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SS・秘密の味は蜜の味/前編
突然ですが。全三話です。
なんかこう、2013一発目のキター(>□<)っていうひらめきの元に書いたお話であります。
・・・まあ閃いたから面白いのかと言えば、私にはもう分からないんですけども。
恋愛要素薄いしorz スキビの将来妄想話って感じです。
で、どこまでありそうって話にできるかなぁがテーマなので、ほほう^^って思って頂けたら…いいよねぇ。





秘密の味は蜜の味








それはある昼下がりの出来事だった。



蓮を訪ね、トラジックマーカーの監督である近衛がLME事務所ビルの一室を訪れたのだ。



「ライブビューイング……ですか?」

「そう。最近、アーティストのライブなんかでもよく使われているだろう?各地の劇場へのライブ映像配信。これならリアルタイムで全国に舞台挨拶の様子が一斉放送出来る」

「それは、確かに」

近衛の申し出は、映画を見た後の観客に、ライブビューイングを使い、全国一斉にBJの正体をばらしてはどうかという提案だったのだが、蓮の隣で話を聞いていた社が少々困惑を滲ませて口を開いた。

「ですが監督。蓮……BJの正体は映画の公開からしばらくは謎にしておくはずではなかったんですか?」

BJを演じた役者、カイン・ヒールを蓮が二重に演じていた事実を知るのは近衛や社を始めとした極僅かの人間だけで、だからこそ、その暴露の時期はしっかりと見極められなければならない。

「確かにトラジックマーカーは今季の興行収入を塗り替える好調っぷりではありますけど、今は公開の二週目です。この微妙なタイミングで正体を明かすのは、あざとい印象になりませんか?」

一度映画を見た人間はBJが蓮だと知れば、BJの演技の中に『敦賀蓮』の片鱗を探してやろうという好奇心に駆られ、再び劇場に足を運ぶかもしれない。
だが、そんな安い集客術に『敦賀蓮』のブランドが使われる事があってはならないと社は考えている。

「確かに発表時期は追々という事で明確には決めていませんでしたが、うちとしては今のお話をそのまま受けるのは、率直に難しいと思います」

社としては、元々、公開前に敦賀蓮の新境地として大々的に売り出したい意図があった所を、わざわざ秘密にするとされてしまったのだから、ここで中途半端な事はさせられない。

少々言葉尻が厳しくなってしまったのは、こうした私情が混じった感も否めない。けれど、そんな社をフォローするように当人、蓮がやんわりとした空気で口を挟んだ。

「うちのマネージャーの言う事は確かに最もですね。俺も『敦賀蓮』が出ているから見に来るのではなく、純粋にトラジックマーカーの面白さによって何度も劇場に足を運んでもらえてこそ、価値が出るんだと思います」

そんな二人に向かい、近衛は満足げに笑い返してみせる。

「それはもちろん僕もそうだよ。そしてそれだけの自信作として世に送り出した映画だし、トラジックマーカーは間違いなく僕の生涯を通しての代表作になるだろうという自負もある」

ではなぜこんな事を言い出したのかと二人は瞬き、視線で問う。

「僕がやりたいのはね、最後の最後。後がなくなってからの暴露なんだ」

「最後……と言いますと?」

拳を握り締めて語る近衛は鼻息も荒く、彼の中に生まれた熱い願望を語り始めた。

「劇場での最後の上映後。キャストもスタッフもマスコミも、そしてお客さんも全て集めてだよ。最後の最後。トラジックマーカーを見終わった後の興奮が冷めやらない中の舞台挨拶で、BJが敦賀くんだと知った時の会場を包むだろう阿鼻叫喚。見たいと思わないかい?」

「それは……」

しかし、それではもう一度映画を見たいと思っても、劇場公開は終了してしまっている事になる。
あざとい集客術はごめんだが、下手なプロモーションも作品に傷を付けるだけだという事は、蓮と社、二人には良く分かっていた。
けれど、近衛は二人の心配は杞憂だと力強く胸を叩いて誇ってみせる。

「このタイミングで公表する事で、観客はついさっき見たはずのトラジックマーカーを思い出そうと何度も何度も考え込むだろう」

それこそついさっき見たばかりなのだから、真新しい記憶からはたくさんのシーンを思い出す事が出来るに違いない。

「それは、そうですね」

再び見る事が叶わないならば、頼りになるのは自分の記憶だけなのだから。

「こうなると、彼らが思い出せるのは先入観のない状態で心に強く残ったシーンになる」

「はい」

「おそらく。大多数の人間が思い起こすのは、トラジックマーカーの肝であるBJ、つまりは敦賀くんの狂気の演技だ。そうやってみんながBJを演じる君を思い出し、その中に敦賀蓮の雰囲気が微塵も存在していない事に気付く。みんなが敦賀蓮という役者の凄さを体感し、二重の感動を追加して得る事が出来るんだよ。楽しいと思わないかい?僕は正直、考えるだけでゾクゾクするね!」

夢を追う少年のような輝く瞳で語る近衛の顔には、絶対の自信が滲んでおり、そしてBJの演技の完成度に同じく自負を持っている蓮にはこの熱い思いを否定出来るはずもなかった。

「あーでも、ブルーレイの発売は、同時期に公開している劇場作品より明らかに早くなるだろうから、あざといと言えばあざといかもしれないけどね」

話にオチまで用意してハハハと笑う近衛の姿に、蓮にも釣られた笑みがこぼれた。
もう一度見たいと言う欲求を極限までに高めた状態でのソフト化。それは売上的な意味では爆発的な効果を生むだろう事は想像に容易い。

「監督がそこまで考えて下さっているなら、俺に異論はありません」

社さんはどう思いますか?と矛先を向けると、監督の熱意に打たれた社も事務所もOKしてくれるだろうという意志を示し頷いた。

「それでだね。僕には一つ気になる問題があるんだけど」

「問題……ですか?」

一体なんでしょうかと問う社に、蓮もはてと考え込んだ。

「トラジックマーカーの打ち上げパーティーはこの翌日に予定されていてね」

「はい」

それが何かと首を傾げる社の隣で蓮が小さく「あ……」と声を上げた。

「観客やマスコミは知らない事とはいえ、キャストやスタッフはカイン・ヒールの正体が敦賀くんだった事に驚いた後、冷静に考えると思うんだよね」

気付いた蓮はですよねと呟き、社はまだピンと来てないらしく、疑問符を浮かべた顔をしている。
近衛は静かに続けた。

「じゃあ妹の雪花・ヒールってなんだったの?って」

実際にはカイン・ヒールが存在しない以上、どう見ても蓮の妹でもない訳だ。あれ?と疑問に思われても仕方ない。

「カイン・ヒールが敦賀くんだとバレないようにフォローする為のマネージャーを兼ねた役者さんだった……でいいのかな?」

「間違ってはいませんね。むしろ完璧な説明文だと思います」

「ただ。僕が口頭で説明しても、で、誰だったんですか?っていう謎は残っちゃうと思うんだよね」

「ですかね……」

「と、言うわけでさ。こちらとしては、打ち上げパーティーに雪花さんを連れて来て欲しいんだよ」

「監督。京子ではなく、雪花を……ですか?」

困惑した蓮の言葉に近衛はうんと頷いて返す。

「間近で見た僕が言うのもなんだけど、京子さんって変幻自在すぎて、本人がポンとやって来てもみんな信じられないと思うんだよね」

BOXRもDARKMOONも見た目から違いすぎてさと近衛に言われとしまえば、蓮も社もそれ以上返す言葉が見つからない。

「分かりました。では、雪花の格好で連れて行かせて頂きます……が、雪花を演じさせた方がよろしいですか?」

まだ日数がある以上、スケジュールはどうにか調整はつくだろう。社が是を返す形で話は進む。

「いやいや、ビジュアルが確かな証明だからね。中身は京子さんで構わないよ。その方が正直、話し易いし」

「分かりました。彼女にはマネージャーがついていませんので、私が二人に付く形になりますが……」

「もちろん構いません」

進んでいく社と近衛の会話の隣で一人、浮かない顔の蓮が居たのだが、詳細を詰める事に集中している二人がそれに気付く事はなく、かくして、敦賀蓮が雪花・ヒールのエスコートを務めるという、一種異様な展開が定められたのである。







ちょっとこういう展開ありそうって思ってもらえるお話になってたらいいなぁ^^
キョーコさん欠席ですが。次から出て来ます。
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今晩は!なかなかコメント出来ていませんが毎回毎回悶えながら読ませていただいています。
ここ最近は1月に1度しか本誌に出ないので欲求不満ですがいつも此処で補充しているのですが今回の話が自分でも妄想している箇所なので思わず…。
どういう展開になるか楽しみにしています!
砕煉 | URL | 2013/03/01/Fri 00:51 [編集]
こんばんはー^^
>砕煉さん
お返事が今更で本当すみませんーっ><
カインの正体をばらすのがどうなるのかっていうのはついつい考えちゃう所ですよね!!コメント頂けてとてもうれしいです^^
完結した後のコメレスなので、今更ですが、お楽しみ頂けていればうれしいです^^
そうや | URL | 2013/04/04/Thu 20:36 [編集]
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