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SS・貴方だけに届けたいモノ/後編
正月休みに帰って来ますとか、早ければ明日更新しますとか、狼少年そやえもんですこんばんは。
嘘ついてすいません。orz

さてさて、後編のお届けでございまーす。
実は昨日の深夜まで原稿やって入稿して、今度はこっち弄ってってやってるので、今眠気マックスなのです。
・・・誤字脱字あったらいやんなんだなぁ。

そんなこんなで、インテ新刊サンプルお知らせは明日くらいに。
パスレスは今しばらくお待ち下さいませ。

新年のご挨拶頂いた皆様、いつも本当ありがとうございます!今年もよろしくお願いしまーす!!




貴方だけに届けたいモノ 後編






それは約束の前夜、一月二日の出来事だった。

「ごめんね、俺から誘ったのに……」

一月三日の深夜零時を回ってしまえば、三が日が終わる為、夜も開いている神社はぐっと減るだろうしと平謝りする蓮に、キョーコが気にしないで下さいと続ける。

『残念ですけど、こればかりは仕方がない事ですし、お忙しい中お気遣いありがとうございます』

電話やメールでの打ち合わせも数回重ね、場所、時間と様々な段取りをして迎えた新年だというのに、予想外にあちこちでスケジュールが押し続けた結果、犠牲となったのはやはりプライベートだ。

「本当にごめんね。――この埋め合わせは必ずするから。ごめん……」

『そんな、本当に気になさらないで下さい』

「うん。――ありがとう、じゃあ、また……」

トラブルは二人の予定など考慮する事もなく訪れ、あろうことか、誘いをかけた蓮の方からの直前キャンセルとなってしまった。

「――――はぁ」

悔やんだ所で仕事が終わる訳でもなければ、時間が巻き戻る訳でもない。
けれども、落ち込むなという方が無理な話で、蓮は深々と落胆の息を零す。

「切り替えろ……」

言葉に出さなければ切り替わらないなど、蓮にはめったにない事だ。
それだけ楽しみしていた新年最初の逢瀬が流れてしまったダメージは大きかったという事なのだが、申し訳なさそうにしている社を始めスタッフにこんな顔は見せられない。これ以降の蓮は、つとめていつも通りの敦賀蓮としての顔を作り、仕事に励んだのである。





――――――――――――――



「はぁ……疲れた」

深夜もまわり、約束も空ぶった。
とてつもない疲労感を抱えた蓮が帰宅出来たのは深夜の三時を回っての事だ。

「…………え?」

「あっ!明けましておめでとうございます!」

「最上さん!?」

マンションのエントランスにフードを目深にかぶった不審者ならぬキョーコが待っていた事に蓮は目を見開いた。

いくら人通りが少ないとはいえ、このような深夜に女の子が外で一人立っていて良いはずがない。

「なんっ……」

「あ、いえ!さっきまで社長さんが一緒だったんですよ!」

「社長が?」

蓮に怒られると察したキョーコが慌てて弁解し、蓮はキョーコの口から飛び出した名前で苦言の矛先を見失う。

「実は今日、事務所に行っていたんですが」

それは蓮との約束が流れた後の紆余曲折を経た出来事なのだが、その結果、ローリィは蓮が帰ってくるまでのボディーガードを買って出た訳だ。

「敦賀さんのお車が見えたので、社長さんはほとんど入れ替わりで帰っていかれました」

キョーコの言葉を裏付けるように、タイミング良くすぐ近くで車が遠ざかっていくエンジン音が聞こえた。

「……この年で随分なお年玉だな」

「はい?」

「いや、なんでもない」

聞き取り損ねたキョーコの不思議顔を笑ってごまかすと、蓮は上がってとキョーコを室内へ促し、コーヒーを淹れるねとリビングに向かう。

「――それで、一体どうしたの?」

インスタントのコーヒーを二つ淹れ、一つをキョーコに差し出しながら問いかけた。

「ええと。ですね」

「ん?」

鞄をゴソゴソと漁るキョーコがなにやら正方形の古びた木箱を取り出す。

「これは?」

「ええと、ですね……その」

「ん?」

なぜか歯切れの悪いキョーコの頬が赤く、目を丸くした蓮が瞬くと、キョーコは木箱を両手に乗せ、ずずいと蓮の方へと差し出した。

「最上キョーコ式のおみくじでございます」

「……え?」

「我流なもので、効果もないでしょうけど、よろしかったら一枚お引きになりませんか?」

名前から意味する事は想像がつく。
最上キョーコ式というからには、キョーコが手ずから作ったおみくじなのだろう。
ずいずいと進められるまま木箱に右手を差し入れると、そこには驚く程の紙が入っている。

「これって……」

「ただの運試しですから、無心で一枚選んで下されば」

「無心……は、難しいな。嬉しすぎて」

中をくるくるとかき回しながら、こみ上げてくる破顔を必死に抑えようという努力もしているが、それが間違いなく徒労であることは、全身で感じられる。

「そんなっ……」

自分の為だけにキョーコがこれらを作ってくれたのかと思えば、喜ばずにいられるだろうか。
全てを見たい気持ちのまま、一枚を取り出して小さく畳まれたそれを開く。

「――大吉、って一番良いヤツだよね?」

どれどれと読み始めると、細長い紙面にはキョーコの可愛いらしい手書き文字がぎっしりと書き連ねられていた。

「仕事、益々飛躍間違いなし、精進に励みましょう。金運、問題ないが使い過ぎに注意。なるほど。うん、気をつけるよ」

金運を注意されているのはカインの行いがきいているのかもしれないと思うと面白い。

この箱の中に入っている一枚一枚を、いろんな事を考えながら書いたキョーコの姿を思い描くだけで、頬が緩んでしまうのはどうしようもなかった。

「転居、現状維持で問題なし。病、定期検診が吉。へぇ……」

「つ、敦賀さん、あんまり読み上げないで下さいぃっ」

真っ赤になっているのは、今になって自分の行いに恥ずかしさでどうしようもなくなっているキョーコだ。

「ちょっとした出来心だったんですけど、そ、そんなに喜んで頂けると、はい」

「他のも全部読みたいかも」

「だ、駄目ですよ!おみくじは一人一回って決まってます」

「一日一回でいい?」

「屁理屈ですっ!!」

「だって、こんなすごいプレゼント貰った事がないし」

「それは……敦賀さんがすごくしょんぼりされていたので……つい……」

電話口で平謝りする蓮が、本当に残念そうにしていたので、おみくじを引けない事がそんなに悲しいのならと、気がつけばこんな小道具作りにいそしんでしまったキョーコがいて、そんなキョーコの行動を看破してこんな時間まで付き合ってくれたローリィの事を考えると、もう顔から火が噴き出してしまいそうだ。

「だからってここまでしてくれる人ってなかなかいないよね」

「うう……やっぱりやらなきゃ良かった」

思いついた時はとても良い案だと感じていたはずだが、いざこうして出してみると、自分の行為が子供がプレゼントに手作りする肩たたき券とほぼ似たようなレベルだったという事に気付いてしまい。
それでも、目の前の蓮は本当にうれしそうで、キョーコは、自分の中で荒れ狂うよろしくない動悸を「うううぅ」と唸って誤魔化すしか出来なかった。

「どうして?俺、今ものすごく嬉しいのに」

「でも、音読されるなんて思ってませんでしたものっ、恥ずかしいのでやっぱり回収します!」

「ごめんごめん。もう言わないから」

証拠隠滅とばかりに仕舞い込もうとしたキョーコだったが、蓮の方が一手早くキョーコの手から木箱を取り上げた。

「か、返して下さいっ!」

「いやいや、せっかく作ったんだし、そんなにあわてなくても」

「だめですぅぅぅっ!」

深夜も深夜だというのに小箱の押収を始めた二人の戦いは、リーチの差により蓮の圧倒的な勝利で収まってしまい。
なんとか取り返す為に、キョーコは『来年こそは一緒に初詣をする』という蓮から持ち出された気の長い約束をゆびきりげんまんで結んだ。


今年は大吉だったので、財布に入れて持ち歩いているんですよ。
そんなインタビューが紙面を飾ったのは、この夜から少し後の話である――。










書いてる途中で私も「あれ?このネタって大丈夫かな?」って恥ずかしくなった訳ですよ。アー。
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微笑ましいお話ですね!
今晩わ。本年もこちらにお邪魔させて頂いています。惣也様、よろしくお願いいたします。『子供の肩たたき券』的プレゼント、微笑ましくて温かい気持ちで読みました。お金も名声もたっぷりある蓮様には本当に心のこもったプレゼントがかけがえないのであろうと実感しました。コメントがキョーコちゃんらしくて笑えますね。今回は電車の中ではなかったので、リビングでニマニマして読むことができました。寒い夜のシチューみたいなお話、どうもありがとうございました。
Genki | URL | 2014/01/08/Wed 21:23 [編集]
うぎゃぁぁ~
もうっ!! もうっ!! 二人とも可愛いすぎっ。
へなへなっちです | URL | 2014/01/09/Thu 11:55 [編集]
Re: 微笑ましいお話ですね!
こんばんはー!今年もよろしくお願いいたしまーす^^って、あの、本当「様」とかガラじゃないので、付けなくていいんですよ!よ! 書きながら途中でこっぱずかしくなってきた作品ではあるのですが、はい、本当素敵な褒め言葉をありがとうございます!寒い夜の~っていう詩的な褒め言葉の方が素敵で、なにそれ使ってもいいですか!っていうセンスが大変うらやましいです!ありがとうございました^^
惣也(そーや) | URL | 2014/01/20/Mon 23:08 [編集]
Re: うぎゃぁぁ~
わーvvありがとうございますー^^こういうハタからみててこっぱずかしいのも、たまには良いかと^^
惣也(そーや) | URL | 2014/01/20/Mon 23:09 [編集]
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