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ACT.187本誌続き妄想2
おこんばんはー!!もうすぐ20日、もうすぐ5月、もうすぐ本誌!!っていうことで←どういうことやねん。

間繋ぎになればいいよね的な続き妄想のお時間です。
コミックス派の方には本当申し訳ございませ・・・orz

別物もちょこちょこ進めてるので、アップ出来るように煮詰めます、がんばりますー。

しかし、本当、いつも拍手コメント、通販コメントありがとうございます!!
また、裏庭到着コメント、感想も本当ありがとうございました!!!
レスポンス悪すぎる私に優しいコメントが多くておいたんは涙がちょちょぎれます。うわぁん><
SCCの原稿締め切りまでもうちょっとなので、並行してがんばりつつ、がんばりつつ、衣装作ったり、コスプレしたり、衣装作ったりコスプレしたりしてました。久しぶりに月3でコップレするとテンションが上がりました。やっぱり作るの好きやねん>□<
脱稿したらBJ作るんだーっ、特殊メイクしたいんだー!と、色々頑張ろうと思います。オタク的に!

補足のご連絡ですが、4/15までに入金確認できた皆さまには16日付けで発送完了しております。





ACT.187本誌続き妄想 2 







「うわっ、やばい、遅刻するっ」

(って俺はキョーコちゃんかっ)

今後の撮影スケジュールのすり合わせの為と、現場スタッフに呼び止められていた社は、先に控え室に向かった蓮を追って早足で歩いていた。

「蓮は……大丈夫かな……」

社とて蓮の様子がどことなくおかしい事は気付いている。

(確かに仕事には支障ないんだけどさ……)

最近ではなくなりつつあった壁が再び張り巡らされたような感覚が胸にもやもやした気持ちの悪さをもたらしていた。

(笑顔なんだけどなぁ……でもなんていうの?ビジネスライクって言うのかねぇ)

蓮の反応が何か……違う。半日一緒にいた事で気付いたのだが、装っている不自然な笑顔とでも言えばいいのだろうか。
それこそ薄い幕が一枚出来たような何とも言えない違和感で、気付いてしまった今では蓮の表情が気にかかって仕方がない。


(今思えば朝のナントカ茶も社長の事だし……あーっ!!もうっ、俺って不甲斐ないぃぃっ!!!)

ローリィが耳にしたならば『気付いただけで十分すげぇんだよ』と誉められこそすれなのだが、社は鉄壁のポーカフェイスを保ちながら心の中で己の不甲斐なさを嘆いていた。


「僕の好きな敦賀くんはそんな笑い方しなかったのに!!」


(……え?)

笑顔の違和感。それは社が今まさに思っていた事だが、声にしている人間がいると驚き、戸惑った。

(あれって……)

蓮と相対するふくよかな着ぐるみは社にも見覚えがあった。






――――――――――――――




局の廊下という往来のど真ん中で話していた蓮と坊であったが、後から追いついて来た社により二人は蓮にあてがわれている控え室に放り込まれ、針のむしろのような空気に悩むキョーコをよそに、寒々しい空気を放つ蓮は無表情で坊を見下ろしていた。

「で?俺の笑顔の何がおかしいと?」

「そ……その虫けらを見下ろすかき氷みたいな視線はやめてくれないか」

僕みたいなチキンハートには堪えるんだけどなどと坊が言えば、蓮は呆れたようにふうと溜め息を一つ吐き、眉間にシワをよせたまま化粧台に手をついてもたれかかった。

(や……社さんの馬鹿ーっ!一緒にいてくれても良かったのにっ)

蓮の反応が予想以上に悪い。とっかかりになるかと期待したわざとらしいボケは流され、冷たさを多大に含んだ瞳に見下ろされるという居心地の悪さに負けそうになる己をなんとか叱咤して蓮を見上げる。

「そんなに冷たい視線を出したつもりはないんだけどな」

「いやいや。今の君の顔は僕みたいな鶏だけじゃなく、そうだなぁ、白クマだってびっくりして溺れちゃうぐらいには冷たいと思うよ?」

口調だけはなんでもない事のように淡々としているが、先ほどから蓮の表情には起伏がなく、重苦しくなっていくだけの空気からは蓮の考えている事が全く読めず正直言って怖い。

(どうしろって言うのよーっ)

控え室で会話をするというのは目論見通りではあるのだが、いざその状況となると、上手い言葉は一つも出ない。けれど、逃げる訳にはいかないとキョーコは着ぐるみの中では拳を握りしめ、やれやれと肩をすくめてみせた。

「薄っぺらい付き合いの人間なら、君の笑顔に騙されて何も気付かないだろうけどね。でも僕には分かるよ」

「……何が?」

蓮の柳眉が顰められ、剣呑な雰囲気にドキリと心臓が跳ねる。

「芸能人には作り物の笑顔もあるんだろうけど、今の君はまさにそれだ」

それでも、言葉にするチャンスは今だけだと覚悟を決めて口を開いた。

「君の顔はそうっ」

「俺は作り物だとでも?」

間髪入れずに坊の言葉を遮った蓮の眼光に鋭さが増す。

「そ……そうだよ。今の敦賀くんは何か変だ。まるで冷酷な殺人鬼みたいで」

「殺人鬼……ね」

蓮の纏う雰囲気に思わずゴクリと喉が鳴るが、緊張でカラカラに渇いた喉では上手く唾液を飲み込む事も叶わない。

「敦賀く……」

「君は俺の何を知っているの?」

じっと坊を見下ろす蓮に、キョーコは答えに詰まり、そんなキョーコに向かい、蓮はコツリと足音をたてて歩み寄った。

「え?」

想像はしていても、キョーコは何も知らない。

「今の会話の流れで殺人鬼、なんて。普通出ないだろう?」

「そ……そうかな?」

「誰から何を聞いた?」

ドンと背中が壁にあたり、蓮の腕が逃がさないと言わんばかりに坊の真横にある柱を捉えた。
もう後ろが無いという事実に自分が無意識に後ずさった事に気付く。
これではまるで獰猛な肉食獣に狙われた草食動物のようではないか。

「何を調べてる」

疑念の渦巻く瞳に見据えられ、心がぎゅうと掴まれるように苦く痛んだ。

「そんなんじゃないっ!!」

何が蓮を追い詰めるのか……。

(こんなに心配で仕方ないだけなのに)

疑いの視線に悲しみとやるせなさに駆られ、勢いのままに翼で蓮の頬を叩くとペシリと間の抜けた音が響く。

「敦賀くんが心配なだけだ!調べてるなんて変な勘ぐりはやめてくれ!」

坊の平手打ち。それは大した力もなく掠めた程度のものだったが、蓮の目が驚きに見開かれた。
ぎゅうと痛んでいた心がかきむしられたようにジクジクと痛む。

「……知らないよ、君の悩みは」

けれど、分かっている事もある。

「分かるのは、今、僕の目の前で君が酷い顔で笑ってるって事だけだ」

知りたいと思う事がある。

「話してご覧よ。君の悩み」

力になりたいと願う事がある。

「僕は敦賀くんの友達……だろう?」

そうして、室内には沈黙が落ちた。

「…………友達」

「違うのかい?」

蓮からすれば、坊が得体の知れない着ぐるみである事は承知している。けれど、恋心について語り合った時は間違いなく対等であったし、芽生えた絆もあったように思うのだ。

「……君が。……君が本気で俺の友達だと言うのなら」

暗い影を落とした蓮がクッと口角を歪めて苦く笑う。

「……それこそ、俺から離れた方が良い」

キョーコの心の中でピタリとピースが合致したような音がした。

「俺は友達を殺してしまうから――」


冷酷な殺人鬼。
それこそが蓮の中に落ちる闇だ。




――――――――――――――





蓮は力なく椅子に座り、床を見つめ、キョーコは坊の中からそんな蓮を見つめていた。

「友達を…………?」

蓮に全く似合わない殺人鬼という符合が今まさに蓮自身の証言から合わさろうとしていても、キョーコにはそれが真実だと信じる事は難しい事だった。

「もう、いいだろう?帰ってくれないか」

「……嫌だ。嫌だよ」

床を見つめ、疲れた顔でうなだれ、呟く蓮に向かいただ首を振る。

(今ここを出ていけば、敦賀さんは二度と扉を開いてくれない気がする)

部屋から出ていく事を拒む坊に蓮は視線を合わせる事さえしなかった。

「俺は君が買ってくれるほど出来た人間じゃない。……心配してくれた友達を殺してしまうような最低の人間だ。だからそういう優しさは見せないで欲しい」

まるで誰かに心配してもらう事すらも罪なのだと言わんばかりの苦しさを滲ませる表情には、蓮の中にある深い悔恨を感じさせる。

「嘘だよ。敦賀くんがそんな事出来る訳ない」

「出来たんだよ……昔の俺には」

右手首を握りしめ、額をつっぷすように背を丸めた蓮の様に、不自然に時間を止めた腕時計の存在を思いだした。

「俺さえいなければ、彼は死なずに済んだ」

「そんな……」

(じゃあ……あの時計は……)

『形見』という単語が脳裏を過ぎる。

「敦賀くんは……」

それが事実であるかを確認する術はキョーコには無い。
けれど、蓮の顔を見ていれば、どれほどの苦しみを抱えているのかは伝わってくる。

「敦賀くんは、その友達が大好きだったんだね」

「好き……?」

大切な人は二度と作れないと蓮が己を戒めていた理由はここにあるのだ。

失った者があまりにも大きかったからこその後悔と、そして生者である自分だけ時間が動いている苦しみ。

自分だけが幸せになる事は許されないと立ち止まっているのではないか。

「だから、辛いんだろう? もういない事が」

「…………」

無言の蓮が心に負う見えない傷口はいまだに血を流しているのだと思えばキョーコの胸はキリリと痛んだ。

「僕は、幼なじみを殺したいと思った事がある」

「……え?」

それは自然とキョーコの口を突いた。

「この手で首を絞めた事もあるよ」

ニギニギと翼の中で手を握りしめれば、着ぐるみがモコモコと動きを見せる。
蓮は突然の告白をしてきた坊を訝しげに見上げていた。

「僕は幼なじみが憎くて憎くて仕方なかった。でもね。そんな僕を救ってくれたのは、他でもない君だ」

「……俺?」

「そう。敦賀くんなんだよ」

ぷきゅぷきゅと足音を立てて蓮に歩み寄り、目の前まで近付くとポツリと言った。

「だから、今の敦賀くんがここにいる事を、僕は『彼』に感謝をしなくてはならないね」

身勝手な想いかもしれないが、蓮と出逢わせてくれた『彼』に感謝したい。

「俺の方が君に助けてもらった事があるだけで、君に俺は何もしていないよ。下手な慰めはやめてくれ」

ふるふると首を振って苦笑する蓮は、涙をこらえるように眦を歪める。

(坊じゃ……伝わらない……)

蓮に貰った物を全て数え上げていきたい。
こんなにもあなたは私に必要なのだと。
今、言わなければならない。
それは直感だった。

「敦賀さんがいなければ、今、私はここに立ってはいません」

「っ!!!」

突如変化した"声"に蓮の目が大きく見開かれた。

「も……がみ……さん?」

「私には今の敦賀さんが……必要なんです」

感情の高ぶりと共に自然と溢れ出した涙のおかげで言葉は切れ切れになっていく。

「いなければ、なんて、言わないで下さい」

立ち上がった蓮が呆然とした表情で坊の頭を取り上げれば、そこからキョーコの姿が暴かれた。

「敦賀さんにそこまで想われてるのに、お友達がいつまでも怒ってる訳、ないじゃないですか」

ハラハラと涙を零しながら、想いのままに口にする。

「最上……さん」

キョーコの涙に釘付けられたように蓮は佇み、息を飲んだ。

「敦賀さんがいつまでも苦しんでる方が、きっとお友達は怒ります」

経緯なんて知らない。
それでも、きっとそう思うに違いないという確信があった。

「泣かないで」

心底困った様子で蓮がキョーコの頬に手を伸ばし、親指の腹で涙を拭う。

「きっと、敦賀さんが泣かないからです」

「でも……俺は……」

蓮の瞳が戸惑いを見せた。

「どんな過去があっても、敦賀さんが自分を嫌いでも、私は敦賀さんの事が好きです」

だから、どうか傷つかないで欲しい。

「大好きです」

過去に、

「だから、どうか……」

憎しみに捕らわれないで欲しい。

「敦賀さんのままでいて下さい」

「……っ」

息を詰めた蓮がキョーコを搔き抱き、そして蓮の手の中から坊の頭が滑り落ち、コロコロと転がった。










転がり落ちた坊の顔はきっと困り顔・・・。

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