだ訳じゃ……」

大原が賛辞がこそばゆく、つい口を出たのだが、

「え?」

「あー、俺、女の子着飾るの好きだし、そんな困った顔しないで遠慮なく貰って欲しいんだけど」

「あの……でも困ります……貸しドレスと違って高そうなお洋服ですし、クリーニングして」

「駄目だよ、返品は効かないんだから、素直にプレゼントされてよ」

貴島のセリフで贈り主が貴島だと分かり、逸美と大原がきゃあと沸き、キョーコは蓮の反応が怖くてそちらを見る事が出来なかった。グラスをぎゅっと握りしめる手に力がこもる。

「貴島くん、あまり彼女を困らせないでくれるかな。事務所が心配する」

「心外だな、俺、別に下心なんてないよ?」

「それでも彼女は慣れてないからね、振り回しさないで欲しいんだよ」

「はは。選ぶのは彼女だろう?たかだか先輩ってだけで口を出すのどうかと思うよ?」

「あ……あの……」

笑いながらの会話だと言うのに、二人の間には火花を散らすような空気が存在していて、なんだか剣呑な雰囲気になりそうで、いたたまれない心地に駆られたキョーコが慌てて口を挟むも、二人の男の視線が自分に一気に注がれ、キョーコは言葉に迷った。
一体どうすればいいのか……。
特に蓮の視線が鋭い気がするのはキョーコの気のせいではないように思う。
大原と逸美が話しの途中でこっそりと逃げるようにトイレに立ち上がったのだから、この場の空気が良くないものなのは間違いない。

「お、お酒、おかわりお願いしましょうか?」

なんとか出た言葉は無難なものであったけれど、この後も対面の男二人のやり取りにキョーコは精神をすり減らし続け、感動的なクライマックスだったはずなのに、DARKMOONの最終回はちっとも頭に入ってこなかった。






(や……やっと終わった……)

楽しい筈の打ち上げが楽しめず、終始愛想笑いに徹していたせいで本当に疲れた。
疲弊したのはやはり蓮の存在が気になっていたからが大きい事は分かっている。自分が蓮に揺らいでいる事を悟られないように、全神経を注いでいたのだ。ただ、キョーコだけの都合だから自業自得と言えなくもないのだけれど、だけど今夜の蓮から感じた不機嫌オーラのせいで余計疲れた気がする。

(でも……なんで……)

他の誰も気付いて無かったようだけれど、笑顔の下で今夜の蓮は様子がおかしかった。
貴島が服の話をした辺りからだった気がするが……。

(事務所に断りなく貴島さんに衣装を用意して頂いた事、怒ってるのかな……)

「京子ちゃん」

「……え?」

それぞれが帰り支度や三次会への支度に追われる中、キョーコが声の主を振り返れば、そこには貴島が立っていて、笑顔で手を振っている。

「良かったら送るよ、タクシーだけど」

「え……いえ、あの」

(な、なんで……?)

「でも、貴島さんは三次会に行かれるんじゃ?」

今日に限ってやたら貴島が自分に絡んでくる事がキョーコには理解できず、一体どうすればいいのか判断に迷った。

(下手に断るのも失礼になるのかしら……)

相手は業界の先輩で、自分は後輩だ。あまりむげに断る事は出来ない。けれどこのまま送ってもらう事もなんとなく困る。

「行くけど、京子ちゃんを送ってからでも行けるからね」

「いや……でも……」

「最上さん」

「は、はいっ」

「方向一緒だから送る。行くよ? 外にタクシーが来てる」

「え?……え?」

蓮に腕を取られ、突然の事に驚いている間にズンズンと蓮は歩いてゆき、キョーコは引きずられるように出口へと連れて行かれる。

「つ、敦賀さん!?」

「敦賀君。先に誘ったのは俺だよ?ちょっとズルくない?」

慌てて追いかけてきた貴島が蓮に抗議するも、蓮は微笑を浮かべ、貴島に視線をやった上で答えた。

「俺は明日があるので三次会は行きません。ですから彼女共々気遣いは不要です。すみませんが、失礼します」

「あ……あのっ、お、お疲れ様でしたっ」

それはいつになく強引で、蓮らしくないと感じたが、逆らえる雰囲気もなく、キョーコは貴島に頭を下げ、蓮に引かれるままにタクシーに乗り込んだ。






「あ……あの、社さんは……」

「急に事務所からの呼び出しが入ってもういないよ」

二人きりのタクシーの中で、キョーコは途方に暮れていた。蓮はずっと窓の外を見ている。
なんとなく感じる蓮から発せられる雰囲気が尖っていて痛い。自分が蓮の負の感情を察知し間違える事は無い筈だから、蓮は間違いなく怒っている……。だけど心当たりがない。
自分が蓮を怒らせる何かをしたのだろうか……。

「あ……の……」

タクシーの中はずっと無言が支配していて、空気が張り詰めていた。
突き刺さるような負の感情に肌が泡立つ。

(なんか……今日の敦賀さん……怖い……)

これでは出会った当初、嫌われていた頃のようではないか……?

(好きになってもらえるとは思えないけど、嫌われたくはないのに……)

「敦賀さん……」

「なに?」

なに?と返事をするも、蓮は窓の外を向いたまま、キョーコに視線を向けはしない。そんな蓮らしくない行動にキョーコの心はズキリと痛んだ。

(こっちを見てくれない程……私……何かした?)

「怒って……ますか?」

見つめられれば想いを閉じ込めた蓋が開いてしまいそうで怖い。
だけど、見てくれない……失ってしまうかもしれない事はもっと怖い。

「いや……別に……」

「……っ……」

それでも顔を合わせてくれない蓮にキョーコの心が限界を訴えた。
もう耐えられない。

「ここでいいです、下ろして下さい!」

「え?最上さん?」

折しも信号待ちで止まっていた車内から飛び出すように降り、別れの挨拶もしないままキョーコは走り出した。

(逃げなきゃ……これ以上何かを感じてしまう前に……)

気付きたくない。そして傷つきたくないから逃げる事を選ぶ。

(いつも通り、電車で帰るのよ……いつも通りに……私は変わらない……)

気付きたくないのに目の前に蓮がいる限り、何かにつけて自分の鼓動が耳の奥で跳ねるのに嫌でも気付かされてしまう。

日付が変わるか変わらないかの深夜。人通りは少なく、ビルの灯りもまばら。吐く息の白さにキョーコは肌寒さを覚えた。
貴島から贈られた服と紙袋の中の制服しか持ち合わせていないので、屋外を歩く事には向いていない。

「待って!!最上さん」

ぐいっと腕を取られ、キョーコは蓮が追いかけて来てしまった事に身体をこわばらせた。
これ以上蓮の側にいれば、確実に蓋が開くと頭の中で警報が鳴っている。

「な、なんで追いかけてくるんですか!ば、バレたらどうするんですか!!戻って下さい!」

ただでさえ蓮は目立つというのに、パーティー用に純白のアルマンディに正装した存在を周囲が見逃す訳もない。案の定ちらほらとこちらを見ている人間の気配がする。

「一緒に来てくれないなら帰れない。タクシー待たせてるから」

「私の事なんて見たくないんでしょう?放っておいて下さい!」

「え……?」

頭の中が混乱していてキョーコは涙混じりに叫ぶように声を上げた。

「なんなんですかっ、私は敦賀さんのせいで落ち着けないのに、今日の敦賀さんは強引だし、不機嫌だし、怖いし」

ドンっと蓮の胸板に両の拳をあてた。

「これ以上……私をグチャグチャにしないで下さい……私の心に入って来ないで……っ」

「……っ……」

キョーコの気迫に蓮が息を飲んだかと思えば、蓮は自分のジャケットを脱ぎ、キョーコの身体にバサリとかけ、その身体を抱きしめた。

「ごめん……」

「ただの後輩を、甘やかさないでください」

「…………君をただの後輩だと思った事は一度も無いよ……」

蓮の腕の中で、キョーコは最後のカギが外れてしまう音を聞いた……。








よその男とにらみ合ってるうちに、本命に逃げられる哀れな敦賀氏…。次回がんばれw





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