スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

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SS・最後に聞くのは貴方の声で2
ボンジュール!衣装修羅場中にこんばんは。
一年ぶりぐらいにめちゃくちゃ手間のかかる衣装を作り始めて腕の鈍りっぷりを痛感しております今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?ワターシそれなりに元気デス←え
やっぱり継続は力なんですね・・・っていう。まあ、相変わらずの目分量進行なんですけどね。うわあ。

さてさて、何人かの方が、続いて良し!とGOサインを下さったので、良し!と続けてみました。
まあ、実は地味にここ二カ月ぐらい、このままそっと箱庭動かなくなったらどうなる・・・ってまあ心配されるわなぁとか、書く物の方向性にちょっと悩んでみたりしてたのですよ。悩むほどの物書いてないじゃないのっていう突っ込みは不要です。ま。つまるところ・・・煮詰まってたのかな。
結局、頭からっぽにして衣装作ってたらどっかいきましたけど。ということで、平常運転出来る脳みそに戻ってきたような感じです。まあ、仕事がひたすら忙しくて創作能じゃ無かったってだけかもですが。余裕って大切ですねぇ^ω^梅こぶ茶での飲んでゆっくりするべ。

落ち着いたらじっくり長編で書きたいかなと思ってる名前を持たない~とか、あれとか、それとか。色々と書きたいものがあるのです。っていうか、悩みちぎってすっきりしたら無性に書きたいスイッチ入ったので、よし。かくぞー!・・・と、その前に衣装やってきます。18日が地元で当日参加枠でサークルスペースにいたり、23にタイバニのオンリーに遠征したりと予定はあるんです。はい。がんばりまーす!







最後に聞くのは貴方の声で 2







ここ最近、キョーコは自分の心の中に起こったある変化を感じていた。

「あ……」

単調な着信音は非通知番号の着信を知らせる時に響くもので、仕事を終え、寝支度を整えたキョーコが明日の用意の確認をしているこの時刻にかけてくる人物は、往々にして蓮である。

「もしもし、最上です」

非通知という普通ならば訝しむ表示だというのに、ウキウキと通話ボタンを押している自分がいる事に気づいたのは四度目の電話を取る時だっただろうか。

『あ、もしもし、最上さん?椹だけど』

「……あ……ハイ。お疲れ様です」

『ん?なんだか元気がないね、どうかしたのかい?』

「いえ……」

まさか「敦賀さんだと思って出たのに違っていたものだから脱力してしまいました」なんて馬鹿正直に言う事も出来ず、ハハハと笑ってごまかす。

「あの、何かありましたか?」

『ああ、明日のきまぐれロックなんだけどね、緊急特番が入るから、一週休みになったからってさっき連絡が入ってね』

ごまかしの笑いから、真面目な話のトーンに切り替えて頷き、ちょうど机の上で開いていたシステム手帳を手繰り寄せてシャッと一本線でもって予定を削除する。

「了解しました、ご連絡ありがとうございます」

『そういう訳だから明日は一日オフで構わないから学校が終わったらゆっくりするといい』

「はい、ありがとうございます」

『うん。じゃあ、そういう事でよろしく頼むよ』

一連の会話が終了すれば、あとはこれといった連絡事項はなかったらしく、椹が通話を切った事を確認してからキョーコも電話をパチンと閉じた。

「…………」

クッションに携帯電話をボスンと着地させ、自分は布団の上にごろりと転がる。

「……馬鹿みたい……」

電話が椹からだと分かった瞬間に、自分は確かにがっかりした。

「何を期待してるのよ。敦賀さんは忙しいんだから……」

きっと、ここ4日はたまたま時間があって、気掛かりな事もあって、だから電話をもらえたのだ。

「だから……」

がっかりするなんていう自分の考えはおこがましいのだと言い聞かせるように考え、

「電話がない方が普通なんだから……」

どうしてがっかりしたのかという理由を考え始めてしまえば、知りたくもない結論に結びついてしまいそうで、キョーコはそのまま瞳を閉じようとした。

「あ……」

クッションの上で再び震えている携帯電話は、やはり非通知を表示していて、反射的にどきりと鼓動が跳ねたものの、こうも時間をあけずにかかってきたのだから、きっと椹が連絡を忘れた事があったのだと思い直した。

「はい、最上です。まだ何か変更がありましたか?」

『…………』

通話相手の反応が無言で「あら?」と首を傾げ、まさかという思いを抱きながら呼びかけてみる。

「……椹さん?」

『ごめん。俺……なんだけど……』

「っ!!?敦賀さんっ!すみません、てっきり事務所からだと!!」

相手が蓮だった事に大いに動揺し、間違えた事を全力で詫びれば、蓮は苦笑まじりに「いや、俺の方こそごめんね」と言った。

『うっかりしていたけど、そっか、俺の携帯電話、非通知で発信してたね。次からはちゃんと入れるから』

「い、いえいえ!そんなお手間を!」

『いや。最上さんが相手なんだからちゃんとするよ。というか、させて?』

「え……あ。ありがとうございます」

蓮から特別扱いされる事にドキンと鼓動が鳴った。
面映ゆく、けれども嬉しいと思う。

『責任は取るから』

「って、なんのですかっ」

『冗談だよ』

他愛のないやり取りが続く。

『それで、昨日の話の続きなんだけど……』

「あ!はい!!」

蓮との会話はだいたいがお互いの現場の事で、最初はキョーコが「うまくできるか不安」と相談したために「どうだった?」と翌日にも電話がかかってきた訳で、その後も蓮はキョーコの話したささいな事を気にかけて電話を鳴らすようになっていた。

「あ、そうそう、敦賀さん」

話題が二転三転しても二人は楽しく話しをしているので気がつけば一時間二時間と経過して、「もうそろそろおやすみ」と蓮に促されるまで話し込んでしまうという事が続いていたキョーコは、今夜まで言いそびれていた事を思いだして口を開いた。

「この間、敦賀さんにも差し入れを作りますねってお話したの、覚えておられますか?」

『もちろん。覚えてるよ』

連日の電話をするきっかけとなった初日での会話だ。

「どうせなら敦賀さんが食べたい物を作りたいなと思いまして。何かリクエストありますか?」

腕によりをかけますよと笑えば電話口の蓮もクスリと微笑む。

『そうだな……最上さん的なオススメとかある?』

「うーん。なんでも作りますよ?お菓子でもお弁当でもお夕食でも」

『それは、贅沢な選択肢だな。最上さんの作る物ならどれも食べてみたいからすぐには選べない』

そう言って「うーん」と真剣に悩みだしてしまった蓮の様子にキョーコはクスクスという笑いが込み上げてきて、蓮は「なに?」と尋ねる。

「そんなに悩んで頂けるなんて光栄ですけど、いつでも作りますから軽く決めて頂いていいんですよ?」

『いつでも?』

「はい」

『本当に?』

「もちろん。敦賀さんの為ですから。都合がつく限りはお応えしますよ」

蓮の為ならばという思いに嘘偽りはなく、キョーコは当然の事ですよと胸を張った。

『………………』

「…………敦賀さん?ご迷惑ですか?」

表情が見えない電話という手段の中、落ちた沈黙がキョーコを不安にさせ、おずおずと尋ねれば、電話口の蓮はハッとしたように「まさか」と言った。

『嬉しくて言葉をなくしてたんだよ』

「……本当ですか?気を使っておられません」

紳士な蓮だからこそ自分を邪険にしないだけで、実は迷惑なのでは、という気持ちは一瞬で肥大して、キョーコを苛む。

『本当だよ』

「……」

蓮を信じていない訳ではない。けれど自分の価値は信じていない。だからどう返事をしたものかとキョーコは言いあぐね、ほんの少し相槌が遅れたのだが。

『とても……嬉しい……』

「っ!!!」

囁かれるように届いた一言の破壊力は抜群で、その美声にキョーコは息を飲んだ。

「で、で、でしたら、明日私休みですからっ!敦賀さんは一日ダークムーンのCスタジオですよね!夕方になりますが差し入れを持っていきます!」

『え?最上さん?いいの?』

いきなりまくしたてるように話し出したキョーコに、蓮は不思議そうな様子ではあったが会話は続く。

「は、はい!もちろんですともっ!!ですから、私、今夜はそろそろ寝ますね!」

『え?ああ、うん。もう遅いね』

「ですよね!……そ、そういう訳ですから……そのっ、あのっ」

ぎゅううと掴み取られたように胸が苦しく、頬はびっくりするぐらい熱を持っていた。

『うん。おやすみ』

「……お……おやすみなさい!!」


面白いぐらいドキドキと脈打つ心臓を持てあましていた為にキョーコの反応はどこまでも不自然だっただろうに、何一つ突っ込まなかった蓮の優しさに内心で助かったと安堵し、キョーコは通話を終了させた。

「…………ふあ!!」

基本的に相手の受話器が降りてから自分も受話器を下ろすキョーコには珍しく、勢い良くブチリと切ってしまった。
電話の液晶画面が自然と暗くなるのに気付かないくらいには呆けていて、気づいてから自分の失態にあああ、駄目な後輩だわ、とダメージを受ける。

「……って、明日何作ればいいのかしらーっ!!!」

いつもならば睡魔が訪れる時刻だというのに完全に目が冴えてしまったキョーコは、料理本を枕元に引っ張りこんで布団の中に潜り込んだ。

枕元のライトはその夜の遅くまで煌々とし、キョーコは翌日の自分の運命に思いを馳せながら眠れない夜を過ごしたのであった。







敦賀さんが突っ込まなかったのは、敦賀さん自身がキョーコからの特別扱いに電話口で舞い上がってしまった結果で。ポーカフェイスの敦賀さんは一応は普通に会話をしたのであります。
つまるところ、どっちもどっち。
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