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SS・白銀の狐17
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さてさて、こんばんは。さっむいですね。秋どこ秋!
今年は購入した七分袖が二回しか着れなかったよ。活躍出来ないにも程があるっ。
台風にしても地震にしても、なんかこう、考えさせられる物がありつつ、やっぱり目を逸らして生きてる気がします。
そうそう、このあいだ、回転すしに行ったんですよ。海老天盛り合わせ、エビアボガド、たこ、エビ、エビ。大海老って食べてたら、どんだけ海老好きやねんと総突っ込みを受けました。海老美味いやないか!
そんで思いだしたんです。うちのおじいちゃんも好きなメーカーを決めたらそこの物しか食べんとです。
飴といえばリボンの生梅飴だとそればっかり10年ランナーで食べてる私はなんというか、血を感じました。
おかしいな。私O型でおじいちゃんB型なんだが。←そういう意味でもない。
たしか木星人のプラスだったはずと久しぶりに無料の占いを見て自己分析してみたりしてました←信じてないのになにやってるのーっ
まあ、それで、キョーコと敦賀さんの相性占いとかしたいなとか思って、あ、生まれ年・・・ってなった訳です←


毎度しょうもない前書きですいません。そんなこんなで、今日も私は元気です。
いつも拍手ありがとうございます!







白銀の狐 17






背中に温かいものがフワリと降りてきた温もりに、京子の意識は僅かに揺さぶられた。

(あったかい……)

心地良さに目蓋が上げられず、さらに深い眠りに落ちていく感覚で、京子は今、自分は夢の中にいるのだと知る。

「こんな所で寝ていると、風邪を引くよ?」

優しい声が耳をくすぐり、声の主を求めて銀の耳はピンと立った。

(蓮様。大丈夫です、このくらい)

だから、もっと声を聞きたい。

「本当に大丈夫?」

(……本当は全然大丈夫なんかじゃないんです)

さわさわと耳を撫でるのは、待ちわびた大きな大きな蓮の手のひら。

(どうして、何もおっしゃってくれないんですか……?)

「……ごめんね」

自分は何も知らないばかりで。

(違うって思ってるのに、ひょっとしたら蓮様、悪い人なのかなんて疑う自分が……嫌で嫌で仕方がないのに……)

どうしても、ちらつく疑念が振りほどけずに。

(私のこの気持ちが、操られたものなんかで、あるはずがないのに)

「うん」

(なのに、ひょっとしたら、って思っちゃって)

考え出すときりがない。

(蓮様の顔を見て、安心したいのに、お家には誰もいないんです)

「ごめんね」

そばに居て欲しいのに。

「どうしてもまだ手が離せなくて、君を一人にしてしまう」

(……蓮様を悪く言う人がいるんです……)

「そうか……」

(本当に、蓮様が……)

雨を、万里亜から父親を奪ったのだろうか……。

「確かに、俺は大きな術を使っている」

(万里亜ちゃんを……)

「まだ会わせる訳にはいかないんだよ」

(どうしてですか?)

理由もなく蓮が非道を為す訳がないと信じているからこそ、理由を知りたい。

「知れば君は巻き込まれてしまう。知らない方がいい」

(そんな事っ)

京子が無力だから、だから何も教えてもらえないのだろうか。

「好きな子を守るのは、男の仕事ってね」

(でもっ)

「いいから。無理をしないで」

優しい手のひらがクシャリと髪を撫でた。

(蓮様……)

「あと数日もあれば片はつく。だから、ね?」

けれど、レイノも松太郎も、蓮をやっつけようと狙っているというのに。それで何故大丈夫だと笑えるのか……。

「大丈夫だよ。ちゃんと帰るから」

(本当に……?)

手のひらも声も優しい。けれど、何故自分はこんなにも果てしない不安を抱いているのだろう。

「大丈夫、大丈夫」

だから待っているんだよという声に何故か安心が……出来なかった。

(何も出来ない自分が悔しいです)

「……何も出来ない……? それは違うよ」

おやおやという苦笑と共に蓮の手に優しさが増した気がした。

「君の良い所は優しい所だね。誰かを傷つけないように、全てを自分の中に飲み込んでしまおうとする」

(そんな事は……)

 褒めてもらえる程、自分が崇高な人間であるなどと思ってはいない。

「出来ないっていう刷り込みが君を阻んでいるだけで、本当に無力だなんて事はないんだよ」

(でも……)

「どうしても困ったなら、助けに行くから呼んでご覧」

(呼ぶ? 蓮様をですか?)

「君にだけ教えた、もう一つの真名を……」

 君が呼ぶなら、絶対に行くから。心に染み入る美低音に耳をくすぐられながら、京子の意識はさらに深くへと沈んで落ちていった。




***




「…………う……ん……朝……?」

いつの間にか文机の上で突っ伏して眠っていたらしい。

頬には盛大に冊子の形の寝痕がついていた。

「あ……れ……?」

背中に感じたはずの掛け布はどこにもなく、あの蓮の声も、手のひらの気配も全てただの夢だったのかとがっかりした京子は暗い顔で深い溜め息をついた。

「夢だったの?」

こんな夢などではなく、蓮に会いたいものだが、どうやら蓮は異界から戻らなかったようだ。

――キン

「ひゃっ!?」

京子の耳に届いたのは、誰かが結界を突破し、敷地内へと進入した事による空気の波紋だ。

「もし、すまないが、どなたか、おられないか?」

「……この声……。あ、はい! 只今っ!」

聞こえてきたのは、陰陽寮の上司。椹の声だ。

バタバタと玄関へと走っていくと、そこには人の良さそうな微笑を称えた椹が立っている。

「おお、朝早くに申し訳ない。私は陰陽寮の椹と言うのだが。女御殿は晴明殿の家人でよろしいかな?」

「あ……。はい、ようこそいらっしゃいませ」

夏彦と椹の間には面識があるが、ただの京子となっては椹に分かるはずもなかったと気付き、果たして屋敷の中に通すべきかと逡巡する京子に、椹は柔らかく笑った。

「晴明殿が物忌み中である事は知っているのだが、どうしても耳に入れておかねばならない事があってね」

ここで結構と手を上げた椹に、京子ははいと返す。

「実は少々困った事になった」

「は、はい。それは……」

「雨乞いの儀式の決行日が決まってしまったのだ」

「……え? でも……晴明様はまだ……」

陰陽寮に蓮が不在の中、何故唐突に決まってしまったのだと驚いていると、実はと椹が切り出した。

「右大臣さまを通して芦屋道満という術者が、場所と日時を指定し、それに倣うなら必ず雨は降らせてみせると豪語したのだよ」

「芦屋道満が!?」

「帝が面白がっ……いやいや、大変興味を示されてね。自らご覧になるそうで、陰陽寮の術者も希望者は観覧自由にとおっしゃってはいるのだが、さすがに上層部で戒厳令が敷かれていてね」

 だから歴博士の椹自らがこうして晴明宅を訪れたと言う訳だ。

「陰陽寮の威信に関わるから、よそから来た術者に主導権を握られて雨を降らされるというのは正直困った事ではあるんだが、帝が決めておしまいになったからね」

呟く椹は、どうやら対応に苦慮しているようだ。

「どちらで行われるのでしょう」

場所と日時の指定に京子は嫌な予感を感じた。

「明後日。龍鳳寺という都外れにある今では無人の寺、太陽が真上に上る頃。午の時刻に行うそうだ」

それを聞き、京子の心臓がドクリと跳ねる。

「そう……ですか……」

そこは昨日、行って来たばかりの寺ではないか。

「そういった訳で物忌みの只中である事は十分に分かっているが、我々としても晴明には必ず出てきてもらわねば困るのだ。なんとか切り上げる目途を付けるよう、伝えてもらえるかな」

「はい……確かに承りました」

どうやら松太郎でもなく、レイノが先手を打ってきたという事らしい。

「では頼んだよ」

 屋敷を去って行く椹の背中が消えた後、京子は土間の上でへたり込んだ。

「どう……しよう……」

 十二神将を完成させる為に異界へ籠りきりの蓮が帰って来る気配はない。そうこうしている間にも、事態の深刻さは想像以上だ。

「だって、帝が自らお越しになるなら、封印を解く為の〝血〟はそこにあるという事でしょう?」

 それこそがレイノの狙い。そうして、そこに待ち受けるのは安倍晴明の紋が織りなす術式の塊。封印が解かれた瞬間、雨が降りだそうものならどうなるだろう。

「それって、間違いなく、全部が蓮様のせいになるわよね」

 皇族に危害を加える事はもちろん。信頼を裏切られた人々は一斉に蓮を敵とみなすかも知れない。
 強い力が味方の内は信頼もしてもらえるだろう。けれど、裏で自分達を裏切っていたのだと知った人々は間違いなく手のひらを返す。

「迫害……」

それでは、蓮の居場所が人間の住む世界には、なくなってしまう。

「それだけは、それだけは駄目っ……」

 考えただけでも身の毛がよだつ惨状は、かつて迫害された経験があるからこそ、生々しい恐怖として京子を襲った。



***



この世界のどこを探しても蓮がいない事は分かっている。
異界への行き方も、どこにあるのかすらも京子は知らないのだから当然だ。

「明後日には雨乞いの儀式は始まってしまうなら」

ならば、今夜中に封印を解いてしまうしか道はない……。

「でも……本当にそれでいいのかな……?」

東宮の封印を解けば万里亜の元に父親は戻り、雨は降る。

だが、本当にそれだけで済むのだろうか。意味もなく蓮が人をあんな風に眠らせてしまう訳はなく、夢か現か……蓮はまだ万里亜を会わせる訳にはいかないと言った。

〝まだ〟という事はいずれ会わせるという意味ではないのか。

「だけど、迷っていられる時間もないわ」

悠長にしていれば、蓮の行使した術は非人道的な行いと思われてしまう。
ならば、万里亜を連れて龍鳳寺に向かい、封印を解いてみるしかない。

「私……」

蓮の失脚を狙う松太郎やレイノの好きにさせる訳にはいかない。蓮の居場所を守る事が出来るのは、今は京子ただ一人なのだから。



***



「はぁ……はぁ……」

太陽が真上に登ろうかという時刻。ようやく京子は万里亜のいる屋敷に向かい駆けていた。
壁と壁の間に体を挟まれそうな細い隙間を人型ですり抜け、秘密の出口から庭園へ出ようとしたその時。

「……え? あれは……っ!?」

「では、姫君。こちらへどうぞ」

レイノが万里亜と千織を伴い歩いている姿が見える。
思わず隠し通路の壁に張り付いて姿を隠し、窺い見ると、余裕の笑みを浮かべたレイノがふいとこちらへ視線を投げた。

「っ!!」

見つかったかと肝を冷やし、首を引っ込めると、万里亜とレイノの声だけが聞こえる。

「芦屋殿。明日は物忌みをとのお話ですけど、私をどこに案内するおつもりなのです?」

物忌みならこの屋敷でも良いのではないですか? と口にする万里亜に、京子はまんまと先手を取られた事を知る。

「内裏の一室に支度を整えさせました。私と一緒に来て頂けるならば、あなたの望みは叶えて差し上げる」

「また、大きく出ましたわね」

レイノは万里亜が知る父親失踪の容疑者だ。警戒しているのだろう。万里亜の声は固い。

「あなたの父上は間に合わなかったが、あなたは守って差し上げようという善意ですのに」

やれやれというレイノに、万里亜がどういう意味です? と鋭く問い詰めた。

「あなたは、父親を取り上げたのは私ではないかと疑っておられるようだ」

「それはっ……」

「だが、それは正しくない。全ては安倍晴明の恐るべき企みなのですよ」

「……なん……ですって……?」

「何も知らない晴明の子狐と仲良くするのは微笑ましいが、付き合う相手は間違えない事だ」

それだけ言い終えると、衣擦れの音は遠ざかっていく。
どうやらレイノは万里亜を連れ出す事に成功したらしい。

「……っ……もうっ……ありえないっ」

全てにおいて後手に回る空しさは募り、無力感に打ちのめされる。
これでは打つ手がない。
先んじて封印を解く手立てを失った京子には、運命の日を待つよりなく、京子は力無い足取りで屋敷へと戻ったのである。









web掲載にあたり、掲載する為に読み直してるんですけど、なんかこう、恥ずかしい・・・←
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