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ACT.181本誌続き妄想3
おっはようございまーす^O^
こんな朝早くから起動しているなんて珍しい・・・と自画自賛しながら活動中です。
いや、二度寝コースな予感しかないわけですが・・・w

さてさて、意外と続きという声が多かったので、うん。もうタイムリミットだけれど、もうオーバーしてキリが良い所まで書くか。と腹をくくりつつ、全四話構成って事になりました。
ということで、その三。
コミックス派じゃない方には優しくない更新になって申し訳ございませ。くふ。
明日には本誌読めるかなぁ~。







ACT.181本誌続き妄想 3








『面倒くさいの』と書かれた一通の白い封筒。
自らの意思で受け取ったものではあったが、ローリィ宝田からの物であるという事実がそれを開封する事に並々ならぬ勇気を必要とさせた。



「うーん。難しい……」

「あんた。なにやってんの?」

ラブミー部部室に足を踏み入れた奏江は、唸るキョーコの声に何事かと声をかけ、その手元を覗き込んだ。

「あ、モー子さん!」

キョーコの手元にはペンが一本となにやらの紙、そしてタレント名鑑にLME10年の歴史、というなんだか怪しげな本が広げられている。

「なによそれ」

すいっと用紙に視線をやれば、それに書かれている内容に目を見張った。






「LME特別期末テストねぇ」

「そうなの」

へぇ、と相槌を打ちながら注意事項の用紙に目を通せば、全ての問いにきちんと答えを記入してから提出する事。また、資料を用いて調べる事、質問する事は自由。とされていて、律儀なキョーコは一問ずつ順番に解答しているところだった。

「なになに、LMEの正式名称を述べなさい。タレント部セクション主任のフルネーム、生年月日、血液型、家族構成を述べよ。LME養成所の受講一年コースの初回に習う科目は何か、また年間受講料を述べよ……ってなんなのよこの内容」

「だんだん出題がマニアックになっていくのよね」

そう言われて先々の問題を見下ろしていけば確かに調べなければ分からないだろう質問ばかりで奏江は思わず閉口した。
自分ならば絶対やりたくはない。

「面倒くさいわね……って」

そこで最後の2つの質問が目に止まる。

「LMEにおける看板俳優は誰か?……って、これ敦賀さんよね」

「うん」

その言葉通り解答欄にはキョーコの文字で『敦賀蓮』と記されている。

「こんな問題があと何枚分あるの?本当面倒くさいわね」

「うん……2枚かな……」

そしてその次の問題には敦賀蓮の本名、生年月日、血液型、家族構成を述べよ。と書かれており、本名、家族構成の欄で初めて空白が生まれている。

「ねぇ。まさか」

なんだか嫌な予感を覚えながらパラリと次の用紙を捲れば、敦賀蓮の出身地を述べよ。両親の名前を述べよ。コーヒーにいれる砂糖とミルクの数を述べよ。靴のサイズを述べよ。と、ひたすら蓮に関する質問が続いていて、もはや奏江には意味が分からない。

「なに、これ」

「うーん。社長さんからの追加ミッション……」

「はあ?一体何考えてるのよあの社長っ」

「わかんないのよ……まあ……敦賀さんについてどこまで知ってるか、って事なんだろうけど」

困ったように眉根を寄せるキョーコに奏江はふうと息を吐く。

「で?あんた、これ分かるの?」

「一応、半分ぐらいは……」

「へぇ……で、これ解けなかったら何かあるわけ?」

半分も分かるなら十分凄いと思いながら奏江は一番気になる事を口にした。
このテストの前半は単なる前フリで、重要なのは蓮についての問いだろうという事は考えなくても分かる。

「うん。正解率が90パーセント以下だとペナルティがあるって書いてたわ。……これよ」

すっと差し出された用紙を受け取った奏江は素早くそれに目を通す。

「90パーセント以下の場合、写真集の発行を行う……ってこれのどこが罰なわけ?」

「よね。何がペナルティなのかしら」

「そうねぇ、写真集出してくれるならそれはそれで役得……って、なんですって!?」

と、書類に目を通していた奏江はある一点でギョッと目を見開いた。

「モー子さん?どうかした?」

ただ事でない奏江のリアクションに首を傾げて尋ねる。すると、

「この、カメラマンの篠原貴進って……」

「どうかしたの?」

「どうかしたじゃないわよ!確かに世界的に有名なカメラマンよ。ただ、この人、ヌード写真専門だったはずじゃ……」

「へー、ヌー……ド?…………えええ!!!?」

奏江の言った意味をたっぷり数十秒ほどかけて反芻したキョーコは、理解すると共に盛大な悲鳴をあげた。





――――――――――――――



「お……おつかれさまです。敦賀さん」

「おつかれさま、最上さん。テンさん」

蓮がジェリーウッズのキャンピングカーに到着した頃にはキョーコは雪花のメイクを施されている真っ最中であった。

「あら、蓮ちゃん。予定通りね。あ、キョーコちゃんちょっと唇開いてちょうだい」

時間に正確にやって来た蓮に讃辞を送りながらジェリーウッズはメイクブラシを持ち替えて再びキョーコに向かう。

「ええ、なんとか」

薄く笑い、キョーコの隣の椅子に腰かけた蓮はそのままトラジックマーカーの台本を開いた。

「はい。雪花ちゃんはおわり。ってあらやだ、ちょっと忘れ物したから取ってくるわね」

「へ?」

言うが早いかジェリーウッズはその場から離れてしまい、二人はあとに残された。

(ミューズぅぅ!!!!行かないで下さいーっ!!!!!)

内心の絶叫はジェリーウッズには届く事はなく、二人きりの空間でキョーコはチロリと蓮を伺い見る。
台本に視線を落としたままの蓮はキョーコの様子に気づくことなくページを捲る音だけが響いた。

(……何の反応も無しですか……)

昨日の告白など全く気にしていないらしい蓮の様子にモヤモヤとした気持ちが湧き上がる。
キョーコに『普通』を説く資格があまりない事は本人も分かってはいる。けれど、

(好きだって分かってるならもうちょっと何かないんですか敦賀さん!?)

貪欲なもので、蓮が自分を好きだと分かった今では、蓮の積極性がまるでない様子に少しずつ不満が沸き起こっている。


(…………どうしようかな……)

用紙に書かれた質問事項。それを聞くなら今なのだろうかとタイミングに悩んだ。

「あの……敦賀さん」

「ん?どうかした?」

台本から視線をあげた蓮がキョーコへ向き直る。

「そ……そのっ」

(うわああ、敦賀さんだ……)

ただ直視されただけで体温がみるみる上がっていく。

「あの……」

「うん?」

「敦賀さんのお名前って、芸名なんですよね?」

「え?ああ、そうだね」

蓮の表情が僅かに訝しさを浮かべ、その変化を敏感に感じとったキョーコの心は質問する事に躊躇し揺らぐ。

「その……」

と、キョーコが言いあぐねた時だった。

「たっだいまー!」

(ひああああ!!)

ジェリーウッズが戻ってきて張り詰めかけた空気が一気に破壊される。

「ごめんねーって……どうかしたの?キョーコちゃん」

「い、いえ。なんでも……」

「そう?じゃあ蓮ちゃんをメイクしちゃうわね~」

「よろしくお願いします」

ジェリーウッズが帰ってきた事により完全にタイミングを失ったキョーコは未だにバクバクと跳ねる鼓動を抱え、よろしくない心理状態の自分に慌てた。このままこの場所にいれば蓮にもジェリーウッズにも不審に思われるかもしれない。

「あ。じゃあ私、ちょっと外の空気を吸ってきます」

「そう?気をつけるのよ~」

「はい」

取り繕いつつもよろよろと車外に向かうキョーコを蓮は鏡越しにじっと見つめ、思案に耽っていた事をキョーコは知らない。





「セツ。セツ」

「え?あっ」

カインに呼ばれ、ハッと顔をあげた。
ホテルの椅子に座ってぼんやりとしている間に、風呂に入っていたはずのカインがいつの間にか戻ってきていたらしい。
湯上がりの姿に動揺し、キョーコの頬が朱色に染まる。

「ごめんなさ、きゃっ」

慌てて立ち上がろうとした事により、膝上にあった鞄が落下し、鞄の中身が音をたてて散乱した。

「あーっ!!」

「全く、何やってる……」

メイクポーチやらスケジュール帳、雪花用にと入れておいたネイルストーンが細かく散ってしまい、あわあわと屈むキョーコだったが、足元に必死になったキョーコはスケジュール帳に挟んでおいたテスト用紙をカインが手にしてしまった事に気付かず、そしてカインは視界に入ったそれを手に取ると、内容にざっと目を通してしまう。

「…………全く。こういう事を考えるあたりタチが悪いな、あの人は」

「……え?」

あきらかにカインのトーンと違う声質にキョーコが驚いて顔をあげれば、そこにいたのはカインの雰囲気を一変させた、『敦賀蓮』だった。









最後は蓮のターンで終わる。はず・・・だよね。うん。
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