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SS・白銀の狐8
やっと来たかお前ー!!!と言われそうです、惣也です。こんばんは。
前回の白銀の狐の更新がいつだったかと考えると恐ろしい事になりそうなので、あえてあまり振り返らずに直進中です。
やっとこさ、覚悟というか、腹をくくったというか←意味同じやん。
あれだ。オフであんだけパラレル書き下ろして上手く着地出来たんだから、がんばればこれも出来る出来る出来る←自己暗示。

ということで、おひさしぶりの蓮@安倍晴明ネタでございます。
優しい気持ちでお付き合いくださいませーー^^

あ。そうそう。パスワード請求のお返事は現時点で全てお返事済みです。
来てないよーって方は、請求場所が違ったり←拍手コメは返さないよーってあっちこっち書いてますからね。
あとは、メルアドの問題だと思いますので、再確認の上、再チャレンジどうぞー!





白銀の狐8







京子が安倍晴明、もとい蓮に手渡された呪札の力を借り、晴明付きの児童、夏彦として擬態し、共に陰陽寮に出仕するようになってしばらく。

不破松太郎から一方的に売られた『雨をせき止めているアヤカシを退治した方が勝ち』という勝負からは7日が経過したのだが、現在まで都は日照り続き。
どちらにも進展がない状況なのだが、一向に焦る様子も、調査に向かう様子もない蓮に京子はどうすれば良いのだろうと困惑する日々が続いていた。

「調査にはお出かけにならないのですか?蓮さま」

夕餉の後、京子の太腿を枕にし、ゴロリと横たわって寛いでいた蓮は、京子の声にうっすらと目蓋を開く。
夏も終わろうかという時節ではあるが、まだ少々の暑さが残る夜半。陰陽師特有の衣ではなく、部屋着の狩衣をゆるく結んだ姿は蓮がどれだけ屋敷で寛いでいられるのかを表していると言って良い。
そして、邸内に二人きりという空間が京子にとっても安らかなものである為に、今の京子は完全な人型を取らずに三本の尻尾と耳を解放した半妖の姿であり、蓮は尾の柔らかな毛並みを指先でやわやわと撫で、楽しんでいる。

「そうだね。今のところは急がない。かな」

「ですが、このままでは」

不破松太郎に負けてしまわれますよと気を揉む京子に、蓮はクスリと余裕の微笑みを浮かべてみせる。

「俺が負けたところで、不破の気が済みこそすれ、さほどの問題もないよ」

君への護符も強化したからもう彼の技量では手は出せないだろうし。雨が降るなら皆、俺の仕業だろうと彼の仕業だろうと構わないだろうしねと笑う蓮に京子は納得しかねて複雑な表情を浮かべた。

「ですけど……」

「天文生と陰陽生どちらも陰陽寮の陰陽師なのだから、本来なら競い合う必要も無いと思うのだけれどもね」

だから構わないと口にする蓮だったが、一方の京子には蓮が負ける事は安倍晴明一人の問題だとは思えなかった。
蓮が望もうが望まなかろうが、天文生側の威信や期待は晴明という希代の天才へ集束されているのだ。

「そんなに不安かな?」

見上げる蓮の漆黒の瞳に京子が映り、京子の茶色がかった瞳に蓮が移る。
互いの表情は正反対で、微笑する蓮とは違い、京子は難しい面もちでコクンと頷いた。

「それはいけない」

蓮がフワリと手のひらを持ち上げると、大きな手は京子の頬へと寄せられる。

「君がそれほどに望むなら、少し動いてみようかな」

「本当ですか!?」

「ああ。もちろん」

ふふふと笑う蓮に京子は思わず笑顔になった。

「では早速っ」

蓮が動いてくれるなら、きっと松太郎に負けるはずはないのだ。何か指示があると瞳を輝かせた京子だったのだが。

「……だが、今宵はもう遅い。そろそろ休まねばね」

「へ?」

夜警でも調べものでも頑張ろうという京子の気概は一瞬で砕かれ、あっけに取られる。

けれど優雅に起き上がった蓮はそんな京子に頓着する事なく人差し指をそっと持ち上げると、指の動きのままに庭に面した雨戸がスススとひとりでに閉まり、寝室への襖は静かに開く。

「ほら。おいで」

「え?え?ひゃっ」

その夜も二人は出会ってから変わらない濃密な夜を過ごし、京子は蓮の腕の中に囲われたまま、いつも通りな朝を迎えた。




――――――――――――――


「え?お休みですか!?」

「そう。今日からしばらく物忌みの予定だ」

翌朝、朝餉を食べ終わると、唐突に蓮は言った。

「しばらくって!……急ではありませんか?」

「ああ。昨夜の星読みでそうなったからね」

「は、はあ……」

同時に床についたはずなのに、一体いつ星を見たのだろうと思いつつも、相手は蓮だ。自分の考えも及び付かない物がある気がすると京子は言葉を飲み込んだ。

「そういう訳で、陰陽寮に私の欠勤の旨を記した文を届けてくれるかな」

「はい、かしこまりました」

渡された料紙を受け取り袂にしまうと、キョーコはパンと両手を合わせて変化の呪を唱えて少年の姿へと擬態する。
オレンジかかった薄い髪色がするする黒色に変わり、着衣の色も少女らしい明るい色合いから陰陽寮へ出入りするのに相応しい小姓のそれへと変化した。
おだやかに呼吸をするように術を発動させ変幻していく姿に、京子が元来持ち合わせていた力が随分と安定し、自分が手を貸さなくても問題なくなっている事を見て取った蓮は眦を緩めて満足げに眺め、微笑む。

「頼んだよ。夏彦」

「はい」

そうして京子、もとい夏彦は朝餉の片付けを終えると、安倍晴明付きの童子、夏彦として、陰陽寮へ向かい足を向けた。





「晴明殿が物忌み?」

「そうなのです。椹歴博士と松島天文博士にはくれぐれもよろしくとの事でございます」

蓮のしたためた手紙を差し出すと、椹はふむと目を通し、分かったと頷いた。

「では、夏彦君はどうするのかな?」

晴明に付き従い、見習い学生としての入寮した夏彦には、確かに多少の仕事が割り振られていたが、晴明の家人である以上、主の物忌みに従い屋敷にこもる事が優先だろうと椹は考えている。

「晴明様へのお返事がございましたらお待ちして持ち帰りますが、無いようでしたら私は主の元に控えさせて頂きたいと思います」

陰陽師の見習いにあたる得業生だろうと仕える主の世話の方が優先されるのは当然の事で、椹は分かったと頷く。

「今の所、急ぎの物は無いからね。ああ、雨乞いの件はくれぐれもよろしくと伝えておいてくれるかな」

「仔細、心得ました」

ぺこりと頭を下げたキョーコは、陰陽寮を後にする為に踵を返した。

用を済ませたのだから早く帰ろうと入り口へと向かう。
けれど、そこでキョーコは戸口で起こっている事件に気付いた。

「ですからっ、安倍晴明様にお目通りしたいのです」

「とは申されましてもですねぇ、せめてあなた様のお名前を……」

「それは申し上げられませんわ」

鈴の音のように愛らしい声だが、言葉尻はツンとしており手厳しい。

「ううーん。お約束も無し、お名前もおっしゃって頂けないとなりますとお通しする訳には」

戸口の門番が、一人の少女と対峙している。

「?……どうしたんだろう」

少女と思わしき小さな女人は網傘をかぶり、薄布をぐるりと垂らしている為に人相も何も分からない。
けれど安倍晴明を訪ねてきたともなれば、京子には無視して立ち去る事は出来ない。蓮の元へ通しても良い人間であるか見極めなければならないからだ。

「あの。どうされたんですか?」

正体不明の少女と対峙する門番に声をかければ、夏彦が安倍晴明付きの童子だと知っている門番が「ああ」と困り果てた表情で京子を見やる。

「安倍晴明殿にお会いしたいそうで、ここを通せとの一点張りでして」

「晴明さまに……ですか」

「はあ……」

困り顔の門番に、京子も反応に迷う。

「ですからっ、私は怪しい者では無いと申し上げているでしょう!」

けれど、そうは言われても、名乗る事も顔も明かさない少女は十分に怪しい。

「あの、恐れ入りますが、晴明様に一体どのようなご用件でしょうか」

尋ねたキョーコを見定めるように少女は薄布越しに視線を向ける。

「あら、あなたはどなたですの?」

「私は、安倍邸にお仕えしている夏彦と申します」

「安倍晴明様に?」

「はい」

名乗って良いものだろうかと悩んだが、不浄の者ならば、多種多様の結界や呪術の気が漂う陰陽寮の入り口に長く止まっていられるはずもないと京子は名乗る事を選ぶ。
京子が安倍晴明の関係者であると理解した少女はでしたらと網傘に手を伸ばし、傘と共に外界と遮断する膜を取り外した。

ふわふわとした髪が揺れ、大きな瞳がキョーコを見上げる。
少女が着ている衣は見目鮮やかな橙の色。内に刺繍された花びらの刺繍の細かさと生地の濃淡と品良く散る金地が、その単衣が最上級の物であると知らしめた。

つまり彼女は位の高い良家の子女なのだろう。
供を連れずに良家の子女が安倍晴明を訪ねている。紛れもなく事件の臭いを感じた京子に、少女は続けた。

「安倍晴明様にお父様を助けて頂きたいのです」

「あなたのお父様?」

少女は己の名を万里亜と名乗った。



――――――――――――――


物忌みとは、不浄を避け、心身ともに清浄に保つべく屋敷で謹慎する事であり、一度周期に入れば終わるまで外へ出てくる事は無い。

「どうか、晴明様に会わせて下さいませ。おじいさまに再三申し上げていますけれど、もう私、待っていられません」

必死の形相の万里亜が夏彦に詰め寄り、夏彦――京子はいきなりの展開に驚き、困惑した。

「あ、あの。晴明様は本日より物忌みの為、お休みでして」

「物忌み!?そんなっ……」

何故このタイミングで、と落胆に肩を竦ませる少女の姿に京子の心がズキリと痛んだ。
安倍晴明の噂を聞きつけ、晴明に助けて欲しいと訪れる人間は実のところそう多くない。
彼が狐の子であるという噂は只人には敷居が高く、よほどの事情が無い限りは陰陽寮の誰かに助けを求めてくるものだからだ。

「あの。お父様って……」

目の前の少女が噂に怯まず、安倍晴明をと訪ねてきたのは、彼女が直面している危機がそれほど大きく。腕利きの術師を探した結果。つまり、よほど困り果てた末の事だろうと察する事が出来た。

「……ここでは、申し上げられません」

苦悩する姿を見て取った京子は、万里亜の力になり、助けてあげたいという衝動に駆られた。

「あ……そうですよね」

確かに、陰陽寮の門の下では込み入った話など出来るはずもない。

「では、屋敷へご案内させて頂きます」

「……本当……ですの?」

「はい」

京子の言葉で一転。ぱああと表情を明るくした万里亜を連れ、京子は屋敷に向かい歩いていった。







キョーコもマリアもこれは一応時代ものだしとあえての漢字変換しているのですが、大きな問題。ローリィはどう変換すればいいですか←
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