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オフ本サンプル「楼閣の蝶」
はい、こんにちは!風邪が流行ってますが、皆さまお元気ですかー!!
私は風邪引きました!!どーん。・・・orz
強い子馬鹿な子元気な子のはずの私が風邪とかっと、悔し涙を流しつつ、今日はだいぶ元気っていうか、完治した勢いなので、原稿と戯れてます。

さてさて、箱庭更新してないなーとずっと思いつつ、しかし、原稿、とあわあわしてたんですが、アンソロの初稿脱稿したので、気持ちだけゆとりが…いやしかし、漫画も描きたいのでもうちょっと 粘 る !
ということで、冬のインテ初売りの個人誌の見本でございますーー^-^
今回、なんかがむしゃらにがんばったような気がします。そんなに書くネタあったのかよ。と思いつつ、書き下ろし部分のサンプルを4P分弱なので、買うのは迷うなぁって方は参考までに。
蓮キョのひたすらイチャイチャ…いや、事件もあるんだけど。みたいなお話になってます。
楼閣の蝶自体は裏庭連載なので、こっちしか見てない方には・・・ぽかーん?っていうお話だと思います。はい。




表紙ゲスト→*ソラハナ* MOKOM様
WEB再録→79P(加筆修正)
書き下ろし→39P

あと書き下ろしが5、6P増えるか増えないか微妙な所であります^^









―――――――――――――――


   アフターストーリー 


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重厚な扉越しのノックが三つ響くと、寝台の中にいたキョーコはピクリと反応し、ゆっくりと起き上がった。
ぼんやりとした瞳で辺りを見渡し、自分の隣に寝入る存在にふにゃりと笑う。
恋しい人が無防備に寝入る姿がこんなにも愛おしいのだという事はここに来てから初めて知った。
そっと手を伸ばし、頬に触れる。キョーコの薬指には蓮から送られた指輪がはめられていて、カーテンの隙間からうっすらと差し込む朝日により青い石が煌めいている。
指先でなぞる頬は何度も触れ合ってはいるが、やはり感動的に綺麗な肌触りをしていて、羨望と、そして愛おしさが混じり、こういった他愛ない瞬間にこみ上げてくる喜びが、どうしようもなくキョーコを離れがたくさせた。
「ん……」
 気配に気付いたのか、わずかに身じろぎするものの、起きる気配の無い様子に、キョーコは頬から指を離し、艶のある黒髪へと移動させた。そうして、さらさらとした感触を楽しんでいるうちに、ぼんやりとした頭が覚醒し、己のするべき事を思い出す。
「おはようございます、蓮さま」
一糸纏わぬ裸体のキョーコの身体には、情事の痕跡がありありと刻まれていて、白い肌に紅い花がいくつも散らばる姿は見る者を引き込む色香を放っている。
「蓮さま、朝ですよ」
同じく寝台の中に眠る男、蓮はキョーコにゆさゆさと揺さぶられてようやく反応を見せた。
「蓮さま、起きて下さい」
「もう少しこのままがいい……」
そう言うと蓮はキョーコの腰に腕を回し、起きようとしていたキョーコの身体を再びシーツに沈めた。
「きゃっ」
蓮の肩口に腕をやる事で転がる衝撃を堪える、と、すぐさま伸びてきた腕に抱き寄せられて唇が浚われる。
さわやかな朝の目覚めのキスには程遠く、逃げようとする舌は絡め取られ、口蓋をなぞられる刺激にキョーコの身体がふるりと震えた。
くちゅり、くちゅりと口付けを交わせば、昨夜の情交の名残が残る身体には簡単に火が付いてしまう。
「んっ……もう……朝……ですよ? さっき執事さんが……」
「いいから俺だけを見て」
「でも……」
言葉ではいけないと言うものの、背中へと回した腕を解ける訳でもなく、瞳はすでに潤んでいる。キョーコが芯から拒んでいない事を見通している蓮は悠然と笑い、そんな余裕の頬笑みにキョーコの表情はかあっと赤らんだ。
下肢に当たる蓮の高ぶりの存在に、その先を期待してコクリと喉を鳴らす。
「まだあと半刻は大丈夫だよ」
「はい……」
 二人の重みできしむベッドがキョーコの背を柔らかく受け止め、甘美なひとときは続く――。

***


「おようございます。旦那様、奥様」
「おはよう」
敦賀侯爵邸は侯爵という高位貴族故にそれに見合うだけの豪奢な作りであり、たくさんの使用人がいる。
「お、おはようございます」
何をするにも彼らが働き、主人はそれを鷹揚に受け止るもので、食事中も後ろにずらりと控えている事は当然であるし、着替えや風呂などを手伝う事も当然であるのだが、どうにもキョーコはそういった〝尽くされる行為〟に馴染む事が出来ず、一々「ありがとうございます」と深々とした礼を取ってしまう事もしばしばで、
「奥様、それは私共の仕事ですからどうか……」
「あ! す、すみません!」
「いえ。ありがとうございます。どうぞ、こちらへ……」
食卓の椅子を引く事も止められる始末であった。
あわあわと慌てるキョーコの姿をクスリと笑っている蓮の元に褐色の肌の執事がすっと歩み寄る。
「旦那さま。宝田さまがお待ちでございます」
「宝田卿が?」
「はい。応接室にお通ししておきました」
「分かった。キョーコ、先に食事をしているといい」
「はい」
頷くキョーコを後に残し、蓮は応接室へと向かった。



「よぉ、遅かったな」
品の良い調度品の揃う応接室で、すっかり自分の家のようにくつろいでいた男は、蓮の到着にひらひらと手を振った。
口髭を生やし、上質なシルクのシャツにビロードのジャケット、そして結わえられた棒タイにはダイヤのタイピンが煌めく。
椅子の横に立てかけてあるステッキには煌びやかな宝石が埋め込まれており、宝田の地位の高さと華美嗜好らしい様が示されている。
「これのお陰で退屈はしていないが……」
そう口にする宝田の座るテーブルの上に硝子製のチェス板が置いてある。どうやら執事が気を効かせたようだ。
壁際に控える執事に目配せすれば、蓮のねぎらいの意図を読み取った執事は小さく頭を下げた。
「一時間は待ったぞ。朝からお盛んな事だ」
蓮がキョーコに溺れていた事をあっさり看破している宝田はゆうゆうと足を組んだままふふんと笑った。
「さあ。なんの話しですか」
ニヤリと笑い、表情では肯定しておきながらも蓮はとぼけてみせ、宝田の対面に腰掛ける。
目の前の男、宝田は数少ない蓮と同位の侯爵であるが、在位の年数、年の差といったものから蓮の方に少々歩の悪い相手である。
だからこそ蓮は余裕のある態度は崩さない。
それは蓮がこれまでに培ってきた処世術でもある。
「今度ちゃんと紹介しろよ。噂好きなご婦人方がお前を骨抜きにしたのはどんな女だって俺をせっつきに毎日行列を作るんだ」
「皆さんお暇なんですね」
「それだけお前に夢中な人間が多いってこった。この天然タラシめ」
手慰みなのか、宝田は白のコマを一つ、二つと動かして黒の一つを板上から追い出した。
「…………もったいないので、あまり見せびらかしたくはありませんが、いつまでも閉じ込めておくわけにもいきませんから、近々つれていくつもりではありますよ」
「ほう。だったら……」
俺の屋敷のパーティーで、と瞳を輝かせたローリィに対し、蓮はピシリと口を挟みながら黒のコマを動かせば、あっさりとチェックメイトにたどり着く。
「彼女の御披露目は緒方伯爵の婚約パーティーの予定です」
「あ。お前っ! ……ちっ。……緒方くんのところならしょうがねぇか」
乱入による強制終了に一度目を見張ったものの、渋々といった様子ではあるが、納得の返事を返す宝田に蓮はクスリと小さく笑った。
「すみません」
「まあ妥当なところだし、かまわんさ。と、ああ。そうだ。話しは変わるんだがな」
一気に表情を引き締めた宝田の様子に反応して蓮の顔から笑みが消える。
「はい」
「不破松太郎と祥子だが、やはり足取りは掴めなかった。国外も視野に入れなくはないが、偽造パスポートで出国したとすればウチでも追跡は難しくなってくるな」
「そうですか……ありがとうございます」
「いや。すまんな」
いえ、と首を振りふうと息を吐く。
「あれから一ヶ月。不破と七倉を取り潰す事は出来ましたが、高園寺が生き残った事は想定外でしたね」
「ああ。あの狸ジジイめ。息子夫婦に譲り渡す事で残せるようにしたらしいな。一応息子らの周りは調べさせたが、あの狸の子供だとは思えないほど後ろ暗いところは何も無いぞ」
どうするんだ? と視線で問われ、蓮は苦笑する。
自分はそんなに好戦的に見えるのだろうか。
「害がないなら今のところは何かをするつもりはありませんよ。下手な事をして俺に何かあれば彼女が悲しむ」
「そうか。なら良い」
そう言うと宝田は手のひらの中に閉じ込めていたビジョップをコンと板の中央に置いて立ち上がった。
「彼女を取り戻す為に苦労したんだ。大切にしてやれ」
「それはもちろん」
宝田が退室する為に立ち上がった事を受け、執事が自然とコートを着る為の介助を行う。
「お前のその顔を見れば、楽しいのは分かる。が、加減は忘れるなよ? 女性というのは確かに忍耐強いが、身体はそう強くないぞ」
要はやり過ぎるなよ? という下世話な内容も含まれた心配ではあるが、蓮はそれを笑って流す。
執事を従え玄関に向かう宝田の背中を見送りながら、蓮は確かに最近の自分に笑顔が増えている事を実感していた。


***



ということで、この後はオフ本でよろしくお願いいたしまするー!
ちなみに、WEB掲載は・・・完売して一年とか経過したら有りかもしれないと考えなくもないですが、今の所決まってはないです。
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