スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SS・蛹が蝶に孵るまで。6
こんばんはー。まずは相互リンクのご報告からーvv

春色の風とともに/今日も晴れ様

いつもコメント頂いたりで、お優しい方なので、調子にのって相互リンクさせて頂きましたー!!
素敵作品が沢山なんですが、今日も晴れさんが書かれるキョコたんが可愛くて可愛くてvv
よろしければ皆様いってらっしゃいませ!


さてはて。さなぎも今回で6になりました。がんばるぞー。

追記よりどぞー!






――――――――――――――

蛹が蝶に孵るまで。6

――――――――――――――



    mission4


帰宅した瞬間、視界に飛びこんできた光景に、彼はヒヤリと心臓が冷える思いをした。

リビングに散る、割れた透明の硝子のカップだったモノ…

床にうつぶせに横たわる彼女…。

よぎったのはある日突然失った妹の、最後に見た後ろ姿。




「よ…燿子ちゃん…?」


固まる己を叱咤し、黎は燿子を腕の中へと抱き起こし、彼女へ呼び掛ける。

二度とその瞳を開く事の無かった妹の姿と重なる姿に黎の顔は知らず青くなった。


「あれ?…先生?お帰りなさい。」


・ ・ ・ ・


「見えない気持ち?」

次の依頼は盲目の少女なのだと燿子は言った…

「そう、実際どんな気持ちかなと思って、ちょっと目を閉じて練習してたらカップを割っちゃって…
片付けようとしたんだけど、破片を見ながら考え込んでるうちに夕べあんまり寝てなかったせいか、うとうとしてきて…」

「うとうとしてって君ね…床に突っ伏してたら心配するだろう?」

「ごめんなさい…」

役を見つけるまでの燿子はフワフワと考えに浸り込んでしまう事が多く、これまでも何度か突飛な行動を起こした事もあるが、今回の事は流石に黎の肝を冷やした。

「それで?どういう事に悩んでたの?」

キッチンから暖かいココアとコーヒーの入ったマグカップを手に持ちソファーへと戻ってきた黎は片方のココアの入ったそれを燿子へと差し出し、燿子はそれを嚥下してからひとつ溜め息をついた。


「彼女は産まれてからずっと目が見えなかったから、人の顔や物の形は全部、手でなぞって理解して、
そうやって把握したものは絶対忘れなかったそうなの…かなり時間がたってから会った人の顔だって結構な確率で判別できたみたいだから…」

「それはすごいね…」

人は時間が経てば変わる…、それを手の感覚だけで分かるというならば、
それはどれほどの研ぎ澄まされた物だったのか…。


「実際の私は見えてる訳だから、見れば分かる、けど…見ちゃったら目の動きで分かってしまう…でも…触っただけじゃ何も分からないわ。きっともっと違う感覚を研ぎ澄ませないと、私は役になりきれないと思うの…」


そう言って彼女はまた思考の渦の中へ入ってしまった、
こうなってしまった燿子はなかなかこちらへは帰ってこない。
彼女を見つめて苦笑を零した黎はソファーから立ち上がり、夕食の支度を始めることにした。
彼女に黎が自分の手料理を食べさせるのは初めてで、そして彼は料理が得意な訳でもないから、体した物は出来ない。
けれど、きっと出来上がる頃には彼女の意識もこちらへ帰ってくるだろう…そう思いながら、温かい物を用意しておいてあげたいと、黎はキッチンへと向かった。


・ ・ ・ ・ ・

コトリと自分の前に置かれた何かの音で彼女は思考の迷路から、こちらへと戻ってくることになった。

「……あ…あれ?」

燿子の目の前には完成したばかりと思われるスパゲティとサラダの盛られた皿が並んでいた。


「お腹すいただろう?ご飯、出来たから一緒に食べよう?」

「え…あ…ごめんなさいっ、私がボケッとしてたから!!!」

慌てる燿子に黎はくすりと笑みを零す

「構わないよ…味は君の作ったご飯より落ちるけどね…」

「…誰かの作ったご飯なんて、久しぶりだから嬉しい…」

「なら、これからは時々作ってあけるよ」

「ふふ…それが社交辞令でも嬉しい。」

黎のセリフを半ば冗談だと受け止めている燿子に黎は真面目な顔でもう一度彼女に告げる。

「君が喜ぶならいくらでもしてあげるよ?」

「なっ!?」

桜の時も燿子の時も黎は意地悪だけど、優しい。
その優しさに燿子の調子は狂わされっぱなし、彼との距離を計りかねる事が増えており、最近の黎は燿子が思わず赤くなるようなセリフを口にする事が増えていた。
最初は無理矢理で、契約の上で成り立つ関係だったのに、今では彼の家の方が自室より居心地が良いと感じる…。


「あぁ…そうだ…さっきの話だけど」

「え?」

「俺で練習してごらん?」

燿子は黎に言われた言葉の意味が分からなかった。

「へ?」

「目を閉じて人の顔を触ってみたいんじゃないの??」

「それは…まあ…やったことないから…」

「うん、じゃあご飯食べ終わったら練習、やってみようか…」


そう言って、二人はダイニングのテーブルで向かい合い、いつものように夕食を開始した。


・ ・ ・ ・ ・


「ほら、こっちにおいで」

夕食後、リビングのソファーへと場所を移し、背の高い黎がソファーへ腰掛け、燿子を己の足の間に立たせた。


「え…えぇと…」

「目を閉じてごらん」

黎に促され、燿子はその瞳を閉じる。
黎は燿子の両手を取ると、彼女の両手を己の頬に寄せた。

「ほら、触っていいよ」

「う…うん」

頬を撫で、こめかみへとなぞり、耳、額、髪へと指先を滑らせる。
最初は恐々と触る燿子であったが、だんだんと彼の体温に慣れ
燿子はその指先に真剣に集中し、黎の形を記憶しようと神経を研ぎ澄まし、
瞼、鼻筋、唇、顎、首へとその手が下りる。

「分かってたけど、黎ってすごいね」

「ん?何が?」

「肌がツルツル…」

「こんなもんじゃないのかな?普通だと思うけど…」

くすくす笑いながら他愛もない会話をしながら、燿子はその手を動かす。

「喉が出っ張ってる」

「男だからね、出てないと大変だよ。」

それもそうねと笑いながら、首筋から鎖骨をなぞる。

「ふふ、くすぐったいね」

黎は襟首の丸く開いた薄いシャツを着ていたから、彼の鎖骨の感触は、くっきりと感じられる事になった。

そして、心臓の上にその指先がたどり着いた時。


「心臓が…すごくドクドクしてる。」


その平常とは違う、とても早いリズムを刻む鼓動に、思わず燿子はその瞼を上げたのだが、
瞳を開いた瞬間、ものすごく優しく自分を見つめる黎の視線を真っ正面から受け止める事となり、瞬間、心臓を握られたような衝撃を覚えた燿子は、先ほどまでの己の行動に羞恥心でいっぱいになった。

「あ…ご…ごめんなさいっ」

真っ赤になり、慌てて黎から手を離した燿子は、思わず顔を背ける。

「わ、私…コーヒー入れてくる!!!!!」

燿子はそう言って空のマグカップを2つ手に取り勢い良くキッチンへと逃亡した。

あとに残された男は一人呟く。

「…好きな子に触られてたら、流石に心臓まではごまかせなかったみたいだ…う~ん、参ったな…」



「…え…?今の…な…な…何?……わ…私…私っ…なんでこんなにドキドキしてるの…?」

キッチンに逃亡したものの、耳まで真っ赤にした燿子は、その場にしゃがみこんで全力で狼狽えていた。


「…私……黎の事……好き…なの…?」

――――――――――――――

「…カット。」

スタジオに新聞の声が響く。

「ん~、素晴らしいまでの狼狽えっぷりだねぇ、京子ちゃん」

「あ…ありがとうございます。」

狼狽えてえる演技は、かなり素で蓮の神々スマイルに狼狽えさせられた感があるのだが、誉められているので素直に受け止める事にした。

「蓮も良い迫り具合だし、いいんだけど…」

「けど…?」

引っかかる物言いの新聞に蓮が問い返す。

「京子ちゃんが蓮を撫でてるとこ、もうちょい変化が欲しいな~。」

「「はい?」」

変化と言われたが、特にそのあたりは二人とも内心かなり必死であった為、二人には意味が飲み込めなかった。


「最初は恥ずかしそうにおずおず触る。ここはOK。
でも、馴れてきたらもうちょい大胆に触って欲しいんだよね、全体的に触り方が恐る恐るって感じに見える。」

「そ…それは…」

確かに恐る恐るだった自覚のあるキョーコは言葉に詰まり、受けていた蓮も戸惑い気味だ。

「このシーンは急がないから次の撮影の時、もう一回やろうか。練習しといてね。」


「……えっ、えぇぇーー!!!!!!!!」


――――――――――――――

というわけで次はお家レッスンですよ。
どこが書きたかったかは言うまでもないですが、
足りない文才は、読み手のみなさまの妄想力でお願いします。orz

スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。