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SS・ガールミーツボーイ
六月も半分終わりましたねー。
おろおろしちゃう。夏の締め切りはもうそこなのです!!ぷっほー!

さてさて、今日のガールミーツボーイは月並みな話っていう意味のタイトルなので、ボーイミーツガール(王道な話←ざっくりだな)と間違ってる訳ではありませんですよ^^っていう。



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Nさま、メールが返ってきましたので、アドレスを再確認の上御連絡下さい。




ガールミーツボーイ







『女子会』とは。

文字通り、女性だけの飲み会や昼食会など、遊びや趣味の集まりを指す、近年あちこちでメジャーとなってきたシロモノである。

新規顧客を増やしたい企業などはそんな女子会層をターゲットに新たなサービスや商品を企画、展開したりと奮闘している事も珍しくない訳なのだが、今、まさに女子会に強い憧れを抱く少女がいる事は、きっと誰も知らない……。





「んー。私は抹茶パフェ、モー子さんは何にする~?」

メニューには色とりどりのスイーツが並び。なぞる指はあれが美味しそう、こっちも美味しそうとふわふわと揺れる。

「あ、紅茶のアラモードね。じゃあ店員さん呼ぼうか。すみませーんっ」

女子達を虜にするべくコーディネートされた暖色系の家具や、丸みがかった柔らかい印象を与えるテーブルはメルヘンチックなかわいらしさを演出している。

「でもこのお店可愛いよね、カーテンのレースにリボンがたくさんついてて、見て見て、こっちのお砂糖入れだって可愛いくない?雑誌で見つけてから絶対モー子さんと来ようって決めてたのーっ」

キラキラでフリフリな女の子の為の園。

「嬉しい?本当に?えへへー!モー子さんったらっ、やーだー、ウフフフ」

そんな景色をなぞるキョーコの頬は先ほどから緩みっぱなしで親友との逢瀬を楽しんでいる。

「あっ、パフェが来たよーっ、きゃああ、美味しそうっ、モー子さんのアラモードも美味そうよね、え?一口くれるの?嬉しい、えへへ」

ただ。

「あーーーん」

これらはすべて。

「最上さん。一人で何やってるの?」

「ひきゃああああ!!!!」

雑誌を見ながら妄想した、キョーコの描く空想の世界である……。



――――――――――――――




「――――という訳でして」

コトンとテーブルに置かれたコーヒーは、豆の香ばしい香りと温かい湯気を放ちながら蓮の手元へと降り立った。

「なるほど。それで雑誌を見ながら」

コーヒーを入れた主、キョーコは恥ずかしいところを見られてしまったと、未だ赤い頬のまま、事情を説明しているところである。

「……はい……つい」

「女子会……ね」

驚きはしたものの、最上さんだし。の一言で片付けてしまった蓮は温かいコーヒーを飲みながら微笑した。

「考え始めたら止まらなくなっちゃいまして」

「みたいだね」

話しはこうだ。

たまたまキョーコが手にした雑誌にとても可愛らしい喫茶店が紹介されていたのだが、その雑誌には、『最近、お友達との女子会でお茶をする女性が多くなって来ているんですよ』などという店主のインタビュー記事が掲載されており。

「最初はモー子さんと女子会してみたいなあって思ったんですけど」

これは善は急げだとメールで誘ってみた訳なのだが。

「一人でやんなさいって言われちゃいまして」

群れる事が大嫌いな奏江には、女子会がしたいんだけどと言った瞬間、けんもホロロに断られてしまったという訳で。

「モー子さあああん、ふえええ」

「落ち着いて、最上さん」

キョーコには奏江とのお茶会を空想で楽しむ選択肢しか残されていなかった訳だ。

「マリアちゃんは?忙しいのかな?」

蓮の知るキョーコと親しい少女の名をあげてみる。

「マリアちゃんはピアノの発表会が次の日曜日にあるらしくて」

練習で忙しい少女を連れ出す訳にもいかず。

「天宮さんはBOX"R"がちょうど別撮りで」

一番近しい共演者とも予定が合わない。

「この雑誌は気軽に女子会しようっていうのがあおり文句なんですけど、いいんです。私なんかに女子会なんて高貴な遊び、出来る筈がないんです」

いかんせんキョーコには女友達がそう多くない。
切ない気持ちを誤魔化すように空想に浸っていた所へ蓮がやって来た訳だ。

「高貴って……」

たかだか女子会に一体どれだけ夢を持っているのと思わずつっこみそうになったが、それを口にしてしまえば、キョーコはさらに傷つく気がして蓮は言葉を飲み込んだ。

「ところで最上さん」

「はい?」

「そのカフェっていうのはどんなお店?」

「え?あ、はい。これです、この特集記事」

蓮に問われ、自分が空想の材料にしていた喫茶店の写真を指し示した。

「なるほど。可愛らしいね」

「はい、カントリー調って言うんですかね、温かい感じで落ち着きそうだなあって」

「うん。確かに優しい感じがするよね。最上さんが好きそう」

女性をリラックスさせる為にをコンセプトにしているらしい店舗の雰囲気は写真からも十分に伝わる物がある。

「はい!好きですよ」

えへへと笑うキョーコのはにかむ様に蓮も笑みを深めてキョーコを見つめた。

「じゃあ、今から俺と行こうか」

「……はい?」

今、なんとおっしゃいましたか?なキョーコにクスリと笑った蓮は、雑誌の地図を指してここから近いしねと笑う。

「駐車場もあるって書いてあるし。丁度良いよね」

「いやいやいや!なにがですか!どうしてですか!?」

「んー?どうしてというと、スケジュールがぽっかり空いててね。俺、今日は暇なんだよ」

「だからってなんで!」

ただでさえ殺人的スケジュールをこなしているのだから、たまの休みくらい家でゴロゴロすればいいんじゃあというキョーコの声は、あっさりとスルーされ。

「最上さんのスケジュールがまずいのかな?」

「いえ、空いてますけど」

蓮と違ってキョーコのスケジュール帳はさして埋まってはいないのだが。
しまったバカ正直に答えてしまったとあわあわするキョーコに蓮は微笑んで言ってのけた。

「この店長特製ブレンドコーヒーが飲んでみたいと思ったんだけど、いけない?」

「い……いけなくは無いですけど……」

だからって何故と声を大にして言いたい。

「じゃあ決まり。行こうか」

満面の笑顔の蓮に促されるままキョーコは蓮の車に乗せられ、可愛らしいとしか言えないカフェへと連れていかれた。




――――――――――――――


「特製ブレンドとティラミスを」

「うーんと。私は……抹茶ラテとショートケーキを」

メニューに視線を落とし、深く考えないようにしながら注文をするも、キョーコは今現在の状況に困り果てていた。

(似合わない。似合わないわ)

レースがビラビラ、クマやらうさぎの人形がそこかしこに飾られ、一人ならばウフフアハハとメルヘンの住人になれただろう景観だが、背もたれにハートがあしらわれた椅子に何食わぬ顔でかけている蓮が目の前にいる光景は、いっそ視界の暴力かもしれない。

「あれ?抹茶パフェじゃないの?」

「う!!?」

それは奏江との脳内デートでキョーコが注文した品物だ。

「覚えていらっしゃったんですね」

「もちろん」

クスリと笑う蓮が何を考えているのかキョーコには分からなかったが、あの一人遊びを見られていた事が心底恥ずかしいと頬を染め、キョーコは「抹茶ラテの方が美味しそうに感じましたので」と誤魔化すよう咳払いをしてメニューを店員に返す。

一方、そこにいる男が敦賀蓮だと気づいているらしい店員は、声をかけて良いものだろうかとチラチラ二人を伺う様子を見せ、蓮はにっこりと「注文は以上です。よろしくお願いします」と笑顔を振りまきながら人差し指を立てて『俺がここにいる事は秘密だよ』と目で訴えた。

「かっ、かしこまりましたぁ」

蓮の所作に一瞬で真っ赤になった店員はコクコクコクと頷くと、瞳の中にハートマークを浮かべてフラフラと引き返していった。

(敦賀さんの笑顔の破壊力は相変わらず恐ろしいわね)

あの調子ならば店員の口止めはバッチリだろう。

「そういえば敦賀さん。本当にスケジュール大丈夫なんですか?」

「ん?もちろん。今日の撮影はセットの関係で来週になってね」

「あらら、お疲れ様です」

「俺がというより社さんがお疲れ様かな」

「ああ、やっぱり敦賀さんのスケジュールの調整ともなれば大変ですよね」

「多少の事なら問題ないんだろうけど、撮影一本丸々ずれ込むとなれば……ね」

「うわあ……」

他愛も無い話しをしていると、先ほどの店員が商品を持ってやって来た。

「ごゆっくりどうぞ」

「ありがとう」

「い、いえっ、ごごごごごゆっくりぃぃ」

蓮の笑顔に店員の女性はショートケーキのイチゴより真っ赤になって、蟹歩きで去っていった。
あれではそろそろ頭から湯気でも出るのではないだろうかとキョーコは思わず心配になったが、蓮の笑顔は素の物であるので合掌するしかないなと気にする事をやめる。

(……店員さん、浄化されてないといいなぁ……)

「最上さん、食べないの?」

「え?あ、いえ、頂きますっ」

そもそも、明日は我が身。今自分が気を抜いていては自分が蓮の笑顔に浄化されてしまうと気を取り直すも、ぼけっとしていたキョーコを蓮が不思議そうに見つめていて、ハッとしたキョーコは目の前の生クリームにフォークを突き立て、あわてて口へ運ぶ。

「美味しい?」

「お、おいひいですよ?」

(なんか、敦賀さんが無駄にキュラキュラしてるのが突き刺さって、味なんて分かんないわっ)

ごっくんとスポンジを飲み込むと、続けて抹茶ラテを流しこんだ。

(って、なーんで敦賀さんはこっちを見て笑ってるのー!?なんか無駄に眩しいんですけどっ)

「ほら、ついてる」

キョーコの唇の傍を蓮の人差し指がスルリとなぞるように滑る。

「へ?」

(なに?今の、指……が、ぺろんって、舌が……クリームで、え?え?え?ちょっとぉぉぉ!?)

「うん。甘いね」

(ええええええええええ!!!?)

自分についていた生クリームが攫われ、目の前でペロリと舐められるという前代未聞の光景にキョーコは盛大に固まった。

「最上さん、食べないの?」

「……食べ、ます……けど?」

(え?今みたいな行為はお付き合いしているバカップルがやらかすような事じゃ……!?つ、敦賀さん的には普通の事なのー!!?)

平然としている蓮が分からない、いや、パニックになっている自分の思考がおかしいのだろうかとグルグル思考の迷宮に陥ったキョーコは、心と体がバラバラ状態なまま、かろうじて右手でケーキを口に運び続けていた。



――――――――――――――



食べ終わり、席を立った瞬間、蓮が当然のように伝票を手にしたので、慌てたキョーコは声を上げた。

「あ、敦賀さん、私がっ」

「ん? こういうのは先輩が払う物だよ」

「え? でもっ」

尚も言い募ろうとするキョーコに向かい、蓮はキョーコの唇に人差し指を添えて、静かにと促す。

「大きな声を出すと目立つよ?」

「す……すみません」

自分はともかく、蓮が見つかって騒ぎになっては大変だと気付いたキョーコが失態を詫びる。
蓮はそんなキョーコにかまわないよと言って、駐車場の愛車へ乗るように促した。

(と、扉ぐらい自分で開けるのにっ!)

エスコートされる事が気恥かしく、頬に熱が集まっていくのが分かる。
助手席に座り、動き出した車の中でようやく蓮の視線が自分に向いていない事にほっと安堵の息を零したキョーコは、やっと緊張の理由に気付いた。

(敦賀さんに見つめられると緊張するわね。やっぱり)

こっそりと息を吐き、気疲れしたのは見られていたからだわと結論付けたキョーコだったが、

「ところで、女子会の予行演習になった?」

「え? あ、そ、そうですね。ありがとうございました」

そういえば、あのカフェに行きたいという話をしたのは自分の方だ。
蓮はやはり気を使ってキョーコを誘ってくれたのかもしれないと思い当たったキョーコは「楽しかったです」と笑顔を見せた。

(確かに疲れたし、緊張したし、恥ずかしかったけど。うん。楽しかったわよね)

蓮と話しをする事はやはり楽しいのだ。と再確認したキョーコは、無駄に力が入っていた肩から力が抜ける感覚を味わった。

「俺も楽しかったよ。女子会」

「ぷっ、敦賀さんは立派な成人男性ですから女子会じゃありませんよ」

「ん?そうなの?」

「一体何を女子会だと思われていたんですか」

蓮のこういう間違いはなんだか可愛いなとクスクス笑うキョーコだったが、キョーコの笑顔に蓮もクスリと笑う声を零した。
そうこうしている内に、蓮の車は何度か停車した事のある、だるまやのすぐ近くの路肩へ停車する。

「ありがとうございました」

「いや。こちらこそ」

シートベルトを外し、車外へ出たキョーコに、蓮は助手席の窓を下ろして「最上さん」と声をかけた。

「はい?」

「楽しかったよ。……最上さんとのデート」

「……へ?」

「また、俺とデートしようね」

「え?」

「じゃあ。おやすみ」

キョーコの返事を待たず、遠ざかっていく蓮の車を見送ったキョーコの顔はショートケーキのイチゴよりも真っ赤に染まり。パクパクパクと声が出無いほど動揺しているキョーコの姿を月だけが照らす。

そう言われれば、確かに今日の蓮との逢瀬はデートとしか言いようが無かったと気付き、キョーコが布団の上でのたうち回るのは、このすぐ後の事なのである。









蓮だけは最初からデートのつもりでデートしてるんだけど、キョーコは全然そんなつもりじゃないっていうこの温度差どうしようと思いつつ、不意打ちでばらされて自覚してイヤーーーーって真っ赤になっちゃうキョーコさんは可愛い女子なんだと思うのですヨ^^
っていうか、YOU達早く付き合えヨ!!







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| | 2017/08/09/Wed 12:01 [編集]
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