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SS・秘密の味は蜜の味/中編
こんばんはでございます。
三部作と宣言して、さくさくアップするつもりだったんですが。お待たせして本当すいません。
まさかの半分書き終わってた後半をうっかり全消去するなんて悲劇を深夜にやらかして、ぶっちゃけ心が折れてました。
これだから携帯執筆は←

そんで、折れた心のままこんなん↓作って遊んでたんで(ツイッターに上げてた画像)、
36144133_1.jpg
ちょっぴり間があきました。てへり。
こういう無駄に培ってきた造形技術を応用したら、敦賀人形とか、ワインゼリーのグラスとか、作れるはずなので、作ってみたい今日この頃であります。キョコ天使人形と蓮ネックレスは以前作ったのがまだ転がってるんだけど、なかなかに大雑把な性格なそやえもんはマジマジと見たら残念クオリティのものしか作れないのが残念なところorz
どうやったら繊細なキョコたんみたいな職人仕事が出来るんだろうなぁ・・・。もちろん料理だって大味のそやえもんなのです。うーんうーん。

パス請求について。3/1までの方、お届け済みです。
再請求下さったレ☆~さま、再度お届けしてますので、やっぱり来ないと言う事なら別アドレスをお願い出来たらと思います(汗)アドレス間違ってないのに届いてないってどういう事ーっ!







秘密の味は蜜の味








雪花・ヒールとしての姿でトラジックマーカーの打ち上げパーティーに参加し、京子としての挨拶をして欲しいという、なにやらややこしい依頼がキョーコの元に届いてしばらく。

運命の一日はあっという間に当日を迎え、BJが敦賀蓮であるという衝撃は、ライブビューイングを皮切りに、インターネットという最先端の情報力を持って日本全土を駆け巡った。

翌朝の新聞の一面を飾り、ネットニュースのトピックスは軒並みかっさらい、検索ワードも恐ろしい上昇率を記録した。
その他にも、トラジックマーカー公式ホームページは構えていたにも関わらずサーバーダウンが起こるという前代未聞の大事件が起きている。
もちろんLME事務所には取材陣が殺到し、昼からのワイドショーの話題もトラジックマーカー一色になるだろう。

そんな中、都内某所のホテルでは、事前の箝口令が功を奏し、無事に打ち上げパーティーが開催されようとしていた。

「うわあ……DARKMOONの打ち上げパーティーもそうそうたる物でしたけど、トラジックマーカーも凄いですね」

会場が高級ホテルであった事や、入り口を埋める警備員。またパーティーに参加している人数の多さに驚きを隠せないキョーコが感嘆の声を上げれば、蓮がそうだねと頷き、社が答える。

「DARKMOONは局の一大プロジェクトだったし、トラジックマーカーは映画だからね。携わった人間の数に比例して打ち上げパーティーの規模も自然と大きくなるんだよ」

それこそ、トラジックマーカーはCG合成処理されるパートも多かった為、蓮やキョーコが知らない裏方の人間は
数が多いのだ。

「私、こんな格好でお邪魔して、本当に大丈夫なんでしょうか」

困った声を上げたキョーコだが、現在の彼女は、監督からの要請通り、雪花・ヒールとしての衣装に身を包んでいる。

「ミス・ウッズ監修だよ。大丈夫」

さすがに撮影スタジオに出入りしていた時のようなパンクファッションではマズかろうと、黒と赤を中心にしたドレスを身につけてはいる。
ただ、ドレスと一口に言ったところで雪花・ヒールと分かる為の代物だ。やはり一般的なそれらとは違い、多用された編み上げリボンやスタッズ。ドレープの類などの全てがゴシック調で纏められており、ウィッグはもちろん。ルージュがひかれた唇には雪花・ヒールにはお馴染みのピアス風のチェーンがキラリと煌めいている。

「そうだよー。それにキョーコちゃんに雪花の格好でって注文を付けたのは向こうなんだから、キョーコちゃんは堂々としてれば良いの良いの」

「そうそう。社さんの言う通りだよ」

「は、はい」

緊張の面持ちのキョーコに蓮は軽やかに微笑んでみせた。
そんな蓮の装いはと言えば、白系の衣装が多い彼には珍しく、光沢のあるブラックスーツにウイング襟のシャツ。ラインストーンがあしらわれた真紅のリボンタイに赤い薔薇色のコサージュまで付いているのだから、キョーコの対と言っても良く、言わずもがな完璧に着こなしている。

「本当は正直。俺も結構緊張してるんだけどね」

「敦賀さんも……ですか?」

意外な告白にキョーコの瞳が瞬く。

「うん。最上さんが一番良く知ってるだろう?俺、今回は散々やらかしてるから」

「……あー……そう言えば……はぃ……そうですねぇ。そうでしたねぇ……」

走馬灯のように駆け巡ったヒール兄妹が撮影期間にやらかした出来事にキョーコが一気に遠い目になり、現場に居合わせなかった社は一体何をと激しい不安を覚えて表情を曇らせた。

「昨日はみんな、驚いてポカンとしてたし、劇場周辺が混乱状態になる可能性を踏まえて舞台挨拶の面々は早めに外に出されてしまったからね。ほとんど会話をしてないんだ」

「ということは……」

「『俺』として挨拶するのは初めてだよね」

「わああ……」

事の重大さにキョーコの視線はさらに遠くを見つめる。

「帰っちゃダメですかねぇ」

「俺も帰りたいけど、ダメだろうね」

「ダメに決まってるでしょ!ほらっ、二人共しっかり!!」

社というストッパーが二人を現実に呼び戻すと、二人は揃って深々と溜め息を吐いた。

「では、最上さん。行きますか」

「そう……ですね」

すっと差し出された肘に対し、キョーコはレース手袋を纏った腕を回し絡める。

「頑張ります」

一対となった二人は覚悟を決め、パーティー会場への入り口へと足を向けた。



――――――――――――――



京子という女優が輝きを増すのは、役を内に宿しているその時で、七変化する彼女に魅せられた人物が多い事を知っているのは、これまで接する機会が多かった蓮が一番かもしれない。

そして、役の姿のまま、素のキョーコの顔を覗かせた瞬間のアンバランスが世の男の征服欲を揺さぶる魅力を秘めているだろう事に気付いているのは、やはりキョーコを見つめ続けていた蓮なのだ。
だからこそ、雪花・ヒールの姿をしたキョーコを不特定多数の人間に見られる事に一抹の不安を抱えていた訳だが、エスコートという大義名分の元、出来る限りそばに居るはずだった蓮の思惑は、残念ながら、運命の悪戯のごとく、大多数の人間により阻まれている。


「敦賀さん。撮影中は失礼な事をたくさんしてしまったと思います、ごめんなさい」
「ごめんなさい、私も正直、カインさんは怖くて……」

私も、私もと次々と放たれる女性陣からの総攻撃を前に、蓮はその場を離れる事がままならず、また、カイン・ヒールとしての行いを自らフォローしなければならない意味でも訴えを無碍には出来ずにいた。

「いえ、俺もやり過ぎなくらい恐ろしい男を演じなければと思ってやっていましたので、撮影中は本当に申し訳ありませんでした」

ノーブルな魅力あふれる敦賀蓮の微笑を振り撒けば、至る所から良いのよそんな事、と恩赦の声が上がっている。けれど、浮かべる笑顔とは裏腹に、蓮はキョーコの状況が気になって仕方がなく、今すぐにでも目の前の人だかりを掻き分けたい衝動を心の内に堪えている。
そもそも、会場に入った時点では、まだ混乱の中にいた人々は、蓮がカイン・ヒールであったという事実を受け止めかね、遠巻きにしていたものだった。
しかし、近衛からの紹介と、壇上での挨拶が状況を一変させたのだ。

(俺がコメントしている間に彼女が壇上を降りたからな……)

確かに雪花は裏方で、主賓は蓮だ。
キョーコは京子として、内に貯めていた申し訳なさを素直に詫び、挨拶をすると、実にキョーコらしい深々とした丁寧な一礼をして蓮にマイクを渡し、壇上を降りた。
そうして蓮も挨拶を済ませ、後を追うように降りた訳だが、待ち構えていたに近い女性陣に取り囲まれ、現在に至る。

(おちつけ。彼女には社さんがついてるはずだ。心配ないさ)

自分の周りに女性陣が集まっているのだから、キョーコの周りには男性陣がたむろしているに違いない。

(あの彼女を前にして、彼女を壁の花にしていられる訳がないからな)

雪花としての曼珠沙華のごとく独特のオーラを消してしまえば、中身は純粋で愛らしい少女の素が垣間見え、本人に自覚が無いまでも、器とて化粧栄えする事が手伝い一級品の美少女だ。

いくら大丈夫だと思い言い聞かせても、絶対はない。得体も知れぬ不安に、出来るだけ自分がそばにいたいという衝動に蓮は突き動かされていた。

「ところで、村雨くんに挨拶をしたいんですけど……どこにいるかご存知ですか?」

撮影中、最も摩擦のあった人物の名を出せば、女性陣もさすがに察してそれぞれに村雨の姿を探す。

「あら?いらっしゃらないわ」

「本当ね、どこに行かれたのかしら」

(……彼女も居ない……か)

不安に波打つ心とは裏腹に、蓮は共演者キラーと呼ばれる頬笑みを作り、振りまいた。

「すみません、そうしたら一度マネージャーにも確認してみます」

「ああ、敦賀さんのマネージャーさんでしたら、さっき会場の外へ出て行かれたのを見かけましたわ」

「ありがとうございます」

注目を逆手に取り、社の所へ行くという名目の自由を手に入れると、蓮は社の姿を探す。

(社さん……?)

ほどなくして、ホテルのロビーをうろうろしている社を見つけた蓮は早足で近づき声をかけた。

「あっ、蓮!!」

よく抜け出せたなという社に、最上さんはと短く問えば、社がうっと言葉を詰まらせる。

「化粧室に行くって言ったっきり帰って来ないんだ」

「帰ってこない?」

姿が見えなくてと焦りを滲ませる社の声を、蓮はどこか遠くで聞いているような錯覚を覚え、飲み込まれるような不安に立ち尽くした――。











キョーコさんの出番が思いのほか少ないお話になりました。






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