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SS・白銀の狐10
肌寒くなってきたと思ったら、大雨だったりどないやねんなお天気なんですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
そやえもんは絶賛衣装作り中なのですが、風邪を引く事もなく元気元気です。
しかし。全然関係ないけど部屋が片付きません←本当に関係ないな。
本棚を整理していろいろ処分した端から・・・新しい本が増え増した。60冊ぐらい←結果増えた。
おかしいな。とりあえず、今月も残り頑張ってかけぬけようと思います。歩く選択肢はあまりありません。きりり。

パスワードレスについてなのですが、ちょっと遅れ気味でございますorz
毎日数件ずつ行っていますので、今しばらくお待ち下さいませ。

さてさて。白銀の狐についてですが、前回の更新後コメントを頂いたのですが、いかんせん。このパラレルは最初にお断りしてありますように、史実も人物設定も大幅に改編しています。←じゃないとスキビに当てはまらなかったり、人数足りないのですヨ。←一番の大問題。
この手の時代ものはいろんなものが諸説ありまくる状況ですし、ぬるーく読める方以外には残念ながら読んでもつらくなるだけだと思いますので、これはこうじゃないの?っていう突っ込みはいろいろあるかもと思いますが、「ここではこういうことにしてるんだ。へー」ぐらいで流して頂けると大変助かります^^








白銀の狐 10






ところは安倍晴明の屋敷の客間。
そこに対面して座るのは万里亜と京子。そして京子の隣にいるのは晴明と思念波で交信している為に瞳を閉じた状態の青龍、社であった。


「えっと……あの、万里亜さま、本当にお怪我はどこにもありませんか?」

「まあ!私の事でしたら、さっきのように、万里亜ちゃんで宜しいのですわよ?お姉様」

「え……あ……はあ……」

騒動に気を取られ、ついうっかり心の中で『ちゃん』付けしていた事がポロリと出てしまった訳だが。そんな京子を万里亜は笑顔で見つめている。

「怪我ならありませんわ、お姉様が守って下さいましたもの」

ウフフと嬉しそうに笑う万里亜に京子はどうしたものかと考えながら、とりあえずのお茶を注いだところだ。

「まあ、美味しい!お姉様、お茶をお煎れになるのがお上手ですのね」

「あ……ありがとうございます」

野犬に襲われた万里亜を助けた京子だったのだが、それにより児童、夏彦は仮の姿であり、狐火まで操って見せた今、京子の本性が女性であり、かつ狐の妖である事までがすっかりバレてしまった。

結果として、京子の持つ妖力を目の当たりにした万里亜は、再び晴明宅に戻り、京子が安倍晴明――蓮の伴侶である事を聞くや否や一気に心を開き、京子をお姉様と呼ぶようになったのだ。

「――さっきの野犬だけど、晴明曰わく、おそらく使役された式紙だろうという話しだよ」

「式紙……とは一体何でしょうか?」

交信が終わったらしく、目蓋を上げた社がそう告げれば、式紙が何かを分からない万里亜が瞳を瞬いた。

「式紙というのは、術者が仮初めの命を与え、使役するシモベみたいな物です」

社の言葉に万里亜が京子を見上げると、京子は「私は式紙は使えないわ」と首を振り、万里亜は社へ向き直った。

「青龍の社さまもその式紙でいらっしゃるんですの?」

「んー。それは違うね。確かに俺は晴明に生み出されたものではあるんだけど、俺には自我もあるし、この命も仮初めの物じゃない」

式紙ではなく式神。神の眷属。これでも神様の末席の存在には入るんだ。と噛み砕く社だが、万里亜には難しいらしく、人の手で作られた神様って感じかなあと纏められた。

「朱雀のね、モー子さんから聞いた話しでは、昔からこうだったら良いな、きっとこういう姿に違いないっていう人々が持つイメージから具現化されたんだって……」

「そうそう。それだよ」

人型のこの姿形は晴明が考えたものだろうけどねと社は笑う。

「それでね。さっきの犬が誰かの使役する式紙なら、裏には使役した『誰か』がいたはずなんだよ」

「……それって」

「誰かが故意に彼女を狙ったか、犯人が誰でもいいと思っている中でたまたま通りかかったから狙われた……どちらかじゃないかな」

社がそう口にすると、万里亜の白磁の肌に青みがさし、袂を握る指が小刻みに震える。

「万里亜ちゃん、何か心当たり……あるのかな?」

京子が尋ねると、万里亜は小さく「はい」と答え、万里亜の怯えように、京子は万里亜の背中を励ますようにさする。
優しさの込められた手の温もりに、万里亜は京子の心遣いを察してありがとうございますと感謝を口にし、表情を和らげた。

「晴明さまにお力添え頂きたかった事と関係があるのかも……しれませんわ」

「一体、何があったの?」

よほどの事があったに違いないと京子も社も固唾を飲んで万里亜の言葉を待った。

「それが……私にも分からないのです」

「分からない?」

暗い顔に京子が繰り返した。
すると、万里亜は必死に自分の知っている事を説明をしようと苦しそうな表情を浮かべながら口を開く。

「うまく説明が出来ないのですが、……私の父が……お父様が消えてしまったのです」

的を射ない言葉に社が怪訝な顔をした。
普通に考えたならば人間がそう簡単に消える訳がないのだが、一つ、可能性が無い訳ではない。

「人が消えた……」

神隠し。二人の頭にはそうよぎったが、万里亜が神隠しとも違うかもしれませんと否定するように呟いた。

「私以外、誰もお父様の事を覚えていないのです」

神隠しならばいなくなった事を騒ぐ事も出来るが、万里亜の場合、まるで、そこには始めから誰もいなかったかのように。
ある日突然。なんの前触れもなく父親が消えたのだと言った。

「誰もって……」

「お父様に仕えていたはずの家人はもちろん。女房たちも……おじい様まで……」

「おじい様が息子さんを忘れてしまったって事?……でもそれってかなり無理が……」

それではまず万里亜が存在する事に違和感を覚えるはずだろうし、息子ならば跡取りだったりするのではないのだろうかと当然の疑問が二人に湧いた。

「あの、万里亜ちゃん。他のご家族は?」

「お母様は私を生んですぐ、亡くなりました。おじい様は、どうやら私を孫娘ではなく、末の娘だと思われているようなのです」

「娘って……」

おじい様には簡単にお目通り出来ませんから分からないんですけど……と、万里亜は暗い顔のまま続けた。

「従兄弟だったはずの殿方がお父様のいるはずの場所に当然のようにいるのです。東宮御所はお父様の宮だったはずですのに、一体どうしてこんな事になったのか……私には、私にはもう何も分からないのですっ!」

最後は悲鳴のように絞り出された万里亜の声は悲痛で、京子は胸が痛くなる思いだった。

「不思議な事ばかりで、訳が分からないと途方に暮れておりましたら、女房たちが安倍晴明さまの噂話をしているのが耳に入りました。ですから私は晴明さまにならばお父様を見つけて頂けるかもしれないと思い、こちらへ……」

聞けば聞くほど、あまりにも不可解な事件に京子と社は目を合わせて『どうしよう』と困惑に暮れる。
いくら社が通信出来るとはいえ、やはり蓮が戻ってくるまで待つべきだろうか。

「……でも……ひょっとしたら」

「え?」

少女の年の頃には似合わない自嘲めいた笑い声に京子が訝しげに万里亜を覗き込んだ。

「私が……妄言を口にしているだけなのかもしれませんわ……」

「万里亜ちゃん?」

「……ずっと思っていたんです。今の私がおかしくなってしまったんじゃないかって……」

「そんな事……」

少し話しをしただけの京子にとて、万里亜が賢い少女である事は分かる。
けれど、万里亜はフルフルと首を振って否定した。

「だって、私以外、誰もお父様を知らないんですのよ?」

むしろ私の頭が、どうかしてしまったのかもしれませんものと力ない笑みを浮かべる万里亜の姿に京子は思わず万里亜を抱きしめた。
小さな少女にこんな顔をさせるなど、どんな理由があれ世の中にあって良い訳がない。

「万里亜ちゃんはおかしくなんて無いわ!私が絶対、万里亜ちゃんのお父様を見つけてあげるから!」

「……お姉様……」

「絶対、絶対見つけてあげる!だから、そんな顔しないで?」

「私を……信じてくださるの?」

「勿論。…………約束よ」

京子は万里亜の手を強引に取り上げると、小指を結びつけて指切りを交わし、ようやく万里亜は心からの笑顔を見せたのだった。




京子と万里亜が指切りを切り、微笑みあったところで、ようやく成り行きに沈黙をしていた社が口を開いた。

「あのさ。大切なところなんだけど」

「はい?どうかしましたか?社さま」

社は先ほどの話しの中にどうしても聞き流せない単語を見つけたのだ。

「お父上がいらっしゃる場所を……東宮御所だと言ったよね……?」

「?……はい。そうですけれど、何か?」

「社さん?どうかしましたか?」

不思議そうな表情の京子と万里亜はすでに意気投合しているらしく、大きな瞳を丸くして社を見上げている。

「いやいやいや。どうかしましたかじゃなくて、東宮御所って事は、つまり彼女の父君は春宮……東宮さまって事なんだよ!?」

「とうぐうさま?」

人の世界にまだ疎い京子はまだ分からないようでパチクリとしており、万里亜は納得したようにああと口にした。

「東宮っていうのは、次の帝になるお方なんだよ!」

「次のみかど……って……帝!?えっ!!じゃあ万里亜ちゃんはっ」

「皇女さまって事になるよね」

ようやく事態を飲み込んだ京子に、社はううんと苦笑をしてさらに続けた。

「ひょっとして、姫君は誰にも内緒でこちらに?」

「……それは……その……」

言いよどむ万里亜の様子で、万里亜が屋敷を抜け出してきたのだろう事が分かる。

「今すぐ帰らないと、こんな所に一人でなんて不用心この上ないよ!今頃宮中では大事件になっているかもしれないっ」

とはいえ、安倍晴明の結果の張られた屋敷内に神将が一人に妖が一人。只人百人に守られるより遥かに強固な守りではあるのだが、純粋な戦闘力や妖力だけでは語れないのが人の世なのである。

「でも、社さん。万里亜……姫さまをこのまま一人でお返しするのは……」

「お姉様、お願いですから姫などと呼ばないで下さいませ」

「え?あ……ごめんなさい」

万里亜があまりにも必死で願うものだから、京子は押し切られる形で頷かされる。
そしてそんな二人の間に割って入ったのは、万里亜の身を案じる社の言葉だ。

「送っていくとして、道中は俺がガード出来るから良いとしても、問題は宮の中なんだよね。晴明の身動きがすぐに取れない以上、京子ちゃん。しばらく、万里亜姫の一緒にいてもらうというのはどうだろう?」

「え?良いんですか?」

「京子ちゃんが一緒なら、低俗霊や妖怪の類なら京子ちゃんの狐火や晴明の守護札でほとんど弾けるから安心でしょ」

だから、ねと笑う社に、京子はコクリと頷いて応えた。

「私、頑張ります!」

こうして京子は万里亜の女房の一人として、宮廷――内裏に隣接する屋敷、秋桜宮へと赴く事となった。









前回ローリィは漢字に出来ないなぁと呟いてたら絽織とかどう!ってコメント頂いたので、それいいな^^っていう前のめり乗っかりサーフィンな感じで参りたいと思いやす!ノシ

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