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SS・逃亡中5
おこんばんはー!
オリンピックも終わろうとしておりますし、二月も去ろうとしておりますし、本当…一日って短いですね、こんばんは。

最近のそやえもんは日々仕事終わりにせっせとリハビリに通いながら、ぼんやりおりんぴっく見たり、気がつけばあれ?今日もVSあらしやってるの?昨日やってなかったっけっていう音速のごとき一週間を送ってます。
身体が思うようにいかないので部屋は荒れ狂ってるんですけども、このタイミングにと思って食事制限してダイエットに励んでるんですが、なかなか目標は程遠いであります。

あとちょっとした連絡事項です。
【パスワード返信について】2/2までに申請の方へのお返事は完了しました。以降の方は今しばらくお待ち下さい。調子みながらポツポツお返事させて頂きますので・・・。

さてさて。逃亡中も5回目になりました。

逃亡中企画

逃亡中企画とは、とくになにをするわけでもない。ただ、同名番組のネタをみんな書かないか!?っていうだけのゆっるい企画。つまりはネタ被りも有りじゃないかという思いからの企画という名の回避措置ですので、よろしくお願いします^^






逃亡中 5








――残り時間、45分。


襲い来る様々なミッションをこなしながら進む参加者達だったが、ハンター四体の前では一人、二人と、次々に脱落者は数を連ねる。
残り時間一時間を切った現時点で、生き残っているのは蓮とキョーコを含めて8人となっていた。


「飛鷹君!?」

「バカッ!さっさと行けっ!!」

「っ!!」

下町エリアと貴族屋敷エリアを跨ぐ農道にて、ハンターから琴南奏江をかばった上杉飛鷹が脱落し、これで残りは7人だ。

同時刻。尚と美森はようやくペア登録を完了させ、次なるミッションに備え、城エリア内の神社の一角に潜んでいた。

「キャーキャーっ!これでペア登録完了だよ!ショーくん!」

うっかり出そうになるショーちゃん呼びをごまかしながら美森が喜びにぴょこぴょこ飛び跳ね、そんな美森を見ているかのようで笑みを浮かべた尚の視線はカメラを捉えている。

「っし。あとは、俺か七倉が逃げ切ってゲームは終了だな」

「うん!でも、本当に尚くんの読み通りだったね」

「ああ。正直、あんなあっさりクリア出来るとは思わなかったぜ」

そう言いながら、尚がクルクルと指先で回すのは、白い守り袋だ。

「きっと今頃、他の人たちは必死で下町に向かってるよ?」

「だろうな」

尚と美森がペア登録のタイミングをずらしている間に発生したミッションはこうだ。

『町娘のおさと、おみさが強欲貴族、藤原の策略により、それぞれ10両の借金を手形に脅されている。
助ける為には10両の価値がある幻の秘薬を作る必要があり、調合には純白の湯の花が必要だ。
この湯の花。町医者は懸賞金をかけて探しているような代物なのだが、実は下町エリアのはずれにある温泉宿の女湯の隅にはそうと知られずに咲いている。
参加者は湯の花を手に入れ、町医者の家に向かい、町娘を救うべし。』

「俺らがおさとから身代わり守りを手に入れたなんて聞けば、他の連中は残ってるおみさを助けに戻ってくるに決まってる」

身代わり守りとは、このゲームのオリジナルアイテムで、一度だけハンター一体の動きを1分間止める事が出来るという優れものだ。

「七倉、こいつはお前が持ってろ」

「え?いいの?」

ひょいと守り袋を手渡すと、美森の首にかけさせる。

「俺は走ればなんとかなるかもしれないが、七倉の足だとハンターに追いつかれるかもしれないからな」

「ありがとうっ、私、絶対クリアするね!」

ぱあああと頬を染めて喜び、クリアを誓う美森に、尚はおおと相槌を返す。
そうして二人はこれからの行動の相談を始めた。



――――――――――――――


「エリアの端から端への移動は結構……疲れますね」

下町エリアへ向かう農道にさしかかったところでフウと大きく息を吐いたキョーコを、先を歩く蓮は振り返り、気遣わしげな視線を向ける。


「大丈夫?京子ちゃん」

「あっ、はい、すみません。むしろ敦賀さんは大丈夫ですか?」

蓮の方が余分に走っているのだから音を上げてはいられないとキョーコが汗を拭い顔を上げた。

「俺は大丈夫。割と元気だよ」

「そ、そうですか。それなら良かったです」

すると、見上げた先にあった蓮の笑顔があまりにも眩く、正面からキラキラスマイルの矢を全身に浴びてしまったキョーコの声は思わず上擦る。
そんな二人の様子をカメラマンは逃すまいと追いかけたのだが、カメラの動向には意識を向けずにキョーコが瞬いた。

「……あれ?」

「え?」

下町エリアから、農道を猛ダッシュしてくる気配に気付いたキョーコの視線を追って蓮が振り向く。

「あっ!モーっ、奏江えええっ!」

ダッシュしてくる人影の正体が奏江だと分かるや否や、満面の笑顔に振りちぎれんばかりの勢いで両手を振るキョーコに、目を丸くした奏江が表情を引き締めるとバカ!と大声で怒鳴る。

「走りなさい!!」

「へ!?」

バビュンと自分を追い抜いた奏江にパチクリと瞳を瞬いていると、蓮の腕がキョーコの身体を強く引いた。

「ハンターだ。京子ちゃん、走って!」

「はいいいいっ!」

ハンターを視界に捉えた蓮の緊迫感溢れる声に背中を押され、奏江、キョーコ、蓮の順で貴族エリアに向かい全力で駆ける。

「左の建物の影っ!」

200メートルは走ったかというところで蓮の声に促され、キョーコが左の角へと飛び込んだ。

「えっ?敦賀さんっ!」

てっきり蓮も一緒だと思っていたキョーコの予想は裏切られ、蓮はキョーコと別れて真っ直ぐに走る。

「敦賀さん!?まっ!!」

「ちょっと!キョーコっ!早くこっち!」

「もっ、奏江!?」

蓮の背中を視界に入れたまま、奏江に引きずられるような形になりつつ建物の影に隠れると、ハンターが蓮を追って走り去る足音が聞こえた。

「……ハンターは人間が視界に入っている間だけ走る仕様だから、敦賀さん、わざと直進して引き受けてくれたみたいね」

「そんなっ」

蓮がただ一人直進した意図を冷静に状況を分析する奏江に、キョーコが動揺を隠せずにいると、奏江はしゃんとなさいと厳しく言い切る。

「まだ確保された訳じゃないわ。それにハンターはあと3体いるのよ。せっかくの好意を無駄にしない為にも、ミッション、クリアに行くわよ!」

私だって飛鷹くんの敵を取らないといけないんだからと言う奏江に、キョーコはかける言葉を見失う。

「奏江……」

「ほら。しょぼくれた顔してないで、行くわよっ」

「うんっ!」

ここにキュララコンビが復活する絵面が成立し、二人は再び下町エリアに向かって移動を開始したのである。



――――――――――――――



――残り時間、30分。


「な……なんとかたどり着いた……」

「そうね……」

ハアハアと肩で息をする奏江とキョーコは、温泉宿の入り口に立ち、建物を見上げた。

二階建ての木造のそれは、町民の憩いの場らしく、ポツポツと湯上がりとおぼしき人間が出入りしている。

「まあ、私たちが本当に入浴しないといけない訳じゃないんだから、入りましょう」

「う、うん」

女と書かれた赤いのれんをくぐり、脱衣場に入っていくと、ゲームキャラクターである町人たちは参加者である二人など見えていないかのような立ち振る舞いだ。

団扇を仰ぐ婦人の脇を通り過ぎ、辺りを見渡す。

「ねぇ、ちょっと」

「え?」

ツンツンと肘で小突かれたキョーコが奏江の見ている方を見やると、番人よろしく、年嵩の女性が仁王立ちで脱衣場の中にある小さな花壇の前に立っている。

「……まさか」

「どおりで流れてきたクリア情報が一人分だったはずね」

尚、美森ペアが町娘の片方しかクリアしていないのは、しなかったではなく、出来なかったのだろう。
湯と書いた前掛けをしている所を見るに、女性はこの温泉宿の女主人であり、表情から見るに、どうやらすでに一輪失われた湯の花についてご立腹らしい。

「(――ねえちょっと。あの人って、上尾君子さんじゃない?」

「(……う、うん。なんでこんなところにあんな大物が……」

キョーコには見覚えがありすぎる大御所女優がいた事におののかずにはいられない。

「(さすがお正月特番……って事かしら」

ひそひそと会話する二人だが、こうなると二人にはどうやって湯の花を手に入れるべきかが分からなかった。

「ひっ!」

唐突にギロリと視線を向けられ、竦み上がる二人だが、ここは行かなければとキョーコがあのぅと声を上げる。

「すみません。その、お花を、一輪頂けないでしょうか?」

「はあ゛ぁ゛?!」

「すっ、すみませんすみません!」

「し、失礼しましたっ!」

女性らしからぬドスが効いた声に、一度として面識がない奏江の額にも冷や汗が浮かぶ。

「(――って、キョーコ!これじゃ進まないじゃないの!」

「(でもでも、こんなのどうしたら良いのよーっ!」

ヒソヒソと相談し合うキョーコと奏江だが、この瞬間、再び携帯電話が一斉に着信音を鳴らした。

「ひゃああ!」

「まさか……っ」

慌ててメールを確認する二人によぎったのは、蓮が確保されたのではないかという不安だ。

「――百瀬さん、確保。残り6人……だそうです」

キョーコが読み上げ、奏江が溜め息を吐いた。

「あと23分……やっぱり厳しいわね……」

「うん」

けれども諦める訳にはいかないと二人がは目を合わせて頷き合う。

「あの、上尾さん!」

意を決して再び挑むべくキョーコが声を上げた。

「あら。分かってるわよ。この花が欲しいんでしょう?そんなの、あげるあげる。勿論よぉ」

「……えっ?」

おほほほほと先ほどまでの不機嫌から一変。コロリと態度を変えた上尾の満面の微笑みに面を食らっていると、キョーコの後ろからありがとうございますという男の声がする。

「な……?」

「こんな所までやって来た俺を怒らないんですか?」

「まさか、敦賀君を怒ったりする訳ないじゃなーい、おほほほほ」

「つ……るが……さん?」

「もぉーっ。今回の出演は敦賀君が来るっていうから引き受けたのよーっ」

いつの間にかやって来た蓮が二人の後ろから、上尾に笑顔を振りまいており、蓮目当ての上尾はみるみる上機嫌だ。

「ありがとうございます、上尾さん。エプロン、お似合いですね」

「んもーっ、お上手ね。うふふふふ」

「……アホらし……」

「う……」

はああああっ深い溜め息を吐く奏江をよそに、湯の花は蓮の手へと渡される。

「敦賀さん、ここ……女湯……ですよ?」

確かにゲーム中の施設だから入ってきた所で本当に脱衣している人間がいる訳ではない。

「うん。外でどうするか相当迷ってたんだけど、京子ちゃんの悲鳴も聞こえたから、心配になって」

「悲鳴……?」

さて、なんの事だろうと首をかしげると、奏江がああ、そういえばと着信音が鳴った瞬間のキョーコの悲鳴を思い出した。

「いつまでもお邪魔するのは居心地が悪いので、これで失礼しますね。上尾さん、ありがとうございました。琴南さん、京子ちゃん、行こうか?」

「あ、はい!」

「あら、もう行っちゃうの?がんばってね」

猫なで声に近い上尾の声を背中に聞きながら三人は温泉宿の前まで移動すると、どっと押し寄せた疲労感にキョーコと奏江が盛大な溜め息を吐いた。

「思いの外あっさり手に入って助かったね」

「そう、ですね……。はいぃ」

「私たちだけでは手に入れられなかったでしょうから、敦賀さんが来て下さって助かりました」

このミッションは、女湯を前にした男性参加者の反応を楽しむ為、また、上尾という最強の門番を前にどうするのかという意地悪問題のような物だ。

「結果オーライってやつかな?」

「はあ……」

にっこり微笑む蓮の顔を、キョーコは敦賀蓮のイメージはこれで大丈夫なのだろうか……と、遠い目で見上げる。

この蓮の笑顔の裏に、尚には負けたくないという負けず嫌いが発動していたとは、この時、カメラマンや奏江はもちろんの事、キョーコにすらも感じとる事は出来なかった。










むしろ蓮が入ってきたら、女子たちは我先にどうぞ見て下さいって脱ぎ出しそうだよね←

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