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SS・クリスマスナイト【2012キョコ誕8】
2012年、12/25キョコ誕祭りと題して、12/15の日常会話から始まり20日からはカウントダウンとしてお届けしておりましたが、いよいよラスト。今度は会話ネタじゃないよ!
で、大本命の25日。
まさかの遅刻しました。ちーーーーん。一生の不覚すぎるorz 

オールでカラオケからの寝ずに大掃除からの、回線工事に立ち会った後に買い物に連れていかれた結果、執筆時間がまるっと取れませんでした。なんかもう、へろへろです。へろへろです。そろそろ寝よう。うん寝よう。
15日の小ネタを書いた後、16のネタを思いついて、それからのカウントダウンネタということで、
思いつきも甚だしいのですよ。とはいえ、シチュエーション説明はそこそこOKですよ・・・ね?ということでということで。
ちゃんと頭っからオチまで思いついて書いてたら、もっと素敵なネタになったかもなぁと若干の反省をしつつ。
しかしながら、こういう勢いばったりで楽しくやるのも有りだよと納得させて突き進みませう!

よし。ということで、追記よりどぞー。







クリスマスナイト







時計の針が頂点を追い越したその瞬間。たくさんの人が彼女に祝いの言葉と笑顔を向ける。

それはとても素敵な事で、その中で一番の存在にはなりたいのだけれど、だからと言って狭量な男にはなりたくなくて、俺はほんの少しだけ、見栄を張った――。


「あれ?今年は行かないのか?」

去年は誰よりも先に『おめでとう』って言ってたのにと言う社さんに、今年はマリアちゃんに譲りましたと笑ってみせた。

「おーっ、マリアちゃんが一番手かぁ」

マリアちゃんに続いて琴南さんがプレゼントを彼女に手渡し、口々におめでとうと微笑んでいる。

「んじゃあ、俺も渡してこようかな」

社さんも何かしら用意しているようで、紙袋を手に彼女の方へ歩もうとしていて、俺は彼の背を呼び止めた。

「さっきのプレゼントのお返しをお願いしたいんですけど」

「へ?俺っ、さっきも言ったけど、これ以外は何もないよ!?」

驚く社さんに、物が欲しい訳ではないんですよと笑む。

「いえ。今日の帰りなんですけど、送れませんからタクシーでお願いします」

「え?あ、うん」

なんだ、そんな事?と拍子抜けしたような社さんに、それと、と付け足すと、社さんは何を企んでんだかと小さく笑った。

「それと、今から俺を探さないで下さいね」




――――――――――――――





マリアちゃんがお父さんと一緒に帰っていって、大将と女将さんを見送った後、遅くなってすみませんとやって来てくれた緒方監督と入れ替わるように、明日も早いという天宮さんも帰って行った。
パーティーが終わる時間まで一緒にいてくれたモー子さんを社さんがタクシーで送ってくれるというので別れ、私もそろそろ社長さんにご挨拶をと姿を探すと、片付けをしているスタッフさんしか見当たらなくて、広いホールをくまなく探すように視線を巡らせたのだけれど、やっぱり社長さんはどこにもいなかった。

そして、

(敦賀さんもいない……)

マリアちゃんと一緒にいた時には遠目で姿を見つけて、目があった瞬間、体中の血液が沸騰するようで。
心臓が痛かった。

(笑顔は反則よね……)

忘れようとしている『気持ち』が、敦賀さんの視線一つで簡単に揺り起こされてしまうから、だから、出来るだけ、敦賀さんを意識しないように努めていたのだけれど。

(……どこにいったのかしら……)

敦賀さんが何も言わずに帰る訳もないという確信がどこかにあって、そんな自信を戒めるでもなく。ただ、泰然と不思議に思う。

「最上さま、よろしいでしょうか?」

「は、はい!」

後ろから声をかけられて本当に驚いて、思わず飛び上がった。

「旦那様より、ご案内を言いつけられております」

「え?でも、私……」

挨拶をしたら帰るつもりだったから虚を突かれたと言うのも嘘じゃない。

「クー・ヒズリ様からのお誕生日プレゼントが届いておりますので」

「先生から……?」

「こちらへどうぞ」

「分かりました」

プレゼントを贈ると言ってくれた先生の姿を思い出して、断る理由なんてなくなった私は案内されるままに後に続く。

「こちらでございます」

緋色の絨毯が引かれた階段を三階まで登り、真ん中の大きな扉の前へと促されたのに、開けてくれない事が不思議で視線で問いかけたけれど、ここから先は私には許されておりませんのでと彼は頭を下げた。




重厚な扉の片方だけ押して、部屋の中を窺うと、緋色が続く部屋の中央に置かれた丸く白いテーブルの上に大きな箱を見つけた。

パタンという音を後ろに聞きながら、箱の元へと歩み寄る。

「それが、ミスター・クーからのプレゼントだよ」

「っ!!」

背後からの有り得ない声に驚いて振り返ると、そこに彼は居た――。




――――――――――――――



俺を見つけた瞬間の彼女が、薄いけれど決して容易には破れない膜を一枚張った事はすぐに気が付いた。
いつからかだろう。彼女の瞳にほのかな警戒が映るようになったのは。

「敦賀さん。こちらにいらっしゃったんですね」

「うん。プレゼンターだからね」

父さんに花束を作って来て欲しいと頼まれて、呼ばれたのは偶然だったけれど。
それが二人きりになる理由付けに出来るなら使わせてもらおうと思った俺はとても卑怯。

「プレゼンター……ですか」

「開けると良いよ」

「はい」

俺に背を向けて、リボンをほどく彼女の肩に緊張が見て取れる。

ごめんね。でも、逃がしてあげるつもりはない。

「これ……」

箱の中から現れたのは、観覧車の型をしたフォトスタンド。
それぞれのゴンドラに写真が入れられて、それらが回るようになっているから、回していくと観覧車の表情が変わる。

彼女がカラカラと回すそれは、まだどのゴンドラも白紙ばかりだったけれど、一つだけ色付いた物を見つけ、細い指が止まった。

「この間の写真だね」

一枚だけ入っていたのは、父さんと彼女と、そして俺が映ったほんの数日前の写真。
夜の室内。おまけにセルフタイマーで撮影したものだから、ピントは少しボケていて、タイマーをセットした父さんの体が僅かにはみ出している。
だけど、間違いなく忘れようのない幸せなひと時の証明。

「もっとたくさん思い出を作りなさいっていう事なのでしょうか」

プレゼントに込められたメッセージを機敏に受け止めて、呟いた彼女の顔には迷いが窺えた。

「そうだね。大切な思い出をここに入れて欲しいんだと思うよ、彼は……」

「じゃあ、クランクアップの集合写真なんかも入りますね」

それはとても静かな声で、室内にしんと落ちた。


「プライベートの写真は?」

たとえば、彼女にとっても父である父さんとのソレであるように。

「それは……」

「大切な人との写真を入れて欲しいんだと思うよ?」

「じゃあ、モー子さんや、マリアちゃんとの」

「最上さん」

「大将と女将さんとの写真も入れないといけませんね!」

たった一つだけ逸らされているキーワードを俺が告げる事を察し、拒むような強い語尾に、伝えたい言葉は流れに乗せる事も許されない。

「俺は、そこに入れない?」

「いやですね、敦賀さん。ここに、入ってるじゃないですか」

俺の言葉を誤魔化すように三人の写真を指差している彼女の細い人差し指はほのかに揺れていて、それは、窓から見えるイルミネーションの点滅による影なのか、もしくは、震えているものなのか、判断のつかない距離が心を焦らす。

「これ、タクシーに乗せても壊れませんかね」

フォトスタンドを箱に戻し、そっと置かれていた紙袋を広げながら、視線ごと会話を逸らしてしまった彼女の台詞が、確信的な拒絶なのだと分かってしまい、決意をより揺るぎないものへと変えていく。

「好きだよ」

「……じゃあ、帰りましょうか」

俺の告白をまるで聞こえなかったように彼女は言葉を紡ぐ。

だから、

「結婚して下さい」

ビロードの小箱の蓋を開き、リングが見えるようにして差し出した男を前に、両目をめいっぱい見開いて、お相手を間違っていませんかと口にした彼女の強情ぶりに、さすがに苦笑が零れた。

「どこの世界に目の前にいる好きな女の子を間違える男がいるの?」

「こ、ここにいらっしゃるのではないかと」

「君は最上キョーコさんですよね?」

「……ソウデスネ」

だから、もう一度口にする。

「俺と結婚して下さい。最上キョーコさん」

「どうして私なんですか!?」

君が好きだからと言うと、彼女は信じられませんと声高に言ってのけた。

「だって。好きだと言っても君は聞いてくれないから」

「それは、だって!恋なんて愚かな事はしないって決めてますから!」

強く言い切った彼女に、どうか届きますようにと祈りを込めた。

「恋をしないなら、なおさら。一生返さなくていい。だから、俺の恋を君に受け取って欲しい」

というか返品は不可だけどと軽く笑うと、顔を赤くした彼女がまくしたてるように言う。

「そんな勝手にっ!」

「恋はダメ?」

「ダメです!ダメったらダメです!」

大きく首を振り、怯えるように後ずさる彼女は、小動物が威嚇しているような必死ささえ感じてしまうのだけれど。

「じゃあ、愛なら良い?」

「は?」

「恋がいけないなら、愛してしまおうと思って」

愛の証明が指輪で、結婚という形なら、喜んで俺は君の物になりたいのだけれど?と我ながら無茶な理屈をこねてみると、彼女は盛大に溜息を吐き出した。

「君を裏切らないって誓うから、受け取って?」

そうして長い長い溜息を吐きだし終えた彼女は、俺の持つビロードの小箱へそっと両手で受け止めて、もう、知りませんと小さく俺を咎める。

「お誕生日、おめでとう」

「ありがとう……ございます」

そっと彼女を引き寄せて、腕の中に閉じ込めると、本当に小さな声でずるいと責められたので、返事の代わりに好きだよと呟くと、ありがとうございますという答えが返り、届いた告白に、自然と緩む頬を隠すべく彼女を強く抱きしめてひと時を過ごした。










どっか変だったら明日しれっとそっと直しに来ようと誓いながらのアップでございます。


ちなみに、観覧車のフォトフレームは本当にありました。どこぞの雑貨屋で見かけた時はおばあちゃんへの誕生日プレゼントの第一候補でしたという裏話←え。





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うわー(/o\)
2012年最後に読むのはこちらでと決めてました!
私の二次世界発祥の地ですので(笑)。
来年も素敵なお話し楽しみにしております。
またお邪魔いたします!
ゆみーのん | URL | 2012/12/31/Mon 23:52 [編集]
No title
>ゆみーのん様
コメントありがとうございまーす^^
一年の締めくくりが我が家!ありがとうございます><
とてもうれしいですvしかし、発症の地が我が家で良かったのか悪かったのか(笑)
2013年もがんばります^^また遊びにいらして下さい^^
惣也 | URL | 2013/01/02/Wed 16:12 [編集]
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