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SS・逃亡中6
さてさて。逃亡中も6回目になりました。こんばんは。

色々とお気遣い溢れるコメントを寄せて下さったみなさま、本当本当ありがとうございます。
まだろきそにんしっぷがないと朝も夜もない感じなんですが、キーボード触ってる時間は増やせれそうなので、そろそろ創作にももっと貪欲に戻って来たい今日この頃であります。

そうこうしてる間に二月は終わり、三月が始まってしまった訳ですが。明日ママンの誕生日なのにまだ何にも準備してなくて、ヤベエお財布も空っぽだ!という今夜です。ハッ”
なんか通販しとけば良かったorz
計画的な人生を送ってみたいもんです。


というわけで。逃亡中は次回最終回です。きっと。多分。おそらく。

逃亡中企画

逃亡中企画とは、とくになにをするわけでもない。ただ、同名番組のネタをみんな書かないか!?っていうだけのゆっるい企画。つまりはネタ被りも有りじゃないかという思いからの企画という名の回避措置ですので、よろしくお願いします^^

以下、追記よりどぞー。










逃亡中 6






――残り時間、22分。


呆れ顔の奏江は早々に単独行動に戻ってしまい、残された蓮とキョーコは湯の花を手に二人で町医者を経由し、町娘おみさを救出した。

蓮とキョーコによるミッションクリア情報が一斉に参加者の携帯電話を鳴らし、蓮の手の中にはおみさから感謝の証しとして渡された守り袋が一つ。

「それが身代わり守りですか?」

真っ白な守り袋には明王が描かれ、赤い紐が通されている。

「うん。発動の条件はハンターに向けて指を指し、止まれと言う事らしいよ」

付属の筆文字でしたためられた説明書を蓮が読み上げると、折りたたんでジャケットのポケットへと片付けた。

「止まれ、ですか」

「そう。はい」

「はい?」

言うが早いか蓮はキョーコの首に守り袋をかけてしまい、おみさの家の前から離れるべく周囲を見渡している。

「つ、敦賀さん!?これっ!」

頂けませんと慌てるキョーコに、蓮は「ん?」と笑みで返すばかりだ。

「大丈夫だよ。俺、まだ元気だし、レディーファースト」

「でも……」

確かに疲労が蓄積しているキョーコの足は重い。
かと言って、蓮の方が明らかに走っている事実は変わらないのだ。キョーコは困り顔で蓮を見上げた。

「敦賀さん、もうだいぶ走られてますよね?」

さっきだってと続けたキョーコに、蓮は「いや」と否定の言葉を口にする、

「そうでもないよ?少し走ったけど、すぐに逃げ切れたし」

「本当ですか?」

あのハンター相手に、どうやって逃げたのかと不思議になったキョーコが怪訝な視線を投げる。
そんなキョーコに向かい、蓮は本当本当と燦然とした微笑みでもって返した。

「あの……ちなみに、どうやって逃げ切ったんでしょう?」

「え?ああ、……飛んで?」

「……は?」

馬鹿にされているのだろうかと考えはしたが、蓮の眼差しは微笑みこそ称えているが、至って真剣だ。

「貴族屋敷の壁を飛び越えてハンターの死角に隠れたんだよ。跳び箱みたいな感じに」

「飛び……!?」

また規格外な事をと思わないでもなかったが、蓮の身体能力ならば出来ない話ではない。飛び越えられる高さだったから飛び越えた。おそらく本当にそれだけの事なのだろうと思えるのは、キョーコが見知っている敦賀蓮という人物のポテンシャルの高さ故だった。

「ただ、建物に手をかけて登ってはいけないってスタッフに注意受けたから、もう出来ないんだけど」

「そ、そうなんですか……」

上空カメラがいるから触れるくらいなら大丈夫かと思ったんだけどなとやや不服げに言う蓮に、キョーコはどう答えたものだろうと思案に暮れる。
確かに、張りぼてで作られた建物が大半である為に、登ってはいけないという規約はあったのだが、蓮の飛び越えるという行為までがそれに該当するのかはいささか微妙なラインだ。
きっと番組スタッフ側は、予想以上の蓮の身体能力の高さが引き起こした前代未聞の逃亡方法に衝撃を受け、慌てて禁止したに違いない。

「って、ですから、貰えませんってば!敦賀さんっ」

ごまかされかけている事に気付き、慌てて物申すと、蓮はまあまあと微笑む。

――PIPIPI
――PIPIPI

「ああ、またメールだね」

「えっ!?あわわわっ……」

わたわたと蓮を追いかけるように携帯電話を取り出すと、蓮はすでに受信箱を開いてミッションメールを読み上げているところだった。

「『畑仕事に出向いていたおさとが藤原の手の者により浚われた。おさとを連れ去った籠屋は、現在、北側の農道を貴族屋敷エリアに向かって移動中。藤原の屋敷はエリア奥、赤い土壁の屋敷である。籠が屋敷に到着するまでに残された時間は15分、藤原邸の門前に出現した救助ボタンを押し、おさとを救出せよ』」

「『なお、おさと救助ミッションに失敗した場合、ペナルティとしてハンターが100体放出される』……って100体ぃっ!?」

最後の一文にキョーコが目を見開くと、蓮もそれは困るねと唸る。

「ラスト五分の話だろうと、100体もハンターがいたらさすがに逃げ切れないだろうし」

「エリアがハンターで埋まるでしょうね……」

長身に全身真っ黒なスーツにサングラス姿。そんな男達が100人も辺りをうろついている状況を想像するだけで、頭が痛くなりそうだ。

「そうだね」

「敦賀さん。これは、絶対助けてクリアするしかないですよ」

意気込むキョーコが拳を握ったその時、再び携帯電話の着信音が鳴り響き、二人はそろって携帯電話を覗きこむ。

「え?……琴南奏江……確保……?」

「京子ちゃん?」

唐突に告げられた情報を飲み込めずに固まるキョーコに、蓮が肩を揺さぶるように呼びかける。

「気を抜くのは早いよ。琴南さんと仲が良いのは分かるけど、ゲームはまだ終わっていないんだから」

「あっ、はっ、はい!すみません!」

思わず放心してしまったキョーコも蓮の声で我に返った。

「籠屋を追いかけよう。向こうが走っているのが北側の道なら、俺たちはこのまま南側の最短距離を走れば先回り出来る」

「はい」

「行こうか」

「了解です!」

キュッと唇を噛み、パンと頬を叩く事で気合いを入れ直したキョーコは、蓮の背を追いかけたのだった。




――――――――――――――




蓮とキョーコが貴族屋敷エリアに向かい南側の農道を走っている間にも、また一人、ハンターに確保されたメールは届く。

ゲームクリアまでの残り時間は14分。ミッションの為に残された時間は9分となり、生き残ったプレイヤーは四人。蓮とキョーコ。そして尚、美森だけとなっていた。

「敦賀さん、あれ見て下さいっ!」

貴族屋敷エリアに入った直後、キョーコが指差した先には城エリア側からやってきた尚と美森の姿がある。

「もーっ、こんな時にっ」

早く貴族屋敷エリアの藤原邸に向かいたいが、このままでは尚、美森と完全に同じタイミングでかち合う事になってしまう。

「とはいえ、行き先は同じだし。しばらくは直進するしか選択肢はないね。それともわざと回り道してみる?」

貴族屋敷エリアは碁盤の目のように配された三筋の通りで構成されているので、回り道は可能だ。

「ダメですよ!遠回りなんかしたら、あと9分しかないのに、負けちゃうじゃないですか!」

このゲームの勝ち負けは、ハンターに捕まらない事であるので、本来ならば全員でのクリアを目指せば良いのだが、残っているのが尚だと分かった今、キョーコの中には全員で力を合わせるなどという選択肢はなくなった。
そしてそれは尚も同じらしく、キョーコと蓮の姿に気付いた尚の表情は厳しいものだ。

「じゃあ俺たちでミッションクリアを目指して頑張ろうか」

キョーコの心情を看破した蓮は、自分とて尚と協力するつもりはない事を自覚してクスリと笑うが、カメラにはそんなそれぞれの感情までが映り込むはずもない。

「はい!」

むむむむと唇を引き結んだキョーコがピッチを上げると、蓮もペースを合わせて併走し、一方の尚はといえば、美森の体力が限界に近いらしく、ヘロヘロ顔の美森はペースが上げられない。

これで自分たちが先手を行く事が出来るとキョーコが小さく拳を握りしめた瞬間だった。

「きゃあっ!」

舗装されていない道路の小さな窪みに足を取られ、キョーコがよろめく。

「最上さっ!」

「っあ!あ……ありがとうございます」

間一髪の所で蓮に腕を引かれ、転ぶ事はなかったキョーコ、支える事が出来た蓮、二人が揃ってほっとした息を吐く。

「大丈夫?」

「あっ、すみません、すみませんっ!!」

自分の居場所が蓮の腕の中だと気付き、飛び跳ねるように一歩後ずさって距離を保つと、カメラが回っている前では蓮もそれ以上何も言えない。

「ありがとうございました」

「怪我がなくて良かったよ、走れそう?」

「はい、大丈夫です」

けれども、そこでハッと気付く。

走る尚の口がとても小さく、キョーコ以外にば読み取れないだろう程度に動いたのだ。

『 バァーカ 』

「んなっ!!?」

無言のメッセージ一つで、面白いほどいいように煽られた姿を、チラリと視線だけで一瞥した尚がクッと口角を上げてほくそ笑む。

「京子ちゃんストップ!」

怒り狂った猪よろしく、尚を追いかけようとした京子を、蓮が強く引いて止める。

「なっ!なんでっ、敦賀さん!」

「いいから」

「っあ……」

キョーコの抗議も気に止める様子もなく、尚と美森の背中は遠ざかっていく。
離して下さいとばかりに力を込めるが、ガッチリと力が込められた腕力の前には叶う事なく、どこか遠くを窺う素振りの蓮は、「こっちへ」とキョーコを引きずるように手近な貴族屋敷の門の中へと入って行った。

「敦賀さん、なんでっ!?」

土壁の裏へと連れ込まれ、奥へと押しやられると、背中にヒンヤリとした土の冷気を感じる。

「シッ!」

理由を教えて下さいと言うはずが、キョーコを壁に押し付けた蓮は、鋭くキョーコを制止する。
まるで悪いのは自分だっただろうかと思わせる迫力に、キョーコが息を飲んだ刹那、蓮が小さく呟いた。

「足音がする……」

ザッザッザッザ。
まるで軍隊のマーチかなにかのように一定速で響く小さな革靴の足音。
一人分のそれは間違えるはずがない。

「ハンターが近くにいる」

訪れた危機に最大級の緊張が駆け抜けた。







次回。最終回。・・・多分←
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