スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

ACT.196本誌続き妄想
こんばんはー!生きてます。生きてますよー!!
年始から色々とゴソゴソやってたら気が付いたらこんなに日にちが!!
しかし、寒すぎてもう体が動きません。もうお布団の中で虫になりたい←

はっ!拍手コメントいつも本当ありがとうございます!
通販到着コメント&感想もうれしく読ませて頂いてますー!お返事出来ない子で本当すいません。
パスワードも順次返している所ですので、もう少しお待ち下さいませー!!




ACT.196 本誌続き妄想







どうしようもなく愚かな感情が揺り起こされてしまう。






『刻んでもいいか…? 誓った証をここに――』


この肌にあの男(ヒト)の指先が触れた途端。まるでシャボン玉が弾けるように容易く、そして恐ろしく激しい電流が全身を駆け抜けた。

敦賀さんが触れる。それだけで心臓が打ち抜かれ、脈動が耳の奥でつんざく。

『教えてやる事もできる』

まるで心臓がバラバラになってしまうような鋭い痛みに耐えきれず、『私』は彼を拒絶した。

証しを刻まれたらば最後。
それは呪いのように私を内側から侵し、壊してしまうのだろう。

(……この感情は……なに?)


――特別になりたい。

――私のものにしたい。

――同じでは……嫌。

それは有り得ないはずの、覚えるはずの無いもの。
だけど、この感情の名前には、望ましくない心当たりが一つだけあった。

よぎる答えを認めたくはなくて、どうにか雪花のテンションを保ったまま腕の中から逃げ出したけれど、こんな拒絶なんて本当はもう遅いのだと、とっくに手遅れなのだと否が応でも自覚出来てしまった現実に胸が痛い。

一度触れられただけで、なんという有り様なのか。


(敦賀さんがこれまで女のヒトと『そういう事』をした経験がある、なんて。当たり前の事なのに……)

立派な成人男子で、
格好よくて、
温厚で、
優しくて、
かと思えば夜の帝王のような顔を持っていて、
誰からも望まれるような人が誰とも肌を合わせずにいた訳がない。


(当たり……前……)

あの人に見つめられれば墜ちない女性なんていないんじゃないかと思う。

分かっているのに。

(……過去に嫉妬させられるだなんて……)

彼の体に鬱血を刻み、そして彼から愛を刻まれた女性がこの世界のどこかにいるのだと思うだけで、腑が簡単に煮えくり返る。
どうしようもない話だと分かっているのに、それは嫌だと本能が叫ぶ。

「こんなの……ちがう……」

この気持ちが何なのか考えたくないのに。

(ちが……わない)

これは間違いなく。

抱いてはいけない感情。


(……敦賀さんを……望むだなんて……)

いけないのだと抑えようとする理性とは裏腹に、肥大していく衝動が止まらない。


自分の中にある浅ましい独占欲に背き続ける限界を感じていた――。





――――――――――――――



彼女が他の男で修行を積むだなんて言い出すとは微塵も考えつかなかったから、正直、本気で焦った。
慌てて部屋に閉じ込める為に買い物を取って代わり、風呂に入っておけと言い置いた訳だが、部屋を出る時、俺はうかつにも鍵を持って出なかった。

コートのポケットに入れたままだった財布のお陰で必要な買い物はどうにかこなす事が出来たが……。


(扉を叩く事を躊躇してどうする)

戻ってきたものの、部屋の前でかれこれ何分佇んでいるのか。

――彼女が真摯に雪花だったからこそ、今がある。

――俺が迷い、ブレていたからこうなった。

――今、役者として負けているのは間違いなく俺だ。


(ここからは俺が負ける訳にはいかない)

年長者であり、役者としてのキャリアの差もある。
この扉の先にあるのは負けられない戦場なのだという事にようやく思い至った。

(芝居の楽しさをやっと思い出したんだ)

だから、もう揺らがないと、――誓う。


ふううと長い息を吐き出し、ぐっと腹を括るとコンコンと扉を叩いた。

(……出ない?)

反応の無さに訝しさを覚えながらもう一度扉を叩く。だが、やはり返る声は無い。

(雪花ならカインが帰って来たら一も二もなく出迎えるはずだろう?)

もう一度扉を叩こうとした所で扉越しに「兄さん?」と問いかける彼女の声が伝い「ああ」と短く返すと、ソレはキイイと安い金属音を立てて内側に開いた。





開いた扉の先。そこにいたのは間違いなく彼女――雪花だ。

(おいおい……)

平然と出迎えた彼女が身に纏うのはブラとショーツだけ。なんとも刺激的すぎる下着姿にバスタオルを肩に羽織っただけというとんでもないものだった。

「っ……」

思わず絶句した俺を、なんでもない顔で彼女は室内へと招き入れる。
そこには羞恥など一片も見当たらず、雑念ばかりの自分と比較し、やはり彼女は深く雪花に入り込んでいるのだと敗北の苦味を痛感した。

「お帰り」

(だが、いくら風呂上がりだからって……これは……なぁ……)

ホテルのパジャマを着るようなキャラクターじゃない事なんて分かってる。だがしかし。

(今まではキャミソールにズボンだって履いていただろう……?)

なぜこのタイミングでこんな状況になってしまうのか。

「髪、乾かしてた途中だったから」

俺の考えを見透かしたように彼女は淡々と最もな理由を告げる。
ふいと踵を返し、部屋の奥へ向かう後ろ姿を追うとわずかな時間差で場に残る甘い香りが鼻孔をくすぐった。
風呂上がり特有の肌に落ちている雫や蒸気が一層香り立たせているのだと気付くと、自然と喉はごくりと鳴る。
肩甲骨の隆起や下着から伸びる華奢な肢体に目は釘付けだ。

「……そうか」

俺の帰りは遅くなったと思っていたが、雪花の入浴もなかなかに長いものだったらしい。

「早く服を着ないと風邪を引くぞ?」

テーブルの上に買い物袋を置き、視線を逸らしてはみたものの、まぶたに残る白い肌の残像が簡単には振り払えない。

「アタシが心配?」

くるりと彼女が振り向いた。

(っ!正面はまずい!)

薄い布しか纏っていないにも関わらず、全く物怖じしていない彼女が俺を見上げる。
メイクオフしているというのにその顔に浮かんでいる蠱惑的な微笑みは、最上さんのものではなく、雪花そのものだ。
誘われているのかと錯覚しそうになる艶やかさは心臓に悪い。

(平常心。平常心。……彼女は、妹だ)

「俺がお前の事を考えていない時があったと思うか?」

状況のまずさに気付きながらも、ここから彼女がどう出るつもりなのかと展開を期待する自分がいるのも事実だった。

「んふふ。兄さんが心配してくれるなら、しばらくこのままでいようかしら」

「……セツ」

楽しそうに笑う妹に頭痛を覚えるカインとして、呆れ顔で溜め息を吐いた。

確かに雪花はそういうキャラクターだが、中身は間違いなくあの彼女なのだ。
互いの心の平穏の為にも早く服を着てもらわなければと思案する。

「なあに?」

ここで俺が持っていき方を誤る訳にはいかない。
間違えれば、雪花の中にある天の邪鬼を引き出す事に繋がるのだから。

「いいから。遊んでないで服を着ろ」

風邪を引くだろうともう一度繰り返すと、彼女は長い睫毛に彩られた瞳をパチパチと瞬いて俺を見据えた。

「アタシの身体ってそんなに見るに耐えない?」

そんなにひどかったかしらと自分のプロポーションを確認してみせる彼女は、どうやら俺の戸惑いを不快感を覚えたものだと解釈したらしい。目を丸くして驚いており、思わずそうじゃないと告げる。

(まいったな……。このままでは主導権が握れない)

「なら、なに?」

半端な理由では許さないわよとばかりにきりりとした双眸が見上げている。強い視線には俺の余裕を残らず絡め取る、抗いがたい魅力があった。

「……この間みたいに突然監督が来たりする事だってある。そんな格好では困るだろう?」

「あら?そんなの、待たせておけばいいじゃない」

「そういう問題か……?」

「はーん。なるほど。兄さんは可愛いアタシがセクシーすぎて目の毒なんだ」

言い募ろうとした俺を遮り、兄さんってば可愛いと笑う彼女には小悪魔でも憑いているのだろうか。
ああ、そうだと肯定すれば、彼女の頬はほんのり赤らんだ。

「兄さんだって似たような格好だったじゃない」

「そうだったか?」

とは言え、俺が露出したのは上半身だけで、下着姿になどなっていない上、一度部屋を出た時点で身なりは整えているんだが。

「そうよ」

近付いてきた彼女が、俺のインナーのファスナーを一気に滑り下ろした。

「ほーら。これでお揃い」

「セツ……」

彼女に剥かれるのは二度目だが、予想外も過ぎれば開き直って楽しむしか道が残されていない。

「お前。俺で遊んでいるだろう?」

「バレた?」

「ああ」

このやり取りを無理矢理に終わらせる事は可能だったが、それではまた負けてしまうような気がして、あえて逃げる事をやめたのだが、そんな俺を理解していないだろう小悪魔はさらに微笑む。

「悪い妹だな」

「え?きゃっ」

あまりにも無邪気かつ妖しく笑む雪花の姿に、起死回生の一手は自分から攻める事だと判断した俺は、腕力に物を言わせて彼女をベッドの上へと押し倒す。
けれど、それにすら怯える事もなく、彼女は感情の読めない瞳で俺を見上げた。

「だって、兄さんがアタシに嘘なんてつくから」

「嘘?」

(一体何を……?)

それがこの引くに引けない現状の始まりだとしても、何を指しているのか分からなかった。
けれど、彼女は当然の事を責めるかのように言葉を紡ぐ。

「アタシの事を考えていない時が無いだなんて、嘘でしょ?」

「どうして?」

雪花はカインの為に、カインは雪花の為に。それはヒール兄妹を演じる上での大前提だろうに。

「他の女としてた時にアタシの事考えてたって言うの?」

「セツ……?」

じっと見上げてくる雪花の姿が揺らいで見えた。

(これは……誰の台詞だ?)

繋がっているようで繋がっていない設定に、どこか違和感がある。

「まさか、セックスと愛情は別物だ、なんて。どこぞの雑誌で見たような男の台詞。吐かないわよね?」

「……言わないな」

(どこの雑誌で仕入れた知識なんだか……)

違和感がはっきりとした形となって目の前に現れたのは気のせいではないはずだ。

「お前だと思って抱いていた。と言ったらどうする?」

その先の答えを知りたいという欲望を殺す事も出来ず、俺はそう、彼女に告げた――。








・・・・・・つづく・・・? ←とかあとがきで締めくくってたんですが。
続きは丁度予定していたシティ新刊を続き妄想まとめ本にして、そこで書き下ろしで4Pほど書きまして・・・しばらくアップ予定はありません。本当すいませんorz


スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

続き求む
このまま終わりってことでしょうか?そんな、殺生な。
続きを求めてはいけませんでしょうか?このまま終わらせないでほしいです。
美音 | URL | 2013/01/16/Wed 21:13 [編集]
No title
>美音さん
今さらレスですみませんーっ><
おまけにご所望の続きは一月シティ本のみに書き下ろしてしまいましたとかで腹切りで申し訳ございませんーっ><
コメントありがとうございましたーっ
そうや | URL | 2013/04/04/Thu 20:38 [編集]
トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.