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【キョコ誕2014】Change the future!4
ただいまー!!!
ということで、やっと、今年の頭早々にうっかり消したところを書き終わりました・・・長い戦いだった・・・orz
そして戦いの中、気が付いたらとうらぶはじめてました←アー。
流行には鈍感なようでそこそこのっかります。はい。

そんなこんなで、寒波ですよ、ぴぎゃー。みなさま、お風邪を召さないようお気をつけくだされー!!








Change the future!4






「お久しぶりです、ミスター。せっかくいらして頂いたのに、お待たせして申し訳ありません」

扉を開けた蓮が、ソファーに腰掛けたクーに歩み寄りながら声をかけると、すかさず立ち上がったクーは柔らかい微笑みを浮かべて右手を差し出した。

「こちらこそ家主の留守に上がり込ませてもらった身だ。申し訳ない。――元気そうでなによりだ」

「ありがとうございます」

自然な流れで握手を交わし、当たり前のようにポンポンと互いにハグをする。

「今回は無理を言って申し訳ないね」

「いえ……」

無理を言われたとは思っていない。むしろ待たせ続けた申し訳なさの方が強いのだが、この状況ではそれは口に出来ず、けれど、そんな蓮の内心を分かっているよとばかりにクーの眼差しは温かく優しい。

「あっ、私、お台所に行ってきますね!」

空気を察したのか、キョーコがジュリエナを呼びにキッチンへと足を向けたその時だ。

「おかあさまーっ、お料理番、代わりますよっ」

「なっ!!??」

キョーコの『おかあさま』に目を見開いた蓮は、すぐさまクーの腕を引くと、小声で、けれど鋭く問い詰めた。

「一体どういう事ですか!!」

「いや、どういう事かと言われてもな……」

動揺を隠しきれないでいる蓮に、クーは苦笑いでもって「私が『とうさん』だからジュリも自分を『かあさん』と呼んでくれるようにと言い出したんだが、キョーコは頑としてジュリが神々しすぎて『かあさん』とは呼べない……とな」と答えた。

「だから『おかあさま』……ですか」

なんだその微妙な言い回しのこだわりはと頭痛を覚え、額を押さえた蓮の横でクーがハハハと楽しげに笑う。

「しかしなんだな。おかあさま、なんて。なんだかキョーコを嫁に貰ったみたいでなんとも面映ゆい気持ちにならないか?」

「なっ!!勝手な妄想に浸らないでください!」

確かに、キョーコの言うおかあさまは、『お義母様』と聞こえなくもない。
実のところ、蓮もクーと同じ事柄はちらりと考えついていたものなのだが、クーの顔があまりにも締まりなく笑みちぎっているのを視界に捉えた途端、考えてしまった事自体がとてつもなく恥ずかしくなり、クーに抗議する事で、ともすれば赤面しそうな己を全力でごまかしたのだ。

「おや?だが、ボスからは、君の頑張り次第でキョーコは本当に私の娘に出来るかもしれないぞと聞いていたんだが」

「はぁっ?!」

「その様子では、ひょっとして……いや、まあ、うん」

「なんです?はっきり言って下さい」

「まだ……付き合えていなのかい?」

「っうぅ!!あなた方は一体なんのやり取りをしてるんですか!!」

声を荒らげた蓮の態度一つで蓮とキョーコの清い仲。……というよりも、まだ何も進展のない状況だと察したクーは、すまんすまんと神妙な表情で矛先をかわそうと試みるが蓮の表情はみるみる険しさを帯びた。

「あーなんだ。様子が気になって……ついつい週末はボスと国際電話を、なぁ」

「全く……『なぁ』じゃありません」

蓮としては、まさかこれほどまでに筒抜け状態になっていたとは想定しておらず、自分で蒔いた種ではあるが、この様子ではおやじ共の酒の肴にされていたのだろうとやるせない気分に駆られる。
これでは見守られ続ける子供と同じだ。
気恥ずかしさが先行する中、ああもうとしっかり毒づきはするけれど、クーはそんな蓮の態度にすら嬉しくて仕方ないといった雰囲気を醸し出しており、父性に包み込まれるような大きな愛情のオーラを前にすれば、胸の中にはぐっとくるものがある。
感傷に流されても仕方ない蓮を踏みとどまらせたのは、こちらに向かってパタパタと慌てた様子で駆けてくる足音の気配だ。

トップモデルとして滑るようにキャットウォークを歩く姿からはきっと誰も結びつけられないだろう。
それはとても人間臭い足音だ。


第一声はどうすれば良いだろう。
帰宅するまでに散々頭の中でシュミレートを重ねてきたはずが、正解だと思える答えはまだ見つかっていない。

「ぁ……っ!」

扉を開け、飛び込むようにやってきたのは、カールがかった黄金の髪を後ろ手に一つに束ね、キョーコと揃いの白いエプロンをつけた母、ジュリエナ・ヒズリだ。

「ッ……こぉ……っ」

蓮の記憶の中にある姿より、少しだけ年を重ねた様子のジュリエナは、ぐっと言葉をこらえると、小さく息を吐き、背筋を正した。
佇まいに意識を集中させ、きりりと前を見据える。
たったそれだけで、芸術的な絵画ような美しさを誇るジュリエナは、室内に凛とした空気をもたらした。

「……はじめまして、レン」

久遠と出かかった音を辛うじて飲み込み、蓮と名を呼ぶ。

慈愛に溢れた碧色の眼差しには、うっすらとした涙が見て取れ、それを懸命にこらえようとしている姿に、心は大きく揺さぶられた。

こんにちはという挨拶と共に差し出された白魚のごとき優美さを兼ね備えたすべらかな手を握り返し、はじめましてと答える。

当然の流れでほっそりとした長身を抱き締めれば、昔と一つも変わらない懐かしい母親の匂いには感極まるものがあった。

「…………母さん」

広い部屋の中で起きた小さな呟きに、ピクリと跳ねた母の背を抱き締めると、背中は小刻みに震える。
ああ、また、泣かせてしまったと罪悪感は蘇り、どうか泣かないで欲しいと願いながら、背を優しく撫でれば、ジュリエナが涙を止めようと必死に息を飲む気配が伝わった。

「ごめんね……」

思わず口をついて出た久遠の心情だが、悔やむよりも言葉にできない感謝の方がとめどなく溢れてやまない。
ひとたびの再会で、自分はこんなにも両親に会いたかったのだと気付かされたのは大きな驚きだ。

「クオン……」

おずおずと回し返された手のひらから伝わる温もりは、体温の温かさだけではなく、なににも代え難い愛情で満ちている。

安らぎにたゆたうように、まどろむように。
目を伏せていた蓮は、カチャンという食器が触れ合う音によって現実に引き戻されるまで、自分が敦賀蓮であるという今を完全に失念していた。



――――――――――――――





「……あ、その……すみません、その。みなさんにお茶でも……と……」

しまったと失敗を実感した表情を浮かべているのは四者全員ではあるのだが、最も慌てていたのはお盆の上で紅茶を零してしまっていたキョーコであった。

「キョーコ!?手は!?」

取り落とさなかっただけ大したものだが、そんな惨状にいち早く気付いたクーがすかさず盆を取り上げる。

「あっ。はい、大丈夫です」

手にはかかっていませんからと答えたキョーコの様子にクーがほっと息を零すと同時に、蓮、ジュリエナも胸をなでおろした。

「なら、とりあえず座りなさい」

四人分の紅茶の入った盆を持ったクーがキョーコをソファーに促すと、お前たちもだと蓮とジュリエナに声をかけた。

「はい……」

キョーコがちょんとソファーの端に腰掛けると、一人分のスペースを空けてジュリエナが座る。そのさらに隣にクーが腰掛けると、身の置き場に悩んでいますといった様子の蓮が困り顔で三人を見下ろしていた。

「いいから、座りなさい」

『誰』とは名を呼ばずに指示をすると、逡巡の後に蓮はカーペットの上に正坐になる事を選び、クーが苦笑してそこは崩していい、楽に座りなさいと言ってようやく、蓮はカーペットの上で胡座をかいた。

「さて、キョーコ」

「はっ、はひっ!」

水を向けられたキョーコがビクリと飛び跳ね、なんでしょうかとうろたえきった声を上げる。

「どのあたりからそこにいたんだい?」

「えっと、それは……」

叱られた子供のように表情をこわばらせたキョーコの反応こそが答えでもある。

「クーはあなたを叱ってる訳ではないわ、キョーコ」

ジュリエナの柔らかい眼差しを向けられてようやく、キョーコが申し訳なさげに口を開いた。

「……敦賀……さんの……謝罪の……少し、前からです……」

「そうか……」

重い沈黙。
それは、誰しもが発するべき言葉を見つけられなかったからに他ならない。
けれど、やはりと言うべきか。この局面に置いて、舵を切る事ができたのはクー・ヒズリである。

「伝えなければならない事は、自分の口から言わなければ、なにも伝わりはしない。お前がなにも言わないのならば、私がキョーコを攫ってしまうぞ?」

じっと蓮を見下ろして静かに告げる。
過激な台詞の内容に反し、クーの眼差しは凪いだ水面のように穏やかであり、そこには自分の息子は勇敢であると信じる思いが映る。

「覚悟は……」

「ん?」

ポツリと零れた蓮の声を拾い損ねたクーが瞬く。

「覚悟は常に持っていました」

一歩進めてしまえばそれが最後だからこそ、離れがたさにきっかけを作らずにここまで過ごしてきた事実は否めない。

それでも、いつか言わねばならないなら、最初に告白する相手はキョーコであると決めていた。

「最上さん」

「はいっ!」

じっと見上げられる事に動揺し、上擦った声を上げたキョーコに、蓮は嘘をついてきてごめんと告げた。

「あの……」

「敦賀蓮というのは芸名なんだ」

「はい。それは……そう、でしたよね」

「本当の名前は久遠・ヒズリ」

「久遠……さん……?」

「ここにいる彼、クー・ヒズリが俺の実の父で、彼女は母親だ」

「先生が敦賀さんのお父さん……?えっ?」

間違いはないとクーが頷いてみせ、キョーコの頭の中は、真っ白になりながらも、久遠の名前を反芻する。

「クオン、貴方……」

心配そうなジュリエナの口から零れた名はコーンという音に聞こえる。

金色の髪。
天使のように美しすぎる美貌を持ち合わせた女性。
かつてクーの姿に感じた既視感。

キーワードの全てが、コーンという妖精に帰結していく。

「……ぅ……そ……」

意図せず零れ落ちた声は、キョーコが受けた衝撃の大きさを物語っていた。








書きなおすにあたって、だいぶ盛りなおしたんですが、前回、今回でやっと吹っ飛ばしたパートを書き終わりました…。
ほんと・・・心折れたよ・・・。応援ありがとうございました><
ラストがんばってきます!
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