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ACT.212本誌続き妄想2
はい、こんばんは!
梅雨ですね。梅雨です。プリンスに元気注入してもらいつつ、とあるレストラン経営に精を出している今日この頃←
ときレスしながら気付いたんだけど、というか、再確認なんだけど。
私、やっぱ業界物が好きなんだなと。←いまさら。
アイドルっていいよね。俳優っていいよね。
結論。敦賀さんって本当いいよね。あー。

ということで、続き妄想の続きであります。
おそらく三話着地なので、中編になります。2だけど。
追記よりどぞー!







ACT.212 本誌続き妄想 2






「今夜の事は本当にごめんなさいね。私が夕食を一緒になんて誘ったから……」

ホテルに戻る車内。ハンドルを握るミス・ウッズは心底申し訳なさそうにそう言った。

「そんな事ないです!むしろ、私が何も考えずにそのまま出てきてしまったのがいけなかったんですから」

せめて私がセッちゃんになっておけば良かったんですよと言う彼女に、ミス・ウッズは、そういう指示を私が出さなければならなかったのだと苦く笑う。

「いえ。元はと言えば、あの店を指定したのは俺ですし、そもそも、俺が予定時刻を破らなければこうはならなかったんです。俺の方こそ、本当に申し訳ありません」

店を指定したのは彼女――最上さんが喜ぶ顔を見たかったというのが一番の理由ではあるが、ホテルのパンフレットに名を連ねる有名店ならば、多くの観光客に紛れるだろうという目算もあった。
今回に限ってはあてが外れ、危うくトラマファミリー出くわす所だったが、それも大事には至っていないのだから、間が悪かったのだと言えばそれまでの事で、起きてしまった事態は消せないものの必要以上に気に病む必要はない。

「偶発的な事でしたし、結果オーライにしませんか?」

偶然の重なり合った果て、あまつ未遂の事件に責任の所在を主張し合うというのも非生産的だが、ミス・ウッズがどうにも浮上しきらず、車内には暗い雰囲気が漂い続けた。

「そうですよ!あんなピンポイント。貰い事故みたいなものですから、あまり気になさらないで下さい」

「それはそうだけど。でもね、確かに結果的には気付かれなかったから良かったけれど、それでも本当に危ない所だったでしょう?こんなんじゃ、二人のサポートを任せてくれたダーリンに顔向けが出来ないわ。情けない」

「いえ、そこは本当に俺の責任ですから」

元を辿れば、ミス・ウッズに一連の行動を余儀なくさせたのは俺なのだ。

なおも肩を落としているミス・ウッズは、最上さんの宿泊するホテルらしい駐車場に車を停めると、重ねて今夜はごめんなさいねと詫びていて、俺のホテルのすぐそばだったのかと一瞬でも薄情な事を考えていた俺をよそに、最上さんが慌ててミス・ウッズを励ましている。

「本当にミューズのせいじゃありませんから!ねっ、敦賀さん!そうですよね!」

目的地に到着していようと、このままの雰囲気では降車もままならないらしい。
面倒事など相手にせず、この場所を離脱する事は簡単に選べただろうに、いつだってそんな道を選ばない彼女の胆力には頭が下がる。

「もちろんですよ。それに、また明日から気を引き締めて頑張らないといけませんから、あまり引きずってもいられません」

対して、我ながら無責任な言い草かと思わないでもなかったが、こうでも言わなければ話が進まない。

「……そうね。そうよね」

ミス・ウッズもようやくここらで踏ん切りをつける気になったらしく、深々とため息を吐き出した後、ありがとうと微笑むと、それじゃあキョーコちゃん、また明日ねと彼女に視線を向けた。

「……あっ、あのっ」

「ん?」

促されてもまだ車外に出る事を躊躇いがあるらしい彼女が、おずおずとお食事代はどうしたら良いですかと申し出る。すると、ミス・ウッズがそれはいいのよと答える。

「今日のご飯は蓮ちゃんの奢りだしね」

「えっ?そうだったんですか?!」

現時点では支払いを済ませたのはミス・ウッズであるから、正確には違う。だが、俺にウインクを寄越したミス・ウッズの好意を無駄には出来ず、苦笑混じりで頷くと、彼女はことさらに困惑を深めたようでええっととうろたえた。

「先輩に奢られるのは後輩の特権だよ。最上さんもいずれ後輩にご馳走すれば良いだけの事だ」

「あっ、はっ、はい!あの……ではお言葉に甘えて……」

「うん」

頷いた俺に頭を下げ、ごちそうさまでしたという言葉を残し、彼女はようやく車を降りた。

「では、また明日からよろしくお願いします」

「また明日ね、キョーコちゃん」

「おやすみ。最上さん」

彼女の背中がエントランスに消えるまで、車内には沈黙が満ちていて。

「――私の過失もあるし、精算は日本に帰ってから纏めて考えましょ」

「了解しました……」

今回の原因を考えるなら、過失割合が大きいのは明らかに俺の方で、ミス・ウッズには明日からも世話になる。
グアム滞在の間に一体どのくらい貯蓄する事になるのだろうと頭を悩ませながら俺は久遠ヒズリとして宿泊する部屋へと帰った。




――――――――――――――



開け放った窓から流れ込む南国の温かな夜風を感じながら、考えるのは仕事ではなく彼女の事ばかりで、零れるため息は我ながら女々しい。

そろそろ眠った方が良いと分かってはいたが、目が冴えた状態ではそれも出来ず、ベッドの上で寝返りを打ちながら、ぼんやりと茶色いオリエンタルな天井を眺めた。

たら、ればを考えてもキリがないと分かっていながら、思うのは彼女の視線が時折揺れた『意味』だ。

「嫌われては……ないと思うんだけどな」

天井に向けて突き出したいた手のひらをグッと握り、前髪をかきあげて瞳を閉じる。

「――最上さん……」

夕食だけとはいえ、俺と顔を合わせた事は昼間の久遠との接触を思い起こさせるに十分だろう。

昼間、コーンというフィルターを通して感じていただろう敦賀蓮の存在に。
夜、敦賀蓮を通した先にあるコーンとの思い出に。
彼女が一体何を思い、何を感じていたのか……。

「知りたいような、知りたくないような……」

はああと重い溜め息を零し、身体を起こすと、なんともなし、バルコニーの手すりに体重を預け、階下に向けて視線を投げた。

「…………あれは?」

見下ろした先に見覚えがある人影を見つけ、もしやと瞬くが、それは間違いなく彼女だった。

「どうして……」

考える間もなくカードキーを掴むと、エレベーターを待つ時間ももどかしく、階段を一気に駆け下りる。

ぐるぐると回る階段の階数を目で追いながら風を切り、飛び降りる勢いで下った。

「っ……一体どこに……」

周囲を見渡すが、こんな深夜に近い時刻でも、観光客が雑多に行き交うホテル通りの道に彼女の姿はない。

けれど、見間違えるはずがないという自負が簡単に諦める事を良しとせず、勘を頼りに地面を蹴る。
どこにいけば良いのかなんてまるで分からなかったが、衝動に任せ、ヤシの木がそよぐ路地を海岸に向かった。

「……最上さん……」

なんとなくそちらに足が向いたのは、昼間に彼女と出遭った場所だからだろう。

昼間は太陽光により宝石のごとくまばゆく煌めいていた海も、日没と共にすっかりなりを潜め、潮騒が静かにさざめく。
ホテルから続く道に面したブロックに腰掛け、暗い海を眺める彼女を見つけられたのは本当に幸運で、ぼんやりとした彼女の表情が、街灯から届く淡いオレンジ色の灯りに照らされ、どこか物悲しいように見えた途端、思わずかける言葉を見失う。

ほっそりとした身体を包む白いワンピースとボレロは、さっきまでの彼女の装いとは違っている。
ひょっとしたら今、目の前にいる人物は本当に別人なのかもしれないと思うほど、大人びた憂い顔に、心臓がドクリと脈打った。

いつの間に、彼女はこんなに切なげな表情をするようになったのだろう……。

降って湧いたような焦燥感に胸をかきむしられた。

「……え?…………敦賀さん?」

「ぁ……」

そうこうしている内に彼女の方が俺の存在に気づいて声を上げる。
何か言わなければと思ったが、何者かに芯から絡め取られたかのように、働かない思考回路からはなんの言葉も生まれない。
明確な理由がある訳でもないのに、どうしようもなく込み上げてくる不安に、身も心も、自由を根刮ぎ奪われたように、ただ、砂浜に棒立ちになっていた。

「あの……敦賀さんですよね?」

「……ぉ……れ…………」

乾いた喉からはうまく音が出ない。
ただYESと答えれば良かっただけの呼びかけにすら応えられなかった。

「敦賀さんじゃないんですか?……まさか……――コーン?」

いつまでも反応を示さない俺の様子を伺うような彼女の視線は、真剣に俺の正体を探っている。
ここが昼間、コーンと再会した場所だからこそ余計、不信を抱いたのだろう。

「……うん……キョーコちゃんは俺を見つけるのが本当に上手だね」

卑怯だと分かりきっていたが、これは好機だと思った。

これで、彼女の本音を探る事が出来る。

――そう、思ってしまった。

「ふふふ。こんなにすぐ、コーンを見つけられるだなんて思わなかった。やっぱりここ、パワースポットなのかしら」

それともコーンの国と繋がるゲートとか?と首を傾げる彼女の全身をくまなくチェックして、みとれている自分に内心で苦笑する。

「はは。そうだね、確かにここには磁場があるよ。思わず来ちゃうくらいには国と近いんだ」

「やっぱり!そうなんだ……」

努めて明るい声ではあったが、それはむしろ明るすぎた。それは彼女自身にも感じ取れたらしく、すうっと表情が消える。
その明暗がくっきりとした落差に、やはり『知りたい』という欲求が大きく疼く。

「…………ねぇ、コーン。貴方、魔法……使った?」

「え?どうして?……ああ、ひょっとして、俺、違って見えてる?」

髪色が違うのだから当たり前だ。
けれど、ここは素知らぬ顔で乗り越えにかかった。

「昼間に会った時はちゃんとコーンの髪の色だったのに、今、貴方の姿は敦賀さんそのものに見えてるわ」

「そう?……だとしたら」

最後に会った人だとか、昼間の魔法の残滓だとか、理由付けならどうとでもなると口を開こうとした時、彼女の方が「ああ、そうか」と何かを察したように苦く笑う。

「私が敦賀さんの事ばかり考えていたせいね」

「敦賀さんの事ばかり?」

一体何を考えていたのという問いかけに、彼女ははっきりとした答えは出さず、うんと頷いたきり暗い海を見やる。

「キョーコちゃん?」

一歩一歩と近付き、距離を詰めた。

「座る?」

「あ……うん」

彼女が座っていた位置を半身ずらし、席を進める。
まるで誤魔化すようなそれにあえて何を言うでもなく、隣に腰掛けると、二人の間を奇妙な沈黙が支配した――。









あのお洋服を敦賀さんに見せてあげたかった。そんなお話です。←私には下心しかありませんと胸を張る。
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