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SS・白銀の狐13
こんばんはー。五時です。誤字ですorz
だいぶ時間を空けて再開した時点で多少はあるかと思ってたけど、意外といっぱい間違えてたーっっていう。
しれっと直してきたので、言わなきゃばれないってことにして逃げようと思います。ええ思います。
ただ、逃げるにはさすがに大きい事が一個・・・。。。。あとがきに書いときます。orz ぶわわわ・・・。








白銀の狐 13






狐の姿でもって全速力で都路を駆け抜けた京子は、人気のない川縁まで突き当たるとようやく足を止め、風に揺れる柳の木の下で大きく息を吐き、人型を取り戻すと、額に浮かぶ汗を腕で拭った。

『それに、東宮殿下が琴南さんをいつまで宮下りさせるのかってね――』

(そういえば)

『一か月前から東宮の宮様に呪詛を仕掛けた輩がいたから、その為に』

(モー子さん。言ってた……わよね)

奏江が東宮御所に居た事は納得でいても、はたして、その時点での東宮は『万里亜の父親』だったのか、すでに入れ替わっていたのか。

(私、知らない事ばっかりだわ……)

蓮に尋ねたいけれど、今ここに彼はいない。家に帰ったところで奏江がいつ帰ってくるのかもわからない。
八方ふさがりの状況に頭を抱えたい気分だ。

「社さん……さっきのモー子さんの反応の理由、何かご存知ですか?」

ここにいるなら答えてくれるはずだと京子が尋ねると、姿隠しをしていた社が京子の声に呼応するように姿を表し、彼もまた、めいいっぱいの速さで京子を追いかけて来たらしく息をきらせており、肩を上下させながら答えた。

「俺にも、分からないな。琴南さんが東宮御所で仕事を任されていた事は聞いていたけど、蓮が何も言わなかったから」

「ですよね……」

必要な事は必ず口にする蓮が何も言わなかった。だから京子も社も今の今まで迂闊な事に奏江と東宮の関係を頭の中で結ぶ事が出来ていなかった。
けれど、東宮の近くにいるのならば、今そこにいる飛鷹が入れ替わっている事に気付いていないのだろうか。

「俺達は式神だし、他の大多数の人間の記憶が操作されても、琴南さんはありえない思うんだ」

「じゃあ、入れ替わった後に東宮御所に呼ばれたって事……なんですかね」

だとするなら、蓮も奏江も万里亜の父親については知らない事であるはずではある。
けれど、京子の心のどこかに何か引っかかるものがあり、その言葉に表す事の出来ない謎がしゃくぜんと残る。

「モー子さん。絶対、私に気づいてましたよね?」

「……うん」

「なのに、衛兵を呼ぶなんて……」

追われる事は京子にとって恐怖だった。
故郷ではいじめる側に追いかけられ、狐として人里に降りれば獲物として追われ、良い思い出は一つも無い。

「琴南さんにも都合があったとは思うんだ。じゃなきゃ、おかしい。俺も彼女も蓮の式神なんだ。蓮を裏切る訳がないからね」

「つまり、蓮さまの為に私を追い払わなければならなかった事情があったという事ですか?」

「…………だと思う」

肯定しているはずの社も歯切れが悪かった。それは彼にも理解出来ない出来事だったのだと京子に伝えたが、困惑は深まるばかりだ。

「宮に戻ったら蓮に交信して詳しく聞いてみるから、ね?」

だから帰ろうと言う社に、京子はそうですねと力無く呟いた。
結局、自分には何も出来ず、蓮の言葉を待つしかない。

「――理由を、教えてやろうか?」

「え?」

突如、後ろからかけられた声に京子の身体がぎくりと強張った。

(人の気配はなかったはずなのに)

警戒感も露わに振り返ると、そこには黒尽くめの装束を着た妖しい美貌の男が気怠げに立っている。

「安倍晴明が何を隠しているのか。知りたくはないか?」

「だ、誰!!?」

「京子ちゃん!」

振り返った先にいる怪しげな男に危機感を感じた社が京子を守る為にそばへと駆け寄ろうと足を踏み出した。

「はーい、邪魔しちゃ駄目だよ」

「え?うわあああ!」

「社さんっ!?」

さらに突然現れたもう一人。長髪の男が社の背後から腕をねじり上げると、簡単に地面へと組み伏したのだ。
前方には怪しげな黒い装束の男。後方には社を取り押さえ、馬乗りになり胡散臭い笑顔を浮かべた長髪の男。

「あなたたち。誰?」

神将である社を封じ込めるなど、普通の人間である訳がない。京子は気丈に男を睨みつけるが、黒い装束の男はそんな京子の視線を軽く笑う。
じゃりっという足音を立て、一歩、二歩と歩み寄ってくるが、すぐ後ろに社が捕らわれているのだから京子に後退は許されない。

「……俺はレイノ」

「レイノ?」

あと一歩の距離まで詰められるとさすがに京子が一歩下がる。
するとレイノは愉快そうに口角を上げた。

「芦屋道満と名乗った方が伝わるか?」

「芦屋って!?じゃあアンタが万里亜ちゃんのお父様をっ!」

「さあ、それはどうだろうな」

「京、子ちゃっ、逃げっ、ぐぁっ!」

不敵な笑みを浮かべるレイノに、底知れないものを感じ、社はなんとか京子を逃がさなければともがくも弥勒の拘束は身体に食い込むばかりで、顔面がやすやすと地面に押し付けられた。

「社さんっ!」

「こらこら。邪魔しちゃ駄目だろ?」

「弥勒。壊すなよ」

「あいよ。同じ式神なんだ。加減は心得てるさ」

「俺と同じ……!?」

「弥勒は俺が作り出した式神だ。でなければ不意をついたとはいえ、末端とはいえ、仮にも神の眷族を押さえられんだろう?」

「っ!!」

弥勒が社と同じく式神であるならば、社が捕まってしまった事にも説明はつく。けれど……。

「こんな事してっ、一体何を企んでるの!?」

「企むとは人聞きが悪い。俺の仕事は雨を降らせる事だ」

「……雨?」

それは、確かに今、陰陽寮を中心に急務とされている事柄ではある。
けれど、続くレイノの言葉は京子にとって信じがたいものだった。

「この都から雨を奪っているのは、安倍晴明だからな」

「…………そんな事、ありえないわ……」

蓮は今、雨を降らせる力を得る為に異界で十二神将を作り出そうとしている。
その蓮が都から雨を奪う理由がない。
けれど、レイノは京子を見てクッと低く笑った。

「信じようが、信じまいが、これは事実だ。現に晴明の力でこの国の東宮が一人、消されているだろう?」

「な、なんで晴明さまのせいだって言えるのよ!?アンタがやった事かも知れないじゃないっ!」

「そうだ!晴明がそんな事、する理由がないっ」

「だーから、レイノの邪魔すんなって」

「ぐっ!」

「社さん!!」

口を挟んだ社を弥勒が容赦なく地面に押し付け、社の頬に擦過傷からの血が滲む。

「確かに俺の力は強い。だが、俺は人間だ。人の力では大量の記憶を書き換える事など出来やしない。出来るとしたらそれは妖の類の力……だ」

「何を言いたいのっ」

レイノの言葉に耳を傾けていると、確かにと納得してしまう部分はあった。

大量の人間の記憶の書き換えが出来るだろうかというのは京子とて引っかかっていた事なのだ。

巨大な力が必要である事は間違いない。
だから芦屋道満が人ではないかもしれないという疑惑も抱いた訳だが、レイノは自分は人間だと言う。

「人と狐の子である安倍晴明ならば、出来ると思わないか?」

「っ!そんな理屈が通る訳がっ」

けれど、確かに、安倍晴明の力は強大で、出来る可能性は誰よりも高い。
京子にも蓮の力の底が見えた事がないのだ。

「では、他に出来るヤツを知っているか?」

「それは……だから、あんたがっ」

京子の中にありもしなかった蓮への疑念が植え付けられていくようだった。

「俺には出来んさ。現に封じられている東宮の封印が解けん」

「封印?じゃあ、あんた!」

つまり、レイノは万里亜の父の居場所を知っているという事になる。

「始めは自分で晴明がかけている封印を破ろうとしたんだがな。どうやら俺と晴明の間の力の差は大きいらしい。破る事ができん」

「なに。気持ち悪いわね」

敵を認めるような素振りを見せるレイノを京子は不気味だと感じた。

「だからだ。封印を解く為にお前の力を借りようかと思っている」

「私……?」

「東宮を助けたいならば共に来い。京子」

すっと伸ばされた手に京子はたじろいだ。
京子が考えていた事と、今告げられた話は全く交差しない。
今ここで簡単に信じるのは危険すぎる。

「東宮さまを助けて、あんたにどんな得があるっていうのよ」

善意などとは間違っても口にするタイプでないだろう事は雰囲気で分かる。ならば何故、レイノが万里亜の父親を助けようとしているのか。
そこに真実があるはずだと京子はレイノの表情からも企みを読み解くべく神経を研ぎ澄ませる。
けれど、そんな京子の決意をせせら笑うようにレイノは至極あっさりと言い放った。

「東宮を解放すれば雨が降るからだ」

「繋がってる……って事?」

雨が降らなくなった後に東宮が入れ替わった。
てっきり関係のない別々の事件だと考えていたのに、東宮が戻れば雨が降る。それは聞き逃せない事だった。

「晴明に聞いてもヤツは答えんだろうさ。真実が知りたいのなら自分で選べ」

「……っ……」

蓮を信じていない訳ではない。
けれど、蓮の事を全て知っている訳でもない。

「……だめだっ!京子ちゃんっ」

蓮の事が好きで、信じている。けれど、それでも。
蓮が京子に決して踏み込ませないようにしている計り知れない部分がある事が京子に決断をさせた。

「一緒に行ってあげるわよ。連れていきなさい」

父親を恋しがる万里亜の為にも、一刻も早く探し出し、再会させてあげたい。

だからこそ。社の制止を振り切った京子はレイノの手を取った。




――――――――――――――



「ついて来い」

京子の同意を得たレイノは、弥勒に後を頼むと言いおくと、京子を連れて歩き始めた。
碁盤の目のように整えられた道にはあちこちに寺や神社があり、また商人が道なりに構えた露店で商売をしている光景が続く。
真上にあった太陽がオレンジ色になるまで歩き続けると、レイノはようやく足を止め、この先だと顎をしゃくり示す。

「ここ……?」

長い石段を登り始めたレイノに続いて京子も階段を登る。
頂上まで登ると古めかしい朱色の鳥居の先に境内が見える。
どうやら寂れた神社の社らしい。

レイノはスタスタと境内に歩み寄ると、南京錠で閉じられている扉に向かい、手を翳して呪文を唱える。
すると程なくして錠はガチャリと音を立てて落ちた。

「見ろ」

顎で示す先にある光景に京子は息を飲んだ。

「男の……人?」

透明の棺の中に男が一人横たわっている。
表情はただ眠っているように穏やかで、肌の色に生気は感じられるが、それでもきちんと生きているのかを疑いたくなる光景だ。

「この男が東宮だ」

「……この人が……?」

「ああ。仮死状態で死んではいない。見ろ、晴明の紋だ」

レイノが指差してた先。棺の真ん中には京子も良く知る五芒星が刻まれている。

蓮が使う術札には必ず記されている安倍晴明の証がそこにある事実に肌がゾクリと粟立つ。

「嘘っ!?」

そこに記しが刻まれている以上、これは確かに蓮が行った事なのだ。
けれど、信じたくは無い現実が広がっている。

「それは晴明に聞くと良い。答えんだろうがな」

「こんなの、どうやって解くのよ!」

五芒星が刻まれている以上、蓮の術式である事は疑えない、そしてだからこそレイノが解けないと言った理由も分かる。
現に京子にはどういった類の術なのかも見当もつかず、本当にこれが蓮による所業ならば恐ろしいとさえ思う。

「言っただろう。お前の力を借りようと思うと」

「無理よ。私には分からないもの」

けれど、レイノはなおも言った。

「開ける為に必要なのは安倍晴明の手だ」

「手?」

「安倍晴明の力の片鱗があれば解ける」

「片鱗って、私は何も持っていないわよ?」

持っているとするならば、擬態を安定させるための守り札が一枚と言ったところで、それが役に立つとも思えない。
一体何が必要なのかは京子には分からない。けれど、レイノは持っているだろうとぬっと京子に近づいた。

「お前からは晴明の匂いがする」

「は?」

一体何をと問おうとした瞬間、レイノの手にじゃらりと数珠が光り、伸ばされた腕が京子の肩を柱へと押し付ける方が早かった。

「きゃっ!」

痛みに顔をしかめ、何をするのと鋭い非難を浴びせるが、特に気にした様子のないレイノは、京子を部屋の柱に押し付けたまま、前合わせに指をかけて笑う。

「晴明の精気を与えられているのだろう?」

「っ!?」

「だから、俺にお前の匂いをつければ、あれは解ける」

「い、嫌っ、離して!」

着物が乱され、割り開かれた裾の間にレイノの膝が押し当てられた。
全力で抵抗するも、簡単に床へっ押し倒され、線の細いながらもレイノも雄だという事を思い知る。

「離してってば!」

「諦めろ。どうせすぐに良くなる」

「いやだって言ってるでしょぉぉ!」

肩がはだけ、首筋に唇が押し当てられる不快感に鳥肌を立てるが押し返せない無力に京子の声が切羽詰まったものになった時だ。

「――おうおう、やっと見つけたぜ。元凶をよぉ」

戸口から聞こえてきた声の主を仰ぎ見れば。不破松太郎がそこにいる。

「こんな板間でお楽しみ中か?」

「不破、松太郎……っ」

「ほう。陰陽寮の陰陽師か」

松太郎を見上げたレイノは、ゆっくりと上半身を起こしたが、それでも腕で京子を拘束したまま強気に笑う。

「お前からは戌の気配がする。妖の力を取りこんで人ならざる力を手に入れた口か」

「だったらどうした」

ニイと笑った松太郎が二本に揃えた指を持ち上げた刹那、レイノは厳しい顔付きで京子の上から飛び退き、二人の男は京子を挟んだ狭い室内で対峙した。






頭は十二天将にしてたけど、再開した時に十二神将にうっかり戻しちゃってたーっっていう。
だって神将の方が馴染みがありすぎたんだもの・・・そこうっかり忘れてたYO
ただ、ここでヘコヘコしてたら立ち直れずに書くの辞めそうだから、もうそのまま行くよーっていう宣誓。


ところで、不破さんお久しぶりノシ
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