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SS・突撃スターのお宅の晩御飯 後編
6/17ですよこんばんはー!!
せんせーい!お誕生日おめでとうございまあああああす!!!
まだまだまだまだついてきますよ!

ということで、後編でございます。
こういう続きものにすると、お待たせすればするほど、最後ががっかり残念だったらどうしよーっていう不安もありつつなので、
待っていてくださる優しいコメントや拍手をくださる皆様のおかげで本日も元気に投下にまいりましたです。
しかし、肩が死んでいる。梅雨っていやんですねぇ。

あ、夏コミ受かりました!ありがとうございます!!
二日目(土)東サ13a 光の箱庭です。
あと、大阪も申し込み済みですので、夏コミ新刊持って参加したいと思います。
東京遠征できるのがひょっとしたら今年が最後になるかもならないかもかもなので、ちょっと今までで一番本気だして本作りたいと思います。
あ、上がるわけでも休むわけでもなく、ちょっと遠征ができなくなる・・・かなぁ・・・というだけの問題なので、そしてこれも嘘になるかもなのでなんとも不確定な話。ただ、後悔のないように今できる限り振りちぎって本作りたいなと思います。って、今までもそうなんですけどもね。できることをできるだけ頑張るのが人生だー^o^

そして毎度ながら、パスワードレスは滞っております。ついったーでご報告している以上の進展はございません、申し訳ありません。








突撃スターのお宅の晩御飯 後編





「それではいよいよ、敦賀さんのお宅のキッチンに突撃です。テレビの前のみなさんっ、本邦初公開の貴重映像ですよ!楽しみですねー。では、お邪魔しまーす!」

元気の良いキョーコの声を皮切りに、カメラは蓮宅の台所をずずいと映し出す。

キッチンの全景から汚れのないコンロへとスライドし、水滴の一筋も残されていない状態で光るシンクに移ると、一人暮らしには必要ないのではと思われる大きな冷蔵庫をさらい、背の高い収納戸棚へと画角を引いてみせればこの家のキッチンがどれほどの広さがあり、ゆとりのあるものかが伝わる。
そこをゆっくりと歩きながら見渡すキョーコは、ひとつひとつにすごいですねと細かく声をあげる事でレポーターとしての仕事をこなしていた。

「わああ、本当に綺麗なお台所ですね、モデルハウスみたい」

真っ白に輝くキッチンには使用感がほとんどない。とはいえ、昨夜キョーコが使ったばかりなので、片付けが行き届いているだけではあるのだが、撮影スタッフにそれを知る術はなかった。

「では、早速冷蔵庫の中を失礼させて頂いてよろしいですか?」

「はい、どうぞ」

蓮の許可もあり、キョーコが取っ手に手をかける。
カメラに背を向けたキョーコはこの先をどうごまかせばいいものかと決死の表情で臨んでいるが、生憎とそれは蓮にしか見えない角度であった。

「あっ、京子ちゃんちょっとストップ!カメラ一回止めて!」

「えっ、あっ、はい、すみません!」

プロデューサーに一旦停止をかけられたキョーコが慌てて手を引っ込めると、プロデューサーは冷蔵庫を開けるキョーコの立ち位置とカメラワークを細かく指定し直し、先ほどのやり取りをもう一度お願いしますと初めてのリテイクを求めると、蓮が分かりましたと頷き返す。

「すみません、よろしくお願いします」

スタッフ全員に頭を下げたキョーコの姿を最後尾から微笑ましく見守るのは社だったが、残念ながら暗雲はすぐそこまで忍び寄っていたのである。



――――――――――――――



「蓮、なんか、怒ってる?」

社が蓮の異変に気付いたのは、調理に取りかかったキョーコの撮影が始まったその頃合いだ。

「え?……いやですね。どうしてそう思うんですか?」

料理は完成まで見ないで欲しいというプロデューサーからの要望に応え、リビングでの待機を選んだ結果、蓮と社は意図せず二人きりの時間を持つ事となったのだ。

「いや……まあ、なんとなく……なんだけどさ」

蓮は怒っている時ほど笑顔が輝く。キョーコに続いて社がそう学んだのはいつだったか。
そして、現状の蓮はまばゆいばかりの笑顔を貼り付けた状態で腕組みをして佇んでいたのだから社がこう思うのも仕方がない。

「まあ、確かに少しばかり憤慨していたので、表情に出さないようにしようと気をつけていたところですが」

「憤慨?もしかして俺が前もって撮影の事教えなかったからか?」

やっぱり怒ってたのか……と、あっさり出てきたセリフにヒヤリとした社が問いかけると、蓮は最初からなにかあるだろうなと思ってましたからと否定するでもなく続けた。

「こんな早い時間に帰宅していた事なんて今までにほとんどなかったですし、社さん、急な呼び出しがあるかもしれないから家にいてくれって言ったでしょう?その割りには誰からの連絡が入るのかという名前も明かさないし、変だなとは感じていました」

「うっ……まあ、ちょっと不自然だった事は認めるよ……すまん」

打ち合わせ通りに手配した企みがそれほどぬるかったとは思っていなかったが、蓮を騙すにはそもそもに演技力が足りなかったようだ。

「俺としては、今回の話運びがあまり好ましいものではなかったな……と」

「話運び?」

撮影中は始終和やかに盛り上がっていたのに?と首を傾げた社に、蓮はせめて最上さんには昨夜の時点で教えておいてあげて欲しかったですよとぼやく。

「最上さんが良かれと用意してくれていた料理や食材の数々を、カメラの前だからといって家政婦が作ったものだと答えるのは、正直胸が痛みました」

「うっ」

それでなくとも女の影はスキャンダルだ。
蓮自身が自炊したものだと言うには少々懲りすぎていた冷蔵庫の中身について、当然ながらキョーコに作ってもらった物だという素直な紹介は出来るはずはない。

「家に来た事のない母親の仕業だという訳にもいきませんでしたし」

「あー。下手な嘘を不必要に重ねたらどっかで綻ぶもんなぁ……」

結局、蓮が選ばざるを得なかったのは『家政婦さん』が作り置いてくれたんですという咄嗟の嘘だ。

「最上さんを傷つけてないといいんですが」

「……そうだな……すまん」

母親と答えようが、家政婦だと答えようと、キョーコにはどちらもしこりがあるキーワードだろうという事は社にも察せられる。

昨夜の依頼が自分の余計なお世話だった事を感じて表情を曇らせた社は、申し訳なさで胸を痛ませた。

「俺、キョーコちゃんに酷い事したんだな……」

好意が裏目に出てしまった。
つまりはそういう事ではあるのだが、今、キョーコは昨夜自分で作った料理を他人の作った物のような顔をして更なるアレンジを施している。
それに気付いてしまった以上、後味は悪い。

「そんな事を怒るような彼女ではない事は分かっていますから、俺一人が気にしすぎているだけだとは思うんです。すみません。社さんを責めようとか思った訳ではないので気にしすぎないで下さい」

これで話は終わりだとばかりに蓮はちゃんとフォローしますと宣言する。

「すまん……」

短い謝罪の中にある懇願を汲み取った蓮が大丈夫ですよと答えると、ちょうど撮影が終わったらしく、女性ADがすみませんと蓮を呼びに現れた。

「ありがとう、今行きます」

答えた蓮は、ポンポンと社の背中を軽く叩くと、キッチンに向かうべくリビングを後にしたのだった。




――――――――――――――


スタートの合図で回るカメラの前に立つのは当然ながら蓮とキョーコの二人である。

「さて、お料理はもうまもなく出来上がる訳ですが、この煮込んでいる時間にお部屋をいくつか紹介させて頂きたいと思います。敦賀さん、よろしいですか?」

「そうだね。片付いてる部屋ならOKかな」

さらに突撃が続くのかと苦笑気味の蓮が頷くとキョーコはありがとうございますと笑顔を浮かべながらあれ?すでに見せてもらったリビングとダイニングはとても綺麗でしたけどと小首を傾げた。

「片付いてないお部屋ってあるんですか?」

「それはもちろん。寝室とかは今朝起きた跡がそのままだし、さすがに見せるのはちょっと恥ずかしい」

「じゃあここは是非っ、その寝室を公開しましょう!」

「……京子さん」

恥ずかしいかなと言いかけた蓮を食い気味に圧倒してみせたキョーコに蓮が苦笑いを深める。
すると、そんな蓮の反応に気付いたキョーコは、ハッとしながらも、でもだってと恥じ入る格好を見せながらカメラマンへ助け舟を求めた。

「世の中の敦賀さんファンの方が見たい領域はそこじゃないかと……ですよね?」

カメラの先の視聴者に同意を求める体を取るキョーコに応えるように、場に居合わせたスタッフ達は、口々に是非お願いします!と声を上げる。
こうなると多数に無勢。蓮は益々困り顔を浮かべたたものの、仕方ないなと了承を示さざるを得ない。

「やりましたよ皆さん!」

グッと握り拳ってみせたキョーコの周りでスタッフがパチパチと拍手を送るとプロデューサーがカットォォ!と声を上げ、勢い良く蓮にありがとうございますと頭を下げ、京子ちゃん大金星だよ偉い!と歓声を上げた。

「じゃあ、もうこのまま回しますんで、部屋への移動お願いします!」

蓮のOKが翻らない内にとプロデューサーは頭を下げると、よし、もっかいカメラまわせとカメラマンに指示を出す。

「京子ちゃんもよろしく!よし、キュー!」

間髪いれずにゴーの手振りをしてしまうと、カメラは否応なく撮影を始め、キョーコはきゅっと表情を引き締めた。

「――ではみなさんお待ちかね、本邦初公開の超お宝突撃に参りたいと思います!」

「お宝と言えるほどのものは特にないんだけどな」

「敦賀さんの寝室という時点で恐ろしいほどお宝ですからご心配なく!」

「そう?」

「そうです!で、どちらですか?」

「ん、こっちだね」

蓮の先導の元、フローリングの廊下を進むと、奥の扉の前で蓮がここだよとキョーコに告げる。

「では、失礼します」

一応の挨拶をした後、キョーコが寝室の扉を開けると続いて蓮、そしてカメラが後を追いかけた。

「うわあああ、見て下さい!大きなベッドですよ!」

キョーコにとって実際にはこれで何度目になるだろうという訪問ではあるが、ここでも初めての来訪を装うキョーコの演技は冴え渡っている。

「俺自身が規格外なサイズなものだから、普通のベッドじゃ足がはみ出すんだよね」

「なるほど。という事はベッドは特注品だったりされるんですか?」

「どうだったかな…?引っ越してきた時期は忙しかったからインテリアは全部事務所の人に任せていたから」

「ええと……じゃあ寝室にこれといったこだわりは……」

「ないね。強いて言うなら足がはみ出さずに寝られる大きさって事くらい?」

「はぁ……」

枕には強すぎるこだわりをお持ちなのに?と、どこまでもざっくりした蓮の主張になんとも言えない表情を返したキョーコだったが、次の瞬間表情を凍らせた。

「京子ちゃん良かったら寝てみる?」

「はいぃ!!?むむ無理です!結構です!恐れ多いですからっ!!」

ここに来て発揮された蓮の悪戯心に見事な三段構えの拒否を見せたキョーコだったが、そのあまりのうろたえように蓮の嗜虐心は面白いほど煽られる。

「でも、サイズ感をリポートするなら実際に寝転がった方が良くない?」

「どっ、どこの世界に神々の寝所に上がり込める人間がいるんですっ!」

「神々って……俺も人間なんですが?」

「敦賀さんは違うんですっ!敦賀さんの神域に私のような愚民風情が間違っても足を踏み入れるような事があってはいけないんですっ!!」

「あの……京子さん?」

人間扱いされてない事に素で傷ついた蓮がキョーコを止めようと声をかけると、ヒートアップしたキョーコは拳を握り締めて敦賀さんは尊いお方なんですから自覚なさって下さい!とトドメの一撃を繰り出した。

まるで鈍器で頭を殴られたような言霊攻撃に、心がへし折れる寸前の蓮は思わずどこともなく視線をさまよわせた。
ああ、社さんが目頭を押さえて肩を震わせている。と、遠い目の蓮がそれを見つけると、折れそうな心はなんとか現実に立ち返り、辛うじてではあるが、トップ俳優として持てる力のすべてを呼び起したのだ。

ふっと風が舞うように、纏う空気が変わったと最初に気付いたのは、蓮を注視していた社だろう。

「……残念だな。この部屋に女性が入ったの、京子ちゃんが初めてなのに」

「ひゃいぃい!?」

マジマジと言われたセリフの内容にキョーコが飛び上がって驚くと、蓮は更に笑みを深めた。
そのあまりにも色気を纏った微笑みは、蓮という人間を見知った社の目からは確信犯だとしか思えず。神というより悪魔だなと思った社をよそに、直視を余儀なくされたキョーコは夜の帝王からの破壊力にうえええと言葉を失い、また、直撃の余波を食らったスタッフ達は総じて魂を抜かれた供物のように美しい男に見惚れて沈黙した。

「せっかくだし、俺の初めて、受け取ってくれる?」

「んなっ!なんて言い方するんですか、破廉恥なっっ!」

「えっ?どこか破廉恥だったかな?」

「つううっ!!また私をからかってますか!」

蓮の言葉遊びになんとか持ち直したキョーコは、真っ赤になって声を荒らげるのだが、キョーコを動揺させた事に気を良くした蓮からは、眩いばかりの似非紳士スマイルが止まらない。

「そんな事はないんだけど……プッ……くくく」

こらえきれずに笑いだした蓮の姿は、普段世の中に見せているイケメン俳優、敦賀蓮という人物像に年齢よりも少しばかり幼い悪戯っ子な一面という新たな分野を掘り下げて垣間見せる事となり、新鮮そのものだ。
一方、からかわれているキョーコはアクの強すぎる未緒とは全く違う表情を引き出されており、キャラクターとして面白い。と、スタッフ達は初めて見る意外な光景の乱舞にただただ目を丸くした。

「あー、もう。明日から知らないぞ……」

二人以外で唯一のつぶやきを発したのは、辛うじて耐性のある社だった訳だが、このコーナーの放映後、一部の蓮新派からは同志としての好感度を上げたものの、マスコミからは蓮との仲を勘ぐられる羽目になったキョーコと、新たな扉を開いて自由度を上げた蓮。
現状以上に二人の関係性に振り回される日々が派手に幕開けてしまった事に盛大な後悔を抱く事となるのもまた、彼の引き当ててしまった不幸な役回りなのである。








つき合ってないverなんですけど、つき合ってる場合で突撃訪問になった場合ってのもたのしそーだなと。
いや、その場合、キョーコさんがぬかりなく痕跡を消してるので、冷蔵庫をはじめとしてなにもないとは思うんですけどね。





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