スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SS・魔女の条件6
こんばんはー^^
沢山の方に続き待ってます!と言って頂いていた魔女の条件なのですが、
一人称だからか、まとめることがどうにも出来なくて、散々放置しておりましたら、本日やっとこさ
出来ました^^いつぶりの更新よ、と前回の日付を見たらそらおそろしいのですけれども、
とりあえず、なんとかきちんと書き切れたのでほっとしとります。はい。
未来設定だし、飛鷹×奏江なので、どこまで需要があるかなとがくぶるしていたのですが、
思いのほか、皆様に優しいお言葉を頂き、また楽しんで頂けて、本当に嬉しかったですv
これが最終話となりますが、面白かったとか、楽しかったとか思って頂ければうれしいです。
・・・と、たまには真面目な私になってみる。






魔女の条件 6






「飛鷹くん……」

扉を開けた先にいたのは奏江と奏江の手首を掴んでいる男。

「アンタ。ここで何やってんの」

ちろりと見下ろせば、男はチッと小さく舌打ちをした。

「離して下さい。村雨さん」

奏江がそう言うと、ようやく男は腕を解く。

「大丈夫か?」

「ええ……」

手首をさする様子によくよく伺い見れば、白い肌に少し赤い色が付いていた。

「アンタ、仮にも女優の身体に何やってんの?」

「ごめんごめん。少し力が入りすぎたみたいだ」

奏江に手を出そうとした事は勿論だが、笑って誤魔化そうとする姿が勘に障る。

「奏江。ちょっと来い」

赤くなっていた腕とは反対の手首を取った。

「え?飛鷹くん?」

「おいおい。今、琴南さんは俺と話してたろ?割り込みすんなよガキ」

村雨は引き止めようと奏江の肩を引いていて、それを視界に入れた瞬間、俺の中でブツンと怒りの沸点を通り過ぎた音がする。

「うっせぇ!邪魔すんなっ!!そのガキに見下ろされてんのはどこのどいつだ!」

一喝し、ギンと睨みつければ村雨の手がびくりと離れたが、奏江の足も地面に張り付いて離れない。

「奏江っ!」

再び声を張ればビクンと反応した奏江は力を込めて俺の腕も払ってしまう。

「お前っ!」

「……私、行けないわ」

「なんでだよ」

はっきりした理由を言え。そう怒鳴れば奏江は「だって」と小さく呟く。

「デートしてた子がいるんでしょ?だったら私みたいな年上の女に構う事ないじゃない!」

眉間にシワを寄せて口にする奏江にどうしてやろうかという思いが湧き上がる。

「それって嫉妬?」

「ちがっ!」

奏江の頬がカッと赤らんだ。
やっぱ、こいつ、可愛い。
いつもツンとしてるくせに、ときどきドキリとさせる表情が本当に好きだ。

「わ、私はお芝居があれば恋なんていらないのよ!」

「嘘だ」

ずっとそうやって言ってる事は知ってる。
だけど、もう観念して俺を見ろと叫びたい。

「嘘じゃないわ」

じっと奏江の瞳を見据えたが、俺を見ないようにふっと視線を逸らしてしまった奏江の姿に攻め落とせる確信が生まれた。

「おいおい!俺を無視しないでくれるかな。俺は……」

「うるさい!!邪魔だ!!」
「うるさいわね!!邪魔よ!!」

「わっ!」

割り込みしようとした村雨を怒鳴りつけるタイミングが完全に同時で、ハモった事で俺と奏江は漸くお互いを見つめる事が出来た。

「だいたい。俺が写真を撮られた相手は一般人じゃねぇよ」

「え?……わっなにっ」

ポケットを漁り、四角い箱を取り出して奏江の手元に向かって投げると、奏江は慌ててそれを受け止めた。

「あの人は奏江についてたスタイリスト。それを買う為にサイズを聞き出してた」

「は?サイズ?」

そう言って奏江は手元の小箱を見下ろし、その正立方体の形状にまさかと呟いた。

「恋がいらないならそれでもいい。だから俺に嫁いで来い!」

こちとら奏江に似合う男になるために必死だったんだ。逃がしてなんてやらない。

「奏江。イエスと言え!」

「っ!!!」

「俺がこれまで生きて来て、たった一度恋した相手は奏江。お前だ。責任取れ!」

はっきりと宣言すれば、奏江は目をこれでもかとかっぴらいたままペタンと床にへたり込んでしまった。
うつむき、両手で顔を隠してしまった奏江がボソボソと呟く。

「私みたいなキツい女だと……苦労するわよ?」

「そういう所が好きなんだよ」

「っ……バカね……」

耳朶が真っ赤で、その顕著な反応が奏江の本心なのだと思うと、口角が上がるのが止められない。

「なあ。上杉飛鷹は嫌いか?奏江」

「…………好きよ。ばか」

「やっと捕まえた」

へたり込んだ奏江に合わせて俺も床にしゃがみこむ。
それ以上、俺たちには言葉はいらない。








「おめでとう、モー子さんっ」

「別に……おめでたいのはアンタでしょ。アンタの結婚式なんだから」

「えーっ!だってモー子さん、飛鷹くんとお揃いの指輪」

「もーっ、それ以上言わなくていいっ!恥ずかしいっ」

「恥ずかしがらなくたっていいじゃないっ」

「私はあんたみたいにメルヘンでも乙女でもないからそういうオノロケ話はいらないのっ」

「ぶーっ」

「花嫁がなんて顔してるのよ」

目の前で京子と奏江がじゃれているのを黙って見ていると、隣に座っている敦賀蓮がクスリと笑って京子をまあまあと落ち着かせている。

「そのぐらいにしないと、式の前にメイクが落ちちゃうよ?」

「はっ!せっかくのミューズの魔法がっ」

あわてて表情を引き締める京子に奏江が全くもーと呆れた顔をしている。

「奏江。そろそろ行かないと邪魔になる」

そうやって促せば、奏江はそうねと俺と一緒に退室しようと京子にじゃあまたあとでね、と挨拶をした。

「ふふふ、モー子さん。スピーチよろしくね」

「はいはい。軽くすませるわよ」

友人代表としてスピーチを頼まれた奏江がずっとブツブツ繰り返して練習していたのを知っていた俺は、思わずふっと笑う。
台本のセリフでだってあんなに練習しないくせに。

「あ、そうだ!モー子さん」

「なに?」

去り際、呼び止められた奏江は京子の方へ振り向いた。

「ブーケトスはモー子さんに放り投げるから、絶対キャッチしてね!」

「…………ありがと」

「うん!」





純白の教会で、予告通り飛んできた真っ白な花で作られた花嫁のブーケを受け取った奏江のはにかんで笑う表情を、俺は生涯忘れる事はないだろう。

「なあ。奏江」

「なに?」

「大切な話しがあるんだけど」

勢いじゃなく、改めて結婚してほしいと申し込んだのは、その日の夜の事だった――。








魔女の条件 完







読み返すと実はたいした事無い文章能力で涙が出そうなんですが、楽しんで頂ければ幸いです。
長い放置を繰り返しましたが、待っていて下さったみなさま、誠にありがとうございました!
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。