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【蓮誕2015】Change the future!5
どうも嘘つきえもんです。キョコ誕2014だったはずが、気がつけば2015年2月・・・しかも経過。
タイトル通り、跨ぎました。ちーん。
亀だろうと牛歩だろうと、書きたいと思ったものを書いていくぞーということで、お付き合い下さる皆様、いつも本当にありがとうございます。頂いたコメントにいつもお返事出来てませんが、本当に本当に感謝しております。おっさん頑張る!!
プライベートはベコボコだけど、元気なんだから!心配かけてばっかりですけれども、とうらぶやりちぎって廃人になるくらいには人差し指が仕事してます。うん、わりとほんと元気だね。
さてさて、明後日は本誌だなー、楽しみだなー^^

繰り返しますが、このお話は8年後未来設定です。そしてあれです、5話完結です。ふひー。








Change the future! 5






最上キョーコとして生きる事、四半世紀。

いかなキョーコとて、周囲の人々から夢見がちな希少種として認識され、扱われている自覚は出来上がってはいたのだが、サンタクロースに限っては、いない現実を早々に悟った賢い子供でもあった。
つまるところ、彼女にとって妖精という存在がそれだけ特別なものだという事なのだが、それをそうと知る人間は今日までに少なく、もちろん、蓮はそれを知った上で肯定してくれた数少ない一人だという認識だった。

この、ある種、病的ともとれるメルヘン思考の持ち主へと至ったのは、コーンという名前の妖精界の王子に実際に遭った事があったという理由が大きい。

「敦賀さんが……コーン?」

それも、一度きりではなく二度の逢瀬を重ねたならば、妖精に対する信仰心にも似た感情は高まりこそすれ、失われる理由はどこにもなく。
ただ、それほどに信じていたそれが、そもそも妖精ではなかったのだと知らされたキョーコが感じたのは、かつて、松太郎に向かってほとばしらせた、騙された事への恨みつらみや、裏切られたという絶望……ではなかった。

ジュリエナに向かい、心底和らいだ蓮の声を耳にした瞬間、なんらかの深刻な理由で久遠としてではなく敦賀蓮として人生を歩んでいたのだろうという想像が先についてしまったのだ。

「……敦賀さんが……?」

そうだったのかと納得する思いもある反面、蓮がコーンであるならば、二度目の逢瀬での口付けをした相手は、妖精と信じた彼ではなく、実る事を諦めていた好きな人だったという事になり、その一点がキョーコの心をどうしようもない混乱の渦に突き落とした。
それこそ、今すぐ飛んで消えてしまいたくなるほどの強烈な羞恥心で発狂してしまいそうだ。

「あ……れ?……えっ……ええぇえっ!!?」

言葉にならないとはこういう瞬間に使うのだろう。うろたえきったキョーコは、一気に頬を赤くして立ち上がった。

「私っ、かっ、帰りますっ!」

とにかくここから逃げ出さなければ今まで秘密として抱えてきた努力の全てが明るみに出てしまう。
蓮にずっと恋をしていたのだと、そんな恐ろしい秘密がバレてしまえば、ここから先、自分はどんな顔をすればいいのか分からなくなる。
なぜ、なんでと疑問符ばかりが並ぶ頭では、冷静に物事を考えられる訳もなく、ここから逃げるという選択肢だけが正しいものに思えた。

「えっ!最上さんっ、ちょっと待って!」

「キョーコ?!」

脇にあった鞄をひっつかみ、勢いよくソファーから立ち上がったキョーコをあっけに取られた顔で見上げるクーとジュリエナをよそに、とっさに反応した蓮だけが立ち上がると早足で追いかける。
なんとか開きかけたリビングの扉を平手でダンっと締める事でキョーコの逃亡を押し止めると、蓮は間に合って良かったと安堵の息を零した。

「待って最上さん。少し話を」

「私にはお話なんてありません。私っ、今大変混乱しておりますので、とにかく、今日はこれで失礼させて頂きたいと思いますっ」

結果として腕の中にいるキョーコは完全に蓮に背中を向けており、聞く耳を持たない姿勢を貫いている。

「最上さんになくても俺にはあるんだ。お願いだよ」

「でしたら、その。……そう、次の機会でお願いします!」

「次の機会って。そんな事を言っていたら、なんの話も出来ないまま、ズルズルと距離が出来てしまうだけだよ。俺は今、正直に全てを話したいと思ってる」

「そんなのっ、無理です……っ」

フルフルと首を横に振るキョーコの拒絶ぶりに蓮は最上さんと名前を呼ぶ。

けれど、キョーコは頑として蓮の方を振り向かず、こうまで拒絶されるほどに自分はキョーコを傷つけたのかと表情を曇らせた蓮は、自分の短慮を恥じた。
扉を閉ざし、腕の中に囲ってしまえばキョーコに逃げ道はなくなり、辛うじてだろうと会話は出来る。
話さえできれば、関係性に大なり小なりの変化が生まれようとも、今日までに培った絆があるのだからそう簡単にマイナスになるものではないとどこかで信じていた己の身勝手さを痛感したのだ。

敦賀蓮として築き上げた信頼を崩した先にある見通しなど、キョーコ以外に立てられるはずもなかったのに。

「最上さん……」

君を失いたくないのだとどうすれば伝えられるのか。
完全に拒絶を貫く背に、かける言葉を探しあぐね、時間だけが過ぎる。

このまま、腕を下ろしてしまえば、扉を開けたキョーコはもう二度と自分の前に現れてくれないのではないか。
そんな不安が、蓮に次の行動を迷わせた。

「ええと……すまないが、少し良いだろうか」

二人のどうしようもない膠着状態に介入したのはやはりクーであり、クーに声をかけられれば、キョーコも顔を上げざるを得ない。

「……なんでしょうか」

精一杯の虚勢で表情を殺す。
それは、キョーコがこれまで培った女優としての演技力を総動員させた結果だ。

「我々が押しかけた事が原因なのだから、私がとやかく言うのもおかしな話かもしれないが、お前たちには少し、冷静になった上での話し合いが必要だと思う」

「私……ちゃんと冷静です」

「キョーコ。嘘はよくない」

「……っ……」

真剣なクーの眼差しに射抜かれたキョーコが怯み、表情を歪ませる。

「ああ、間違えてもキョーコ。お前を責めている訳でも、泣かせたい訳でもないからな」

今にも泣き出しそうなキョーコにそう言うと、クーはさらに続けた。

「私たちさえ来なければ、二人の輪を乱す事はなかったのだろう。まずは謝らせて欲しい」

「いや、そんな事は……」

「や、やめて下さい、先生っ!」

頭を下げたクーと共に、寄り添うジュリエナも倣って共に頭を下げた。
そんな二人に慌てた蓮とキョーコは、顔を上げてくれるように口にするが、二人共聞き入れない。
あまりのいたたまれなさに、キョーコが「お話します、しますからやめて下さい」と言ってようやく、顔を上げたクーは少しだけほっとしたような微笑を見せた。

「話し合ってくれる気になったなら良かった……」

「先生……」

もちろん状況に流される形になったキョーコに全く不満がない訳ではない。
けれど、クーの笑顔の目元や口元といった蓮との相似点を見つけてしまうとやる方なし、むしろ何故、自分はもっと早く気づかなかったんだろうかと思って力が抜ける。すると、不思議な事に、怒りは一つも湧きあがらなかった。

「人生には色々と逃げたくなる瞬間があるだろうが、キチンと向き合って解決しなければ、後悔を残す結果になる事もあると覚えておいて欲しい」

私たちのようになと言うクーに同意した蓮がすみませんと苦い笑みをかたどる。

「とはいえ、過去があるからこそ、今が輝くんだ。お前もいつまでもそう気に病むな」

「……父さん」

蓮の口から零れた呼称にジュリエナがぐっと涙ぐみ、クーに抱き寄せられる姿に胸が熱くなったキョーコもすんと鼻を鳴らす。

「ああ、いかんいかん。年を取るとどうにも説教臭くなっていけないな」

と言うと、クーはジュリエナをエスコートしながらソファーから立ち上がった。

「さて、我々はこのくらいで、少し席を外させてもらうよ。後は二人で語らってくれ」

「えっ、あ。はい」

しかし、そういえば自分は今、逃げるか逃げないかの瀬戸際だったと思い出したキョーコの様子に、クーはクスリと笑うと、すれ違い様にキョーコの頭をクシャリと撫で、そうして視線は蓮を見上げた。

「お前も。私たちがいたら、愛の告白の一つも出来まい?」

「えぇっ?!」

「なっ!父さんっ」

二人して自分の中にある『愛』に心当たりがありすぎた為に突飛な声が飛び出す。
けれども、そんな二人を意に介す事なくクーは蓮に向かい続けた。

「何も言わないつもりなら、私がキョーコを攫ってしまっても良かったんだが、そもそも、私の腕はジュリ専用なんでな。お前に覚悟があって幸いだ。うんうん」

「……あまり、余計な事を言わないでもらえませんかね」

「あー……その、なんだ。……すまん」

蓮の心底冷えた視線を向けられ、息を飲んだクーはハハハと笑って誤魔化し、そんなクーをジュリエナは不思議そうに見上げている。
ああ、日本語では会話の全てが通じていなかったと蓮が申し訳なく思った所で、同様に気付いたクーが、すまないと声かけながら頬へキスを贈る。
柔らかい笑みを浮かべたクーがキスをすればジュリエナの雰囲気もほぐれ、当然のごとくキスを返すので、そんな熱烈な応酬となる光景に免疫のないキョーコは一人、真っ赤になって頬を押さえた。

「……申し訳ありませんが、よそでやって頂けますか」

まだ万年新婚状態なのかと呆れた蓮が、ごほんと咳払いをしてようやく。
睦み合う夫婦はハッと我を取り戻した。

「ああ、そのだな」

「二人の仲が良い事は良く分かりましたから。最上さんと二人で話をさせて下さい」

バツの悪げなクーが何を言うよりも早く蓮が言う。

「分かった。ではな」

リビングから夫婦が消えると、火が消えたように室内は無音となり、残された蓮とキョーコは静かなそこで対峙した。

なんとも言えない緊張感が二人の間に張り巡らされ、手を伸ばせば届くほどの距離だというのに、お互いを遠く感じる。

ドクンドクンと刻む鼓動を抱えたまま、キョーコは蓮を見上げていた。

「……たくさんの嘘と秘密を抱えたまま今日まで来てしまったんだけど」

切られた口火に、固唾を飲む。

「俺が最上さんの事が好きなのは本当」

ありえないと諦めていた現実がそこにあった。

「どうか、俺の事を、恋愛の対象として考えて欲しい」

瞬きも忘れ、痛いほど締め付ける心臓を抱え、驚きと、歓喜で自然と込み上げた涙が止まない。

「わ……たし……」

不安げにキョーコを見下ろす蓮の姿がみるみるうちに滲んでいった。

「わたしも……もうずっと、ずっと……」

堰き止め続けた想いの丈が、透明の滴と共に溢れて落ちる。

最後の一音までを耐えかねた蓮の腕に抱きしめられた瞬間、掬い上げられた恋心は成就の幸福を知ったのである。











父母来襲物語でした。
お楽しみ頂けていれば、幸いでございます><
しかし、八年両片想いとかがあるとしたら、どんだけ地獄・・・←書いておいての言い草、すいませ




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