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SS・悲シミガ君ヲ殺ス
こんばんはー、そーやでーす!
書き出したら止まらなくなって、気がついたら書き終わってた、そんな自分にビックリ☆
いや、連日そんな感じですが、今回は本当に、蓮が止まらなかったので・・・

お願いです、敦賀さん、私を・・・寝かせて下さい。←こら

タイトルも一応、書きあがってみれば納得できるタイトルかな、っていう感じなので、
読んでみてください。最上ノ華のクライマックスなんだぞ!!
色々な方から突っ込まれましたが、前回のラストは尚です、そうです。尚です。

あとはですね、拍手で、まさかの一気読みしましたという方の拍手を頂きました。
一気読むには結構な量になってると思います(笑)大変お疲れ様でした!
楽しんでもらえて、それを楽しかったーと言われると、本当に嬉しい今日この頃です!

では、今日のクライマックスは宣言どおり、私的に蓮様フルスロットルです。
長いので頑張って読んでくださいねー!(笑)


追記より、どぞー!!!


最上ノ華ヲ我ハ愛ス 4

・悲シミガ君ヲ殺ス・





その言葉は鋭い凶器だった・・・。



その言葉は形の無い暴力だった・・・。





その言の葉は彼女の心の奥底に深い傷跡を残した…………。






……………………………………

「きょ…京子ちゃん?」

「はい?あ、おはようございます、石橋さん。」

局の入り口で出くわしたブリッジロックの面々に、キョーコはぺこりと頭を下げて挨拶をした。

「あの…ね…その…指輪…」

常ならばキョーコの挨拶に笑顔でおはようと返してくる彼らであったが、この日はいつもと様子が違っていた。
一番人当たりの良いリーダーの石橋光が、恐る恐るといった具合でキョーコの左手薬指の指輪を指した。

「それ…誰かに貰ったの?」

「あ、これですか?尊敬する方に頂いたんです!」

「そ…そうなんだ……いや…なんでもないんだ…今日も収録、頑張ろうね。」

「はい!今日もよろしくお願いします!」

そう言い残した石橋光は何やら覚束ない足取りで、横にいた残りの石橋の二人に支えられるようによろよろと楽屋へと歩いて行った。

「んー?光さん、体調でも悪いのかな…どうしたのかしら?」


その思い、知らないものはキョーコばかり。



……………………………………

話しは2日程遡る。


蓮から指輪を贈られた翌日、奏江とキョーコの二人は社長直々の呼び出しを受け、
"リングをした上でのリアクションの心構え一覧表"なるものを渡された。
ローリィ曰わく、LME所属芸能人に恋人が出来た時の事務所の対応のマニュアルの試作の一つらしく、
タイミング良く指輪を手に入れたラブミー部員をテストモデルとして駆り出すことにした…らしい。

ちなみに心構え一覧表の内容とは

1.移動時、プライベート時のみに着用し、仕事中は外しておく事。
2.LME主任クラス以上の者以外には贈り主は"尊敬する人"として贈り主の名前や贈り主の性別も口に出さない事。
3.万が一マスコミに嗅ぎつけられた場合、笑って"事務所に聞いて下さい、お返事しますから"と煙に巻く事。
4.相手に関する質問には"大切な人"とだけ返す事。

ローリィ曰わく、嘘をつく必要は無いが、本当の事を全て言う必要も無い、らしい。

「全く…社長ときたら、私達で遊ぶつもりとしか思えないわね。」

「でも、モー子さんのリングは中指サイズだったのね~、だったらこの心構えの心配っていらないんじゃない?」

「敦賀さんもわざわざサイズを計ってプレゼントしてくれた訳じゃないんだからそんなもんでしょ?
それと最近は左手薬指だからっていうんじゃなく、指輪自体に反応される事もあるって話だからマスコミには気をつけるに越した事は無いわよ?」

こともなげに言う奏江にキョーコは頷いた。

「そうなんだ~、でもモー子さんがこういうプレゼント、受け取るなんて思わなかったな。」

「まあね…普段ならあんまり高価な物は後が怖いから受け取らないんだけど、あの敦賀さんがくれるっていうならありがたく貰っておくわよ、アールマンディのアクセサリーなんて自分じゃなかなか買えないわよ?」

「そうだね、でもこれって本当に綺麗だよね~、裏側にも石が入っててキラキラしてるし、名前まで入れてくれてるんだよ~!」

そう言ってキョーコは左手をかざし、自分の指に輝く指輪を見つめた。

「…へぇ…」

「え?どうかしたの?」

「なんでもないわ、さっさと、行くわよ。」

「あ、待ってよ、モー子さん!!」


こんな他愛ない会話から2日後。


「本日のやっぱ気まぐれロック、スペシャルゲストは上杉飛鷹くんと琴南奏江さんでしたー!ではまた来週ー!」

きまぐれロックのゲストに奏江と飛鷹が出演し、キョーコ演じる坊との対決や料理クイズなどに興じ、収録はつつがなく終わった。

きまぐれの控え室で一緒にいたキョーコ、奏江、そして顔を出しに来ていた飛鷹であったのだが、キョーコの携帯電話がマナーモードで鳴り響き、そのメールをチェックしたあと、キョーコは二人に問いかけた。

「ねぇ、モー子さん、飛鷹くん、この後って予定ある?」

「特にないわよ?」
「俺も今日はこれで上がりだけど?」

奏江と飛鷹がそれぞれに答える。

「敦賀さんがね、撮影で今この局に来てるから、終わってから二人も一緒にご飯でもいかがですか?って。」

「それは・・・別に構わないけど…。」

「って、おい、なんで俺まで誘うんだ?俺、敦賀さんに会った事ないんだけど?」

「私が色々話したから会ってみたいって思ったみたいよ?」

「お前…一体何の話しをしたんだ?」

思いっきり訝しむ飛鷹にキョーコは笑顔で返す。

「え?それは勿論、飛鷹くんがモー子さんのことが好「だあああああ!!!!行く、行くから黙ってろ!!!」

「え?私が何?」

きょとんとする奏江に飛鷹は焦る。

「なんでも無いし!!つかこのドピンク悪魔ぁぁ!!!いい加減な事言ってんじゃねぇ!!!!」

キョーコの発言に噛みつく飛鷹のリアクションにキョーコはにんまりと笑顔を浮かべた。

「ふーん、まあそういう事にしときましょうか。」

何なのよと奏江が首を傾げる中、キョーコの笑い声と飛鷹の怒声が響いていた。

そこへ、コンコンコンとノックが割り込む。

「あれ?敦賀さんかしら。」

そう言ってキョーコは扉を開けた。



……………………………………


「よお、久しぶりだな。キョーコ。」

「………ショータロー…。」

扉を開けた先にいたのは、ふてぶてしいまでの笑みを浮かべた不破尚、彼だった。
普段どおりのロックスタイルにジャラジャラつけたシルバーアクセサリー、おそらくは別番組で局入りをしたその帰りなのだろう。

「一体、なんの用よ」

思わず忌々しい表情を浮かべたキョーコに尚は薄い笑いを浮かべて口を開く。

「ご挨拶だな、お前に男が出来たなんて面白い噂を聞いたからその顔を見にきてやったんだ、おい、中に入れろよ。」

思わず扉を閉めて追い返そうとしたキョーコだが、尚が足を扉の間に入れているため簡単には締まらない。

「そんなとこで話してて誰かに見られたら面倒よ、入ってもらいなさい。」

奏江がキョーコの後ろから声をかけた。
ここには奏江も飛鷹もいるのだ、大事になるはずは無い、妙なスキャンダルが立つ可能性をまず断たねばならない。

「なんだ、先客かよ。」

不服そうに述べながら部屋へ入ってくる尚にキョーコが毒づく。

「あんたは客じゃないわよ、用がないならさっさと帰ってちょうだい、迷惑よ!」

「ふん、用ならさっさと済ますさ。」

「はあ?」

キョーコには尚の尋ねてきた意図が分からない。

「で?お前なんかに指輪を贈った悪趣味な男、一体誰なんだよ?」

「あ、あんたには関係無いでしょう!!!?」

「あるから言ってんだよ、お前、俺に復讐するんじゃなかったのかよ?何よそ見してんだ?馬鹿じゃねぇの?いや、馬鹿なのか。」

「誰が馬鹿ですって~!!!」

キョーコの頭には完全に血が登っていた。

「敦賀さんよ。キョーコの指輪は敦賀さんから贈られた物。これで満足?」

「ああん?」
「も、モー子さん!?」

横から入ってきた奏江の一言に、二人が反応する。

「不破さん、あなた、お呼びじゃないの。これから私達、食事に行く所だから早く帰ってくれません?」

不破に元より良い感情を持ち合わせていない奏江は、尚をさっさと退散させるべく思案する。

「生意気な女だな、あんた。」

「それはどうも。
そんな事より、昔捨てた女をいつまでも追いかけるなんてみっともないですよ、さっさとお帰り下さい。」

奏江の物言いは遠慮が無い、その一言は尚の痛い所をついたのか、尚の顔に不快感が露わになる。

「はあ?追いかけるって誰がだよ。追いかけられてるのは俺の方だ。コイツは俺を蹴落としたくて仕方ねぇんだよ、こいつには一生無理だけどな。」

「ちょっと!さっきからなんなのよ!!」

キョーコが憤慨露わに尚に突っかかった所で、部屋へノックが響き、返事を待たずに扉は開かれた。

「…こんにちは、随分と盛り上がっているね。」

「あ、敦賀蓮…さん。おはようございます。」

それまでただ成り行きを見守っていた飛鷹が新たな来客に挨拶をした。

「おはよう、上杉くんだね、はじめまして。」

温厚な笑顔で蓮も挨拶を交わす。

「最上さん、琴南さんもお疲れ様。用意は出来たかな?そろそろ行こうか。」

尚を無視する蓮の態度に尚が怒鳴る。

「おい、俺を無視すんな!!」

「あぁ、不破くんいたの?気がつかなかったよ、ごめんね。
でも、俺たちもう行く所だから失礼するよ?

蓮はおだやかな笑顔でキョーコ、奏江、飛鷹を促そうとした。

「はあ?たかだか食事なんだろう?俺から逃げるようにしなくてもいいんじゃないか?」

尚は不敵な笑みを浮かべて蓮を挑発する。

「ちょっと!誰が逃げるですって!失礼な事言わないでよ!!」

キョーコが噛みつく。
けれど、そんなキョーコを歯牙にもかけず、尚は蓮にむかって続ける。

「あんた、コイツに指輪を贈ったんだって?あんた、趣味悪ぃんだなぁ、
こんな”地味で色気も何もない女”だぜ…?あんたはどうせ遊びのつもりなんだろうが。」

「なっ!!!」

尚の言い草にキョーコは言葉を失う。過去に言い捨てられた台詞に心のどこかが軋む痛みを感じる。それは体から血液が抜け落ちていくような感覚。

「コイツは最初っから俺のもんなんだよ、あとから入って来て余計な事、してんじゃねぇ。」

勝ち誇ったような笑みで蓮に言い捨てる尚の言葉に、蓮が口を開いた。
それはそれまでの温厚な声音とは180度違う、低い、怒りを抑えたような声。

「君は随分と勝手な男だな。最上さんが君の物?俺が遊びのつもり?全く、ふざけるのも大概にしてくれないか?」

「ああ?」

「そもそも、地味で色気が無いって誰の事だい?」

「誰ってコイツに決まってんだろうが!!」

尚がキョーコを目で指し示すが、蓮に注意を向けている尚にはキョーコが真っ青であることに気づかなかった。

「俺の目には最上さんは世界中の誰よりも可愛く映るし、綺麗な華を持っているようにしか見えないね、君の目が曇ってるんじゃないか?あぁ、それとも、見えてないのかな?」

「言ってくれるじゃねぇか…。」

「君には彼女に何か言える権利なんてもうとうに無い事をどうして分からないんだ?」

「はあ?意味分かんねぇ、コイツは俺のもんなんだ、コイツを好きに扱うのは俺の権利なんだよ!」

尚の言い分に蓮、奏江、飛鷹、全員が苦虫を潰したような表情になるが尚はそれに気づかずにまくしたてる。

「どうせコイツに指輪をやったのだって、安物の首輪でもつけて都合の良いように拘束しようって腹なんだろうが?女には不自由してなさそうなのに、コイツもキープしようってかぁ??ああ?」

「安物の首輪…ね。君は本当に物を見る目が無いんだな。」

そういって蓮はジャケットのポケットへ手を入れて、一つの指輪を取り出し、自らの薬指にはめた。

「一応、俺の専属モデルブランドのオーダーメイドなんだけどね、コレは。」

「だからなんだってんだよ、コイツは俺を追いかけてきてるんだ、あんたの入ってくる隙間はねぇんだよ!邪魔すんな!」

「邪魔…は、どっちだろうね。」

吠える尚から視線を逸らした蓮は、キョーコへと歩み寄り、俯き、下を向くキョーコの頬へ手を添えた。

「ほら、唇は噛んだら駄目だよ、傷になるって前にも言っただろう?」

瞳を潤ませながらも、唇を噛み締め、懸命に涙をこらえていたキョーコの唇を、蓮の指がなぞり解放する。

「ねぇ、最上さん。」

「…………は……ぃ…」

その返事は消え入りそうなまでのか細いもの。

「君の言う復讐、俺は力を貸すつもりなんて全くなかったんだけど、今ここで、すっぱりと復讐を終える手段があるよ?」

蓮はキョーコの頬に手をやったままキョーコの返事を待つ。

「…どういう…こと…ですか?…」

「彼は、君が"自分を追って来ているから"君を"自分の物"だと言い張っている、君が演技を自分の為に、自分を成長させる為にしている事すら理解しないで、"自分を越える為の手段"なのだと思っているようだよ。」

「…はい……」

「この場合、彼とずっとかかわる事は、君が女優として出来る筈の成長のマイナスになるとしか俺には思えない。
そして、彼のような、全てを肯定され続けた人生を歩んできた者への罰は、全てを否定する事だと俺は思う。」

「おい、何を訳の分からない事を言ってんだよ、テメェ!!」

割り込む尚に構うことなく蓮は頬に手を添えたまま続ける。

「"最上キョーコ"は今此処にいる、女優"京子"も今此処にいるね?」

「はい。」

「君が此処に居る事は、俺も琴南さんも上杉君も、ちゃんと分かってる。」

「はい。」

「だから君は、不破尚を知らない。最上キョーコに幼馴染は居なかった。最上キョーコは女優になる為に一人で上京して、今此処に、俺の隣にいる。君の中に残るものが俺達だけ、それじゃあ、君は嫌?」

蓮の言葉にキョーコの瞳から一筋、涙が零れた。


「・・・嫌じゃ・・・ありません。敦賀さんがいてくれるなら、それで…いい…。」

蓮は、キョーコの頬から手を離し、その手でもって、キョーコの左手の薬指からリングを抜き取った。

「俺もそれがいいと思うよ。」

「俺を無視すんな!!!」

尚の怒声が響き、それに反応した蓮が、尚に言い捨てる。

「不破くん。君は否定された者の苦しみを知るべきだ。」

蓮の言葉に尚は言い募る。

「意味がわかんねぇよ!なんで俺が否定されなきゃなんねぇんだ!?」

「君は…、彼女にどれだけの傷を負わせたか…本当に理解していないんだな。」

蓮が心底呆れたようにため息を吐いた。

「敦賀さん、こんな所でのんびりしていないで、早く食事に行きましょう!!お店が閉まっちゃいます!」

この緊迫した空気の中、声を出したのはキョーコ。

「モー子さん、飛鷹くんも!早く行こうよ!私、お腹すいてるの。」

「え?えぇ」

突然のキョーコの変わり身に奏江、飛鷹が困惑しながらも、キョーコに促され、立ち上がる。

「じゃ、行きましょうか~!」

先ほどまでのやり取りを無視していそいそと楽屋を後にしようとするキョーコに尚が困惑した。

「って、おい、ちょっと待てよ!キョーコ!!!」

呼び止めたキョーコは、振り向き、尚を視界に入れて首をかしげる。その瞳には、先程まであれ程の憎しみに燃えていたというのに、今では何の感情も見つけられない。

「貴方…誰??私、貴方の事、知らないわ。」

「は??何言って…」

「スタッフの方ですか?でしたら、お疲れ様でした。さ、みんな、行こう!」

笑顔でそう言って、困惑する尚を楽屋へと残し、皆、外へ出て行った。




この日、最上キョーコの幼馴染だった、不破松太郎は、その存在を否定され、消えた―――。





――――――――――――――




フルスロットル終了・・・。orz
ぜーはーしました。い、いかがでしたでしょうかー。感想など頂けると喜びます。


えと、分かり難かったらスミマセン、別に記憶喪失になったわけじゃないですよ?
というか、ちょっと撒いてる複線は最終話でちゃんと拾って話しにします。
うん、あれです、こんな復讐の形があったら、本当にすさまじいなぁと思いながら、
でも私の中で思いつく中ではコレが一番重い復讐方法です。
17年共にいた幼馴染を切り捨てられて、存在を綺麗に無かった事にされる、
尚には信じられないほどの衝撃だと思います。

ていうか、尚初書きなんです、なのにこの扱い・・・www
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No title
v-352「彼は、君が"自分を追って来ているから"君を"自分の物"だと言い張っている、君が演技を自分の為に、自分を成長させる為にしている事すら理解しないで、"自分を越える為の手段"なのだと思っているようだよ。」


「この場合、彼とずっとかかわる事は、君が女優として出来る筈の成長のマイナスになるとしか俺には思えない。
そして、彼のような、全てを肯定され続けた人生を歩んできた者への罰は、全てを否定する事だと俺は思う。」

ここの蓮様の台詞に悩殺されましたv-402

指輪をキョウコちゃんに、しかも左薬指に自然ともっていく
スーパー策士なところも素敵v-352

惣也さま、作品かっこよすぎます!!!

misaki | URL | 2011/05/30/Mon 19:58 [編集]
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