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SS・続・秘密の味は蜜の味
先に言っておこう。大したオチは無いのだよ。

ということで、こんにちは。
昨夜のうちに更新しようとおもってたのに、なんでかサーバーの管理画面が落ちててはじかれました。
感想書く気満々だったのに・・・人生うまくいかない←おおげさ。

そんなこんなで、もう三月が終わろうとしておりますね。早い・・・。スパコミ真っ白なうです。
ってな訳で。秘密の味は蜜の味への感想ありがとうございました^^
久しぶりに拍手が100越えてたのが、個人的にとてもうれしかったです><
本当は数の問題でもないし、クレクレ強制するもんでもないんだけど、ふと気になった時に見て良かったらモチベーションすごく上がりますよねー。うんうん。気にしてないけどつい雑誌の占いのページを読むのと似たような感じかな。しかしクレクレ厨であるな。この辺りはやっぱり反応があった方がテンションが上がるという書く側のわがままというか、ジレンマというか。ストイックになれてたらそもそも拍手なんてついてないだろうしね。
悪ければ無かった事にするけど良かったら喜ぶっていう。

って。そんな事はどうでも良いですな。先にも言ってますが、このお話に大したオチはありません。
同設定のお話。つまりは告白後、どういう日常を送ってるだろうか。から派生した後日談であります。

ということで、追記よりどうぞなのだよ←緑かわいいよブーム。







続・秘密の味は蜜の味







『敦賀蓮』が忙しければ忙しいだけ、比例してマネージャーである社がこなさねばならない雑務。主に書類仕事は増える。
一つ目の仕事が予想よりもかなり早く片付いた結果。社は一度事務所に戻り、書類を片付けておこうと思い至った。

これは、そんな社のとある一日の物語である――。



「その辺で適当にタクシー拾うからさ、先に次のスタジオに入って休んでてくれたっていいんだぞ?」

疲れてるだろう?と、申し訳なさげに助手席に座る社の言葉に、ハンドルを握る蓮は、前を向いたままクスリと軽く笑った。

「このくらいの距離なら大丈夫ですよ。社さんこそお疲れじゃないですか?」

「え?……あー。いやいや。そうでもないぞ?」

否定してはいるものの、微妙な間が説得力を失わせる。
それは、社に疲労が蓄積している事実をわずかに滲ませるには十分だった。

「聞きましたよ。最近、けっこうな量を自宅への持ち帰り仕事にしてるって。それじゃあ睡眠時間だって短いでしょう?少し無理が過ぎるんじゃないですか?」

どうやらいくつかの書類を自宅に持ち帰ってでもやらなければ回らない現状を、どこからか耳にしたらしい。思いやりに溢れた蓮の言葉に社は苦笑で返す。

(本当にソツのない男だよな。トラジックマーカーが終わってから拍車がかった気もするけど)

視野が広く、更には観察眼に長けているからこそ、気付いたのだろう。

「そんなのお前だって一緒だろう?今のスケジュールも時期的なもんだし、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」

社と蓮の自宅に持ち帰っている仕事の内容など、家で台本を読んでいるか、書類仕事であるかの差でしかない。
そもそも日常的に台本チェックを持ち帰っている蓮に、社の一時的な仕事量を諭されるのはどうにも落ち着かず、社は「っていうか心配しすぎ。気の遣いすぎは将来ハゲるぞ?」と茶化して返すよりなかった。

「俺は社さんの調整のおかげでそのあたりの時間はうまく組み込めています。各所へ調整にあたっている社さんの負担は実際問題、かなりのものだと思いますよ?」

「そうかな?って、いやいや」

軽口で返したはずが、やはり真面目に心配されるとなんとも言えなくなってしまう。

確かに、事務所の看破タレントともなれば、チーフマネージャーとサブマネージャーといったように複数で担当する事が常道なのだが、蓮の場合はローリィが介入してくる事が多々ある為、混乱を最小限にする意味も込めての社による一括管理だ。
俳優セクション主任、松島らのフォローも過分にあるが、確かに社の仕事量はそこらのマネージャーよりも遥かに多い。

「俺に合わせてオフを取らずに働く必要はないんですよ?」

「うーん。そういう訳でもないんだけどな」

元々、社自身がワーカーホリックな性分を持ち合わせている自覚はある。
それは単純に、打てば響くように手応えを得る事が出来る仕事が楽しいからなのだが、それもひとえに担当俳優が蓮だからこそだろう。
だが、たった今、自分の仕事ぶりを誉められ、面映ゆい気分だというのに、さらにこれをそのまま伝える事は社にはとても気恥ずかしく、かと言って下手な演技でもしようものならすぐさま看破され、逆に心配されかねないと社は照れ隠しも込めて再びうーんと唸った。

「本当に大丈夫なんだよ。まあ、そりゃ確かに。ここんとこ特番続きで忙しかったのは事実だけどさ」

まだまだ体力には自信のある働き盛りなのだ。そう簡単に参りはしないさと気概に溢れた笑顔を浮かべてみせると、微笑みは伝染するように蓮へと伝わり、社共々笑みを深める。

「そうですね。指名して頂けるだけ感謝しないといけない立場な訳ですから、疲れてなんていられませんね」

「ははは。それは確かにそうだよな。……しっかし……本当、そういうとこ、お前は変わらないな」

誰にでも親切で温和な紳士。仕事には必ず全力でひたむき。
看破俳優になろうと天狗になる事もなく、ぶれないスタンスに社は双眸を緩めた。
蓮がこういう男だからこそ、人々は蓮に惹かれ、そして蓮はトップを走り続けられるのだ。

「初心忘れるべからずってやつですよ……っと、着きましたね」

「あ、本当に悪いな。運転させて」

「いえいえ」

「そうだ。ちょっとそこの自販機に寄って良いですか?」

「ん?ああ、水か?」

「ええ」

大股で近寄った駐車場の片隅にある自販機からガコンと音をたててペットボトルが転がる。
喉が渇いていたのだろう。蓮はミネラルウォーターを一口口にした。

「社さんも良かったらどうぞ」

「え?ああ。じゃあ」

社が財布を出すより先に、蓮が残金の光る自販機のボタンを促す。

「悪いな」

微糖の缶コーヒーを選ぶと蓮が取り出して寄越し、また次は自分が奢り返せばいいかと考えながら受け取ると、社はその場で開ける事はせず、手に持ったまま二人は並んで歩き始めた。

「そういやさ、新開監督から、次回作の打診が来てるんだけど」

「新開監督から?」

「まだ脚本出来てないらしいから、返事は本が届いたらって返しといた」

「新開監督の作品はこだわりが強いせいか癖があって面白いものが多いですからね。楽しみです」

「そう言うと思ってたよ。後は、そうそう確か先月撮ったこれのCM。オンエアは今日からだったかな」

そう言って社は自分が持っている缶コーヒーを指差した。

「そうですか。確かシリーズ化するんですよね?」

「そうそう。毎月一本の半年契約になるからな。トラジックマーカーの合間仕事のつもりがデカくなってくれたもんだよ」

嬉しい誤算だなと社が笑うと、蓮もええと頷く。

「BJの正体ばらしたおかげでオファーの幅もかなり広がってる。来期の仕事、候補はかなりあるぞ?」

「贅沢な悩みですね」

「全くだ。嬉しい悲鳴ってやつだよ」

ただ現状報告を兼ねた他愛のない会話であるが、こういう移動中のやり取りは実は馬鹿に出来ない。
マネージャーと担当俳優としての互いへの相互理解を高められる事はもちろん。やはり直接言葉を交わさなければ分かり得ないささいな機微もある。
体と心、どちらもバランスが取れていなければ、芸能人としての仕事。特に業界のトップを走り続けるなど、すぐに立ち行かなくなるものなのだから。

「ん?どうした?」

到着した事務所ビルの関係者専用入り口から続くエントランス。
その片隅のソファーに腰掛け、物思いに耽る学生服姿のキョーコを見つけ、立ち止まった蓮に気付いた社があれってキョーコちゃんだよな?と尋ねれば、蓮がええと短く返す。

(キョーコちゃんを見つけ出す眼力はさすがってトコ?)

二人はひっそりこっそりお付き合いをしているのだから、ここは引き合わせてやらねばと社が動き出す。

「ぼんやりしちゃって、どうしたんだろう。何かあったのかな」

社は周囲を素早く見渡し、人の気配を確認すると、足早にキョーコのそばへと向かう。

「キョーコちゃん、おはよう」

受付嬢やら事務所スタッフに所属芸能人に警備員。
見渡す限り無人のエリアはない。だからこそ社は蓮が動くよりも先に自分が声をかけ、キョーコの意識を自分たちの方へと呼びかけた。

「え?あっ……つ、敦賀さん!と……社さん。おっ、お疲れさまです!」

ひらひらと手を振る社と、続く蓮の姿に慌てて立ち上がり、ぺこりと頭を下げるキョーコに二人が対面する形を取ると、いくらかの視線が集まるのを感じ、社がツイっと辺りを見渡すと、周囲の視線は慌てたように散る。
事務所内なのだから、会話くらい安心して出来ないものかと思いながらも、ここにいるのが蓮である限り、人々の関心を集めるなと言う方が無理な話かと小さく溜め息を吐いた。

「お疲れさま、最上さん」

「お疲れ、キョーコちゃん。こんな所でどうしたの?」

「えっと、明日から新しくマネージャーさんが付いて下さる事になっていて、今日は顔合わせになるんですけど。少し早く着いてしまって」

「へぇ。最上さんにもとうとうマネージャーが」

「はい。ありがたいお話です」

ふわりと笑うキョーコと、穏やかに良かったねと答える蓮を横目に社は一歩引いた立ち位置で極力会話を蓮に譲る。
しばらく忙しかった分、久しぶりの逢瀬のはずだ。馬に蹴られたくはない。

「最上さんも忙しくなっているみたいだし、良い人について貰えればいいね」

「はい!社長さんのお墨付きの方らしいので、優秀な方だと思います」

「そっか」

ニコニコと会話する二人を眺めながら、社はふむと考える。

そういえば蓮が以前、キョーコにつくのが男性マネージャーでも構わないなどとぶち上げていた事があったはずだが。

(……まさか本当に男マネじゃないよな……)

あの時と今では状況が違うが、ローリィのやる事だ。なにを企んでいるかは社に予想出来るはずがない。
どんな人間なのか後で調べておこうと心の中で呟く。

「あの、敦賀さんは今日は……」

「一本目の撮りが早く終わったから一度帰って来たんだ。次は二時間後にTBM」

「そうなんですね。お疲れさまです」

「ありがとう。最上さんはあとどのくらい時間があるのかな?」

「社長さんからの呼び出しがあり次第なので、はっきりとはしていないんですが、予定では早くて30分後です」

そこまで情報を得る事が出来れば社には十分だった。

「蓮、じゃあ俺はちょっと仕事片付けてくるから、悪いけど適当なとこで時間潰しててくれる?」

言外にキョーコと二人で過ごすと良いさと含み、続けて社がそうそうと呟く。

「キョーコちゃん喉渇いてない?」

「え?あ、そうですね。少し……」

気を利かせた社がコーヒーあるよと持っていた缶を差し出そうとしたのだが、それを受け取ったのはなぜだか女性らしいキョーコの小さな手ではなく、節のある大きな男の手の方だった。

「蓮?」

「ありがとうございます、社さん。ちょうど飲みたかったんです」

「……いや?」

お前じゃなかったんだけどと訝しい表情の社をよそに、蓮はキラキラと輝く笑顔で社の手から奪った缶コーヒーを掌の中に納め、その反対側に持っていたペットボトルをすいと持ち上げる。

「最上さん、これもさっき買ったばかりだから、どうぞ」

「え?あ……はぁ」

ニコニコとした笑顔のまま蓮は自分が持っていたミネラルウォーターのペットボトルをキョーコの手に押し付けると、さあと飲むように視線で促したのだ。

「っ……敦賀さん……あ、あ……あのぉ……こ……これって……」

段々尻すぼみに小さくなっていくキョーコの声に反し、蓮はまだ冷えてるでしょ?と人畜無害。ひょっとすれば全ての人類を誑し込めるのではないかという程の眩く輝いた表情で返すのだが、開封された気配のあるペットボトルを手渡されたキョーコは完全にうろたえているのが見て取れる。

「ちょっ、おい、蓮……」

(コイツ……まさか……)

周囲の人間には一口しか減っていないペットボトルの事など分かるはずもない。けれど、社とキョーコにだけは分かるソレ。
目の前の男は間違いなく確信犯だ。

「なにか?」

小さく咎める声を上げるが、蓮は意に介する様子もなく、社は盛大な疲労に襲われるのを感じた。

(……未開封の缶コーヒーすら他の男から受け取るのが許せないってどんだけ心が狭いんだっ!!しかも相手は俺だぞ!?安全パイにも程があるだろう!!!……っていうか、あれだよな。俺の考えすぎじゃなきゃ、これって間接キス狙いってやつだよな。本当、良い根性してるよコイツ!!!)

言いたい事はあるが、ここでは断じて口に出せる内容ではない。

「――いや……なんでもない……じゃ、俺、行ってくるから。また後でな」

「はい。俺は事務所の中を適当に散策してます」

満面の笑顔の蓮に見送られながら、『適当』の指す意味が『キョーコと二人きりになれるどこかへ移動しています』だと的確に悟り、本日一番の溜め息を吐きだした。

「キョーコちゃんの新マネージャー。俺と一緒に頑張ってくれる人だったらいいなぁ……」

遠くを見つめた社の後ろから蓮とキョーコの笑い声がかすかに届く。
平和ではあるが、自分も恋人欲しいなぁと思わずにはいられない。そんな彼の切ない一日は、まだ半分が終わったばかりなのである。








結局は攻め攻め蓮さんがお好きな私。てへり。



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