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SS・恋愛拒否の二乗の事情1
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・請求ページに要項に書いてたと思うんですけど。三行以下、年齢確認出来ないに関してはお返事してません。
・公開コメントで書いちゃったー!非公開にしておくれーっていう方。私が寝ぼけて承認ボタン押さない限りは公開になる事はありませんのでご安心下さい。ただ、公開コメントをこっちで非公開モードに変えるっていう器用な事が出来ません。きゃー。

ということで、今夜の作業はここまでーっ。以降のご請求の方はまたしばらくお待ち下さいませ。
真面目な話。梅雨はパソコン作業ほんまにせこいんじょ←方言ですあしからず。・・・・・しょぼぼぼ。

ところで、最近、ときれすさったり劣等生だったりペダルだったり、なんかもう本当忙しすぎてあっちこっちのジャンルを高速で追いかけておりますよー。もうすぐ世界1初恋のBDも出るし、TBのBDも出るし。円盤貧乏バンザーイ!!!!
早くスキビの二期ー!!!!!!!!!!コミックスにOVAとか、ドラマCDでいいからっ、馬車馬のように働いてお金払うから出してくださ!!アー!!

今日は蓮→←キョな気分^v^っていうお話です。前振りが最低でいつも本当すいません。

















恋愛拒否の二乗の事情 1






スクランブル交差点に面した巨大モニターに映し出されたのは、とある化粧品メーカーの新作コスメCMだった。



その日、何の告知もなく、都内中心地にある日本最大級のTVモニターから、甲高いシャッター音が鳴り響くと、続き、先行公開という白抜きの文字が踊り、大仰なカウントダウンが始まった。
映像の雰囲気がいつもと違う様子に、どこかのミュージシャンが新作PVのゲリラ発表でもするのだろうかと、ある種慣れた人々の視線は自然にそこへ集まる。

数字がゼロを刻み、真っ暗なモニターが少しずつ幕が上がるように明るみを帯びていくと、そこには一軒のコテージと夏色の空。澄み渡る南国の海が現れた。

節のある長い指がするりと白いカーテンを引き、窓を開けると南国の陽気を思わせる軽快な音楽が後を追いかける。

男性的で骨ばってはいるが、けれど決して無骨という訳でもなく、むしろその男の指には見るものを惹きつける美しさを伴う強烈な存在感があった。
一瞬、白いシャツを着た男の肩が映り、それだけで男の体躯の良さが感じ取れる。
男の視線を代弁するかのようにカメラがドレッサーの前に腰掛けた女の元まで進むと、男の指先は茶色い髪をするりとなぞり、ほっそりとしたおとがいを掬う。
そんな流れるような動きから放たれるセックスアピールは凄艶で、うっかり一連の流れを見てしまった通行人の女性などは魂を抜かれたのではと思われるような恍惚とした表情でモニターを見上げている。
彼女たちは総じて男の指先一つの動作で魅了されてしまったと言って良いだろう。

至極優雅な所作で男はドレッサーにならぶ化粧品の中から、迷う事なく女の唇に赤いルージュを引いた。

『うん、綺麗だね』

男の言葉で自信を得たように、女は赤いルージュの輝く唇に蠱惑の色を浮かべると、男の白いシャツにほっそりとした腕を回す。

『思わず、キス、したくなる』

まるでベッドの中での睦言のような甘い色気に溢れた男の言葉に、応えるように薄い水色に彩られれたマニキュアが男のシャツに流れを作り、女の唇に一層、喜びの孤が描かれる。

一体この男は誰なのだろうと世の女性達の視線を総舐めにした後、フィルムはシルバーのケースに入ったルージュのアップとなり、『キスしたくなるくちびる』というキャッチフレーズと共に、メーカーのロゴマークで幕が下りた。

この演者の正体が不明なCMは、春のメーカー新商品としてこうして大々的に放映されているのだが、この映像を前に硬直する少女は一人、顎が外れんばかりの驚きぶりでモニターを見上げている。

「今の、敦賀さんだ……」

手がかりが指先一つだろうとキョーコの目はその正体をすんなりと導き出した。
もとより、キョーコは骨格レベルで蓮を視認出来てしまうのだが、今回に限っては、声と肩、さらには纏う空気も判断材料となったので、間違えようがなかったのだ。

「うわぁ。なんか凄いの見ちゃった……」

モニターはすっかり日常通りのVTR再生に戻っているというのに、巨大テレビからいまだに目が離せないのは、先ほど映像の力。そして、きっとこうなったのは自分だけではない。
興奮から火照った頬を押さえたキョーコは熱い吐息を零し、周囲に聞こえないように呟いた。

「さすが敦賀さんだわ……」

指先の動作一つで魅せる圧巻の演技力には感嘆せずにはいられない。
きっと、共演していたモデルも例に漏れず、蓮に恋した事だろう。

これはきちんと蓮に感想を報告しなければと拳を握ったその時だった。

「――ねぇねぇ、今のって新稀堂のCMよね?モデル誰だろう」

「わかんないけど、なんか色っぽいCMだったね……私まだドキドキしてる」

「分かる分かる。っていうか、新稀堂のモデルに男がいるなんて初めてじゃない?」

「そういえばそうよね。一体誰なんだろう」

行き交うOLらしい女性達の会話を小耳に挟むと、キョーコはそうでしょうそうでしょうと心の中で激しく頷いた。

「あのバカですら化粧品のCMがあるんだから、敦賀さんに依頼が来ない訳がないし、敦賀さんがイメージキャラクターなら注目度は跳ね上がるに決まってるのよ!」

だって敦賀さんなんだからと我が事のように誇らしさに胸を張る。

「顔を隠してまでコレって、敦賀さん本当にすごいわっ!フフフ」

これは是が非でも街中のリアルな反応がどうだったのかも伝えなければ。そんな使命感さえ沸き起こり、自分はまだ化粧品のCMの経験がないという、普段あら悔しく思える事柄すら忘却の彼方だ。

そして、そんな蓮を自分はきちんと見抜く事が出来た。さらには、この運命的なタイミングで居合わせる事が出来たのだという優越感もキョーコを一層高揚させた要因の一つだった。


「っていうかさぁ、みんな分かってないけど、今のって絶対蓮だよね!」

「……え?」

鼻高々から一変。まるで冷水を頭から被せられたように、キョーコの思考に割り込む声があった。

「ええーっ?!蓮って敦賀蓮?確かに綺麗だとは思ったけど、私にはわかんなかったわよ」

今のCM、キャストクレジットもなかったよねと片方は友人の言葉を疑っているようだ。

「いやいや、絶対蓮だよ!あの声は間違いないって」

「あー。声ヲタのアンタがそこまで言いきるならそうなんだろうけど」

「うん!間違いないよ!でも、いつ顔出しするんだろうね。今のって先行公開でしょ?正体分かったらマスコミ大騒ぎってやつなんじゃないの?コレ」

「確かに。どれだけ騒ぐのか楽しみね」

「ねー」

そうやって笑い合いながら女性達は立ち止まったキョーコを追い抜き雑踏に消えて行く。
先ほどまで胸いっぱいだった優越感も高揚感もすっかり跡形もなく粉砕されたキョーコは、むむむと唇を引き結ぶ。

「声ヲタって何なのよ!非現実的な特技ねっ」

有り得ないと憤慨するキョーコこそ骨格で蓮を判断していたりするのだから、あまり彼女たちをどうこう言える立場でもないのだが、キョーコにとって本当に問題なのはそこではない。

「そりゃ、敦賀さんは、私とは違ってものすごい人気があるんだから、気が付く人もいるんだろうけど……」

自分とは注目している人間の絶対数からして違う。分かってはいるが、蓮に気付いたのが自分だけではなかったという事がどうしても面白くない。

「うーっ。……本当、この感情、タチが悪いわ」

この気持ちの正体が、恋心から来る独占欲だと分かってもいたので、蓮への気持ちを心の中で思うだけにすると決めた身には、こうやって自覚させられるのが少々辛い。

――PIPIPIPI

「へっ!?あっ、電話!?あわわわわ」

鞄を漁り、慌てて携帯電話を取り出すと、ディスプレイに表示された名前に目を見開き、通話ボタンを押す。

『もしもし?最上さん?俺だけど』

「はっ、はいぃぃ!お疲れ様です!」

想い人からの思ってもみなかった着信に、すっ飛んだ声を上げたキョーコの耳を、クスリと笑う美低音がくすぐる。

『前にも言ったけど、仮にも芸能人で、そもそも女の子なんだから、そんなに難しい顔で歩くものではないよ』

「そんな顔って……」

一人で百面相をしていた自覚はある。

「まさかっ」

それを蓮に見られていたのだとすると恥ずかしさで憤死してしまいそうだが、とにかくどこにいるのかを確認しなければならない。

『上上、そう、こっちだよ。――やあ』

「お……お疲れ様です」

見上げたビルの二階にある、テラス席なのだろう。
そこで蓮が優雅に階下のキョーコを見下ろして手を振っている。

『偶然だね』

「はい!すごくビックリしました」

『あはは、本当に。――ああ、ところで最上さんは今移動中なんだよね?』

「はい、夕方からの現場なので、まだしばらくあるんですけど」

どこかで夕食を取ってから局入りをする予定で、時間まではウィンドウショッピングでも、と思っていた所だ。

『なら、少し寄ってく?』

「はいっ!」

時間があるというセリフは打算的に聞こえたかもしれないというキョーコの不安も、蓮は気にするでもなく手招きをして微笑んでいる。

釣られるように笑顔のキョーコは建物の中に向かうと、エレベーターを待ちきれずに階段を駆け登り、二階のカフェへ飛び込むと、レンガ造りで纏められたレトロ調の店内を見渡す。
窓の外に蓮の姿を見つけ、テラスへと向かうと、なにかの撮影が終わった所らしく、スタッフたちが撤収作業に追われている中、蓮がお疲れ様とキョーコを出迎えた。

「お疲れ様です」

「本当に偶然だね」

「はい」

あははと笑いながら蓮の方に歩みよると、10席ほどあるテラス席は二人の貸し切り状態となり、キョーコの心がドキリと跳ねた。

「敦賀さんはさっきのCM関係のお仕事ですか?」

「うん。あのフィルムは明日からなんだけど、一週遅れで顔出しするから、その時用の取材」

「なるほど」

ここからだとモニターが良く見えるんだよと優雅にレンガ製の柵に肘をかけてもたれた蓮は少しばかり悪い顔でモニターに向かって微笑み、その視線の先を追いかけたキョーコはレンガ作りの壁に手をかけ、少しばかりの背伸びで外を覗く。

「ざわついてる人たちの反応をここから見ていたんですね。ちょっと意地悪です」

「と言われてもね。俺だって、指しか映っていないCMで歩行者の足を止めるだけの強いインパクトが残せていたかって、不安はあったんだよ」

「本当ですか?」

蓮ならば、難役を相手に、絶対に演じきってみせると燃えこそすれ、不安に臆していたはずがないのに。

「本当本当」

苦笑する蓮を胡乱な瞳で見上げると、それはたいした時間もかかずにプッという笑いに変わる。

「ああ、そうだ。最上さん」

「はい?」

「さっきね。あのルージュの三色の内の一つを貰えたんだ」

そう口にしながら蓮はジャケットのポケットに手を伸ばし、意図の分からなかったキョーコはそれがなにか?といった表情で「え?」とだけ応えたのだが。

「はい」

「いやいやいや!敦賀さん!?」

差し出されたのは先ほどもモニターで見たシルバーのケースだ。

「私じゃ似合いませんよ?!」

まだ発売前のアイテムだという事もそうだが、CMのような大人びた女性でもない自分にそれが似合うとは到底思えずにキョーコがまごつくと、蓮は大丈夫だよと言いながらシルバーの蓋をカチリと開いた。

「ほら、これ、ピンクだから」

「あ……」

確かにそれならキョーコでも無理はなさそうだと思い、キョーコが手を伸ばして受け取ろうとしたその瞬間。蓮の方が先にキョーコの方へと一歩近づいた。

「はい。じっとして?」

「えっ!?ええっ!!?」

蓮が自分にルージュを塗ろうとしているのだと理解するのと同時に、すでにすぐそばまで蓮がきている状況に、キョーコは反射的に目蓋と唇を強固に閉ざす。

顎を掬う蓮の指先の触れる感触にガチガチに固まったキョーコは、温もりが薄れてようやくおずおずと瞳を開けた。

「……敦賀……さん?」

顔面は火を噴きそうなまでに熱く、心臓はこれ以上なく爆音を奏でている。

「うん。可愛い。思わずキスしたくなるね」

「なっ!!?」

目の前にあるニッコリとした微笑みに、自分はからかわれているのだと思ったキョーコは知りませんとそっぽを向いて動揺をごまかしにかかると、そんなキョーコの振る舞いに、蓮は心からの慈しみに溢れた柔らかな眼差しを向けた。

「あはは、そう怒らないでよ」

クスクスと笑う蓮の声にキョーコは、ピンク色のルージュに艶めく唇をぐううと引き結ぶ。
これ以上ここにいれば、自分はおかしくな事まで口走ってしまうかもしれない。そんな危機感に駆られたキョーコがここからどう逃げ出そうと考えたその時だった。

「ああ、社さんも帰ってきたみたいだし、時間があるならご飯にでも行こうか」

「……ご一緒させて頂きます」

気を利かせようと、気配を殺して待っていた社は、これでまだ決定的な言葉を交わさない二人の恋愛オンチぶりに、思わず乾いた笑いを零し、この日は三人で夕食を囲む事となったのである。







ちょっとだけ続くお話になりますー^^





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