スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・最後に聞くのは貴方の声で4
はい!こんばんは^^
今日もかろうじて元気です←どんな
さてさて、水面下で色々と作業してるんですが、…といってもコマ割りしてる程度なんですけどね。
漫画の才能ないなぁorzとなりながら、文章の才能もなかったぜ・・・wと日々もだもだしています。
まあ、しかしながら、今号の花ゆめには先生がいないので本屋に行く事も無く、あれ?これって私へのゆとり・・・いやいやいや絶対違うっていう。

そんなこんなで、大した事無い日常ですね。分かります。
とりあえず、パスワード発行は毎日ちょこちょこしてますので、2、3日お待ち頂くような感じです。
通販到着コメント、オフ本感想コメント、また過去作への拍手などなど、本当にみなさまありがとうございます!
動いて無い日も拍手して下さってていつも本当励みにさせて頂いております!

さてさて、とりあえず。「思いつき短編」カテゴリーだったこの最後に聞くのは~ですが、とりあえず、4までひっぱっちゃったので、カテゴリを立ち上げてみました。
・・・我が家カテゴリ多いなぁ・・・ううう。







最後に聞くのは貴方の声で 4







『そういえば、最上さん。赤外線通信ってしたことある?』

「せきがいせん?」

紫外線やら新幹線なら存じ上げておりますが。とボケと言うには少々キレの悪い切り返しをしながら、キョーコは携帯電話を片手にはて?と首を傾げる。
今ひとつ分かっていない様子のキョーコに、蓮は唐突な話題の訳から説明する事になった。

『最上さんの携帯が事務所の支給品なら付いてるはずだろうって社さんが言っててね』

「ああ。じゃあ付いてるのかもしれませんね……それってどういう物なんでしょう」

『うーん。実は俺もやった事ないから、今度一緒にやってみようか』

初心者同志、ね?と言われればはい、そうですね。と頷くよりなく、この日の電話は終わる方向へ流れた。





「へー、ここですか」

携帯電話の黒くて四角い所がセンサーの送信口なんだよと言われれば、確かにそれらしく、キョーコは教えられる通りに携帯電話を操作した。

「そうそう。今ので俺のデータがそっちにいってるはずだよ。今度は最上さんが送信してご覧?」

「はい!えーっと」

ピコピコ、ピロリロリーンと音を立て、キョーコの送信が完了すると、二人は互いの携帯電話を改めて操作する。

(あ、そっか。敦賀さんA型だったわね……電話番号は知ってたけど、メールアドレスってコレなんだ。あ。パソコンのメールアドレスが入ってる。コレっていいのかしら……)

プロフィールを見ながらほー、へーと内心唸っていると、蓮が「あー」と零し、その声の様子からマイナスの要素を察知したキョーコはギクリと身をこわばらせた。

(今の……、駄目息ならぬ駄目出しのあーだったわよ!?私、何やらかしたのかしら……)

「最上さん。プロフィールに本名とか住所とか、学校の出席番号まで全部入れてるね」

「あ、はい!いけませんでしたか?」

プロフィールという画面があって、入力する項目があった。
だから説明書通りに登録した。話しは至ってシンプルなので、キョーコには何がまずかったのか分からない。

「んー。俺は最上さんが本名だって知ってるからいいんだけどね。でも、他の業界人とアドレス交換って事になったら、君は漏れなくこの情報を相手に教えてしまうことになるよ?」

「あっ!!」

蓮の指摘にハッとする。

「その場の流れで教えなければならなくなる場合だって無いとは言えないから、これは危ないよ」

「おっしゃっる通りですね、確かに考えが足りませんでした」

「まあ、まだ俺としか交換してない訳だから今直せば大丈夫だろうけど。これからは親しい人間相手でも日頃から注意する習慣をつけないといけないね。何で足元をすくわれるか分からない世界なんだから」

「はい、教えて頂いて助かりました。京子として必要最低限の情報だけに変更しておきます」

「うん、それがいいと思うよ」

蓮が柔らかい笑顔で頷くと、キョーコもありがとうございますとペコリ頭を下げた。

「ああ、そうだ。最上さんの電話、ちょっと貸してくれる?」

「え?はい。どうぞ?」

突然の蓮の言葉にキョーコは不思議に思いながらも自分の携帯を蓮の手のひらへ預ける。と、携帯を受け止った蓮はもう片方の手でキョーコ額をつんと小突く。

「ひゃっ!!」

「こら。今言ったろう?」

「へっ?えっ?何がですか!?」

真意が分からず、軽く弾かれたおでこを反射的にさすりながら蓮を仰ぎ見た。

「こんなに簡単に渡したら駄目じゃないか。俺が悪い人だったらどうするの?」

「え?でも……」

貸してくれと言ったのが蓮だったから渡したのに……と、ほんの少しの恨めしさがこみ上げたのだが、考えてみればついさっき親しい人間だろうと気をつけろと言われたばかりだから蓮の注意は間違えてはいないとも言える。


「現場で聞いた話しなんだけどね。最近こうやって共演者の携帯電話の情報を自分の物に転送して手に入れるヤツがいるらしいんだよ」

「そ。そんな人が!?」

「そう。だから簡単に人に貸しちゃ駄目だよ?俺相手だとフォローできるからいいけど、他の……そうだな、特に異性相手ならもっと気をつけないと。ゴシップデビューしたくないだろう?」

「はい!そうですね。勉強になります!」

ここに社がいたら「へー。蓮ならいいんだ」とか意味深な微笑み付きでニンマリとからかうだろう所だが、生憎、この場には突っ込める人間がいなかった。

「約束だよ?」

「はい!最上キョーコ、敦賀さんのお言葉をしかと胸に刻み込みたいと思います!」

ピシリとした敬礼と供に元気な返事をしたキョーコに蓮はクスリと笑う。

こうして策略紳士は純情乙女にまた一つの刷り込みを成功させた。




――――――――――――――




「あ、キタキタ。ありがと~」

「よっし、これでアドレス交換みんなと出来たわね」

「はい。ありがとうございます」

蓮とのやりとりから数日後。
キョーコは蓮が言った通り、その場の流れから断る事ができず、共演タレント二人とアドレス交換をする事態に陥っていた。

(なんというか、敦賀さんの大予言の的中率が怖いわ……)

言われた通り、プライベートの情報を削除しておいて本当に良かったと胸をなで下ろしているキョーコの内心には気づかずに、女性タレント達はケラケラと笑う。

「やっだ、京子ちゃんって本当にかっちりしてるわねぇ」

「ホントホント、ドラマと全然違う~」

「よく言われます」

あはははと愛想笑いをしながら、さて、どうやって帰ると言い出そうかと考えていた。
ここがキョーコの更衣室であり、なおかつ先ほどから会話が二転三転とコロコロ変わるおかげで退室するタイミングを逸し続けている。

「あ、そうだ。京子ちゃんって敦賀蓮と共演してるわよね」

「え?あ、はい。させて頂いてますけど」

一体なにをと思いながらも、自分が一番若輩にあたるので、付き合わざるを得ない。

「蓮のアドレス知ってる?」

「え?…………あの……」

問う瞳に何故だかギラリとした輝きが灯った気がして、キョーコの背筋がぞわりと反応した。

「えー、共演してても知らないの~?」

「……すみません」

はっきりした答えを返せなかったキョーコだったが、却ってそのリアクションで彼女達はキョーコは蓮の番号を『知らない』と受け取った。

「ふーん。じゃあやっぱりあの噂本当なんだ~」

「え?」

(ナニナニナニ!?噂って何!?っていうか、なんでよりにもよって敦賀さんだし!!?)

「あの……噂って、なんですか?」

これはしっかり情報収集しておかなければ後輩がすたる!と使命感に駆られたキョーコは探偵になったつもりで問いかけてみる。すると、キョーコの問いを単なるミーハーからのものだと勘違いしたタレント達は喜々として語りはじめた。

「知らないの?蓮って現場ではすごく温和な人で有名なんだけど、プライベートには絶対誰も立ち入らせないらしいらしいのよ」

「へー。そうなんですか」

(あれ?私、結構立ち入ってるんだけど……)

「ガードが固いの。有名よね~」

「そうなんですか……知りませんでした」

(ガード?どこにそんなものが……)

アドレスどころか自宅だって知っているし、寝顔まで見た事あるんだけど……と、噂と現実の食い違いにキョーコが内心首を傾げるも、彼女達はキョーコの戸惑いには気づかずに盛り上がり続けた。

「だからぁ、みんな隙あらばって狙ってるのよ」

「狙ってる?」

「やーねぇ、蓮の相手よぉ」

「……はあ……」

(さすが敦賀さん……モテモテ……)

歯切れの悪いキョーコの反応に「もー、京子ちゃん鈍いんだから」と笑う彼女達の言葉に、もっとリアクションしなければ不自然だろうかとハッとする。

「あ、ああ!なるほど!そうですよね、敦賀さん素敵ですものね!」

大慌てで相槌を返すキョーコだったのだが、

「素敵よねぇ、敦賀さんと一晩でいいから一緒に過ごしてみたーいっ」

(ひ、一晩!?)

「私もーっ!蓮相手ならいくらでもサービスしちゃうのにーっ」

(サービスって何をーっ)

「私も私も~!」

「あの美声で耳元に囁いて欲しいわよね~!おやすみ、なんて言われたらそれだけで私イッちゃいそ~」

(いやいや、おやすみなんて実際耳元で言われたら寝れなくなるだけですよ!っていうか、どこに行くつもりですか!?)

「あ、分かる~!蓮になら言葉責めとかされてみた~いっ」

(なんて危険思想のお嬢さんなのっ!!敦賀さんの言葉のナイフで斬りつけられたら暫くは立ち直れませんよぉぉ!)

「あーもう、彼女は無理でもセフレになれないかしらっ」

(……せふれ?何それ?)

「蓮ってすごそうだもんね~」

「うんうん!貪欲に求めてくるのよ、きっと」

(すごい?貪欲?……あ。演技がってこと?それなら確かに貪欲よね)

持ち前の天然思考で見当違いの理由にたどり着き、自己完結したキョーコを取り残し、盛り上がりを見せる彼女達だったのだが、ここでようやくキョーコを置いてきぼりにしてしまっている事に気づき、キョーコに話しを振った。

「確か京子ちゃん同じ事務所なのよね?そのあたり、本当のところ、どうなの?!現場で何か気づかない?」

何かないの?と前のめりの二人に押されるように詰め寄られ、キョーコは返事を模索する。

「え、ああ……現場で……は、そうですね、確かに敦賀さんはすごいですよ」

しかし、そんなキョーコの一言で彼女達のこれまでの勢いはどこへやら。同時に二人はピシリと固まった。

「「……え?……すごいの?」」

「はい!私も何回かお相手した事がありますけど、集中力が凄いので、どこまでも高みを目指して突き進んでいる感じでしょうか」

「突き……?……京子ちゃんって敦賀さんと何回ぐらいしたの?」

明らかに変わってしまった空気にもキョーコは深い疑問を持たずに続ける。

「うーん。そうですね……」

(瑠璃子ちゃんの時と、代マネの時と……あー。でもダークムーン入れたら……)

「さすがにちょっと覚えてないですね」

「そ、そんなに何回も!?」

「それって敦賀さんからのお誘いな訳!?」

鼻息粗い二人と、キョーコのかみ合わない会話はひたすら続くかに思えたのだが、ここにきて扉をノックする第三者の介入があった。

「あ、はい。どうぞー」

「んもう!いい所だったのにっ!」

ブツブツて言いながら一人が扉を開ける。
すると、彼女達の予想していなかった人物がそこに立っていて、声のない悲鳴が上がった。

「「っ!!!!!!!」」

「こんにちは、最上さん」

「え?あ、つ、敦賀さん!お疲れ様ですっ!」

温和な笑顔を浮かべている蓮は固まる二人には構わず、キョーコに向かって呼びかけた。

「お疲れ様。近くを通ったから寄ってみたんだけど、今日は上がり?」

「あ、はい!今日は上がりですが……」

一体どうしたんですか?と出かかった所におずおずとタレント達が問いかけてくる。

「きょ……京子ちゃんって……敦賀さんと……」

先ほどまでは蓮と呼び捨てで盛り上がっていた人物だとは思えないほど殊勝な様子で物言いたげに蓮を上目遣いで見上げている。

(わあ……すごい変わりよう……)

この落差にキョーコが驚いていると、蓮が「お友達?」と問う。

「あ、はい。さっき同じ番組の収録でお会いして、アドレスを」

交換したばかりなんですと続くはずだったのだが、蓮が満面の笑みで遮った。

「最上さんの友達なら大丈夫だね」

(へ?)

一体何をとポカンとするキョーコをよそに、蓮はこの場にいるタレント達に惜しみない笑顔を振りまいた。

「今さっき彼女が言った事、秘密しておいてくれるかな?」

「え!?あっ、そうなんですか!?」

「うん。俺と彼女の事はまだ誰も知らない話しだから、君たちとだけの秘密って事で……だめ?」

「「っ!!!!ひ、秘密にしますっ!誰にも言いませんんっ」」

(わあ……首まで真っ赤っか……っていうか、え?私と敦賀さんがどういう関係な訳??)

蓮の振りまく笑顔にあてられた二人はコクコクと盛大に頷いていて、蓮はその様子に「ありがとう」と駄目押しの極上の頬笑みを浮かべた。
タレント二人が床にへたり込んだ後、蓮は、次にキョーコに頬笑みかける。

「じゃあ、最上さん。ちょっと行こうか」

「は、はい!!」

(って、どこにですか!??)

かといって、キョーコもこの場から帰りたいと思っていた事は事実なので、蓮に誘われるまま控室の扉を開けた。





「……はあ。やっぱり最上さんは心配で目が離せないね」

「え?え?」

廊下に二人きりになった瞬間、蓮は鷹揚にため息を吐いた。

「あの、敦賀さん?」

(一体何が、どうなってるのーっ)

「とりあえず。今夜は家で今のがどういう事態だったか説明してあげる。ちょっとおいで」

「へ?あ、はい!」

「……うん」

キョーコの返事に蓮は一瞬複雑そうな表情を浮かべ、キョーコの前を歩き始めた。

かくして、純真である事にも少々の問題点を見つけた蓮は、痛む頭を抱えつつ、今度はどうやって丸めこむべきかと自宅に着くまでに思考をフル稼働させる事となったのである。







扉が薄くて丸聞こえの女子の会話の内容に、蓮さんは扉の前でノックの手の形のまましばらく固まって聞いていたのであろうという話。
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.