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SS・エピソードは眠らない
いえす、こんばんは!
一か月空いて、史上初の広告を出しましたそやえもんです、こんばんはorz

一か月強なにしてたんだって事なんですけど、ちょっと結婚式してました。
準備しながらでも夏コミ本は気合で落とさなかったのに直前はさすがにちょっと死相出ました。ぐぐう。
お返事等々、滞りちぎってるんですが、すいません。正直今忙しくてレスポンスまでいけないので・・・もうちょっと、もうちょっとぉぉ。

さて、どうでもいい事はさておき、とりあえず、シリーズかもしれないシリーズです←
通し番号は3になるんですが、どうしよう、タイトル通した方がいいのかな・・・うーんうーん。
あ、冬コミはいけないけど、冬インテは行きたい!ので、今から申し込みしてきます。シュタ☆
それと、ピクシブにアップした夏コミ無配のヨナペーパー再録へのコメント、誠にありがとうございました!!
いろんなコメントを頂けてうれしいvv






エピソードは眠らない

<hr>



ああ、これは夢だ。

そんな確信を抱きながら見る夢はそう多くはない。



「……なんとも懐かしい夢だったな……」

敦賀蓮としての人生を着実に築けていると自負していたからこそ、敦賀蓮としてのデビューが決まろうかという瞬間は、鮮明な記憶となって蓮の心には残っている。

「久しぶりにこんな夢を見たのは場所がここだから、なんだろうな」

ふううと息を吐き出した蓮は、二度、自分の手のひらを握り締めてみる事で現実の感触を確かめると、今まさに仮眠を取っていた控え室を見渡して小さく苦笑した。

「全く、懐かしいにもほどがある」

この日、蓮が通されていたのは過去、アール・マンディ社内で『初回打ち合わせ』という名の『品定め』が行われた一番小さなフィッティングルームだ。
現在の敦賀蓮のネームバリユを考えれば些か不釣り合いな部屋だと言えるが、今日に限って言えば、大人数の打ち合わせとバッティングした結果であり、こういう時に偶然とは重なるもので、打ち合わせ相手である担当デザイナーが乗った飛行機はトラブルで一本遅れている。
その為、近頃のスケジュールの過密さを気遣った社が、休憩を取っているようにと蓮を一人で残したのだが、こうした偶然の連鎖により蓮の記憶は呼び起こされた。

「御守り……か……確かにそうだけど、うん、参ったな」

今回、最大の驚きは、過去の一幕を夢に見たというのに、これまでのように強烈な罪悪感に支配されるだけではなかった事だ。
過去を痛みとしてだけでなく振り返る事が出来るだけの余剰が生まれてきたのかもしれない。そう思うと、蓮はリックに対する申し訳なさを覚えつつも己の成長を実感し、率直に安堵した。

「しかし、ほんとにあの頃は青かった……」

当時の自分の若さ特有の可愛げのなさに失笑しながら、もたれていた椅子から立ち上がって身体を伸ばすと首にすげていた枕がぽろりと転がる。
蓮の体格にしてはサイズのあっていない椅子にもたれて眠っていたせいか、少しだけ背中にこわばっている感がある。けれど枕を使っていたからだろう、それも問題のない範囲だった。

「ふう……」

持ち歩いていた事が功を奏したなと蓮は椅子の上に転がる枕をそっと取り上げた。

「お疲れ様」

ポンポンとここで撫でずにはいられないのは、枕に羊の顔があるからだ。
すやすやと安らかな眠り顔で安眠をいざなう仔羊には、どんな高価な枕もかなわないに違いない。
思わずこみ上げた頬笑み。それは自分が抱いて良いはずがないと戒め、諦めていた類いの思慕と安らぎの結晶だ。

「――最上さん」

それを与えてくれたキョーコの姿を思い描き、呟く。

「っと……どうぞ」

コンコンコンと蓮の起床を待ってていたかのようにノックされた扉に是を返すと、現れたのは外でスケジュール調整をしていたらしい社だった。

「なんだ、やっぱりもう起きてたのか。ちゃんと休めたか?」

「はい、かなり」

時間を設けてくれた事に対する礼を述べると、社は蓮の手にある枕の存在に一瞬の微苦笑を浮かべつつ、もうすぐ着くってさと伝える。

分かりましたと答えた蓮は、そっと枕を鞄に片付けるのだが、ただ放り込むでなく、不織布の内袋に丁寧にしまい込んでいる。
手袋こそしていないが、まるで宝石でも扱っているのかと言いたくなる甲斐甲斐しい手技からは幸せオーラが漂っていて、社は一応は気にしていない素振りを取りながら笑いを噛み殺していた。

「ほんと……本人がいない所だと露骨にあまあまだよなぁ」

「なにか言いましたか?」

「いんにゃ、なんでも」

そう言って社が誤魔化した所でフィッティングルームの扉が叩かれた。

「おっ、来たみたいだな」

出迎えの為に背中を向けた社にそれ以上問う訳にもいかず、鞄を閉じた蓮は芸能人、敦賀蓮としてのスイッチを入れた。




――――――――――――――




「うぅううう……ああああ」

控え室のメイク台の前でつっぷし、芸能人とは思えない悔恨の唸り声をあげているのは最上キョーコ、その人である。

「だ……大丈夫? 本当にごめんなさいね」

相部屋の薪野穂奈美が自分のマネージャーが絡んだ結果の出来事に、申し訳なさげな声をかけると、キョーコはようやく「いえ、薪野さんが悪い訳じゃありませんから」とヨレヨレの顔を上げた。

「放送ではちゃんとカットしてもらえる事になりましたし、そもそもは私が迂闊だったのが悪かった訳ですから」

「でも……」

確かに私物を公開する企画が秘密裏に決行されたのはいただけない。
けれども最終的に蓮の画像が観衆の目に触れてしまったのは、キョーコが自分の携帯電話に画像を表示したままにしていたから。つまりは浮かれていた結果なのだ。

「私の自業自得ですから」

力なく笑うキョーコに穂奈美がかける言葉を失うと、その心情を察したキョーコが空気を変えなければと立ち上がった。

「ああ、いけない。とりあえず、事務所には事情を報告してきますね」

これ以上穂奈美に気を遣わせる事も心苦しく、笑顔を貼り付けたキョーコは、そそくさと衣装から着替える為に脱衣ブースに向かった。




――――――――――――――




打ち合わせの席の中、携帯電話の着信を理由に中座した社は、開口一番、大変申し上げ難いのですがと続いたキョーコの話に、目を丸くしていた。

「……そんな事があったんだ」

『――はい、そうなんです。……本当にすみません、社さん。改めて敦賀さんにも謝罪に伺いたいと思いますが、話が話ですので、まずは社さんにご報告をと思いまして』

キョーコはテレビ局で起こった事態をまずローリィに報告を入れた後、許可を取った上で社に電話をしたのだと説明し、社はひとつひとつに冷静に相槌を打ちながら、蓮のマネージャーとしての見解と、二人にくっついて欲しいと思っている私情のはざまでどうすりゃいいんだと身悶えずにはいられない心地だ。

『あっ、もちろん、付き合ってるんですか?なんてあり得ない質問にはきっちりしっかり否定しておきましたからそこはご安心下さい!』

電話口で胸を張って宣言された社は、正直言って、いやいやいや、そんな写メを持ってる時点で、端からはどう見ても限りなく黒じゃないかと内心で突っ込んだ。

「ご安心をって、キョーコちゃん?キョーコちゃんは蓮のあられもない写真を持つくらいには蓮の事を思ってくれて」

るんじゃないの?と続くはずの社の言葉は、キョーコの「社さんっ!!」の一声で遮られた。

「はっ、はい?」

『私はっ、あまりにも敦賀さんの寝顔が美しかったので、ついうっかりこっそり芸術品を隠し撮りしちゃったのであって、決して他意はございません!そこのところはぜひとも信じて下さいっ!』

「えっ?……えええ?」

いっそ実は蓮の事を想っていたので秘密にして下さいと言われた方が納得できるほどには言い訳臭いセリフである。
であるが、相手がキョーコであるだけに、まさか本気で言ってるのかな?と思わせてしまう勢いがあった。

『本当に怒られるので、どうか内緒にしてください……と、居合わせた方方々には土下座乱舞をしておいたのですが……』

「そっ……それはまた……」

スタジオで巻き起こしたであろうぶっ飛んだキョーコ節だ。居合わせた人、きっとかなり驚いたんだろうなぁと社は思考を遠くへ飛ばす。

『とにもかくにも、いくら口止めの約束が出来ていたとしても、巡り巡って敦賀さんのお耳に入らないとは限りませんから、まずご報告と謝罪を……と』

迷惑がかかるかもしれない事だけが気がかりでしてと言うキョーコに社はふむと考え込んだ。

水面下だろうが蓮とキョーコの関係に噂が立てば、いつ現れるかも知れない馬の骨への牽制になるとひっそり喜びこそすれ、蓮が怒るはずもない。
マネージャーとしてはまさしく歓迎出来かねる反応だが、社個人としても、キョーコが相手なら構わないかと思ってしまっているあたり、社に自身も私情が優勢気味だ。

(でも、これが理由でキョーコちゃんに会い難くなったりしたら、喜ぶ……より萎むんだろうな、あれは)

敦賀蓮のマネージャーとしては女性スキャンダル対応に追われる事は遠慮したいものではあるが、社はこの事件については『なるようになれ』と積極的な鎮火活動は行わないという解答をはじき出し、そうして一つ、提案を差し出した。

「ねぇ、キョーコちゃん」

『はい?』

「蓮に謝りたいっていうなら早い方が良いと思うんだけど、今日とか、予定はどんな感じ?」

『ええと、この後一応事務所に顔を出しますが、特に他に予定はありません』

グッジョブよし来たと拳を握り締めた社は、にこやかな調子を崩さないままキョーコに言った。

「それじゃあこっちも打ち合わせが終わり次第事務所に寄るからさ、晩飯がてら、蓮に直接話をしようか」

『晩御飯ですか?でも……』

「言い難い?」

『はい。……そもそも隠し撮りだった訳ですから』

後ろ暗い話に尻込みするキョーコに、後に回す程どんどん本当の事は言えなくなるよ?と最もめいた調子で諭す。
するとキョーコももっともだと納得したらしく、分かりましたと頷いた。

「じゃあ、またあとでね」

『了解しました』

こうして長い夜が始まる――。









眠らないとか言いながら頭寝とるやん。・・・正解。






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