スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・哀れな仔羊にアイの手を
こんばんは^^であります。
寒すぎてキーボードが叩きにくい季節ですね。さむーい!
さてさて、今日は11/21な訳ですが、明日の事を考えていたらこんな事になりました。

・・・・・・・
「ねえ、最上さん、明日は11月22日だけど、何の日か知ってる?」
「え?あー。 (1)い(1)い(2)復讐が(2)フッと思いつく日……」
「なにかな?(きゅらり)」
「す、すみません、何でも無いですっ!」
「(1)いいかげん(1)いつまでも(2)不破に(2)復讐する事なんて考えるの辞めたら良いと思うんだけど?」
「デスヨネー。ハハ」
「俺の目を見て話そうか」
「ひいい」
「あんたたち。 (1)イチャついて(1)いるようにしか見えないから(2)夫婦漫才なら(2)二人きりでやってちょうだい」
「あ。モー子さん」
「ああ、これは失礼。じゃあ(1)今から(1)いい所へ(2)二人で行ってくるから。あと、よろしく」
「(2)ふーん。」
・・・みたいなくだらない事になりました。良い夫婦の日ですね!おめでとう明日!←関係無い。



さてさて、拍手コメント、パス請求のコメント、裏到着報告などなど、沢山のコメントを本当いつもありがとうございます!本当に励みになっております^^

あと、冬アンソロの告知がいよいよになりましたので、明日あたり。改めてまいります!しゅた!!





哀れな仔羊にアイのテを







社倖一は元来、面倒見の良い人物である。



「よし。じゃあ俺はちょっと書類整理してくるから、一時間後に迎えにいく。今ならキョーコちゃんがラブミー部の部室にいるはずだから、そこで。いいな?」

こういった気遣いを、普段からいたく普通に実行出来るという事は、社がマネージャーとしていかに繊細な気配りが出来る性格であるかを物語っているし、それによって彼が気遣いの出来る信頼に足る人柄である事を示している。

(よしよし。今日こそはキョーコちゃんとちょっとぐらい進展してくれよ、蓮っ)

蓮の恋愛に関しては常に応援する立場を貫いているが、それはひとえに蓮に幸せになって欲しいという願いも込められている。
多少、からかいはするが、それこそ愛嬌の範疇といったところだろう。



「社さん。はい。これが今月頭の分です」

「お。ありがとー!」

社がLME社内にある自分の机で書類整理をしていた時の事だ。
やってきたLME社員から受け取ったのは、発売直前の雑誌の束である。

「今月も敦賀くんの掲載誌、俳優セクションでトップですよ。女性誌の表紙なんて三社も飾ってます」

流石ですねと笑う男性社員は、雑誌の束を手慣れた様子でガサゴソと白い紙袋に入れて社へと手渡した。

「確認よろしくお願いします。しかし、マネージャーは大変ですねぇ。敦賀くん売れっ子なんだし、もう一人サブマネージャーつけて貰ったらいいんじゃないですか?」

こういう雑務まで一人で全部やるのは大変でしょう?と言う男性社員に社は大丈夫だよと笑う。

「蓮は自己管理しっかりしてて手間がかからないから」

「あー。流石敦賀蓮って感じですね」

社の言葉に、やはり噂通りなんですねとうんうん頷く男性社員を横目に社はひっそりと思う。

(ま。仕事に関しては手間がかかんないけど、恋愛に関しては手がかかりまくり……なんだけどねぇ。どーしてキョーコちゃんを前にしたらあんなんなんだろ……)

有り体に言えば堅い。
嬉しいだろうはずなのに無表情だったり、もっとそこに反応しろよという台詞に無反応だったり。
かと思えば良い雰囲気で会話していたりするから、

(お兄さんには若者たちの感覚がよくわからんよ……)

社にはどうアシストをすれば良いのか良案が浮かばないまま今日に至る。

「社さん?」

「あ、ごめんごめん。何?」

考え込んでいた社に男性社員はどうかしましたか?と尋ねねるが、素直に話す訳にもいかないので笑って誤魔化す。

「ああ、あとこっちが京子ちゃんの掲載誌、今月分です」

「お、ありがとう。って今月はいっぱいあるなぁ」

もう一つドンと出された雑誌の束は、男性誌を始めとした雑誌の束だ。

「京子ちゃんは未緒で注目されてから一気に露出が増えましたねー。そのうち表紙のオファーも取れるんじゃないですか?」

「そうかもな。やっぱりあの子の成長は楽しみだよ」

(BOXRの放送が始まったら本当にオファーありそうな気がするんだよなぁ)

これは社のマネージャーとしての直感だ。

「でも社さん?なんで社さんが京子ちゃんの収録雑誌をチェックしてるんですか?」

とても真っ向な質問に社の心臓がドッキーンと跳ねる。

(あー、今までは一冊か二冊ぐらいだったから誰にも突っ込まれなかったけど、確かにこんな束になるとそうなるよなぁ)

「へ?あ、いや。あの子正式なマネージャーがまだついてないからさ、昔俺が風邪引いた時に代マネやってもらった恩もあってな。あの子がちゃんとしたマネージャーのチェック受けるようになるまでは気になっちゃって。椹さんも忙しいだろうし」

(うわー。我ながらとってつけた理由……)

内心で冷や汗をかいている社だが、真顔で話した事で説得力があったらしい。男性社員は「社さんって義理堅いですね」とむしろ尊敬の眼差しを向け、社としては騙しているようでバツが悪いが訂正は出来ない。

(っーかそもそもこれは俺んじゃないしなぁ)

そう。実のところ、キョーコが雑誌デビューした頃から、ついつい蓮にそれらを流しているのは社にとっての習慣になって久しい。
キョーコを掲載する雑誌は男性誌や週刊誌が多くを締めるが、中にはもちろん女性誌もあるので、うっかり放任しておいたりしたらコンビニなどで見かけた蓮がそのまま自分で購入しかねない。
もしも女性誌を買っているところで蓮だとバレたりしたら……などと考えれば、先手を打っておきたいという狙いもある。

(アイツ。そういうの気にしなさそうだもんなぁ……敦賀蓮のイメージをなんだと思ってんだか。イメージ戦略ってもんがあるだろう)

「ありがとう、んじゃこれ貰うな」

内心で考えている事などおくびにも出さず、社は愛想良く笑う。
そうして紙袋を受け取った社は男性社員がもう一つ袋を持っている事に気づいた。

「そっちは何?」

「ああ、こっちは京子ちゃんに渡す用ですよ」

男性社員はガサリと紙袋を持ちあげて見せる。

「そうなのか。じゃあ俺、今からあっち行くから届けとくよ」

「そうなんですか?それは助かります、お願いしてもいいですか?」

「おう。大丈夫大丈夫」

男性社員から紙袋をさらにもう一つ受け取り机から立ち上がる。

(あ、やっぱりこの量になるとちょっと重いなあ)

とは言え、一度引き受けた手前、それを表に出すのは失礼であるし、これで根を上げるのは男としていささかしゃくだ。表情には出さず、社はラブミー部の部室へと向かう。
重みに耐え、部室の前に到着した社は床に紙袋を置く事で痛む手のひらをほんの少し休める。そうして扉に向かいノックをしようと構えたまさにその瞬間だ。

「すみません……」

(ん?キョーコちゃん?)

「最上さん。本当に分かってる?」

蓮の声色からすると、なにやらお説教中のようだ。

(あいつ、何怒ってるんだ?)

「それは……もちろん」

「じゃあ、どうして俺の目をちゃんと見ないのかな」

「ぎくうっ!い、いやですねぇ、敦賀さんっ、なんでもないですよ」

(おいおい、蓮、キョーコちゃんを威圧したら駄目だろうっ、嫌われたいのか!?)

「まさか、また会いに行く気じゃないよね?」

「う…………」

(会いに?誰にだろ……?)

立ち聞きは良くない事は分かっているが、どうにも部屋に入るタイミングが掴めない。

「ううう、すみません。こんな機会、そうそうないって思うとつい……」

「はあー。最上さん」

「は、はい!すみませんっ!」

「機会がないだろうって事はもちろん俺にだってわかるよ?でもね、君はもう芸能人なんだから、危ないって事も分かるよね」

「はいぃ……」

(あああ、キョーコちゃん泣きそうじゃないかっ、どんだけいじめる気だよお前っ)

どんどん小さくなるキョーコの声に社は意を決して扉を叩いた。

「お疲れ様ー、お邪魔するよ……ってキョーコちゃん?どうかしたの?」

今初めて気付きました。そうやって場の空気を変えてしまおうと思っての行動なのだが。

「いえ、私の不注意で……ちょっと……」

言いあぐねるキョーコの様子に蓮に「何があった?」と視線で問う。
すると、蓮はふうと嘆息してから原因を話し始めた。

「今、プーリンから国王夫妻が来日しているのはご存知ですか?」

(あー、テレビで見たな、確か国賓だっけ?)

「ああ、王妃さまが美人だから美男美女だって話題になってるアレだろ?」

俺もテレビで見たけど確かに美人だったよなあと相槌を打つと、それに大きく反応したのはキョーコの方だ。

「そうなんです!実物も本当に綺麗で、オーラがキラキラしていて、素敵だったんですよ~っ、民族衣装がとってもお似合いで、髪もサラサラで、唇はプルンプルンでお顔が小さくて肌も白く透き通ってて、国王さまがいたわっているところとかすごく格好良くて……」

回想しているらしいキョーコの瞳の方がキラキラしていて、ほわわわんとメルヘンの国の住人になっている。

「……最上さん」

「はひぃ!!すみません!!」

(うわ……鶴の一声。キョーコちゃん一気に青くなっちゃったぞ……っていうか、今のって国王を格好いいって言ったとこに反応してないか?)

ここにきて社にもなんとなく事情が読めた。

「最上さん。駅前の歓迎パレードを見に行ったんですよ。自転車で」

「あーーーそれは。うん」

それは確かに芸能人としては迂闊だと怒られても仕方ない。
バレたらパニックを引き起こしてしまいかねないのだから、自重するべき行動だろう。だが……

「まあでも、キョーコちゃんだって反省してるんだからそんなに怒るなよ」

(いくら心配だからって、ビビらして嫌われたらどうすんだよ)

「ところで、蓮。はい、これ。今月の『いつも』の見本誌」

いつもの、にことさらアクセントをつければ蓮にもそれが何か分かったようだ。

(雑誌のキョーコちゃんを渡して怒りを静めよう、なんて。キョーコちゃんの預かり知らない所で身売りさせてるみたいだけどな……ハハ)

それも本人の目の前で。

「え。あ……ありがとうございます」

(ふー。やれやれ)

「最上さん。反省しているならいいけど、今後は軽率な行動を取らないようにね」

(ってお前!まだ掘り返すか!?)

「はい……すみませんでした」

「そういう人の多い場所で熱烈なファンに見つかったりして、ストーカーに発展。なんて話しも無くは無いんだよ」

「ごもっともで……」

(いや。蓮。お前のやってる事もよっぽどギリギリだぞ。紙袋をしれっと大事そうに持ってるじゃないかっ!なんで彼氏でもないのに独占欲だけそう無駄に強いんだよ!)

(くう、ええいままよ!!)

「あ。ああ!そうそう、こっちはキョーコちゃんの見本誌ね、さっき預かったんだった!はい、これ!!」

流石に露骨かと思わないでもなかったが、この流れを断ち切りたい一心で社は声をあげる。

「え、あ、わざわざありがとうございます」

「いえいえ、はいどうぞ」

紙袋を手渡せばキョーコは嬉しそうにはにかんだ。

「こんなにたくさん頂くのは初めてです」

「うんうん」

大将と女将さんに見て貰おうかなあなんてテレテレしているキョーコを微笑ましく見ながら、社はチラリと横目で蓮を伺う。

(あまっ!!!!)

オーブンレンジでとろけちゃうチーズもびっくり。とろけんばかりというよりもむしろとろけきった笑顔の蓮に、社は機嫌が直ったかなとほっと小さく息を吐いた。
すると、

「敦賀さんはこういう雑誌毎月たくさん出られてますよね?保存とかどうするんですか?」

質問するキョーコが視線を上げた瞬間、蓮の表情はヒュンとノーマル仕様に変わってしまう。
こうまでスイッチされればいっそ見事だ。

(……れーん。お前ってやつは……)

「そうだな。俺は家に専用の本棚があるからそこにいれてる……かな」

(おいおい、ちょっと待て!お前。自分の見本誌なんて撮影の合間にチェックして終わりじゃないか!楽屋に置いて帰るのがザラのくせにっ!!)

「おー、そうなんですかっ!じゃあ私もスクラップとかに……うーん。でもちょっと恥ずかしいかも」

「事務所にも保存してあるからお気に入りだけ保存、でもいいとは思うけど?」

(まあ、お前が全部持ってるもんな……ハハ)

「なるほど!ありがとうございます」

(まさか……キョーコちゃんの掲載誌に専用の棚を?……ありえる。蓮ならやりかねん!)

「ところで、最上さん。明日の昼間は何かある?」

「いえ。学校だけですが……」

「じゃあお昼ちょっと抜けてくれる?」

「へ?それは構いませんが……」

不思議そうに見上げるキョーコにクスリと笑んで蓮は言った。

「明日、国王夫妻はテレビ局の視察のはずだから、見学においで」

(あ……そういえばそんな話しを前室で誰かがしてたような……)

社はぼんやり聞いていた話しだが、蓮はキョーコが好きそうな話題だとチェックしていたようだ。

「ほ、ほんとですかああああ!!ありがとうございます!」

喜び舞い上がるキョーコを蓮は優しい微笑で見つめ、どういたしましてと頷く。

(最後はちゃんととびっきりのカードでポイントアップですか、そうですか。……あほらし……)

散々やきもきした社は蓮の手管にはやれやれという気分だ。

(もう。勝手にやっててよ)

散々なんだかなぁな気分にさせられた社だが、彼は知らない。
キョーコが手にしている紙袋には、実は蓮の雑誌が入っていて、自分の袋にキョーコの雑誌が入っている事を……。
そうして、後にそれを知った蓮に「何か良からぬ事に使ったりしてませんよね?」と瞳の全く笑っていない笑顔で責められる事になる事を――。

社倖一。彼はLMEの誇る、若手敏腕美形の特殊技能まで持っているスーパーマネージャーである事だけ、最後に述べておこう。







「社さんに合いの手入りまーす!」
「はい喜んでー!」

社さんに必要なのは合いの手なのか、愛の手なのか、救いの手なのか、胃薬なのか。
それは皆様にご判断頂きたいと思いますw
合いの手は拍手ポチリでどうぞ!




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