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SS・名前を持たない恋物語2
ということで、こんばんは。
なんだかんだと新しい風呂敷ばかりですみません・・・あああ。
他のもほったらかしにしたい訳ではないのですが、ほったらかしにしている自分にorzってなりながらもとりあえず本日も好きに書き散らかしております。はい。

さてさて、通販発送が木曜になりそうだったり、パスワード返信したのですが、A様帰ってきてます。はい。コメント二回下さってるんですが、どっちのアドレスで送っても帰って来たので再請求くださいませ。

あと、コメント欄なかなかスルーで本当申し訳ございませ・・・
頂くコメントはいつも嬉しく読んでますので、見捨てずに声をかけてあげて下さいませ。

ということで、追記よりどぞー!



名前を持たない恋物語 2





『最上キョーコ』を作る為にと目標を掲げ、前に進む道だと信じて歩いてきたけれど、
いつからだろう。実際に進んだ距離がどれほどの物であるのかを知る事が怖くなり、後ろを振り返る事が出来なくなっていた――。





「これで不破尚の不敗神話も4ヶ月目突入ですよ!」

その鼻息も荒いコメントは休憩室の片隅にあるテレビから聞こえてきた。

「毎週新曲をリリースして14枚連続で首位を独走、トップスリー全てが不破尚の名前で埋められた事ももちろんですが、これらの記録は日本の音楽シーンの新たな歴史……いえ、伝説と言っても過言じゃありません!」

――知っていた。
だけど、知りたくなかったアイツの情報は、望まなくても耳に届く。
これが不破尚というアーティストの世間における影響力なのだろう。

「次の新曲でシングルの連続リリースは一旦終了するんですが、再来週にはこれらをまとめたニューアルバムが発売されるんです。初回版の予約枚数でミリオンも確定していて史上最年少でのダブルミリオンに届くのではないかという情報も――」

アイツを褒め称える内容のニュースだったけれど、それを聞いたからと言って思いのほか、悔しくはなかった。

『畑違いの人を見つめていないで、俺の背中を追いかけておいでよ』

私は演技がもっとうまくなりたいと思うし、女優である事に喜びを感じている。
ようやく自分が生きるべき道を見つけられたような感動。
だから、だろうか。
はたとショータローが登る階段と私の登る階段は別の物なのだと気づき、以前のようなマイナスの感情は湧かなくなっていた。
自分の感情の変化には正直、驚いているのだけれど、追いたい人はたった一人だと気づいてしまったのだ……。

けれど、その目標とするたった一人が最大の曲者であるのだから溜め息を吐きたくなる。

「追いかけたら好感しか持てないなんて詐欺よね」

意外と子供っぽいところや、時々見せてくれる笑顔。
演技にどこまでも貪欲で、潔い姿……。
目標、憧れ、指針。ただそれだけだったはずなのに、気がつけば自分はまた愚かな感情に飲み込まれようとしている。
固まり始めたと思っていた足元が揺らいでいくような錯覚に捕らわれた。

「まだ…………恋なんてしてないんだから……」

先日の一件からどうしても敦賀さんの事ばかり考える自分がいて、そんな自分の思考を止めたいと思い、ぎゅうと手のひらを握りしめると。

「……何を見てるの?」

その一言にはっとして振り返れば、考えていた張本人の登場に大いに焦った私の声は自然と上擦った。

「あ、お、お疲れ様です、敦賀さんっ。撮影は……」

「俺は30分休憩。それより最上さん?」

「は、はいぃ!なんでございましょうかっ!」

考えていた内容がバレなかっただろうかと慌てていると、私の後ろに視線をやり、テレビの内容を聞き咎めた敦賀さんは、私の慌てぶりがショータローの事を考えていたからだと思ったのだろう。眉根を寄せ、不機嫌なオーラを醸し出してしまい、私の心臓がバクバクと音をたてた。
そんな顔、見たくはないのに……。

「――君は……」

「あ、違います!アイツの事なんて私っこれっぽっちもっ!!」

「本当に?」

考えていない。そう言おうとした瞬間、だとしたら何を考えていたのかと聞かれれば答えられない自分に気付く。

「っ……その……少しは……」

考えてましたけど……とごにょごにょ小さく呟けば、敦賀さんはさらにすうっと目を細めて何事かを考え込む素振りを見せた。
背中に冷や汗が流れ、身体が自然に怯え、冷えるのを感じた。

「ねぇ、最上さん。今日この後時間ある?」

「へ?予定は何もありませんけど?」

急に変わった話しの流れにハテナマークが飛び交うも、素直に頷いてしまった。

「じゃあちょっと付き合ってね」

「えっと……どちらにですか?」

「……ヒミツ……かな」

「ひ、ヒミツってっ!!敦賀さん!?い、一体何を!?」

「秘密は秘密だね。ほら、ADさんが呼んでるよ、行っておいで」

ついさっき感じた負のオーラが和らいだと思えばクスリという笑顔さえ見せてくれた敦賀さんはそれ以上何も教えてはくれず、そのまま私はスタッフさんに出番の呼び出しを受けた。




どうにもヒミツの内容が気になってしまった私は、撮影中カメラが止まる度に敦賀さんの姿を探してしまい、それに気づいた社さんにはからかわれ、最終的には敦賀さんにも見ていた事を気づかれて微笑みを返される事になり、気まずいを通り越して居心地が悪い。

「…………なんでもないです……」

「そう?なんでもないって顔じゃなかった気がするけど」

「大丈夫ですから、ほら、緒方監督が呼んでますよ!」

「ああ……ちょっと行ってくるね」

出番に向かう敦賀さんの大きな背中を見送りながら、私は誰にも聞こえないように嘆息する事が精一杯だった。




――――――――――――――




「あの。敦賀さん?」

「何かな?」

「何かなって、行き先が敦賀さんのお宅ならお宅って教えて下さればいいじゃないですか!」

なぜ秘密にする必要があったのか、理由が今ひとつわからなかったけれど、あれだけ緊張していたと言うのに、敦賀さんの車に乗って到着してみたそこは、見慣れた敦賀さんのマンションだった。

「ヒミツだなんて言うからてっきり……」

「てっきり?」

「い、いえ。なんでもないです」

どこか、予想も付かないようなものすごい場所に連れていかれるんじゃないか、なんて漠然と思っていたなんて流石に言えない。

「期待させた?」

「な、何をですかっ!!!」

「くす。冗談だよ」

「はあ……」

一体何が冗談で、どこに本気があるのか分からなかったけれど、敦賀さんが言わないのなら不用意に踏み込むべきではない気がして言葉を濁す。

「でも、一体どうされたんですか?」

カードキーでドアを開け、部屋の中へと歩く敦賀さんを追いかけながらその真意を質問すれば敦賀さんはなぜだか曖昧な頬笑みを浮かべた。

「どうかした……か」

そのらしくない笑みに不安がよぎる。

「え?」

あさってな方向を向いたまま嘆息する敦賀さんの反応に首を傾げれば、

「座って……」

リビングのソファーを進められ、座り心地のよいそれに腰掛ければ敦賀さんは部屋の隅にあるチェストから何かを取り出して戻ってきた。

「あの……」

座り心地が良いはずのそれに反するように私の心は嫌な予感を感じ取っていて、足元から身体にまとわりついてくるような感触に胸が騒いだ。
うなじをチリチリと焦がしていくような居心地の悪さに、この予感の元凶が一見普段通りに見える敦賀さんの発するオーラなのだとようやく気づいた時には対面に座った敦賀さんがじっと私の目を覗き込んでいた。

「どうかしてるのは君じゃないかな?」

「何が……ですか?」

じっと見据えられてドクンと鼓動が跳ねる。

「最近、ずっと彼の事を考えているだろう?」

「か……れ?」

コトリという音にテーブルの上に視線を移せば、そこには黒いフレームと銀色の装飾で作られた砂時計があった。

「君はずっと不破尚の事を考えている」

そう言った敦賀さんは砂時計をひっくり返し、白く輝くそれはサラサラと重力に従い落ちていく。

「時間は無限じゃない。こうやって簡単に流れていく物なのに、君はその大切な時間を不破に捕らわれて失い続けるの?」

「敦賀……さん」

「ずっと彼の事を考えてしまうほど、不破君の事が好き?」

「そんな事は……」

そもそも最近考えていたのはショータローの事では無くて、敦賀さんの事だから、まず根底からして違うのだけれど、それを上手く伝える事は出来そうになく、言葉は尻すぼみに消えた。
輝く砂がこぼれ落ちていく様を二人して眺めながらしばらく無言の時が流れ、最後の砂が落ちきってしまった時、ようやく敦賀さんが口を開いた。

「…………許せとは言わない。忘れろとも言わない」

砂時計から視線を上げた敦賀さんの瞳に射抜かれるような鋭さに身動きがひとつも取れない。
ただ、ゴクリと唾液を嚥下した。

「ただ、君の心が癒やされる事を望むよ」

「……どう……して……」

カラカラに渇いた喉からは震えるような声しか出ない。

「俺は、君の事が……す」

耳の奥でドクリと心臓の鼓動を聞いた。

「っ!!言わないで下さい!!」

考えるより先に制止したのは私の本能的な行動だったのだと思う。

「……聞いてもくれないの?」

悲しそうな敦賀さんの瞳を前にズキズキと胸が痛んだ。

「ま……だ…………まだ……怖いんです」

俯いてスカートの裾を握りしめた。

「怖い?」

「ごめんなさい……ごめんなさい」

うまく言葉にならなくて、溢れてくる涙は止まらなかった。

「……ごめんなさい……」

先輩後輩という心地良い関係に浸る事に甘え、誰かを好きになる事に怯え続けている自分にようやく気づいた瞬間、結局私は前を向いているつもりで何も見えていなかったのだと思い知り、自分の不甲斐なさにどうすればいいのか分からず、ただ溢れてくる涙に任せ泣きじゃくっていた。

「くっ……ふっ……ぅ」

止まらない涙はどうしようもなくて、しゃくり上げているとふわりとした香りに包まれた事に気付く。

「ごめん。泣かせたい訳じゃないんだ」

敦賀さんの声が苦しそうなのに、何も言葉は出ず、背中をやわやわと撫でられる感触に身を任せたまま涙をこぼす。

「ごめんね……」

ふるふると首を振る事が精一杯で時間は静かに流れて行った……。





――――――――――――――





「ただいま帰りました」

「おかえりって、キョーコちゃん!?一体どうしたんだい?ひどい顔じゃないか」

ガラリと扉を開ければ、女将さんが起きていて、私の顔をみて驚きの声を上げた。

「あ……その、急に眼が痛くて涙が止まらなくなったんですよ」

きっとずっと泣いていたから酷い顔なのだろうと思っていたけれど、女将さんの驚きようからして、相当酷いようだ。

「ひょっとしたら花粉症なのかもしれませんね、明日病院に行ってみようと思います」

だから大丈夫ですよと明るく言うと、女将さんは冷やしたタオルを持ってこようねと台所へと駆けて行った。
重い足取りで部屋へ向かい鏡へと向かうと泣き疲れた顔をした自分の顔が映る。

「ほんと……ひどいな……」

タオルを瞼に当てながらひとりごちる。

「こんな嘘が上手になる為に演技をしたいと思った訳じゃないのにね……」

そうして私は壁に貼ってあるポスターを二つ剥がして部屋の隅に置いた。








若干の勘違いでかみ合ってない二人・・・みたいな?







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