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SS・New Year's Day
明け切りましておめでとうございまーーーす!!

見事にタイミングを失いまして。あけましておめでとうございました。
たくさんのコメント、拍手いつも本当に本当にありがとうございます!!!

キョコ誕2012企画の日常会話流れからのクリスマスナイト設定からの。
一年を締めくくるネタとして考えていたネタなのに。アップが1/2ってどういう事!?それは遅刻って事!!

光の箱庭2013の抱負は「乗り遅れない」にしようかどうか悩みます←違うのか。
毎年思ってるのは「今年も貪欲に。」ですけどね。←多分去年そんな事発言してなような気がする。

今年も頑張りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです^^
発売ももうすぐだし、本誌の展開楽しみだなぁ。

繰り返しますが、2012のキョコ誕カウントダウン企画の設定をひっぱっておりますので、その感じでよろしくっす!

みなさま、今年もよろしくお願い致します!!







New Year's Day





一日のスケジュールを全て終え、いつも通りに愛車に乗り込み帰宅するべくアクセルを踏む。
普段と違うのは、これが一年の最後にあたる日付であり、元日は珍しく丸ごとオフになっているという事だ。

この時期になれば都心からは地方へ帰省する人間が多いせいか、都会特有の人混みも常よりまばらに思え、窓ガラス越しに感じる寒気と相まって少し寂しいような印象がある。
それでも時折、人が一方向に集中して流れている道もあることから、初詣にでも向かっているのだろうと思われた。


――ゴーン……ゴーン……ゴーン……


「ああ、除夜の鐘か」

カーナビだけを付けていた為に、信号待ちで停車してしまえば蓮の車のエンジン音は静かなもので、しんとした車内には、どこからかの鐘の音だけが届く。

「もう遅い……かな」

車内で新年を迎えた事自体にはこれといって感慨はない。むしろ、蓮の思考を締めていたのはつい先日、ようやく口説き落とした恋人、キョーコに電話をしても新年の挨拶の一番目になるには難しいかもしれないという落胆に近い。
社の強い勧めで車に携帯電話を固定し、ハンズフリーで通話ができるようにしていたのだが、局のゲートを通過する事を思えば電話をしている訳にもいかず、どうにも生かせなかった。
今頃、キョーコは下宿先の夫妻に挨拶をしているのかもしれない。

(なんでも彼女の一番になりたいだなんて、流石に我が儘だと分かってるんだけどな)

現に、今年のクリスマス。キョーコの誕生日を祝う一番手はマリアに譲った上、ベストスリーにも入っていない。
それにはまた別の思惑もあった訳だが、それとこれとはまた別物で。独り占めしたいという独占欲は今の所、潜める努力が功を奏うし、キョーコへと押し付けるような事態にこそ発展していないものの、通じたはずの恋情は水面下で貪欲に肥大していくばかりで尽きる気配は一つもない。
そんな自分に苦笑を浮かべた所で信号は青へと変わり、再びアクセルを踏み込むと、そんな蓮の視界の隅で真っ黒だった液晶画面にパッと光が灯るのが映った。

――プルルルル

着信の音に前を向いたまま指先で通話ボタンをタッチする。

「――もしもし?」

『……あの、最上ですけど』

「最上さん?」

今まさに思いを馳せていた相手からの着信に、心が面白いほど跳ねた。

『今、お電話は大丈夫ですか?』

まだお仕事中でしたか?の問いかけに大丈夫だよと返すと、安堵したキョーコが良かったと綻んだ声をあげた。
それだけで無機質かつ静かだった車内にも柔らかな空気が満ちていくような充足感が訪れ、蓮の表情も自然と和らぐ。

『あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします』

「こちらこそ。明けましておめでとう」

『今、ちょうど鐘が鳴り終わったので、まずは敦賀さんに新年のご挨拶をと思いまして……』

「俺が一番最初って事?うれしいな」

思わず頬が緩んでしまう自分を抑えられず、確認すると電話口のキョーコがそうなんですけどすみませんと詫びて小さくなった気配が伝わった。

「どうして謝るの?」

気にする事なんて何もないのにと笑うと、キョーコがいえと口ごもる。

「付き合ってるんだから、こうやって連絡を取るのは極普通の事だと思うんだけど?」

『付きっ……そ、そうですね……はい。そうでしたよね』

「なに?まだ慣れない?」

『いっ、いえ!なんでもないですっ。改めてそうおっしゃられたのが……そのっ、恥ずかしかっただけで』

「そう?最上さんから電話をしてくれて本当に嬉しかったんだよ?」

『そ、そう……ですか?ありがとうございます』

緩やかな変化に焦れた結果、半ば無理やり口説き落とした自覚があるからこそ、キョーコの自発的な行為が嬉しいのだとどう伝えれば良いのだろう。

「うん」

『では、あの、わ、私っ、これで失礼しますっ』

「え?ちょっと待っ……」

目の前に自宅マンションが見える距離まで来ていたが、こうなったら一目会いに行かなければと判断し、車をUターンさせようとしたその時だ。


――カンカン……火の用心、カンカン、火の用心っ

『――火の用心、――火の用心っ』

「……最上さん?」

窓越しに聞こえ、携帯電話からも重なるそれは、明らかに同じもので、蓮の思考は思わず停止した。

『えっ、あーっ、その……』

「最上さん。ひょっとして、今、家の近くに来てる?」

『いえ、あの…………ハイ』

「ちょっと待ってて」

急いで車を駐車場に止め、車の施錠を目視する時間すら惜しみ、ロック音を背後に聞きながら冷たい空気を吸い込んだ。

『あの、敦賀さん?』

「いいから。どこにいるの?」

有無を言わせない強さで引き止めなければ逃げ帰ってしまいそうで、慌てて正面玄関まで駆け、あたりを見渡す。
柱の裏、駐輪場の影や道路の左右を確認するがそこに人影はない。
思わず吐いた白い息が暗がりの空に溶ける。

――カサリ

「え?」

『「あの……』」

背後から木の葉のざわめきと共に声がした。

「……お帰りなさい」

背後から聞こえた声に反応し、ぐるりと振り返れば、植え込みの影に小さくなったキョーコが小さく顔を出していて、その頭には植え込みの葉がいくつか引っかかっている。

「その……隠れてないとって思いまして……」

「うん」

そっと手を差し出せば、おずおずとではあるが、小さな手は蓮の手に重ねられた。
冷たい指先を温めるように握り返し、軽い体を植え込みから引っ張り出すと、茶色い髪にまとわりついている木の葉にすら自分より長くキョーコとこの場所に留まっていただろう事に軽い嫉妬を覚えて払い落とす。

「明けましておめでとうございます」

「明けましておめでとう」

会えたのだからやはり口にしておかなければと思ったキョーコが先に頭を下げ、そうして蓮はキョーコが持っているスーパーの袋に気付き、それに気付いたキョーコが慌てて言い訳するように口を開いた。

「年越しそばなんてどうなんだろうと思ったりもしたんですけど、あの……はい……」

もう年、明けちゃいましたよねと気恥ずかしそうに笑うキョーコの耳朶がほんのり赤らんでいる事がどうにも愛おしく、甘い疼きに微笑みは溢れるように零れる。

「ありがとう。本当にうれしい」

「う……こ……今年も敦賀さんの笑顔は眩しいです……」

どんどん赤くなっていくキョーコの横顔に瞳を細め、繋いだ手を持ち上げると、冷えた甲に唇を寄せる。

「ひゃっ!」

「すっかり冷えたね。部屋に行こう」

「――はい」

新しく始まった二人の時間が、優しく柔らかく、そして確かに重ねられていく事を予感させるひと時であった――。











良いお年を☆ って零時に出来てたら私めっちゃかっこよかったんじゃないかと思うネタだったはずなのに。

な ぜ 遅 刻 し た !!! ←年末特番に夢中になっていたせいです。orz



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