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SS・だからどうして。
寒いですねこんにちはー。
ハロウィンに何も出来なくてブルーです切ないです。バニ誕も祝えずハロウィンスキビネタも思い浮かばず。マジ私枯れたのかっていうorz

さてさて。久しぶりに短編での更新なのですが、書いたもののどうしようかなぁと持ってたものなのですよ。
うん。迷うくらいなら出しとけっていう精神で結局出したんですけどね。
読んだ後、タイトル通りの気分になったらすいませんと先に土下座しておきます。ぐぐぐg。





だからどうして。








社倖一は業界を見渡した中でも大変優秀なマネージャーではあるが、『敦賀蓮』というトップ俳優のマネージメントは彼一人だけの力で行われている訳ではない。
俳優セクション主任、松島との話し合いや打ち合わせはもちろん、社長、ローリィ宝田の意見も仰ぐ。
けれど、最後の最後に彼が判断を仰ぐのは、やはり当人。敦賀蓮、その人である。

『やりたい』か『やりたくない』か。
仕事を選べる人気と実力を兼ね備えた今、ある程度、本人の意思も尊重したい。それは社のスタンスだ。
けれど、やはりそれだけではどうしようもなく、やりたくなくとも引き受けざる得ない仕事がある事も事実で、スポンサーとの兼ね合いや、事務所間の駆け引きなど、いわゆる大人の事情を察する事に長けている蓮の場合、『やりたくない』と言いだす事は一度も無く、今回、社が渋々蓮に打診することになったとあるドラマもやりたくないと言い出す事は難しい代物であった。



「……分かりました。受けます」

社としてはあまりやらせたくはなかった仕事だが『抱かれたい男ナンバーワン』という冠を背負った男の濡れ場は恐ろしく世の中に需要がある。

これまでもいくつか打診はあったのだが、蓮とてまだ二十一。率先して深夜枠のドラマで肌を晒すよりもゴールデン枠で格好良く決めるに越した事はないとあまり濃い恋愛もののオファーはもちろん、ベッドシーンを含む依頼を受けた事はなかったのだが。
DARKMOONからの変化もあり、今回引き受ける事になったのはとある深夜ドラマの主演である。

その見所は毎回のように挿入される共演女優とのベッドシーンなのだが、今回に限っては女優ではなく蓮が見所になる事は間違いない。


「蓮のヤツ、やっぱり悩んでるんじゃないかな。乗り気じゃなかったし……」

うっかり社が漏らした相手は例によって最上キョーコで。
社に悪気はなく、またキョーコもどこまでも純粋だったと記しておこう。


共演女優が目の前の少女なら良かったのに、なんで他の女優とベッドインしなければならないのかとうっかり思わず重い溜め息を吐いてしまった蓮をどう解釈したのか。

「私、何かお手伝いしましょうか?」

と、衝撃的な爆弾発言をしたキョーコに対し、大いに固まったあと、

「じゃあ、お願いしてもいいかな」

などと。いけしゃあしゃあとのたまった男がそこにいた――。




――――――――――――――






「あ……あの。敦賀さん?」

蓮の指示通り、仕事を終えたキョーコが蓮の家にやってくると、通されたのはリビングでもゲストルームでもなく蓮の寝室だ。

「なに?最上さん」

「いえ……」

広々とした室内に、長身の蓮でも余裕で眠る事が出来る巨大なベッド。
落ち着いた色合いでまとめられた部屋にはやはりあまり物がなく、生活感もあまりない……のだが。
今、この場におかしな存在感を放つモノがある。

「あの、これって……」

「カメラ、だね。あいにくとホームビデオ用だけど」

さすがに収録に使うカメラは用意出来ないしねと笑う蓮にそこじゃありませんと声を大にしたいキョーコはけれど言葉を飲み込んだ。

ベッドを見つめるのは三脚に取り付けられたビデオカメラ。
それはよくあるスタジオでの配置をイメージさせる位置取りに置かれていて、何を意図して用意されているのかはキョーコにも分かる。

「私は一体……何をお手伝いすれば良いのでしょう?」

レンズがキラリと輝く今ここで、嫌な予感しかしないけれども聞かない訳にもいく訳がない。
力になりたいと言い出したのはキョーコ自身に他ならないからだ。

「俺と一緒にベッドの中かな?」

どう動けば、どういう風に映るのかを研究してみたいから。と笑う蓮に、何かしらを手伝うにしてもまさかベッドインの相手役だとは思っていなかったキョーコはガチンと固まる。

「やっぱり……嫌?」

はい、嫌です、嘘でした、やっぱり無理ですと言ってしまえば逃げ出す事は出来ようが。

(ここで逃げ出したりしたら、敦賀さんは二度と私を信用してくれなくなるんじゃ……)

今は引いてはいけない気がすると本能的に悟る心が覚悟を決めろと警鐘を鳴らす。

蓮ならば怖い事はしない。ひどい事もしない。そんな絶対の信頼がある。

(だって『敦賀さん』だもの)

身を委ねる事で力になれて後輩としての信頼をまた一つ得る事が出来るなら。
それできっと自分の心は満たされる。そんな確信めいたものがキョーコの中にある。

「いえ、大丈夫ですよ!不詳最上キョーコ、お邪魔させて頂きます!」

蓮の事を好きだと自覚していても。だからこれは恋ではないと否定しているキョーコには、蓮に触れる事には理由が必要で。
こうして部屋を訪れる事には蓮が招いてくれたからという免罪符が必要だった。


「はい、どうぞ。まずは俺が上にかぶさるから、仰向けに寝てもらえる?」

困っているのが蓮だから助けたい。
その為ならば深夜に近い時間に男の部屋を訪れる事も、シャツを脱ぐ事すらも厭わない。

「はい、これくらいで大丈夫ですか?」

そんな想いこそが恋だと気付こうとしないキョーコの頑なさに、堪えて堪えて堪え続けてきた思慕を持つ蓮が耐えきれる訳もなく。

「うん、そうだね」

触れ合う肌から伝わる熱に、二人の体温は緊張を伴って自然と上がる。
平然とした顔を装う二人は共に自分たちが両想いである事実を知らない。

「…………ずるい男でごめんね」

「――え?敦賀さん?」

「好きだよ」

逃げられないようにと腕の中に囲ってからの告白に、硬直したキョーコは絶句に伏し、蓮はキョーコの唇からほんの僅かにそれた場所に音を立てたキスをひとつ落とすと、放心しているキョーコの背中に腕を回して掻き抱いた。

「――好きだよ、最上さんが」

見下ろしているビデオカメラが、キョーコを絶対に自分の物にするという蓮の決意の証しであるのだという事をキョーコ自身が理解するのは、あとほんの少しだけ時間が必要だった――。



――――――――――――――




「それでまさか……あんた、無理矢理っ」

「え?あ、違う、違うってばっ!」

ところはラブミー部の部室。隣り合って座った奏江はキョーコから聞く事の顛末の途中で血相を変えた。

「キ、キスは唇からちょっとずれてたし、服はちゃんと着たままだったのよ!?いかがわしい事なんて、絶対してないんだからっ!!」

「そうなの?へぇ……」

それならまあ良かったんじゃないと言いかけて、やはり奏江はいやでもと口ごもった。
結局、自分はいったい何を相談されているのやら。

「でもね。敦賀さん。すごく真剣な顔でこういう事、俺以外のヤツでも手伝おうって思うの?って聞いたのよ」

「そりゃ……」

そうでしょうと返す前にキョーコが続けた。

「あんな事、敦賀さんだから出来たのよ!?なのになんなのかしらっ、私、あああ、あんな破廉恥な事、仮に仕事だったとしても絶対受けないんだからーっ」

「・・・・・・・・。あ。そう。」

なんとなく奏江には蓮の思惑が分かるような気がした。

(つまり、軽く手伝いましょうかなんて迂闊な発言したこの子に対するお仕置きとか、そこまで言えてしまうのに恋はしていないなんてまだ言い張るこの子へ自覚を促す爆弾を仕掛けたかったのか……)

ついでにその手の仕事を受けないって心に決めさせたりだとか、とにかくもう色々と一石二鳥どころか三羽も四羽も狙ったという事なのだろう。

(だけど、それって……ねぇ……)

「あんな夜の帝王顔っ、卑怯だわっ、もうあのまま死んじゃうかと思ったんだからーっ」

「……はいはい」

そこまでされて、嫌だったとか、怖かったとか、拒絶の色は無く。むしろ顔面を熟れたリンゴより真っ赤にしている親友に、奏江はさてはて何をどう言えばいいのかと思いながら頭を抱えた。

「さっさとくっつけばいいのに」

「モー子さん!?何言ってるのぉぉぉ!!?」

響き渡る絶叫に顔をしかめた奏江だが、次の瞬間コンコンコンと扉に響くノック音に、そろそろこの子のチェックメイトのタイミングも近いのかしらと天井を仰ぎ、来訪者と入れ違いでこの場を離脱するための心の準備をひとつして、立ち去る自分が持つべき荷物の位置をチラリと横目で確認したのだった。








書けば書くほど「あれ?長編にした方がいいのかな?」みたいなストーリーになってきたものの、長編の場合、これで敦賀さんが本当にやっちゃう流れになるのは私が萌えない・・・。とがっくりきたので、だからどうしてそこまでやっても君たちくっついてないの!?を目指してみたんですけども。
こっから本気になってる狩人敦賀さんがきっとなにかしらやるんだろう。きっとっていうことで←投げた。
ところで。
ビデオテープはその後やっぱり敦賀さんの夕食になりますよね?←発想が最低。
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