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【蓮誕2014】偽りに紡がれる幕引き・前編
おこんばんはでございます!
ものすごい寒波ですが、みなさまお怪我や風邪などひかれておられませんでしょうか><
私は一人神経痛であだだだだーとかやりながらベッドでもだもだして土曜日を寝て過ごしました←
夕方からTBの初日公開を二度見するくらいには元気です!レイトってお財布に優しいね!

・パスワード請求は、前回から進んでいないので、今しばらくお待ち下さいませ。
・通販到着報告、感想コメントを下さった皆様本当ありがとうございました!
・通販発送は9日昼予定なので、到着まで今しばらくお待ち下さい。


さてさて。本日は蓮誕のしろものをアップに参った訳ですが、ちょっと色々注意事項がございやす。
蓮→←キョ 2/8設定なので、22歳×19歳設定です。でもって、後編はR18になります。
切ない系の大人系な話を目指した結果、結果的に違うかもしれませんが、そっち系です←どんな。

本来ならば裏庭公開対象になるんですが、現在パス請求がだいぶ件数がお返し出来ていない状況なので、蓮誕から一、二日は表に上げときます。なので、パスワード制のページに変更させて頂きますのであしからずご了承ください。


ということで、前編です。








偽りに紡がれる幕引き





開口一番。ローリィ宝田は蓮に向かいこう言った。

「先に言っとくが、蓮よ。お前、最上くんに負けたからな」

「……はい?」

いきなりなんなんですかと問い返した蓮に対し、ローリィは聞いて驚くなよと彼の仕事机、つまりはLME社長室のデスクの引き出しから一冊の雑誌を取り出した。

「彼女の初スキャンダルだ」

「…………はい?」

ローリィの言葉にこれ以上ないほど目を見開き、次の瞬間、渡された発売前の雑誌をめくる。

「これで彼女もようやく一人前ってもんだ。未だに恋愛絡みのスクープが一つも上がらないお前とは雲泥の差だ。なぁ?」

蓮が該当ページにたどり着く頃合いを見計らったように、うんうんと頷きながらローリィが言う。
疾風のごときスピードで記事に目を通した蓮は、ちょっと待って下さいと彼にしては珍しい上擦った声を出した。

「雲泥の差って!そもそも最上さんは誰とも付き合ってなんか」

恋愛沙汰をすっぱぬかれて一人前という理屈からしてそもそもおかしいだろうと痛む頭を抱えて訴えるが、ローリィは愉しげに笑うだけで気にする様子もない。

「確かに付き合っちゃ『ねぇ』さ。だがな、最上くんももう19になった。来月にゃ高校も卒業だ。そろそろ恋愛ネタの一つもと漁られる年頃には違いないだろう?」

「違いませんけど。しかし!」

ローリィはそう言うが、キョーコは未だにラブミー部員。恋愛ネタを狙われるのにこれ以上不適当な人選はないというのに、なぜこんな記事が書かれるのだ。

「無論、真実じゃないさ。コイツは」

「やっぱり……」

キョーコのデート相手と称されて写っているのは、つい先日、キョーコ自身の口から仕事相手だと聞いていた男性俳優で、蓮も見知った男だ。

「椹の報告じゃ、この写真の中……店のほれ、切れたとこに他のスタッフがいたんだそうだ」

「つまり」

「あちらさんか、スポンサーに仕込まれたみてーだな」

カチリと音をたて、ライターから火を付けた葉巻を、肺の奥深くまで吸い込んだローリィが、ふううと紫煙をくゆらせる。
その余裕綽々とも取れる態度にこれまた珍しくも蓮が語気を強めた。

「みてーだなって無責任な!うちの許可を取っていないゴシップなら、差し止めれば良かったじゃないですか!」

その気になれば出来たはずだ。けれども、ローリィはそうしなかった。そこに蓮は疑問を感じざるを得ない。

「今度、最上くんに受けさせる仕事を考えれば、こんくらいの荒療治もやむなし、なんだよ」

「仕事?」

ローリィが含みを持たせる言い方をする時に良い事を聞けた試しはまるでない。
嫌な予感に捕らわれながら先を問うと、ローリィは一つのタイトルを上げた。

「濃厚な恋愛モノだ。出来なきゃクビ。本人にはそう伝えた」

「なっ!!!」

降って沸いた話の深刻さに、なんとか撤回させようと言葉を重ねる。
けれども、どう語らってもローリィの決定を覆す事が出来ないまま、煙に巻かれるようにその日の会合は終わった。


――――――――――――――



キョーコが泊まっているホテルと同じホテルに部屋を取り、ローリィから聞き出したナンバーをノックする。

返る答えがない事にどこかでほっとしながら、無機質な扉に向かい声をかけた。

「最上さん。俺だけど……」

「……敦賀さん!?どうして……」

間髪置かずに扉は開かれ、突然訪ねてきた蓮を、キョーコは目を丸くして見上げた。


「社長に聞いた」

それだけで察したキョーコは、苦笑を浮かべる。

「ご心配をおかけしてすみません。――どうぞ」

ツインの部屋の中へと通されると、蓮はソファーに腰掛け、キョーコは飲み物でもと冷蔵庫を開ける。
支度する背中を眺めながら、出会った時よりも伸びた髪の毛が肩に触れている様に、着実に流れた時間の長さを思う。

「災難だったね」

「いえ、私が迂闊だったんです」

お好きな方をどうぞと差し出されたのは缶ビールとお茶のペットボトルで、蓮はありがとうと苦笑混じりに缶ビールを受け取った。

「今日はこちらに?」

「うん。部屋を取ってる」

だからと言って、大きなホテルだ。新たな火種になるような事もないだろう。

「明日の朝には空港に向かうし、不自然ではないよ」

「なら、良かったです」

キョーコは手の中に残ったお茶を自分の物として栓を開け、続いて蓮もプルトップを開けた。

今までの蓮ならば、進められたとしても、茶を選んだだろうが、こうして缶ビールを手にしてしまったのは、この部屋の雰囲気がどことなくカインとして過ごした部屋に似ていた事や、ローリィとの会話の中で改めて再確認させられた嫉妬心であったり、鬱屈し、綯い交ぜになった数々の感傷が原因だ。

偽りだと分かっていても、キョーコが他の誰かと噂になる事に心が騒ぐ。
けれども、自分には何かを言う権利は未だにない。
蓮が『敦賀蓮』である限り、このどうしようもないジレンマは続くのだから。

「私、敦賀さんには心配をかけてばかりですね」

「いや。ばかりって程じゃ……」

けれども、言いかけて気付く。
心配だからを免罪符にして何かにつけて関わりを持ち続けてきたのは蓮の方だ。

「あの……敦賀さん……」

「ん?」

「いえ、やっぱり何でもないです」

「え?なんでもなくはないだろう?」

歯切れの悪いキョーコの姿に不審なものを感じながらも、キョーコは本当に何でもないです、すみませんを繰り返し、頑なだ。
かと言って蓮とて今回も『心配だからやって来た』それ以上の事は言えずに気まずい沈黙が続く。
誤魔化すようにお茶を飲むキョーコに倣い、蓮もアルコールを口に運ぶ。
そこには爽快感もなく、苦味をただ嚥下しているだけだ。




「……敦賀さん」

「なにかな」

二人の飲み物が空になり、空の容器を持て余すようになってようやく。何か覚悟を決めた様子のキョーコが口を開いた。

「あの。……ご心配をおかけしたついでと言いますか……」

「うん?」

「私のクビをかけた仕事についてはご存知でしょうか?」

それはローリィが言っていた話だとすぐに悟った蓮は、聞いてるよと頷く。

「躓く度に敦賀さんを頼りにするのは、私の悪い癖だと分かってはいます」

「いや……それは……」

蓮自身がそうなるように仕向け続けた結果でもある。

「これが最後だと思って頂いて構いません」

「最上さん?最後って……」

まるで蓮の相槌も聞かずに続くキョーコの言葉に怪訝な声を上げるが、空のペットボトルを見つめたままのキョーコは、両手でそれを握り締めたまま言った。

「教えて頂きたいんです。恋愛の先にある……事を……」

「それ……は……」

やたらと喉が渇いているのはアルコールだけのせいではない。

「私、もう二度と恋はしないって決めています」

それは、蓮もよく知っている。
そして、蓮自身、寄りどころにしていた決意だ。


「だけど、恋を演じられなければ、私は役者である事も許されなくなります」

「最上さん……」

「だから、一度だけ教えて下さい。恋の先にある行為(モノ)を」

ひたりと合わさった真剣な眼差しは、冗談で流してしまう事も出来ないほどにひたむきで、キョーコも必死なのだと雄弁に語る。

「……最上さん……」

「お嫌でしたら、このままお帰り頂いて構いませんから……」

そう言うと、キョーコはバスルームの扉を開く。

パタンと扉が閉ざされた音に遮られてもなお、蓮の硬直は解けず、扉の向こう側から聞こえてくる水音が、まるで涙雨のようにも聞こえた。








続きはまた明日!
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