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SS・マネキンファイズ-前編-
こんばんはー!!ある程度風邪が治って来た惣也です。はい。
さてさて、まずは・・・
5/9までにご入金頂いた皆様には発送を済ませてきました^^沢山のお申し込み、そしてコメントをありがとうございますvv

ちなみに、最上ノ華~は残り2部・桃色天国は残り10部となりました^^ありがとうございます!これらはもう再販はありませんので、よろしくお願いします^^

また、パスワード請求も今のところ、全員にお返し終わってますので、あれ?って方は設定等をご確認の上再請求下さい。そして、裏庭到着コメント等、本当にありがとうございますvv最近裏は更新してないんですが、楽しんで頂けるととても嬉しいですv
そしてそして、いつもいつも拍手コメントありがとうございます!お気遣頂く優しいコメントが多くておいたんは涙がぶわって出そうになるぐらい嬉しいです。
これからも頑張ろう!頑張ろう!!
メールレスの途中の息抜き更新ですが、頑張りますともっ、色々と!
多少は手を抜きつつ、のんびりもしてるので大丈夫ですよ^^

ということで、前後編の短編をどーんであります。
後編も近々^^





マネキンファイズ -前編-






近頃、ちまたの女子高生に大人気のバラエティー番組がある。

「昨日のは光が良かったよね」
「アタシは雄生の方が好みだったかな」
「私は慎一かな」
「えーっ!絶対光だって!アンタたち見る目なーい」
「そうかなあ」

彼女たちが夢中になるのはマネキンファイズと言うやっぱきまぐれロックの1コーナーだ。
それは番組開始と共に始まり、今では看板コーナーとなっているのだが、ブリッジロックの三人と招かれた今が旬の男性ゲスト二人、合わせて五人が私服を纏ってマネキンになりきり、買い物客に扮した女性ゲストにコーディネートを判定された後に購入してもらえた人間が勝ちというリアルに行う仮想ゲームだ。

男性達の私服という素が垣間見える内容が人気を呼び、またそんな彼らを辛口評価する女性ゲストはおしゃれのカリスマとしての信頼度が増すという業界人からも評判が良い企画なのである。


さて。マネキンの名に相応しく、客として女性ゲスト達が来店している間はマネキンに扮した男性達はポーズを決めて無言で佇むのみ。
そんなマネキンファイズ。本日の男性ゲストは敦賀蓮、不破尚の二人であったりする。





(ちっ。なんでよりにもよってコイツと一緒にバラエティーなんだよ)

「オハヨウございます」

事前の打ち合わせだとかで呼び出され、スタッフ達が設営に追われる声が聞こえてくるスタジオに入ろうとした尚だったのだが、ちょうど扉の前でバッタリ蓮と出くわし、嫌々ながらも業界歴の関係から尚から挨拶をしなければならない事で、気分が一気に地中深くへ降下した所だ。

「おはよう、不破くん。共演は初めてだよね。よろしく」

心のこもっていない挨拶であったが、蓮はそんな事には気付かなかったかのように柔和な笑顔で挨拶を返す。
例え、尚の不遜な態度に後ろの社が引きつった顔をしていようとも蓮のポーカフェイスは完璧なのだ。

「じゃ。また後で。お先に失礼するよ」

美麗な笑顔を浮かべたまま扉の中に吸い込まれて行く蓮と同時にスタジオ入りとなる事は嫌だと足を止め、パタンと締まる丸い覗き窓がついた扉を忌々しげに睨む。

「…………ちっ」

(朝からムカムカするぜ)

気に食わない男は誰だと問われれば、筆頭に名を連ねる男へ自分から挨拶せねばならない現実に舌打ちは隠しきれず、けれどそんな尚を現実に引き戻したのは後頭部にビシビシズビシと突き刺さるような視線だった。

(この感じは……)

ファンからの熱視線とは違う、冷気、いや、敵視と言った方が妥当かもしれない。

尚にそんな視線を送る人間はさほど多くなく。自然、うっすらと口角が上がった尚はたっぷりとした余裕を持ってゆっくりと振り返る。

そこには唯一無二、ある種、尚にとって特別な女がいるはず……、

…………だったのだ。

「……ん?」

(って誰だ?)

見覚えの無い学生服の美少女が憤怒のオーラを纏い佇んでいる。
前髪を流し、スタイリッシュなメイクでキリリと整えられた容貌は、ツンと咲く一輪のバラのようなプライドの高さを伺わせ、正直な所、一瞬見惚れるくらいには尚の好みだ。
絶対にキョーコだろうという根拠の無い自信を持って振り返ったはずが、予想通りの人物でなかった事に驚きながらも頭から足先まで、瞬時に視線を這わせ、モデルですと言われても納得できるスラリとした身体に女性らしい膨らみがいささか欠けている所を惜しいと値踏みする辺り、尚も若い男である。

(……いや……でもこの突き刺さるようなのはアイツ……)

少女から発されている怒気は紛れもなくキョーコの物だと尚の本能が告げ、まさか……という思いでポツリと零れるように小さな声が言った。

「……キョー」

「アンタ!敦賀さんになんって失礼な挨拶してんのよっ!!」

言葉の終わりを待たず、美少女から聞き知った声が上がると、やはり自分の直感がキョーコを間違えなかった事に心のどこかでホッとし、そしてものの見事に変貌を遂げているキョーコにギョッとする。

「は?どこがだよ」

そんな己の動揺を押し隠し、強気なポーズを崩さないようにするには相応の精神力を要したが、キョーコなんかに自分が左右されてなるものか、という尚なりの負けん気がそれを可能にさせる。

「なにが『おはようゴザイマス』よ!挨拶は一言一句はっきりと『おはようございます』でしょうがっ!!」

(おいおい、別人じゃねぇか)

女はメイクで化ける。
そんな事は尚だって知っている。だが、目の前のキョーコにだけは『女』や『化ける』といった素養は無いと思い込もうとしてきた。

(キョーコのくせにっ)

軽井沢の一件で片鱗があった事は分かっていたはずだが、それでも分かっていなかった、否、分かろうとしていなかったキョーコも化ける事が出来る『女』という生き物であるという事が尚の心に焦燥感を掻き立てた。
ずっと幼いと思っていた幼なじみの変化は最たる衝撃をもたらすのに十分な破壊力を持っているのだから。

「別にいいだろ。あんにゃろうに挨拶する価値があんならやってるよ」

「なんですってぇぇ!!!」

尚が蓮を嫌い敵視をしている。それは業界内ではそれなりに知られた事実ではある。尚が蓮に喧嘩を売った現場を見た人間が少なからず存在するからだ。
ただ、歌手と俳優、畑違いな二人である為にあまり表立っての話題にはなっていない。だからこそ今回の共演が成立してしまったのだろうが……。

「だいたい、俺がアイツに適当に挨拶したからって、なんでお前がつっかかってくるんだよ」

関係ないだろうがと忌々しげに言えば、キョーコは関係あるに決まってるでしょうがと語気を荒らげた。

「敦賀さんは私の尊敬する大先輩よ!アンタなんかと格が違うんだからっ!!」

「んだとぉぉ!!!」

自分が負ける事は尚にとってタブーにも等しい。
挫折や敗北という文字は不破尚の辞書にはあってはならないのだ。

(昔はショーちゃんショーちゃん、バカみたいにまとわりついてきたくせに!)

裏もなく、ただ真っ直ぐに尚を讃えていたはずのキョーコの口から大嫌いな蓮が褒め称えられている。それは運命の悪戯のような時の流れの結果だが、面白くない。

(むしろ不愉快だっつーの!!)

「ま、いいわ。今日はアンタの高い鼻っ柱がコテンパンになる日だもの」

ギャフンと言わされれば良いのよというキョーコの顔にはフンと侮蔑の色すら伺われ、尚がカチンとくるには十分だ。

「ぎゃふん。ぎゃーふーん。これで良いか?はっはーっ!」

まるで棒読みで口にすると、バカにされたと感じたキョーコの眉間のシワが増した。

「んなっ、あんたって男はああああっ!」

「ちょ、ちょっと京子さんっ」

キョーコの手が、思わず尚の胸倉に伸ばされようとした時、それを制止したのは見知らぬ少女の介入だった。

「ああん?」

一体誰だよとキツイ視線を送るも、尚の眼光に怯まない少女が一人、こちらへ向かってくる。

「天宮さっ」

やっと見つけたとキョーコに駆け寄って来たのは、同じラブミー部員でありBOX"R"の共演者でもある天宮千織だ。
ナツスタイルのキョーコと同じく、ユミカのスタイルでいる辺り、キョーコと一緒の仕事の最中である事が見てとれる。

「ちょっと!何してるのっ!私達、まだ接触したら駄目じゃない」

「あ、ご、ごめんなさ」

千織の指摘に何事か思い出したらしいキョーコはハッとしたように尚と距離を開けた。

「アンタなんかに構ってる暇は無いわ。じゃあね!」

「は?言うだけ言って逃げんのかっ!?」

手のひらを返したようなキョーコに虚を突かれたが、そんな尚を残してキョーコは千織と共に駆け出していく。

「……なんなんだ……?……ってやべっ」

一人残された尚はキョーコの走り去った通路をポカンと見つめ、困惑のまま佇むのだが、やがて集合時間を思い出した彼は、慌ててスタジオの中へと消えていった。



――――――――――――――




「駄目じゃない、私達、審査員は出番まで秘密なんだからっ」

公平な審判をする為にと禁じられているのが、本番前の審査対象への接触だ。

「ごめんなさい」

「ま。良いわ。ところで私達二人の他にもう二人ゲストがいるんだけど知ってる?」

男性陣五人の内、ブリッジロックの一人がMCを担当するので、マネキンとしては四人が参加する訳だが、一人を売れ残りマネキンにする為、審査員はマネキンの数より一人少ない。
審査員三人の枠の中、今回はBOXRからのゲストであるキョーコと千織はひとくくりである為、残る女性陣は二人、いるはずなのである。

「知らないわ」

キョーコの本日の目的は、尚のファッションをこけ卸し、あわよくば売れ残りに出来ないかという非常に不純なものだった

(まさか敦賀さんがいるなんて……ね)

だが、だったら迷うまでもなく自分は蓮を選ぶだけ。
そもそもモデルの蓮が尚に劣っている訳がないのだから。

蓮を選ぶ。それだけで溜飲を下げる事が出来そうだと思ったその時、キョーコを芯から驚かせる名前が上がった。

「アイドルの松内瑠璃子とグラドルの美森ですって」

「瑠璃子ちゃんと……七倉さんんんん!!!?」

瑠璃子は良い。蓮と共演しているので、きっと蓮シンパになっているという自信がある。

……が。

(まずいっ、まずいわ!!)

七倉美森はどう考えても尚を選ぶだろう。

「知り合い?」

つまり。

「い……一応」

同じ事務所の先輩と、共演した事がある同級生ってだけよ。と辛うじて返せば、千織はそれ以上興味も無いらしく。ふーんと言った。

「マネキンのお買い物の順番は相談して決めて下さい。ですって。挨拶がてら、相談しないといけないわね」

「そ……そうね……」

自分が一番を取らなければ、蓮が尚に負けてしまうかもしれない。
それはキョーコに取って晴天の霹靂ともいえる大事件だ。

「じゃ、じゃあ、打ち合わせに行きましょうか」

「? そうね」

どことなく様子のおかしいキョーコに首を傾げた千織は、それ以上何を言うでもなく「控え室に向かいましょう」と足を踏み出した。

かくして、一番になりたいと奮闘するキョーコの戦いが幕を開けたのだった。







マネキンファイズはどっかのハリケーンみたいなグループの番組をもじってみた訳なんですが、・・・私芋女子だからファッショントーク苦手なんだよなぁとか思っているのは大きな秘密です。えへん。←いばれない。
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