スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・曇りの日の過ごし方
こんばんはでございます。たまにはちゃんと有言実行ノシ
ということで、更新でござります。

しかしですが、36巻の表紙絵さんぷる、みなさまご覧になってますですか!ご覧ですよね!!
もうイケメンがイケメンでイケメンのためのジャスティース!!!←どうした

前巻がクオンで、今回は敦賀さんとか、なにそれおいしいおいしいです先生大好きです。
そんなわけで、わたくしは二冊購入してまいりました。
あともう二冊ぐらい買えばいいのかな、いやほんと何冊買えばいいのかなおごごごg
とりあえず酸素酸素!


あ、大切なお知らせなので再度アナウンスですが、
クロネコメール便の廃止に伴い、4月からの通販はクリックポストとレターパックライト(どちらも郵便局)となります。
送料自体が少し上がってしまいますので、既刊をお求めの方はお早めによろしくお願いします。

さて、ええと、お話としては、雨の日から続いたお話になっております。
追記よりどぞー!




曇りの日の過ごし方







打ち合わせを兼ねた呼び出しにより、一週間ぶりに所属事務所のビルへと足を運んだ琴南奏江は、建物の中に入った途端、あちこちの壁に貼られた『ある掲示物』におそろしく居心地の悪さを感じさせられた。

これは、そんなある曇りの一日の物語である。



「あら、アンタそれって……」

足早に向かったラブミー部部室で予想外にキョーコと鉢合わせをした奏江は、その手の中に二本の雨傘を見つけて驚きに瞳を見開いた。

というのも、キョーコが手にしている内の片方が、購入から早々に盗難にあってしまったと報告のメールを受けていた揃いの傘に間違いなかったからだ。

「あぁっ!モー子さあああああんっ、おっはよーっ!こんなタイミングで会えるだなんて、やっぱり私たちの間には運命の赤い糸があるのねーっ」

「あーはいはい、それで?犯人も見つかったの?」

「うっ、容赦ないなぁ。でもモー子さんのそういう所もだーい好きっ、あいたっ!」

今にも飼い主に飛びつかんばかりの小型犬のような勢いでやってきたキョーコを、無言のデコピン一つで制した奏江は、キョーコの熱烈な告白を恥ずかしい子ねと一言でいなした上で「で?いつ見つかったの?」と再び質問を投げかけた。

「ああ、うん。見つかったのは今朝なのよ。一応確認をと思って傘立てを覗いてみたら、戻ってきていたの」

サスサスと弾かれた額を撫でながら、言外に犯人は捕まっていないと語るキョーコに、奏江はそうとだけ相槌を返す。

「返してくれたって事は、持っていった人にも少しくらいは痛む良心があったって事なんだろうと思うんだけどね」

今日の天気予報は曇り。
雨が降る心配はないのだから、傘は使う為ではなく、やはり返しておこうかという意志の下で置かれたのではなかろうかというのがキョーコの期待を込めた考えだ。

「私には、今の事務所の空気にいたたまれなくなって慌てて返しただけにも思えなくはないんだけど。……ってなによ?せっかく見つかったにしては随分と浮かない顔ね」

「それはまあ。……事務所の中がこうなったのは、やっぱり私の事がきっかけなのかなぁとか考えちゃうし」

「全く関係ないとまでは言えないだろうけど、どうかしらね。偶然じゃないの?」

しらりととぼけてはみたものの、現在のLMEビル内に漂っているのは大多数の女性層には歓喜されつつも、奏江を始め、一部にはいたたまれない感情を揺さぶられる事この上ない雰囲気。
その源は、突然掲示されたLME社内キャンペーンのポスターにあるのだろうというのが、奏江の感じていた認識ではある。

「ええとね。実は、警備員室にはこの傘(こ)の紛失届けは出してたんだけど、どこでどうなったのか、社長さんの耳には入っちゃって一悶着あった結果、キャンペーンが始まったらしいって椹さんが……」

「ああ」

「事務所中がこうなっちゃったんだもの。私の事も元凶の一つだったりするのかなぁって、ちょっとは考えるじゃない?」

キョーコがほらねと指差した方向には、現在、事務所内のいたるところに掲示されているキャンペーンポスターが一枚貼られている。

『ごめんなさいと言える業界人になろう。LME初心強化月間』

業界を生き抜くモラルの向上を訴えかける事務所オリジナルポスターだという話ではあるのだが、LME内だけのキャンペーンにしては、そのポスターモデルこそが近頃の事務所内においての一番の大事件だったのだ。

「……社長の手にかかれば、なんでもかんでも一大事ね」

おそらくは事務所内の簡易スタジオで撮影されたらしい。白い丸テーブルのセットに腰掛け、苦笑して佇んでいる敦賀蓮と視線が合った奏江は、微妙な眼差しで見つめ合った後、それから視線を逸らし、溜め息混じりにこめかみを押さえた。

いくらなんでも、たかだか傘一本の紛失が、なんの意図もなく社長の耳に届けられるとも考えにくく、さらにこのタイミングで犯人にむけた反省しろと言わんばかりのメッセージ。これは奏江の考えすぎなのかもしれない。
けれど、いや、まさか。
ここまで大きな騒動に発展させた人物とは……。
キョーコに肩入れしすぎの思考かもしれないが、それでも奏江にはひょっとしたらという仮説が一つだけ浮かんでいた。

「あっ、もちろん、いくら私でも9割くらいは偶然だとは思ってるのよ。ただ、たまたまなんだとしても、あまりのタイミングの良さにはビックリさせられちゃっただけで」

「たまたま……ねぇ」

私だけの為ならここまで大事にならないでしょと笑うキョーコだが、さて、この企画を起こしたのは、社長なのか、はたまたこのポスターに映った男自身なのか。そこが奏江には断定できないものの、きっかけはキョーコなのだろうという印象はある。


「あとね、傘立ては防犯の為に鍵付きのものに取り替えるって話になっちゃったらしくて。なんだか本当に申し訳ないのよね……」

果たしてローリィはそこまで一刀両断の措置を取るものだろうか。犯人が自社社員ならば尚更、反省と謝罪を促しこそすれ、寝た子を起こすなといった対応は望まない気がする。
そうなると、やはり。

「傘立ての改修工事の費用、一体いくらかかるのかしら」

そこまで徹底的にやらかすという事は、男の方の企画か。と自己完結させた奏江は、はあと溜め息を吐き出した。

「それって別にアンタが心を痛めてあげる必要はないでしょ?持って帰ったどこぞの阿呆が一番悪いんだし、事務所が再犯防止策を取ってくれるならありがたい話でいいじゃない」

「それはそうなんだけど……」

それでもやはり自分の事がきっかけで不利益が生まれるのは申し訳ないと感じるのだと言うキョーコに、奏江はやれやれと肩をすくませる。

「そうやって周りを気にしすぎてると今にハゲるわよ」

「えええっ!?」

ガバりと頭頂部を押さえたキョーコの動きにより、キョーコが手首に引っかけていた二本の傘がかカランカランと床に転がった。

「もーっ、なにやって……」

拾おうと屈んだ奏江は、自分と色違いの傘とは別のビニール傘をハタとした面持ちで注視した。

「ねぇ、ちょっと」

「ん?なあに?」

それはコンビニなどで良く見るビニール傘と違い、骨の数が多く、拾い上げてみれば持ち手もやけにしっかりしていて、気のせいかビニールも厚いように見える。

「この傘って、アンタが買ったものじゃないわよね?」

確か、たまたま付けたテレビで見たような気がすると奏江は記憶を手繰る。

「え?うん、そうだけど、どうして分かったの?」

実は敦賀さんに借りていたのを返そうと思ってと答えたキョーコは、ここ最近雨が続いてたから助かっちゃったなどとあっけらかんと笑っている。奏江はやっぱりアンタなのか!と、もはや今回の騒動の裏で暗躍する男の存在を確信した。

「……そう。ところでアンタ、これ使ってて周りに見られなかった?」

「え?ああ、そうね。そう言えば、よく見られてたかも。ビニール傘なのにしっかりしてるから気になったのかな?」

「というか値段を知ってたんでしょうね」

「はい?値段?」

それだけ言うと、奏江は鞄からスマートフォンを取り出して、なにやらの検索を始める。

「一時期、ネットで話題になってたのよ。知らない?」

そう言いながらキョーコに画面を見せた奏江はさらに続ける。

「ユニバーサルワールドジャパンの新アトラクション披露式典に招かれた敦賀さんの傘が、高級ビニール傘だったって記事。お値段は推定一本7千円だって特定されているわ」

「ななせんえんん!!?」

なにそれ高いと叫んだキョーコに、奏江はアンタ、それ差してウロウロしてたのよと恐ろしいセリフをのたまう。

「高級ビニール傘ってなに……それ……」

「さあ」

「話題に上がってないと良いわね」

「そうね。……どうしようモー子さん」

うえええ唸りながら頭を抱え込んだキョーコに、奏江はなるようにしかならないわよと言う。
そうして、翌日にはものの見事に、敦賀蓮、京子と熱愛かというスクープ記事が世間を賑わせる事となったのである。







ビニール傘の元ネタは某関西テーマパークに出現したH氏がほんとに高級ビニール傘指してたって話なんですが、敦賀さんも貰うとしたら絶対この傘だなと←一体何の話。



スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.