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SS・メリーさんのお導き
ただいまです! 気がつけばほぼほぼ一カ月ぶりの更新になりました。一か月何してたかって、fategoでゲーム廃人とか色々やってました← 夏コミ原稿終わるまでゲーム封印してた反動かなと思われまする。
そんなこんなで、久しぶりの更新になるんですが、一応、設定の補足を・・・。

カテゴリーを「シリーズかもしれない」にしている通り、「エピソード0」と同じ時空列で話が進んでいるものだと受け止めて頂ければ・・・あと、「蓮の枕」でピーンと来ない方は コミックス未収録 のお話を混ぜた話になってきますので、電子で公開してると思うんでそっち見てからじゃないとハテ・・・?ってなるかと思いますので、よろしくお願いします。 っていうそんな感じでゆるく参ります。







メリーさんのお導き






前評判に反して、初回放送の視聴率が芳しくなかったBoxRであるが、キョーコに関して言えばBOXRの真髄はこれからなのだからと楽観的。
他キャストやスタッフにしてもあとは上がっていくだけにちがいないと信じて日々の撮影を取り組んでいる。
けれども、そんな現場の様子よりも視聴率(結果)を求めるテレビ局上層部の面々は、今すぐにでも他局の数字を追い抜け追い越せの様相だ。

かくして、大人の事情の一点突破により、BoxRの視聴率アップを目的とした緊急キャンペーンは始められたのである。





「うわぁ……今度は10枚両面かぁ……」

ドラマの撮影と雪花としての活動スケジュールの合間を縫うように組まれたあちこちの番組へのゲスト出演。
テレビ局側からの強い要請により気が付けば詰められるだけ詰め込まれたといった収録の予定で残念ながら、当分は学校に行ける時間はとれなそうにない。
とはいえ、主人公である丸山留美がそもそも忙しい人気芸能人である以上、ある意味で相手役のキョーコにこういったお鉢が回されるのは当然の流れではあり、不満はない。
ただ、DARKMOON終盤に行われた番宣活動以上のスピードでみるみる埋まっていくスケジュールにキョーコは忙殺寸前だった。


とにもかくにも、もろもろの事前準備の為と称されてキョーコに渡されているのはゲスト出演する各番組からのアンケートだ。

「さすがにこれだけの量を書くのは骨が折れるわ」

ボールペンを取り上げると、キョーコはふむと真剣な眼差しでアンケート用紙に向き合う。

「ええっと、どれどれ……」

学校でのテストと同じようにまず名前を書くとその隣には所属事務所名、さらに芸歴の記載欄が列ぶ。
几帳面なキョーコの文字がカリカリとそれらを綴ると、趣味、特技といった自己アピールに始まり最近の喜怒哀楽な出来事からマイブーム。さらには共演NGの芸能人はいないかといった際どい質問も多々繰り広げられた。

「こんなにガッツリ書いても全部使えるはずはないと思うけど……仕方ないか……もうひとがんばりっ」

素直に答えた項目もあれば、やんわりと背伸びをした回答もあった。
とにもかくにも書いても書いても終わらない山のような量の質問事項に真っ正面から向き合ったキョーコは、酷使によりジンジンと痛んできた右手をさする。
気合いを入れ直し、あと少しだと最後の一枚を裏返しその問いは現れた。

「尊敬する芸能人は……か」

それを問われるならば、深く考えるまでもなく上げる名前は決まっている。

「敦賀蓮……さん……と。よし、出来たっ、やっとおわったぁああっ」

数多の質問に答え続けたキョーコは両腕を真上に振り上げて大きなのびをする。

「んんん、つかれたぁ……」

右肩をトントンと叩きながら解放感と多大な疲労感を覚えていたキョーコは、ここでふとある存在を思い出した。

「そうそう、アレアレ」

こういう時は疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれる特効薬を拝むに限る。
そしてそれはキョーコの携帯電話の中にあった。

カパリと開いたディスプレイ。
ポチポチと近頃では毎日のお定まりとなった操作で一枚の画像を呼び出す。
操作に迷いのなくなった手つきは、キョーコがどれだけの回数それを求め、手慣れたのかを雄弁に語っている。

ぽちり。

「ふへへへ~っ」

思わずヤニ下がった笑みが盛大に浮かぶ。

ニコニコ、ニヤニヤ。
頬は赤らみ、口元は綻ぶ。

見つめるディスプレイに映るのは自分だけが持ち得るとっておき。
キョーコが誕生日プレゼントに贈った羊枕でうたた寝をしていた蓮を隠し撮った至玉の一枚だ。

「ふふふふ♪」

ニヤニヤニヨニヨ。
ニマニマニコニコ。
ニヤニヤニマニマ。
ニコニコニヨニヨ――。

「…………ってハッ!」

またやってしまったと気が付けば蓮の寝顔画像一つで半時間ほどが経過している。

「また浦島体験しちゃった……敦賀セラピーは本当に強力ね」

すっかり疲労感は消し飛んだものの、いけないいけないと慌てたキョーコは携帯電話からなんとか意識を切り離すと、卓上のアンケートを丁寧に取り揃え、鞄の中に片付けた。

かくして、癒やしの時間を持ちつつも、日々の忙しさに忙殺されているキョーコには、このアンケートから巻き起こる事件を予期するなど、到底できるはずもなかったのである。




――――――――――――――



「では今日のゲストはナツ役の京子ちゃんとカオリ役の薪野穂奈美ちゃんです」

「よろしくお願いします」
「お願いしまーす」

本日の収録は再現VTRの紹介を中心にしたバラエティーのゲスト枠なので、役柄はおろさずにカオリとナツに扮した二人がひな壇の前列でぺこりと頭を下げた。
打ち合わせ通り、後列のお笑い芸人たちが二人のプロフィールを紹介がてら自分たちのネタを織り交ぜて笑いを取りにいく姿を笑顔で見守る。
けれど、トークはナマモノ。話題はキョーコの予期していない方向に転がったのである。

「京子ちゃんといえばアレですよ!未緒さまの『なにか?』のあの全てを見下ろしきった凍てつく視線。あれが本当にすごかったですよね!あの『なにか?』の一言だけで喜怒哀楽の全てを網羅してましたもん。俺、アレで一気に未緒さまファンになりましたよ!」

熱く未緒について語る芸人は、少々Mっ気があるのかもしれない。

「あはは、そんな細かい所まで見て下さって有り難いです。未緒はそこまで雄弁なキャラクターではなかったのでイントネーションというか、言い回しの一つ一つに気をつけていました……。そういう意味では今のところ、ナツにも似てるところがあるのかもしれませんね」

再現VTR開始前のトークの時間も無駄にできないとBoxRの話題を盛り込んだやりとりへの軌道修正を試みるキョーコに、隣の穂奈美もうんうんと相槌を打つ。

「未緒さま本当に良かったんで、BoxRの方もどんな風になっていくのか、俺っ本当に楽しみにしてるんです!」

「ありがとうございます。私の役……ナツは初回放送ではまだ全然本格起動してませんからね。ここからは薪野さんの演じるカオリを右腕にドンドン悪さを働いていきますから、注目してご覧頂ければ嬉しいです」

穂奈美にも話を振りながら番宣担当としての役割をこなそうと笑顔で答えるキョーコをよそに、残念ながら空気を読んでいないお笑い芸人はなるほどーと歯をみせる笑顔を浮かべながら言った。

「悪さっていうと、やっぱり今回もDARKMOONばりに陰湿なイジメに発展しちゃったりするんですか?」

「うーん、そこはまた未緒の時とは違った感じになっていると思いますよ」

見て頂いてのお楽しみですと笑うキョーコにお笑い芸人がややオーバー気味に気になるー!と口々に声を上げた。
けれども、なにかにつけて未緒が連呼されるのは流石に戸惑わずにはいられない。
キョーコと穂奈美は互いに視線を合わせると、苦笑いを浮かべるしかなかった。

「ありがとうございます、出演者、スタッフ一同で撮影頑張ってますので是非是非よろしくお願いします」

見かねたADからもBoxRだけの話題にしてくださいというカンペが入り、番組進行には更なる軌道修正が加えられる。

「よし、じゃあそろそろ次のコーナーに行ってみましょうか」

結局VTRに入る事で終止符がうたれた展開に内心でホッとしたキョーコをよそに、モニターは映像の再生を始める。
キョーコはワイプ用のカメラを意識して表情を引き締めた。




――――――――――――――


「さーて、ここで先ほどのVTRにならってビックリドッキリスペシャルイベントです」

「へっ?」

VTRがあけた途端、聞いていなかった展開にキョーコが目を点にする。

「えっ?なになに?」

もちろん穂奈美も聞いていなかったらしく二人して慌てていると、ガラガラと黒子が運ぶ荷台に乗せられてやってきたのは二つの鞄だ。

「え?やだ、ソレ、ガチで私たちの私物じゃないですか!」

「うそっ……どうして!?」

目を丸くするキョーコより先に立ち直った穂奈美が自分のマネージャーに視線を向ければ、マネージャーは大成功とばかりにVサインを送ってくる。

「騙したわねーっ!」

「だから私にも預かります……だったのね……甘えるんじゃなかった……」

身内の裏切りに怒る穂奈美の隣で、マネージャーがいないなら自分が鞄を預かっていますよという穂奈美のマネージャーの好意に甘えてしまったキョーコは、自分のうかつさにまた一つ大人の階段を上りながらひとりごちた。

「ドッキリ企画、抜き打ち・ゲストの鞄の中身チェーック!」

「ほんとにやるんですかっ?」
「ちょっ、ヤダ、冗談キツっ!!」

MCの宣言に盛大に悲鳴を上げた少女二人に対し、こういったネタに前のめりな芸人たちはまるで獲物を前にしたハイエナのように鞄を開けた。

「ちょっと!女子の鞄なんだから少しは躊躇ってくださいっ!」

穂奈美が抗議するものの、芸人たちは鞄の中に面白い何かがあるはずだと貪欲に物色に励む。

「わああ、財布とメイクポーチはいいとして、ソーイングセットにこれ、通帳じゃん!普通持ち歩く?!……で、どっちの鞄?」

穂奈美の制止など物ともせずに笑いに貪欲な芸人たちを前に、無力さを悟ったキョーコが渋々右手を上げて名乗りでる。

「……私の鞄です」

「うっひょぉ、すっげー、ヤベェ、BoxRの台本だーっ」

「あーっ!中身映しちゃ駄目ですよ!」

割と終盤に近い台本が晒されてなるものかと慌てたキョーコと穂奈美の注意がそちらに傾いた瞬間だった。

「へー、京子ちゃんってまだガラケーなんだ」

と、どうやらスマフォユーザーらしい芸人がなにげなしに携帯電話をカパンと開ける。

「んんんんうええあああ!!!!!!」

「はい……?」

奇声を上げた芸人が、これヤッベェェカメラさああああん!とものすごい勢いでそれをズベシとモニターに晒す。

「……………あ…………」

カメラという媒体からメインモニターにダイレクトに映し出されたその瞬間。スタジオは間違いなくどよめいた。

「いっ………………」

キョーコが毎日毎日、事あるごとに拝みニヤケていた羊枕と敦賀蓮の寝顔という禁断のお宝画像。

「イヤアアアアアアアアア!!!!!!!!」

まさかのしまい忘れにより、この日この瞬間、御開帳遊ばしたのである。








鞄漁るネタは前にも書いた自覚はあるんですけど、お約束だし、いいよね!ってことで。
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| | 2015/11/08/Sun 22:45 [編集]
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