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ACT.190本誌続き妄想2
大絶賛修羅場なうでございます、こんばんは!
気分転換に書いてたのが出来上がったので投下しにきちゃいましたー。てへー。
と言う訳で、続きを!のコメントを下さいました皆様、本当に本当にありがとうございました!
・・・うすぼんやりーとあった物を形にしてみました。お楽しみ頂けると嬉しいですv

しかし、本誌まであとちょっとですね!もう待ち遠しくて仕方ないんですけども!!!

あと、合同誌へのコメントありがとうございましたvうふふーv
合同誌フェアリーテイルの方は特設サイトを蕾さんが作って下さってるので、近々サンプル共にお目にかかるとおもいまーすvではでは^^






ACT.190 本誌続き妄想 2








氷のように冷たい声色には普段の蓮が見せる柔らかさも温かみも存在しない。

(い、痛いです、敦賀さん……)

けれど、キョーコは自分をキツく抱き締める腕をほどいて欲しいとは思わなかった。

今、この手を離してしまえば、糸が切れた凧のように、蓮は二度と戻ってきてはくれないのではないか。そんな本能的な危機感があった。

服を握ればシワになるかもしれないなどと普段ならすぐに思いつき、手を離すだろうが、今のキョーコは蓮を引き止めたままだ。

「こ、これは、そのっ。アイツが学校に来て、話しがあるから乗れって言われて……」

「で。不破の車に乗ったの?」

「は……はい。どうしようもありませんで……」

(やっぱり怒られるかな)

ぎゅうと抱き締めたままの蓮は、いつも通りならば、溜め息を吐いて、とくとくと説教をする。
それが今までの経験からくると思われる流れだが、やはり今の蓮は普通ではないらしい。

「……車内で犯されでもしたらどうするの?」

「んな!!」

松太郎からならばまだしも、蓮の口から出たとは思えない衝撃的な台詞に顎が外れんばかりの勢いで驚いた。

「う、運転手さんもいましたよ?!」

「サングラスの男だったね。君は多人数が好み?」

「な、何がですかっ!!」

淡々とした口調で蓮が空恐ろしい事を言っている。

「危ないだろう?余所の男の車だなんて。安易に乗り越むものじゃない」

「す、すみません!すみませんすみませんすみません!!」

(敦賀さん正気に帰ってきて下さぁぁいっ!!)

蓮の腕は相変わらずキョーコを抱き締めていて、キョーコには突破口が見つけられない状況が続く。

(どうしよう!どうしたらいいのぉっ!!)

こんな所でいつまでも抱き締められていたら、うっかり誰かに目撃されかねない。
知り合いならまだしも、変に噂になれば、蓮に迷惑をかけてしまう。
それに気づいたキョーコがようやく掌を離す事に思い当たる。そうして手の中がじんわりと汗ばんでいる自分がどれだけ緊張しているかを悟った。

「あの、敦賀さんはどうしてTBMに……?」

「話しを逸らすのか?」

「そんな事はっ」

見透かされているとキョーコの心臓がドキンと跳ねた。

「俺達は予定が繰り上がって、今からCMの打ち合わせなんだ。ほら、蓮っ、のんびりしてると時間過ぎちゃうから、中に行こう!」

(社さんっ!ありがとうございますぅっ)

社が蓮に声をかけると、蓮はノロノロと視線を社へと移した。

(らしくない。こんなの敦賀さんらしくない!)

キョーコの中で確信は大きく育つ。
だが、だからこそ。人目があるかもしれない場所で、普通を装わなければと必死に考えた。

「そうなんですね、実は、私も今日は繰り上げで仕事が入ったんですよ」

とにかく、まずはこの場所から離脱し、これからの事は後から考えれば良いと乾いた笑いを零しながら笑顔を取り繕う。

「あれ?そうなの?何の仕事?」

(や……社さんんんんっ!!)

この状況をなんとかしないとという一点で通じ合っていたはずの社からの爆撃に、キョーコはぬぐっと息を飲み、固まった。
着ぐるみの仕事ですとは言えない。

「え?あ、な、なんでもいいよね。ハハハ、じゃあ蓮、ほらっ、そろそろキョーコちゃんを離してやれよ」

「…………あ……ごめん」

まるで自分が抱き締めている事に今気づいたとばかりに蓮がキョーコを解放すると、蓮は一連の流れを誤魔化すように苦笑し、カインが残っていたみたいだ。と言った。

「そ……うですよね。私もこの間、なっちゃんを演じていた時に雪花に引っ張られましたもん」

あはははは、ありますよねーとキョーコも誤魔化して笑うと、蓮はごめんねと微苦笑でキョーコに向き直った。
カインが残っていたのでは無いだろう事は気付いていても、キョーコはこの場でそれを口にする事は相応しくないと飲み込む。

「じゃ、じゃあね、キョーコちゃん。またっ」

「お疲れ様」

「お疲れ様でしたっ」

三人が揃って複雑な心中を抱えたまま、とりあえずは別れようとなったのだが。

「最上さんも行くんじゃないの?」

「……あ、そうでした……」

向かう先は局内。関係者専用入り口なので、なんとも言えない雰囲気のまま三人でエレベーターへと向かう。

「そういえばキョーコちゃんっ、知ってるかな?」

「はい?なんですか?」

「あのね――」

社が必死にこの場をなんとかしようと全く関係のない話題を振ってきたのでキョーコも社との会話を選ぶ。
社を真ん中に三人で歩いているが、蓮だけは全くの無言。
異様とも言える無表情さに、社とキョーコ、二人はただ事ではない気配を感じたまま、それぞれが向かう階数のボタンを押した。



――――――――――――――



「お疲れ様でした」

「あ、京子ちゃん。お疲れ様」

坊の頭を脱いだ状態でその場にいたプロデューサーやスタッフ達に挨拶をしていると、それに気付いた石橋光がキョーコの元へと駆け寄ってきた。

「あ、光さん。お疲れ様でした」

ぺこりと頭を下げるキョーコに、光がスケジュール無理言ってごめんねと口にした事で、キョーコは光のせいではないと笑いながらもじゃあと断りを入れ、控え室へ向かうはずだった。

「…………社さん」

戸口にいたのは社であり、キョーコは坊の体を着用し、手には頭を持っている。
そんな自分がバッチリと社の視界に入ってしまった上、微妙な表情でキョーコを見つめている社の様子で原因は自分が坊の正体だったからだろうという事を悟る。
坊として、社とも一度会った事があるのだから別人を装っていた事はばれただろう。

「ごめん。キョーコちゃん。椹さんに無理言って聞き出したんだ」

神妙な雰囲気を悟り、光がいなくなると、キョーコが口を開いた。


「……あの。敦賀さんは?」

最も坊の正体を知られてはならない相手の名前を出すと、蓮は監督との打ち合わせの最中だから俺がここに来た事も知らないよと告げられ、ホッと息を吐く。

「キョーコちゃんもおかしいって事、気付いてるよね」

どちらともなく控え室に向かって足を向け、見通しが良い人気のない場所で社がポツリと言った。

「……はい」

「俺は、なんとかしてやりたいと思ってる」

「…………もちろん、私だって力になれるならなりたいです」

二人に主語は存在しない。

「でも……私なんかじゃ。役に立てなくて……」

二人の思う先には蓮しかおらず、必要がなかったからだ。

「ご一緒する機会が多くても、敦賀さんの悩み事一つお話しして頂く事が出来ません。私はただの後輩ですし、しょうがないんですけど……」

「そんな事無いよ!あいつはキョーコちゃんが」

「社さん?」

「あのね。蓮のヤツは」

ただの後輩である訳はない。
蓮はキョーコの事を好きだから、だ。

「敦賀さんが?」

「…………いや」

だが、それは社が勝手に告げて良い事ではないと社は言葉を飲み込んだ。

「社さん?」

「いや……でもね、キョーコちゃんの事は特別視していると思うよ」

「……敦賀さんに何か聞かれたんですか? 」

「え?あ、いや……」

マネージャーの自分では聞けない壁があると思った。

「キョーコちゃんから聞いてみたりとか」

「え?いやいや、無理ですよ!自分より年下の女の後輩に――」

そこで社とキョーコはハタと停止し、パチパチとまばたきをした。似た事を話した記憶がよみがえったからだ。

『社さんなら演技かじりかけの しかも女の後輩に』

『自分の弱みを話せますか……?』

同じような会話を、自分たちは過去に交わした事があるではないか。

「社さん」

「うん」

キョーコが言おうとしている事を社はすぐに悟った。

あの時、一人思い悩む蓮を助けたのは、『誰』だっただろうか。

まるで目の前に突然道が切り開かれるような心地だった。


「『彼』なら。聞けるかもしれません」


キョーコの手の中には坊がある――。








やっぱり、坊じゃないかなって思う訳ですよ!
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