スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SS・ふしだらな隠し事
気がつけば7月も半ばでございますこんばんは。進捗・・・聞いちゃいけねぇ・・・。

さてさて。間繋ぎのような更新でアレっちゃアレなんですが、五月の大阪で無配させていただいたペーパーの再録でございまっす。
配布枚数としては少なかったので、再録しても怒られない・・・よね。という。
そして、改めて読み返したら色々とんんn!?となったので、ちょっと修正したつもりですが、ひょっとしたら逆にひどい事に←
小説って難しいなぁ・・・。
考え始めるとずっと書けなくなっていきそうなので、やっぱり深くは考えないまま走って行こうと思いますので、ゆるくお付き合いいただければ幸いです。

パスワード到着報告、拍手コメントいつも本当にありがとうございます^^これからもがんばります!








ふしだらな隠し事








いわゆる恋人繋ぎのように指を絡めて出歩いてみたり、公衆の面前で太ももの上に座ってみたり、抱き付いてみたり、エトセトラ。

雪花・ヒールとして演じる時間の全てを、全力でカイン・ヒールたった一人にだけ傾ける日々を送るキョーコなのであったが、蓮への恋心を自覚して以降。少しばかりこれらのスキンシップをやり過ぎているのかもしれないという感覚的な不安は常に心の奥底ではチラついていた。

というのも、やはり目の前に好きな相手がいるのだから、できうる限り側にいたい、もっと触れてみたいというのが当然の欲求として存在している事を、雪花としての触れ合いを通じて自覚してしまったからだ。

かと言って、蓮に過剰な演技だと感じられてしまえば、中断からの駄目出しや、ともすれば中止。また、力量が足りないと呆れられてしまう可能性もあるかもしれない。

けれども、ヒール兄妹としてはスキンシップを取る事は当然の話なのだからと、なんだかんだとエスカレートしている行為に目を瞑ってしまうのは、片思い中の打算としてはかわいらしい部類の物と言えるだろう。

胸の内では信じられないほど近づける蓮との距離感にときめいていたり、幸せを感じていたりするのだから。

とにもかくにも、密かに恋をする乙女は忙しい。

今日も今日とて撮影開始までの時間をカインの左腕にぴったりと密着して過ごし、撮影は同じ空間でじっくりと見守った後、休憩時刻にはもれなく控え室に鞍替えして、甲斐甲斐しく持参した弁当を広げる。

ひそやかに恋しい相手を公然たる理由を持って一人占め出来る状況は、信じられないほどの僥倖だ。
そんな訳で、キョーコは雪花として最愛の兄との水入らずのひとときを、心の底から謳歌していた。





「ねぇ、美味しい?」

「ああ」

男女の仲で考えるに、あまりこういった会話を交わしていると、『重い』『煩わしい』と取られるかもしれないと不安になりかねない問答も、妹から兄へのものだとするならば、簡単に口にする事が出来る。

「って。こーら、野菜もちゃんと食べてったら」

サラダに温かいスープまで付いた手作り弁当。

もちろん支度に全く手間がかからないわけではないが、蓮の為ならば苦にも感じない。

「だから、食べてるだろう?」

答えながら、雪花が使うルージュのように真っ赤に熟れたミニトマトを口に運んだカインは、咀嚼しながら不思議なものを見る目を向ける。

「それじゃなくて」

「? 今日の弁当も美味いぞ? セツ」

好きな相手の大きな手が自分の用意した箸を握り、手ずから作った料理を食べている。

「それはありがと。でもね」

そんな光景にうれしくならないはずもなく、にやけないように最大限の注意を払った雪花のまま、キョーコは蓮の弁当箱の中身の一つを指差した。

「それ、パセリが残ってるじゃない」

「……これば人間が食べる物なのか? てっきり飾りだと思っていたんだが」

「確かに彩りを考えてもいるけれど、れっきとした食べ物よ。栄養価もすごく高いんだから」

もっさりした緑色の物体に胡乱な視線を投げるカインは、辟易として雪花に言う。

「だからと言って、マズいヤツだろう? これは」

「まあ、確かに個性的でそこまで美味しくはないんだけど、でも栄養があるんだから、ちゃんと食べなきゃ駄目よ」

これをか?と言いながら箸先でツンツンとつつくカインに、くらいつくように物申したのは、本来ならば天下の敦賀蓮に相手にもされなかったはずの最上キョーコという人間と、添え物であるパセリの立ち位置を僅かにダブらせてしまった事もあり、また、純粋に体に良いという点もあった。

「いやだ。いらない」

「兄さんっ」

雪花の言いようもまずかったのだろう。すっかり臍を曲げてしまったカインは、まるで子供のようにぷいと横を向き、パセリを食べる事を拒絶する。

「もうっ……」

今までならば諦めて引いていたシチュエーションではあるのだが、ここにきてキョーコの蓮に対する好感度の高さは事態を新たな局面へと導く。

「仕方ないわね」

そう、何かにいざなわれるようにキョーコは至極当然の顔で、蓮の弁当箱の中のパセリを自分の口の中へと運んだのだ。

「んっ」

「……え?」

なにやらの気配を感じて視線だけ戻したカインは、目の前に広がる光景に珍しく動揺した声を上げた。
それもそのはずで、ツンと突き出されているのは雪花の唇で、その先にはもっさりとしたパセリの葉。

「んんっ!」

これを自分に食べろと突き出されているのだと理解したのは、雪花がカインに向けてさらに前のめりになったからだ。

動揺から視線を逸らせば、テーブルに両手をついて前のめっている為に、常より強調されて見える柔らかな膨らみと谷間。なだらかな曲線を描いた腰つきに息を飲むといった苦境に追い込まれた。

身の内から湧き上がる焔のような欲情に、マズいと感じ、あわてて視線を上へと出戻せば、雪花は目蓋を閉じたキス待ち顔のような有り様で、強烈な誘惑の前に蓮は思わず咳込む。

「にいはん?」

不思議に思ったらしい雪花の瞳がカインへと向けられると、パセリの茎を咥えている為舌足らずな発音は覚束ない。

「……いや。べつに……」

男としても、年長者としても、役者としても。とにかく自分の方から白旗を上げる訳にはいかないと腹に力を入れ直した蓮は、グッとテーブルに手を置くと応えるように身体を傾けた。





「ごちそうさま」

「……おっ、お粗末様……」

一瞬だけ触れた互いの唇の感触は、さすがに二人にぎこちない雰囲気をもたらしたのだが、仕掛けたキョーコが予想以上の収穫となってしまった事にものの見事にうろたえ切っており、仕掛け返した蓮は、そんなキョーコの有り様を前に、さらなる一手を踏み出し損ねる。

結果として、もぐもぐとパセリを咀嚼することになった蓮が、苦いはずのパセリを「甘いな」と一言つぶやいて視線を明後日へと逸らすに留まると、その意味を把握し、顔面を真っ赤に染め上げたキョーコが居た事は、当然のお約束事なのであった。


これより先、兄妹が類似の攻防を行うかどうかは神様だけが知っている。

END







ヒール兄妹にはぜひ次はポッキーゲームにチャレンジしていただきましょう←嘘です。


スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。