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SS・ラブレターフロムK-前編-
23日にアップしてたはずなのに、PCの調子が悪くて反映されてないどころかぶっ飛んでて真面目にorzってなった惣也です。こんばんは。
タイミングネタなので、23日中にアップしたかったのにーっ!!!うわああん。
負けないんだからっ!

ということで、現在更新頻度強化月間・・・いや、週間です。一応。←月間にするにはちょっと嘘が交じる。


名前を持たない~の更新へのコメント本当にありがとうございます!!のんびりだし原作無視にも程があるしどうなんだろうと今までになくドキドキだったので、とても嬉しいです><続きもがんばりますv
目指せ完結^^







ラブレターフロム K







最上キョーコは元来、自分は『運が悪い人間』だと思っている節があるのだが、その日は確かに朝からついていなかった。

だるまやの大将手製の朝食を食べていた時の事だ。味噌汁のあさりの中に砂が入っていて、力いっぱい噛み締めてしまった事から始まり、洗面所に向かえば歯磨き粉が切れていた上にまだ新しい歯ブラシを床に落としてしまい、また新しい物に交換する羽目に陥ったかと思えば、洗濯機で足の小指をしたたかに打ち付けた。

とにかく出発だと玄関に向かえば結ぼうとしたスニーカーの紐が切れてしまった上、外に出れば大雨が降っており、仕方がないので自転車は諦めて電車で移動をしようと改札に向かえばICカード残金不足により改札が開かずに注目を浴び、恥ずかしい思いを味わいながら階段を下りると、電車の扉が目の前で閉まるといった有り様だ。

起床して数時間でこれだけ続けば、さすがにキョーコも『今日はなんか駄目だ』と思わずにはいられない。
そんな憂鬱な気分で事務所にたどり着いたキョーコを待ち受けていたのは、思わず『やっぱりラスボスはこの人なのね!』と頭を押さえたくなる人物の登場であった。

「おはよう、最上くんっ!」

「お……おはようございます」


ガラゴロと音をたて、今日はギリシャ文明ですか?メソポタミア文明ですか?といった風体の、馬に引かれる戦車に乗り、意気揚々、威風堂々の体で現れたのは、LMEの社長、ローリィ宝田である。

(ここって、一応室内よね?事務所の中だし。戦車走っていいの?)

とはいえ、キョーコの常識など、ローリィに当てはめてみた所で、通じるはずも無いだろうとそろそろ理解しているキョーコはこの件に関して無言を貫いた。

「今日は実に良い日だと思わんか!?最上くん!!」

「え……?あ。はあ……」

キョーコからすれば今日は良い日どころか、いつもより不運でブルーな一日なのだが、ローリィにとっては違うらしい。
まるでカブト虫を前にした虫取り少年のように瞳を輝せ、何やら希望に満ちた様子である。

「ってなんだね。気の乗らない返事じゃないか」

「い、いえ……そんな事は……」

とはいえ、内心では『どの辺が良い一日なのよっ』と毒づいていたのだからキョーコの心はドキンと跳ねた。

「まあいい。そんな最上くんに一つ、問題だ!」

「は……はあ」

ここでローリィの機嫌を損なおうものなら大変な目にあわされる。これまでの様々な経験から心底理解しているキョーコは、タラリと冷や汗をたらして頷いた。

「君は今日が何の日か知っているかね?」

「……何の日……ですか?」

ローリィの問いにキョーコは脳内のカレンダーを勢い良く捲る。
けれど、

「って……今日は5月23日……ですよね?ただの平日じゃ……」

全く該当するイベント事も浮かばす、思いつくネタもない。一体何事だろうかと悩むキョーコにローリィは真剣な眼差しで「本当に分からないのかね?」と信じられないと言わんばかりに問い。「分かりません」と、神妙な顔で頷くキョーコに向かい、ゴホンと鷹揚に咳払いをしてから口を開いた。

「今日はラブレターの日ではないか!」

「……は……?」

ラブレターってなんだっけ?とキョーコの脳はそれが何を差すかを理解するまでたっぷりと時間を消費し、そんなキョーコの反応にローリィは一層不満げに頬を膨らませた。

「ラブレターの日を知らんのかね!?」

「え……あ、はあ……申し訳ゴザイマセ」

むしろ愛をモットーとするローリィぐらいしか存在を知らない記念日なのではないのかというキョーコの内心はさて置き、そんなキョーコのつれない反応にローリィはプリプリ唇を尖らせながら説明を開始した。

「5月23日、五、二、三の語呂合わせで恋文の日、つまりラブレターの日なのだよ」

「え?あ、あああ!!なるほど!!!」

そういう事かと納得の声を上げるキョーコにローリィは「この愛にまつわる一大記念日を知らないとは……全く。なんたる事だ。……が、丁度良いかな」

ひとりごちつつも目的を遂行するために双眸を光らせる。
そんなローリィの様子に何事かの企みがあると感じとったキョーコはビクリと背を震わせた。

「そこで、君に……というよりラブミー部に宿題だ」

「しゅっ、宿題……ですか!?」

こうなると、もはや完全に嫌な予感しかしない。

「ああ、そうだ。近頃の君たちはラブミー部たる仕事をまるでしていないからな。ここいらでラブミー部の内容に相応しい活動をしてもらおうと思う」

ローリィの台詞だけでは一体何をさせられようとしているのか理解出来ないキョーコではあったが、嫌な予感だけがひしひしと増すばかり。一応逃げ道を探して考えてはみるのだが、残念ながらキョーコの助けになれるものは何もなかった。

「という訳で、ラブレターを書いて提出するように」

「へ?」

何が「という訳」なのだとキョーコが瞬くが、ローリィが発言を撤回する筈も無く。

「ラブレターとは恋文、古くは艶文と言うが、艶のあるものを期待しているよ」

「え、えぇぇ!!!?ちょ、ちょっと待って下さい!」

「ではまた待っているからな。ははははは」

「しゃ、社長さんっ!!」

「ああ。勿論、一人でも未提出者がいる場合、ラブミー部全員にそれ相応のペナルティがあるのでしっかりやるようにな」

ニヤリとした笑みを浮かべたローリィは狼狽するキョーコを残し、再びガラゴロと音をたてて去っていった。




――――――――――――――



「ラブレター。ラブレター。ラブレター?うーん」

ローリィの秘書から支給された花柄の便箋はまだ真っ白で、それの上でキョーコの持つノック式のボールペンがカチカチカチとメトロノームのように音をたてていた。

「好きです。よろしくお願いします。の一言じゃ駄目なんだろうなぁ……」

確かにそれでは「なんだね?これは」と言われかねない。
中途半端な物を提出しようものならさらに厄介なミッションを申し渡されるのに違いなく、手紙の内容を考えるキョーコも必死であったが良案はそう簡単には思い浮かばなかった。
そんなキョーコが部室の椅子の背もたれにもたれかかりながら天井を仰げば、その背後から聞き知った人物から声がかけられた。

「なに悩んでんのよ」

「あ、モー子さん!」

「あら。あんた、まだ書いてないの?提出今日中でしょ?」

嬉々として振り返ったキョーコの手元を見て現状を把握した奏江は呆れを含んだ様子で、そんな奏江にキョーコは目を丸くした。

「モー子さんもう終わったの?」

「ええ。さっさと書き上げて椹さんに渡して来たわよ」

こくりと頷く奏江にキョーコは驚きの声を上げる。

「えーっ!!なになに、どんな事書いたの?」

「何って、同じ事書いたって駄目でしょう?」

「でも、ヒント、ヒントが欲しいのぉぉ!」

にべも無い奏江の返事であったが、それでも必死に奏江を拝んで見せるキョーコの様子で目の前の便せん相手にどれほど苦戦しているかを悟った奏江は仕方ないわねと深い溜め息を吐いた。

「私は、この前ここで強制的に見せられたドラマの台詞を参考にして適当に書いてやったのよ」

書きながらサブイボが立ったけど我慢したのよと言う奏江は、己の意志に反する事も書き連ねたのだろう。眉間にかなり深い皺が刻まれている。

「て……適当?」

「あんたもそれらしい言葉を並べとけばいいじゃない」

「って、簡単に言わないでよーっ、何も思いつかないわよー」

泣き言を零すキョーコに、奏江はやれやれと再び溜め息を吐いた。
指先は驚異的なまでに器用であるというのに、こういった事にはどうにも不器用なキョーコにさてどうしたものかと考え込む。

「でも、あんた今までラブレターとか書いた事ないの?書いた事ぐらいありそうなのに……っっ!!?」

私と違って、と続く筈の言葉は、キョーコの般若のごとき形相に発される事はなかった。

「書いた事はないわね……誉めたたえてたもの。……直接」

「そ、そう……」

誰を……とは聞くまでもなく不破尚なのだろう。奏江は藪蛇を力いっぱいつついて大蛇を呼び出してしまった自分の迂闊さに内心で盛大に反省し、とりあえずこのドロドロしている空気をなんとかせねばと慌てて話題の方向の転換を心みた。

「……じゃあ、とりあえず具体的な相手を考えて書けば?」

「具体的って?」

「アンタが思いつかないなら、これが何かの役だとでも思って書いてみればいいじゃない」

「役?」

あんたの事だもの。役に入ったらセリフなんて勝手に出てくるでしょ?と軽く言う奏江だったのだが、キョーコは奏江の言う意味が今ひとつ分からずキョーコは小首を傾げている。

「そうね。あんたの周りの男子。……敦賀さんとか社さんとか、その辺に恋する女になったつもりで書けば具体的に書けるんじゃない?」

「……へ?いや。恋とか無理だし。ありえないわ」

考えるまでもなく奏江の提案を一刀両断するキョーコに、奏江は「はぁ」と諦めがちな溜め息を零していった。

「無理……ねぇ。だったらファンレターをそれらしくしたら?」

「ファンレター……それでラブレターになるの?」

奏江の提案にキョーコはまたキョトンとした表情で問う。
分かっていない様子のキョーコに奏江は眉間を揉みながら言った。

「じゃあ感謝の手紙。それなら書けるんじゃない?」

とにかくこのままでは埒が開かない上、下手をすれば未提出のキョーコの煽りを食らって自分までペナルティを貰いかねないので、キョーコにはなんとしても書いて貰わなければならないのだ。

「でもそれって」

「ひとしきり感謝を書き連ねておいて、最後にそんなあなたが好きですで締めくくればいいでしょ」

「おお!モー子さん頭良いぃぃ!!!!」

目から鱗とばかりに瞳を見開き、尊敬の声を上げるキョーコとは対照的に奏江は大きな溜め息を吐く。
ふむ、と考え込んだキョーコだが、何か思い付いた事があったらしい。ぽむっと手のひらを打つと、ペンを握り、真剣な面持ちで筆を走らせ始めた。

「がんばりなさいな」

キョーコの頑張りを祈りながらも、奏江は次の仕事に向かう為、キョーコの集中を妨げないように音を立てずに部室を後にしたのである。










ラブレターフロムカナダーっていう歌あったよね。そのワンフレーズだけ脳内にあるんだけれども、一体何の歌なのかさっぱり・・・おかーさーん!!
あ、ちなみにタイトルのKはカナダじゃなくてキョーコですよ?←当たり前です。
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